大魔神カノン
以下はWikipediaより引用
要約
『大魔神カノン』(だいまじんカノン)は、2010年4月2日から10月1日までテレビ東京系で放送された、角川書店制作の特撮テレビドラマである。全26話。
かつて大映が作った特撮時代劇映画『大魔神』を、現代テレビドラマとして復活させた作品であるが、内容は大きく異なる。
概要
東映を退社した高寺重徳プロデューサーが、角川書店へ移籍して手掛けた初の特撮ドラマシリーズ。脚本には大石真司や荒川稔久、監督には坂本太郎や鈴村展弘や大峯靖弘、音楽には佐橋俊彦、撮影監督にはいのくままさおの下で助手を務めていた野村次郎など、高寺や東映特撮に縁のあるクリエイターが製作スタッフに名を連ねている。撮影当時70歳のベテランである坂本がメイン監督を務め、第1話、第2話、最終話を担当するなど、演出陣の中心の役割を担った。キャストには柴田理恵、長門裕之、渡辺いっけいなど、坂本と縁のある者も多い。
当初は2009年10月からの放送開始を予定していたが、2010年4月開始へ延期している。2009年6月2日にクランクイン、撮影には7か月をかけ、同年12月20日にクランクアップ。敵キャラクターをCG映像で描くなど最新鋭の技術を駆使し、総製作費は劇場公開作品並みの10億円を投入した。通常の深夜帯ドラマは1話当たり700万円程度だが、本作品では4倍近い金額を投入し、全26話を制作している。
あらすじ
山形県から上京してきた女性・巫崎カノンは、ある出来事によって心に深い傷を負った後、逃げるように住まいを変え、東京都の片隅で孤独に暮らしていた。そのころ、古来より人に寄り添いながら生き続けている妖怪・オンバケたちから選ばれた数匹は、長老・ジュウゾウの密命によって東京を訪れる。
人から受けた悲しみに耐えながら生きるカノンと、人から受けた愛に報いるために生きるオンバケたちが出逢う時、伝説の“ブジンサマ”を巡る、祈りにも歌にも似た、21世紀の御伽話は始まるのだった。
登場人物
カノンとオンバケたち
オンバケとは、人間に寵愛された器物や動物が転生した物の怪の総称である。皆一様に人間たちの善意を信じており、人間たちに親切に接する。体の大きさは様々であり、タイヘイやイケチヨのように人間と同サイズの者もいれば、ブチンコのように小さい者、ブジンサマのような巨体を持つ者もいる。人間大のオンバケは人間に化けることも可能。なお、その時の外見は自分に愛情を注いでくれた持ち主、飼い主の姿を借りるため、外見的にはタイヘイやトモスケよりも年下に見えるイケチヨが、実際は二人よりも年上であるなど、見た目と実年齢は決して比例はしていない。
巫崎 カノン(みさき カノン)
タイヘイ
サワモリ
オタキ
タマッコ
フクマツ
カエンジ
ゴンベエ
イパダダ
オンバケたちが追っている悪霊。黒い影のような姿をしており、憑依された者は髪が真っ白の乱髪へ変わる。強い恨みを残して死んだ人間が悪霊へ転生した存在で、遥か昔にもイパタダが出現していたことが明かされている。
冴木 賢人(さえき けんと)
0℃(レイドシー)
後根 幸太郎
カノンの元彼で0℃のリーダー。ギターと作曲を担当する。自分さえ良ければ他人を利用し、用済みになれば簡単に切り捨てることを当然と考える身勝手な性格の利己主義者。カノンとは大学の講義で隣同士だった。偶然目にした作詞ノートに目を付け、これを奪い取るためにカノンに近づき、彼氏を演じて利用した挙句、その中にあった「いのりうた」を盗作して「TO THE TOP」を発表したことでカノンを切り捨て、彼女の人間不信を決定的にした最大の元凶である。
知らないうち(主に就寝中)にイパダダに憑依され、数々の事件を引き起こす。物語後半でオンバケたちによってイパタダを分離されたが、身勝手な性格を改めないどころか完全に開き直っていたため、サキに愛想を尽かされてしまう。その後、0℃の解散とサキが日本を去ったことをマネージャーから告げられ、残りのメンバーからも見捨てられ、皮肉にもかつて自分が切り捨てたカノンと同じ境遇に立たされることとなった。
その後は自らの不遇ぶりに対する逆恨みから自暴自棄となり、さらなる非道へと身を堕としていき、次第に周囲からも悪い噂が囁かれるようになる。遂にはかなめを利用してMDMAの運び屋をやらせようと目論んだが、カノンとオンバケたちによって阻止された上、自身もMDMAを常用していたことが発覚したことがきっかけで、(イパダダに憑依されていた間に起こした事件も含め)これまで引き起こした悪行の全てが公にされ、その報いとばかりに警察に逮捕される。自分が利用したカノンがきっかけで破滅を迎えるという因果応報な末路であった。
上原 サキ
カノンの後任として加入したボーカル。当初は「TO THE TOP」の秘密を知らなかったが、タイヘイの話を聞いて真実を知る。その日のライブで公表しようとしたが、世間からの期待を裏切ることへの恐れと幸太郎らメンバーからの報復を危惧したことから沈黙し、結果的に黙認しながら歌っていた。物語後半では、幸太郎の身勝手な一面を目の当たりにしたことから彼に愛想を尽かすと共にたまたま部室で幸太郎がカノンから奪った作詞ノートを読んだことで感銘を受け、彼女に一緒に歌って欲しいことを願い出る。カノンが0℃を許すことが出来なかったこともあってその願いは叶わなかったものの、「いつか必ず一緒に歌おう」という約束を切っ掛けにカノンと心を通わせるようになり、彼女を前進させる要因となった。カノンと再会を約束し合った後、メンバーたちに何も告げずに単身でニューヨークへと渡ったが、それが0℃解散の引き金となった。
イッキ
その他
守谷
巫崎 ばろく
余瀬 くらら
くららの母親
横暴かつヒステリックな性格で、自分の考えが全て正しいと信じ込み、何かあれば「悪いのは全部お前たちだ」と怒鳴りつけるなど他者の価値観を一切認めず、乱暴かつ喧嘩腰の態度でしか他人と話さない典型的なモンスターペアレント。くららに対しても彼女の意思を全く尊重せずに自分の理想や価値観を過剰に押し付け続け、カノンやタイヘイたちの意見にも最後まで耳を傾けることすら行わず、くららが自分に意見したことに「自分に逆らった」と激怒して、娘を海外へ連れ出し、その行いに関して報いを受けることもなく退場した。かつてピアニストの夫と別れた後、くららを世界的なピアニストにして元夫を見返してやろうと目論んだことによる復讐心から、現在の性格へ変貌してしまった。
キャスト
レギュラー・準レギュラー
- 巫崎カノン - 里久鳴祐果
- タイヘイ - 眞島秀和
- イケチヨ - 長澤奈央
- トモスケ - 山中崇
- サワモリ - 森豪士
- ハシタカ - 小川瀬里奈
- ショウタ - 鈴木福
- タメキチ - 前田健
- ユモンジ - 木野本直
- カエンジ - 和泉宗兵
- キリノハ - 松本さゆき
- オタキ - 柴田理恵
- ジュウゾウ - 長門裕之
- イパダダ - 滝直希
- 幸太郎 - 標永久
- サキ - 夏菜
- イッキ - 夛留見啓助
- シンヤ - 好美大
声の出演
- ブチンコ、ナレーション - 皆川純子
- タマッコ、カザハナ - ささきのぞみ
- フクマツ - 小林清志
- トウベエ - チョー
- ドウカン - 田中信夫
- ゴンベエ - 加藤精三
- ブジンサマ - 上條恒彦
ゲスト
- 巫崎ばろく - 渡辺いっけい
- カノンの祖母 - 花原照子
- 幼い頃のカノン - 森くれあ
- 店長 - 鈴木アキノブ(2-4、16)
- つばさ - 近藤未来(3-5、10、20、23)
- 阿部 - 喜屋武ちあき(3-5、10)
- 鳩岡 - 鎌田奈津美(3、4、23)
- 隣の男 - 坂本三成(3、5)
- 深津かなめ - 竹島由夏(5、6、18、19)
- 少年時代の賢人 - 鷲田詩音(7、13、17)
- 賢人の母 - 月船さらら(7、13、17)
- 上原サヤ - 紗綾(8、14)
- マネージャー - 竹森千人(8、14、18)
- 守谷信太郎 - 石井正則(10、11)
- 大学学部長 - 池田秀一(10、11)
- 若松 - 渡部豪太(12、13、22)
- 余瀬くらら - 美山加恋(16、17)
- くららの母 - 池田有希子(16、17)
- 篠宮あかり - 有森也実(20、21、26)
- 静子 - 大空眞弓(20、21)
- さゆり - 弓恵子(20、21)
- ホームの老女 - 川口節子、今野ひろみ
- ハッコク - 依田英助(23-26)
- 小畑良策 - 樋浦勉(24-26)
- 巫崎フーガ - オダギリジョー(26)
スーツアクター
- ブジンサマ、タイヘイ、ゴンベエ - 伊藤慎
- サワモリ - 松上順也
- トモスケ - 杉口秀樹
- ハシタカ - 大口与枝
放送リスト
サブタイトルはすべて「カノン」と読む。
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|
第1話 | 4月2日 | 歌遠 | 大石真司 澄川藍 |
坂本太郎 | 2.0% |
第2話 | 4月9日 | 彼音 | 1.5% | ||
第3話 | 4月16日 | 寡温 | 鈴村展弘 | 1.5% | |
第4話 | 4月23日 | 過飲 | 1.4% | ||
第5話 | 4月30日 | 苛恩 | 荒川稔久 | 清水厚 | 0.8% |
第6話 | 5月7日 | 加温 | 1.2% | ||
第7話 | 5月14日 | 歌隠 | 大西信介 | 坂本太郎 | 1.6% |
第8話 | 5月21日 | 渦音 | 0.7% | ||
第9話 | 6月4日 | 夏音 | 関口美由紀 | 大峯靖弘 | 1.8% |
第10話 | 6月11日 | 稼無 | 荒川稔久 | 鈴村展弘 | 1.2% |
第11話 | 6月18日 | 憾温 | 3.3% | ||
第12話 | 6月25日 | 化恩 | 大石真司 | 北村拓司 | 1.2% |
第13話 | 7月2日 | 囮怨 | 1.7% | ||
第14話 | 7月9日 | 霞音 | 荒川稔久 | 坂本太郎 | 1.3% |
第15話 | 7月16日 | 華音 | 1.6% | ||
第16話 | 7月23日 | 価音 | 大西信介 | 鈴村展弘 | 0.9% |
第17話 | 7月30日 | 枷音 | 1.8% | ||
第18話 | 8月6日 | 叶遠 | 荒川稔久 | 清水厚 | 1.5% |
第19話 | 8月13日 | 敢温 | 0.7% | ||
第20話 | 8月20日 | 枯音 | 大西信介 | 江良圭 | 1.9% |
第21話 | 8月27日 | 佳音 | 1.4% | ||
第22話 | 9月3日 | 貫温 | 関口美由紀 | 大峯靖弘 | 1.7% |
第23話 | 9月10日 | 環因 | 大石真司 | 鈴村展弘 | 1.4% |
第24話 | 9月17日 | 果縁 | 0.9% | ||
第25話 | 9月24日 | 彼遠 | 坂本太郎 | 0.9% | |
第26話 | 10月1日 | 歌恩 | 1.8% |
- テレビ東京で2010年5月28日に放送予定だった第9話は、世界卓球選手権モスクワ大会の放送時間が延長されたため、当日の放送を休止。各放送局ともに第9話以降を1週ずつ繰り下げて放送。
スタッフ
- 製作総指揮:井上伸一郎
- プロデューサー:高寺重徳
- テレビ東京プロデューサー:紅谷佳和
- アソシエイトプロデューサー:菊池剛
- 共同プロデューサー:、門馬直人、江良圭
- ラインプロデューサー:安藤光造
- シリーズ構成:大石真司
- 脚本:大石真司、澄川藍、荒川稔久、大西信介、関口美由紀
- 監督:坂本太郎、鈴村展弘、清水厚、大峯靖弘、北村拓司、江良圭
- 特技監督:三池敏夫
- アクション監督:小池達朗
- スタント&アクション:アルファスタント
- VFXスーパーバイザー:小坂一順
- VFX:オムニバス・ジャパン、OXYBOT、クロフネプロダクト
- 技術協力:パナソニック
- OP・ED監督:小藤浩一
- 音楽:佐橋俊彦
- 撮影:野村次郎
- 助監督:大峯靖弘ほか
- 造形:若狭新一
- バンド指導:山本淳也、新沼大典、臼田雅一、のり
- ギター演奏:目木とーる
- ブルースハープ演奏:福井宏樹
- ロケ協力:東京工芸大学
- 協力:SANKYO、Hoppy
- 制作プロダクション:ドッグシュガー
- 企画:渡邊隆史(角川書店)、石橋隆文(角川映画)、阿佐美弘恭(NTTドコモ)、堀内勉(オムニバス・ジャパン)、松永芳幸(タブリエ&コスパ)、本地代資(ティー ワイ エンタテインメント)、白石誠(テレビ東京)、片嶋一貴(ドッグシュガー)、竹中一博(バンダイ)、伍賀一統(バンダイナムコゲームス)
- 製作:大魔神カノン製作委員会(角川書店、角川映画、オムニバス・ジャパン、テレビ東京、ドッグシュガー、ティー ワイ エンタテインメント、タブリエ&コスパ、バンダイ、バンダイナムコゲームス、NTTドコモ)
- テレビ東京プロデューサー:紅谷佳和
- アソシエイトプロデューサー:菊池剛
- 共同プロデューサー:、門馬直人、江良圭
- ラインプロデューサー:安藤光造
- スタント&アクション:アルファスタント
- VFX:オムニバス・ジャパン、OXYBOT、クロフネプロダクト
- 技術協力:パナソニック
主題歌
主題歌
「Sing your heart out」
エンディングテーマ
「あした天気になぁれ」( - 第13話)
「歩いて帰ろう」(第14話 - )
映像ソフト化
Blu-ray BOXが2010年9月24日、2010年12月24日、2011年4月22日にそれぞれ1巻ずつ全3巻で発売された。また、単巻DVDも2010年9月24日から2011年8月26日にかけて全12巻で発売された(ただし、総集編の第22話はDVD未収録)。
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 備考 |
---|---|---|---|---|
関東広域圏 | テレビ東京 | 2010年4月2日 - 10月1日 | 金曜 25:23 - 25:53 | |
愛知県 | テレビ愛知 | 2010年4月5日 - 10月4日 | 月曜 25:28 - 25:58 | |
大阪府 | テレビ大阪 | 2010年4月6日 - 10月5日 | 火曜 25:30 - 26:00 | |
岡山県・香川県 | テレビせとうち | 2010年4月7日 - 10月6日 | 水曜 25:18 - 25:48 | |
福岡県 | TVQ九州放送 | 水曜 25:38 - 26:08 | ||
日本全域 | ニコニコ動画: 大魔神カノンチャンネル |
2010年8月3日 - 10月19日 | 火曜 更新(2話ずつ) | インターネット配信 第1・2話無料 最新2話1週間無料 |
東映チャンネル | 2010年10月5日 - 12月28日 | 火曜 19:00 - 20:00 2話連続放送 |
CS放送 リピート放送あり |
TXN系列局のテレビ北海道は未ネット。
角川コンテンツゲートによってiモード向け動画配信サイト「iムービーゲート」でも配信されている 。
コミカライズ
水清十朗の作画で2010年1月4日発売の『ヤングエース』(角川書店)Vol.7より、2010年9月4日発売の2010年10月号まで連載。単行本は全2巻。
- 大魔神カノン製作委員会(原作)・水清十朗(漫画)『大魔神カノン』角川書店〈角川コミックス・エース〉、全2巻
- 2010年4月28日発売、ISBN 978-4-04-715446-9
- 2010年9月22日発売、ISBN 978-4-04-715533-6
参考文献
- 「宇宙船vol.132特別付録 宇宙船 YEARBOOK 2011」『宇宙船』vol.132(2011.春号)、ホビージャパン、2011年4月1日、ISBN 978-4798602134。 (ページ数は別冊のもの)