天狗の台所
以下はWikipediaより引用
要約
『天狗の台所』(てんぐのだいどころ)は、田中相による日本の漫画作品。『月刊アフタヌーン』(講談社)にて、2021年11月号から連載中。
ニューヨーク育ちの14歳の天狗の末裔オンが、天狗の家系は14歳の1年間、世俗を離れて隠遁生活を送るというしきたりを守るため、日本で暮らす兄の飯綱基と送る同居生活の様子が描かれる。
2023年6月には、重版を記念してPVが公開されている。
2023年10月期にBS-TBS・BS-TBS4Kの「木曜ドラマ23」枠にてテレビドラマが放送された。
あらすじ
ニューヨーク在住の少年・オンは14歳の誕生日目前に両親から、自分が天狗の子孫であること、「14の歳は人目につかず生きよ」というしきたりがあると知らされる。一人来日したオンは一度も会ったことがない兄の飯綱基を訪ねる。基は東京都内の田舎の農家で14歳のときから隠遁生活をしていた。オンは文明から離れ、農作業や手作りの食事を基から教えられ日々を過ごすことになった。
登場人物
声の項はPVの声優。
オン
声 - 斉藤壮馬
本作の主人公。ニューヨークで暮らす少年。14歳。突然自分が天狗の末裔と知らされ、14歳の1年間、世俗を離れ隠遁生活を送るという天狗のしきたりを守るため、兄の基がいる日本にやってくる。明るく好奇心旺盛な少年。犬のむぎの言葉がわかるが、15歳過ぎるとわからなくなると聞いてショックを受ける。
飯綱 基(いづな もとい)
声 - 梅原裕一郎
オンの兄。29歳。日々の食と素朴な暮らしに関心を寄せる。天狗の末裔でも珍しい、羽が背中に生えている。機械音痴。天狗の飯綱家の当代。現在でもむぎの言葉がわかる。14歳で来日し隠遁生活を終える1か月前に突如高熱を出し、背中に羽が生えた。天狗会連盟が京都で保護しようとしたが、式子の後押しで断り、両親のいるニューヨークにも帰らず、式子の跡継ぎとなった。弟が産まれたとき一時渡米。赤ん坊を抱いたときに頭に浮かんだ「唵(おん、サンスクリット語で神に呼びかける聖なる言葉)」からオンと名付けた。
愛宕 有意(あたご ゆい)
作風
本作の読者であるよしながふみによると、本作は「出てくる食べ物がみんな美味しそう」で、犬のむぎが可愛いが、「どこかちょっと切ない感じ」に描かれている。1年という区切りだけでなく、作物を育てるため、ストーリーには生と死が登場する。しかし「別に悲しいことが起こってるわけじゃない、とっても幸せ」に描かれているが、「終わりの予感があるからなんとも切な」いと話している。本作は五十嵐大介の『リトル・フォレスト』などを連想させるようにリアルに描かれている。
五十嵐大によると、調理の場面が本作の見所のひとつである。美しく描きこまれた画面と、「派手ではないものの、どれも美味しそう」な料理が相まって、「自然のなかで生きる彼らの暮らしを間近で覗き見しているかのような心持ちになる」ような作品となっている。五十嵐は「そもそも天狗の末裔とはなんなのか」が明らかとなる部分が、もうひとつの見所かもしれないと話している。
制作背景
作者の田中によると「大人になる……オンの成長の話にしたい」と考え、制作されている。当初、魔女のような男性を描きたいと考えた田中は、「魔女の概念を日本の男の人に置き換えたたら……天狗かな?」と思い、天狗の話になった。天狗に関連する書籍や山伏についての書籍などを読み、Google マップで四十八天狗の在所の山をチェックし、行事は「今天狗がいたらこんな感じかしらと想像」しているため、ほとんど田中の創作である。「追儺式」は実在する。
田中は単行本が出る時期と作中の季節を合わせたいと考えているため、第1巻は期間をためて発売している。描く際に、いちごは秋に植えると冬に根が張り、春に実がなるなどの時間の感覚がわからなかったため、田中自身で小さな畑を借りて、作業をしている。
書誌情報
- 田中相『天狗の台所』 講談社〈アフタヌーンKC〉、既刊3巻(2023年9月22日現在)
- 2022年9月22日発売、ISBN 978-4-06-529151-1
- 2023年2月21日発売、ISBN 978-4-06-530561-4
- 2023年9月22日発売、ISBN 978-4-06-532974-0
テレビドラマ
2023年10月5日から12月7日まで、BS-TBS・BS-TBS4Kの「木曜ドラマ23」枠にて放送された。主演は駒木根葵汰。
あらすじ(テレビドラマ)
ニューヨーク育ちの少年・オンは、ある日自分が天狗の末裔であることを両親から知らされる。天狗のしきたりによって、14歳の1年間、日本にいる兄の飯綱基と隠遁生活を送ることになる。天狗の末裔といっても特別な力はなく、兄の関心は、ほとんど日々の食や素朴な生活に向けられるのだった。しかし、ある時オンは兄の天狗としての秘密を目の当たりにするのだった。
キャスト
主要人物
飯綱基(いづな もとい)
オンの兄。日々の食と素朴な暮らしに関心を寄せる。天狗の末裔でも珍しい、羽が生えている。
飯綱オン(いづな オン)〈14〉
ニューヨーク育ちの少年。突然自分が天狗の末裔と知らされ、14歳の1年間、世俗を離れ隠遁生活を送るという天狗のしきたりを守るため、兄の基がいる日本にやってくる。クールな現代っ子で、当初は不便な田舎暮らしに不満を漏らしていた。動物としゃべれる特殊な能力がある。
愛宕有意(あたご ゆい)
基の幼なじみ。
周辺人物
飯綱式子
基とオンの祖母。
エリス・ウィルソン
ニューヨークに住む基とオンの父。
一乃・飯綱・ウィルソン
ニューヨークに住む基とオンの母。
愛宕連太郎
有意の祖父。
比良山珠緒
比良山家の娘。天狗の末裔。
むぎ
天狗の力のおかげでオンや基と話すことができる犬。
製作
第1話などの撮影は真夏に大自然の中で行われた。その場面で登場する蛇やヤモリの動物は現地調達ではなく、プロダクションから来たものである。ヤモリを逃がすシーンでは誰からも何の指示もなかったため、基役の駒木根葵汰はプロダクションの動物を「本当に逃がしていいのかわからない」と考え、逃がした振りで手の中で持っていたという。
スタッフ
- 原作 - 田中相『天狗の台所』(講談社『月刊アフタヌーン』連載)
- 脚本 - 岨手由貴子、山田能龍、天野千尋、熊本浩武、ナラミハル
- 監督 - 長島翔、下田彦太、林田浩川、川井隼人
- 音楽 - VaVa(SUMMIT,Inc.)
- 主題歌 - 折坂悠太「人人」(ORISAKAYUTA)
- 選曲 - 遠藤浩二
- 特殊造型 - 百武朋
- プロデューサー - 鈴木早苗(BS-TBS)、守澤崇(BS-TBS)、五箇公貴(maroyaka)、向井達矢(ラインバック)
- 制作 - ラインバック
- 製作 - BS-TBS、maroyaka
放送日程
BS-TBS 木曜ドラマ23 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
怪談新耳袋 暗黒
(2023年7月27日 - 9月14日) |
天狗の台所
(2023年10月5日 - 12月7日) |
夫婦の秘密
(2024年1月4日 - )
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2020年代 |
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「*」…23:00 - 23:54 |
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参考文献
- カラスヤサトシ「ドラマ『天狗の台所』キャストインタビュー」『月刊アフタヌーン』2023年12月号、講談社、2023年10月25日、ASIN B0CKWHTXS8。