太陽の塔 (小説)
以下はWikipediaより引用
要約
『太陽の塔』(たいようのとう)は、森見登美彦の長編小説。2003年(平成15年)第15回日本ファンタジーノベル大賞受賞。受賞時のタイトルは『太陽の塔/ピレネーの城』である。2003年12月に新潮社より刊行された。現在は新潮文庫に収録されている。文庫版解説は森見がファンであり、彼女自身も森見のファンと公言する本上まなみである(ISBN 978-4-10-129051-5)。
概要
京都大学の男子学生が、ふられたかつての恋人を「観察と研究」という名目で追いかける筋立てである。主人公は決して「未練からのストーキング」と認めておらず、あくまで「なぜ、自分は彼女に一時期とはいえ、あれほど心を奪われたのか」「なぜ、彼女は自分を袖にしたのか」という疑問から「研究」するという、青春小説である。後に山本周五郎賞を受賞し直木三十五賞の候補にもなる森見のデビュー作である。
大森望は森見との対談で「京大生の実態をリアルに描くとマジックリアリズムになる」と評している。ファンタジーノベル大賞では鈴木光司を除く4人の選考委員が推薦しており、井上ひさしは選評で「美点満載の文句なしの快作」と絶賛している。
あらすじ
京都大学農学部の5回生で現在自主休学中の「私」は、かつての恋人「水尾さん」を研究すべく観察し、240枚にわたる大レポートを書き上げていた。水尾さんから一方的に「研究停止」の宣告を受けながらも自らの調査能力と研究能力、そして想像力をフル活用し研究を続けていた。
そんな中、水尾さんを追いかけるもう一人の男「遠藤」と出会う。遠藤はあらゆる手段を使って「私」の研究を妨害するが、「私」も負けじと報復する。ある日暴漢に襲われそうになった「私」は遠藤に助けられ、遠藤から水尾さんを追いかける理由を聞かされる。
やがて季節はクリスマスになり、四条河原町でええじゃないか騒動が起こる。
登場人物
私(森本)
本作の語り手。大学5回生で自主休学中。3回生の頃、私らが所属していた某体育会クラブに新入生として入会してきた水尾さんと交際するが袖にされる。本人いわく水尾さんとは円満な別れでありまったく未練はないらしい。だがそう言いながら「水尾さん研究」と称してやっていることはほぼストーカーといって過言ではない。
四回生の頃の一時期研究室から逃げ出してロンドンに居たことがあり、飾磨や高藪に「自分探しの旅に出た」とさんざんからかわれたという。
「森本」の名前は作者の名である「森見」をもじったものであるが、これからの作品でも同じような人物を語り手に据えることからいちいち名前を考える手間を省くために文庫版では「私」に統一された。
飾磨大輝(しかま だいき)
高藪智尚(たかやぶ ともなお)
井戸浩平(いど こうへい)
遠藤正(えんどう ただし)
湯島
用語
ゴキブリキューブ
「私」はこれを水尾さんからのクリスマスプレゼントに偽装して遠藤に送りつけたが、報復としてまったく同じ攻撃を受けた。
太陽の塔
彼女の夢の中と思われる奇妙な「草原」にはこの塔や、後述するソーラー招き猫などがある。
「ソーラー招き猫事件」
「砂漠の俺作戦」
四条河原町ええじゃないか騒動
実際のところ、彼らは適当に「ええじゃないか」と言い合い、時に通行人にも「ええじゃないか」と声をかけるぐらいのことしかしていないのだが、五分もするとどちらを向いても「ええじゃないか」という声で一杯となったという。実はすぐさま情報が広まったらしく、京都市外からも多くの物好きな人間がこの騒ぎに参加しようと集まっていたらしい。警察も早い段階で動き出していたそうである。