太陽の黙示録
以下はWikipediaより引用
要約
『太陽の黙示録』(たいようのもくしろく)は、かわぐちかいじによる日本の漫画作品。
概要
『ビッグコミック』(小学館)2002年16号から連載が開始され2008年2号の第124話にて第1部「群雄編」が終了した。翌3号からは第2部「建国編」の連載が開始され2010年21号の第63話が最終話となった。単行本では群雄編が全17巻(ワイド版全8巻)、建国編が全9巻発刊されている。2005年(平成17年)度の第51回小学館漫画賞一般向け部門を、2006年(平成18年)度の第10回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞した。2006年秋にWOWOWにてアニメ化された。
小松左京の小説『日本沈没』と『三国志』をモチーフとしている。
あらすじ
舞台は大震災で富士山噴火や首都・東京及び関西水没により国土の五分の一を失い、地割れによる日本海峡誕生で本州が東西に分断されてしまった近未来の日本。南(サウスエリア)をアメリカ、北(ノースエリア)を中国に管理され、福岡と札幌にそれぞれ首都を構えて互いに自らの正当性を主張する南北両政府、分断された国民、台湾へ流れた難民、全世界に散った『棄国者』などを描く。
物語の基本用語
日本分断
なお、分断以前の日本は『三国志』における後漢に相当する。
日本大震災
その後、京浜大地震から1年後の2003年8月10日に、日本臨時政府所在地である札幌の大通公園にて、追悼式典が開かれた。
日本海峡
民自党
ちなみに同じ作者の『沈黙の艦隊』など、複数の作品で「架空の政権与党」として登場する名である。モデルは自民党。
民自党石倉慎介派
民自党柳拓磨派(旧柳拓磨派)
なお、董藤政権発足により拓磨派が政権を追われて以降は、旧柳拓磨派と呼称されるようになる。
円
M資源
宗方はロックウェル・プランにてアメリカ留学中に森村博士の息子と知り合い、それをきっかけにM資源の存在を知り、これを担保に南日本(サウスエリア)の独立を図る。また、メタンハイドレートは2018年時点において表向きはエネルギー資源として実用化されていないことになっているが、群雄編第90話における宗方に対する孫市の推理では、アメリカ留学中にこれを実用化できる技術者を探り当て、接触したとされている。一方でオイルメジャーの意向や無尽蔵にある事から生じるパワーバランスの問題を考え、開発が進んでいない描写も見られた。
なお、劇中では2017年時点における宗方とゾラの会話によると、化石燃料や原子力に変わる代替エネルギーは開発が進まず、太陽光発電や風力発電は大量の電力を生むに至らない。また、南北日本の被災地にあった原発は炉心融解事故こそ防いだものの、損傷による放射能漏れ防止のため無期限稼動停止状態となっており、大量生産には依然として火力発電に頼っている。そのため、M資源実用化がもたらすメリットは非常に大きい。
海外一時避難民
群雄編第107話における舷一郎の言によると、南米諸国では同化政策の結果、地元貧困層との対立が起こり、欧米大陸諸国では日本人避難民が勤勉で有能な工場労働者として受け入れられたため、既存労働者層の東欧系・アラブ系移民との間に摩擦が発生。そして中国では震災以前よりの反日感情も起因しているのか、避難民への差別意識が爆発したことによって一部の避難民キャンプでは水や食料の供給が止められるという事態が発生している。
群雄編第119話での舷一郎と宗方の交渉の場において、宗方と惇史が語るところによると、一時避難民500万人全員を南日本(サウスエリア)で受け入れた場合、10年度に及ぶ経済支援が必要で、その総額は30兆円に及ぶとの事(これは南日本の国家予算に相当する)。
彼等は日本国籍を有しているが、これはあくまでも「政府分裂以前の日本国籍」であり、南北日本どちらにも帰属しない。
棄国者
ただし、棄国者全員が快適な生活を送っている訳ではなく、羽田遼太郎の様に自分の意思とは無関係に棄国者にされた者、そして彼の父、羽永貴(羽田永一郎)の様に、台湾政財界における自身や会社の社員達の立場を守るために、反日派グループの汚れ役を任されている者もいる。
渡航許可証
後に、より渡航制限の厳しい南北渡航禁止令へと発展解消した。
南北渡航禁止令
渡航禁止令下においては、一般の日本人は南北日本間で自由に渡航することが出来ず、最低でも身分証とパスポートを提示して所定の手続きを済ませる必要がある。交渉等に赴く政府関係者や、大規模な商取引目的の渡航については例外(ただしこちらも、ある程度の正規の手続きが必要な模様)。
舷一郎にとっては、祖国日本へ戻れない日本人を救うには避けては通れない壁である。そのために渡航禁止令を解くよう孫市・宗方と交渉するも失敗に終わったが、亮との出会いでようやく答えを掴む。
復興委員会
テレビ電話機能付き携帯電話
南日本国(サウスエリア)
『三国志』の魏に相当する国。日本海峡から西に位置する九州、四国と本州の中国地方と兵庫県、京都府、福井県、石川県の一部。首都は政府分裂当初は福岡市で、現在は山陽道西湖岸市海峡区。中国軍に出遅れた形のアメリカ軍が復興支援部隊として展開したためアメリカ復興保護下となる(ただし政府分裂以前は鹿島港に米太平洋艦隊が入港するなど、北日本にも部隊が展開していた)。「日米の両方でもない新しい国家」を目標に公務員の国籍条項廃止や道州制導入などがなされたが、当初の都市計画や経済政策はアメリカの模倣であったため貧富の差が進み、特に地方は山陽道海峡区へのノースエリア難民流入など治安が悪化していた。また、北(ノースエリア)政府が国連代表権を持ち、南(サウスエリア)政府も最終的には再統一を目標としていたため、主権国家としての対外的な承認もされていなかった。しかし、2015年に旧来の「日本」とは異なる「日本人とあらゆる人種、民族が共存する史上最も新しい独立国家」の設立という新方針を(宗方操が)打ち出し、独立の国際的な承認と国連加盟を目標とする。2017年時点での政治体制は行政長官制で、アメリカ主導の復興委員会→「特別官庁・復興省」を前身とした行政府の長官が疑似大統領制といわれるほど圧倒的な権限を持つ。また、SCIAという名の情報機関が設立され、自衛隊も国防軍に再編されるなど、かつての日本の体制とは名実とも大きく異なっている模様。山陽道海峡区は震災で水没した神戸の跡地に設立された都市で、福岡市・広島市に次ぐ規模の主要都市として独立国家路線の象徴となり、M資源の開発が行われようとしている。
地理(南)
福岡市
震災以前とは大きく異なる容貌に、ロックウェル・プランによるアメリカ留学から帰国した宗方は、新博多の事を「ロックウェル王国」と呼ぶ。なお「博多」という名称が強く押されている背景には、ロックウェルが古来より対外交易の拠点となっていた当地の歴史に関心を示し、「アジアの中心となる新国家」にふさわしいと捉えたため。
海峡区
新山陽道庁ビル
高層ビルである一方、公式には地下は2階までしか存在しないことになっている。しかし実際にはスーパーコンピューターを備えた地下3階が存在し、エレベーターの隠しスイッチを使わなければ移動出来ない様厳重に隠されていた。その理由はスーパーコンピューターのデータベースの中に、宗方に同調して日本国籍を放棄した日本人のデータが入っているからで、海峡紛争時に勝呂が地下3階を発見して突入を図った際、現場にはデータを転送しようとして避難が遅れた技術者数名が護衛の人間と共に取り残されていた。
山陽道庁多目的スタジアム
行政・制度(南)
日本復興支援機構
復興省
行政府
道州制
駐南日本(サウスエリア)米軍
劇中で確認出来る装備品はM16A2、UH-60。
南日本(サウスエリア)国防軍
かつて南日本領内に配備されていた旧陸上自衛隊と、旧海上自衛隊・旧航空自衛隊が前身であるため、総兵力と兵器の種類の点では北日本(ノースエリア)自衛隊を上回っている。
劇中で確認出来る装備品はM16A2、AH-64D。
SCIA(サウスエリア中央情報局, South Central Intelligence Agency)
北日本には水面下で相当数の工作員を送り込んでおり、董藤達七星会、及び舷一郎や孫市などの動きを監視している。また、宗方が恵理の護衛と監視のために送り込んだ工作員、児島も劇中で明言されていないが、SCIA所属と思われる。
建国編においては宗方と彼の意を受けた長官のピートによって、舷一郎の暗殺やデマの流布などを命ぜられた、約100人に及ぶ工作員が海外からの帰還者や南日本からの脱南者を装って潜入した。
用語(南)
アメリカドル
ロックウェル・プラン(Rockwell Plan)
建国編でロドリゲスは舷一郎にロックウェル・プランのアメリカ当局内における正式名称が「日本再占領計画」と打ち明け、その内容がアメリカにとって都合のいい人材を育てて南日本を傀儡国家にしようとしていたが、宗方という怪物の出現によってその目論見が失敗に終わったと明かした。
日本国籍放棄
北日本国(ノースエリア)
『三国志』の呉に相当する。国土は日本海峡から東に位置する北海道と、本州の東北地方、関東地方、富山県や岐阜県以東の中部地方。札幌市に脱出した日本政府が真っ先に中国に援助を(柳拓磨が)要請したため、千歳市に一個師団が新潟港にも北海艦隊が派兵されるなど中国人民解放軍が復興支援部隊として展開、中国復興保護下となる。首都は札幌。中国軍駐留や中国系企業の進出により、中国語が普及。一方で国民一人一人にICチップを埋め込み行動を監視するほどの完全な管理社会で、言論統制のもと政府の意に沿わない情報は排除されている。また美唄市の「入国管理所」など強制収容所も複数存在している。政治体制は前と同じく議院内閣制(しかし実権は中国主導の復興委員会が握っている。)で従来の県も存続している。旧政府を引き継いだ正当な日本政府として認知され、国連における「日本」の代表権を持つ(71年以前の台湾やカンボジア内戦の三派連合政府のような立場)。軍事は長く中国軍の手に握られていたが董藤の起こしたクーデターにより、第3代首相に就任した董藤の公約通りに欧米の最新兵器を購入・配備した北日本自衛隊が事実上掌握。中国支配下からの独立と南北再統一を願う世論に付け込んだ七星会の暗躍で急速に独裁政治・軍国主義化したが、日本海峡紛争での停戦合意の失敗や七星会の存在の暴露、その主要メンバー暗殺などによって情勢が一変しその後は人民解放軍の増員など中国は従属国化を進めようと画策。終盤で復興委員会が解散し、再統一の動きが進んでいく事になる。東京は国連により中立地帯とされ、新宿の旧都庁ビルが南北間協議用の会議場となっているが、津波により大半が水没しライフラインは復旧不能で半ゴーストタウン化している。
地理(北)
札幌市
劇中では震災による被害を一切受けなかったものの、過去に札幌に来た事のある羽田をして、震災前とは大きく異なる姿になったと評させた。その理由は臨時政府設置に伴い、東京都・永田町のそれを模した国会議事堂や首相官邸など、官庁街が大通公園周辺に設置されたことにもあるが、最大の理由は、中国の影響下に置かれたことで街中には中国語の看板が溢れ、さっぽろテレビ塔も上海タワー風に建て替えられるなど、都市自体が中国化したからである。
新札幌大飯店(New Sapporo Hotel)
董藤は朝食会において、好物のステーキを注文するのが常であり、後に舷一郎が朝食会に七星会への宣戦布告に乗り込んだ時には「人を理解するには同じ釜の飯を食うに限る」という理由で、かつて董藤が座っていた席に座り、董藤と同様のステーキを食べた。
大倉山
その後もこの地下室は、孫市と周の密談の場となっている。
美唄市
なお、政治犯収容所は警戒厳重である関係で一度収容されれば脱出する術は皆無であり、それが影響してか収容者が他の収容者に重要な情報を語ってもそれを外部に伝える手段が無いため咎められることは無い。それ故純也は羽田に対して、董藤にとって世間に知られれば命取りになり得る董藤の凶暴な本性や呪われた出生の秘密を教えることが出来た。また、純也は羽田が立花の計略によって収容所から護送される折に「ここは生かしておく理由がある人間を入れておく場所。外に出る以上命の保障は無い」とも語った。
仙台市
北関東
紀伊半島
行政・制度(北)
北日本(ノースエリア)復興委員会
農業公社
しかし、その実態は北日本産の農産物が中国に横流しされ、代わって実際に北日本に流通するのは安い中国産のもの。これによって発生した差益は董藤率いる七星会や連の懐に入った。
北日本(ノースエリア)警察局
なお公安部は、制服や装備が中国の武装警察と同様であり、中国の影響が色濃い組織となっている。北日本入国管理センターなどの収容所や刑務所も管理している模様。
中国人民解放軍北日本(ノースエリア)軍区
震災前の自衛隊の駐屯地や基地に駐屯している他、一部の施設は南北分断時に在日米軍が放棄したものをそのまま使用している。
董藤政権下において、中国の影響力が弱められた関係で一時期部隊規模が縮小されるも、董藤の死や勝呂一派の暴走に際して北日本情勢の安定化を名目に、周第3代復興委員長の指揮の下、大規模な部隊が中国本土から北海道へと再度増派され、北海道各地に部隊を展開させる。
七星会の失脚後は、北日本の軍事の中核を担う。その後、北日本軍編成に伴い、引き続き中核戦力となる。
劇中で確認出来る装備品はAK-74、Mi-24、Il-76。基地は千歳基地(軍区司令部)、白老駐屯地、日高分屯地、丘珠駐屯地。
北日本(ノースエリア)自衛隊
拓磨政権・馬渕政権下では軍事予算より復興予算を優先させる拓磨の意思、そして北日本に対する影響力を高めたい中国側の意向により予算が抑えられ、武器や装備については89式小銃など震災以前からの物を使用、良くても誘導弾の改良型があるくらいだった。しかし、董藤は防衛庁長官時代に現状を不満に思う自衛官を抱き込み、連との密約で戦力増強を認めさせる見返りに、隊が保有する装備品を最新鋭の技術資料として中国軍へと提供した。そして、董藤が第3代首相に就任するや公約通りに欧米製の最新兵器を導入して戦力を強化し、その姿を札幌での閲兵式にて披露した。またこの際、海上戦力や航空戦力も整備されたのか、後に董藤が海峡区へ閲兵式に乗り込む際には、董藤の乗る政府専用機を2機のSu-27が護衛戦闘機として警護していた。
北日本軍の編成に際し、事実上中国軍傘下に入る形で編入された。
劇中で確認出来る装備品は89式小銃、ミネベア9mm拳銃、AH-64D、CH-47J、C-130H、Su-27。
北日本(ノースエリア)軍
装備品や階級制度は中国軍と同様となっており、旧自衛体系部隊の将兵は階級制度を中国軍式に改められ、火器や車両、ヘルメットや野戦服も中国軍系部隊と同様の物を装備している。
組織
海峡同盟
彼らの黒幕は孫市権作マゴイチ・ホールディングスCEOで、北日本での彼らの表の顔はマゴイチ・ホールディングス警備部門所属の警備員。公文もマゴイチ・ホールディングス警備部長という表の肩書きを持つが公文が殺されると、現れなくなる。
元自衛官の公文が率いている関係か、装備品の中には北日本自衛隊と同じく89式小銃や対戦車榴弾が含まれている(劇中では北日本自衛隊に擬装する場面も)。またこの他、MP5やRPG-7などが登場。
既望の会
七星会失脚後は周や孫市により董藤政権に加担した罪で追われる身となり、恵理が信者を見捨てられないと警察局に出頭した後は、竹内により安全のため布教活動は沈静化される。その一方で出頭前の恵理より教団を託された星川は独自に布教と彼女の意思たる「舷一郎を信じる」を広め、多くの信者が舷一郎の元へと集まることになった。
「既望」とは教祖名でもある十六夜の月のこと。
七星会
リーダーの董藤が腹心の勝呂の裏切りにより死亡すると、後継の座をめぐり内紛を起こし更に反体制派に組織の実体を暴露されてしまう。その隙に捕らえられていた勝呂が脱走して咲村、白、境を暗殺し組織の排除を狙うが自身も毒殺されて失敗。その直後に組織を影で支援していた連将軍が失脚し、果てに周によって生き残った神林、原西、三田村が逮捕されたため、その勢力は大きく弱体化した(第11巻)。名前の由来は七星剣。
黒衣隊
劇中で確認出来る装備品はMP5と95式自動歩槍。
マゴイチ・ホールディングス
董藤の死や七星会の失脚を経て、孫市は亡き父や兄と親交を結んでいた周と手を結び、北日本と中国の経済を無数の流通ネットワークで結んで巨大経済圏を生み出そうと目論み、そのために邪魔な存在となった舷一郎達を排除しようとするも失敗。しかし舷一郎を犯罪者として指名手配し、なおかつ舷一郎に同調した者も弾圧して事実上北日本を手中に収める。
その後、2021年時点では貿易取引総額でアメリカを抜き世界第1位となった中国の巨大市場をも手中に収め、巨大な利益を得ている。
「ホールディングス」という名称からもわかるように、もともとは銀行を中心としたグループ企業全体を束ねる金融持株会社である。作中で「投資会社」と呼ばれているのは、現CEOが投資分野の出身であることと、その経営方針に由来している。震災時には東京に本社を構えていたが、地元である東北と、北海道には深いかかわりがあった(第9巻)。
水の対中輸出
一見すると合法的な商取引であるが、孫市は北海道や青森県等にある水源地に手当たり次第に手を出し、日本人の飲み水全てを売りかねない勢いで輸出を進めるという危険な側面を持っている。特に、飲料水の高騰化や農業用水が確保できずに米や農作物の栽培が不可能になるという事態が劇中にて舷一郎や栗本によって指摘されている。
それから3年後の2021年時点では、北日本(ノースエリア)産の天然水は大半が中国へと送られ、北日本の日本人がそれを口にする機会は月1回の給水車による配給のみである(第13巻)。
用語(北)
人民証明証
ICチップ自体は外科処置により取り除くことも可能で、劇中では恵理の左腕から、羽田がレーザーメスを使って除去した。
なお、アニメ版でも千歳空港での地道のシーンでこれの存在を匂わせる描写がある。
人民元
再生特区日本(グレイ・エリア)
『三国志』の蜀に相当する。国連管理下におかれた旧首都圏・東京都。富士山噴火の降灰被害によって作物の育たぬ関東地域と共に、南北連絡協議会によって南北日本政府双方から「南北不可侵領域(グレイ・エリア)」と定められている。そのため、南北どちらでもない「グレイ・シティ(灰色の街)」という通称を持つ。位置的には北日本(ノースエリア)領内ながら、南北日本といえどその力が及ばぬ故に、葛城亮いわく北日本とも南日本(サウスエリア)とも異なる「第3の国」。舷一郎は亮の案を受けてこのグレイ・シティに海外の日本人避難民500万人を呼ぼうと図り、亮達の交渉の結果避難民受け入れ各国の日本人代表者達から次第に賛同を得、入植の準備が進められている。その一方、不死鳥による火山灰の堆積した土地の再生は順調に進み、その他自給自足に必要なライフラインの整備も進んでいる。
地理(再生特区)
富士山
噴火後の富士山は、大噴火により火口付近が広範囲にわたって崩壊している。
富士ハイパーランド
行政・制度(再生特区)
セクター
セクター長会議
国連軍
用語(再生特区)
レアメタル
孫市が舷一郎達の行動に気付き、会見を望んできた際には舷一郎から時間稼ぎを頼まれた亮が、「第3の国」建国という真実を隠すため「これはレアメタルの確保とそれに必要な労働力の確保」と孫市に説明し、利益の4分の3を譲渡する条件の契約書にサインした。
不死鳥(フェニックス)
それから2年後の2020年、富士山からの降灰被害が小さかった宇都宮から始めた不死鳥による稲の栽培試験は、宇都宮から富士山近辺まで各地の試験場において上々の結果を出した。
なお、「不死鳥」の名は火山灰の中から蘇るという意味を込めて名付けられたもの。
Dデイ
バイオ剤、バクテリア浄水ロープ
北日本特殊部隊
登場人物
- 柳舷一郎
- 宗方操
- 張宗元
- 羽田遼太郎
テレビアニメ
WOWOWの開局15周年記念番組の一つとして前編『海峡』が2006年9月17日に、後編『国境』が9月18日に放送された。原作第1〜4巻の地震発生から台湾編までの内容となっている。その後、アニマックスでも前編『海峡』が2007年9月16日、9月22日と23日に、後編『国境』が同年9月23日、9月29日と30日に再放送されている。
スタッフ
- 原作 - かわぐちかいじ
- 監督 - 小島正幸
- 脚本 - 浦畑達彦
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 西城隆詞
- 美術監督 - 水谷利春
- 色彩設計 - 木村聡子
- 音楽 - 本多俊之
- 音響監督 - 清水洋史
- プロデューサー - 高野れい子、北浦宏之、細川修、奥山豊彦
- アニメーション制作 - マッドハウス
- アニメーション制作協力 - タマ・プロダクション
- 製作 - 「太陽の黙示録」製作委員会(東北新社、WOWOW、博報堂DYメディアパートナーズ、小学館)
主題歌
エンディングテーマ「The Power」
DVD
販売元 東宝株式会社、発売元 株式会社東北新社。
その他
- この作品に対して、震災直後の避難先として皇居が登場することから皇室は存在すると思われるが、日本国統合の象徴である天皇が一度も出ていないことをコメントした批評家がいる(日下公人など)。