女皇の聖戦
以下はWikipediaより引用
要約
『女皇の聖戦』(じょこうのせいせん)は、吉田親司によって2011年に書かれた架空戦記。『女皇の帝国』シリーズの第二部。英独戦争を軸としたヨーロッパ方面の戦争を描いた作品。『女皇の帝国』完結後に朝日新聞出版より打診を受け、移籍した上で執筆された。
あらすじ
日ソ戦争終結から1年を迎え、大日本帝国は徐々に復興の兆しを見せ始めていた。しかし、「ソ連の敗北」という事態は、ヨーロッパにおける列強のパワー・バランスを大きく崩してしまい、ヨーロッパは戦争前夜の様相を呈していた。
そんな中、「東洋のプリンセス」桃園宮那子内親王が、「婿探し」と称する訪欧を発表した。日本奪還の英雄として、那子の元には各国の王室から結婚話が大量に舞い込んでいたのである。しかし、それは表向きの理由であり、那子はヨーロッパに平和をもたらす使者としての役割が期待されていたのである。その目的を果たすため、那子はソ連のトロツキー、ドイツのヒトラーと相次ぎ会談した。トロツキーからは良い返事をもらえたものの、ヒトラーからは、彼が婿候補として擁立したクルト王子との結婚を迫られるだけで、何らの言質も得られなかった。
しかし、会談の裏でヒトラーは戦争の準備を進め、外交カードとして那子の身を狙っていた。危険を察知した那子は護衛の東山薫子と共にドイツを脱出し、ドーバー海峡において皇室御召艦〈銀河〉と合流した。だが、既にドーバー海峡の空はドイツ空軍の大部隊によって埋め尽くされていた。ドイツによる英本土上陸作戦「ゼーレーベ作戦」が発動されたのである。
戦争を防ぐことが出来なかったことを嘆く那子だったが、彼女は自らに課せられた「平和の使者」としての使命を果たすべく、戦争を終わらせるため、再び艦隊の指揮を執ることになった。
登場人物
大日本帝国
桃園宮 那子内親王(とうえんのみや なこないしんのう)
年齢 - 17歳
階級 - 海軍名誉元帥
本作のヒロイン。皇室の内親王。日ソ戦争において国土奪還を果たした英雄であり、その名声は不動のものとなっている。その名声にあやかろうとするヨーロッパ各国の政府からは、王室との結婚話を数多く持ち掛けられている。国益を守るために政略結婚の道具となる覚悟はあるが、「愛する男性との結婚」という夢を捨て切れておらず、薫子に「身体の成長に心が追いついていない」と言われている。
ヨーロッパの戦争勃発を防ぐため「婿探し」と称した訪欧を決行。暴発寸前のドイツを封じ込めるため、独ソに併合されたポーランドの独立を画策する。次いで対英戦争に踏み切ろうとするヒトラーに翻意を促したものの決裂し、「ゼーレーベ作戦」の発動を許してしまう。戦争勃発後は早期終結を果たすべく再び陣頭に立ち指揮を執る。
東山 薫子(ひがしやま かおるこ)
黒磯 真澄(くろいそ ますみ)
波木 小桜(なみき こざくら)
駒条宮 澪子(くじょうのみや みこ)
東山 紀彦(ひがしやま のりひこ)
黛 治夫(まゆずみ はるお)
南雲 忠一(なぐも ちゅういち)
ドイツ第三帝国
アドルフ・ヒトラー
クルト・フリードリッヒ・ヴィルヘルム
オットー・マイスナー
カール・トップ
オットー・スコルツェニー
ヘルマン・B・ラムケ
オットー・チリアックス
ヨハネス・エルヴィン・オイゲン・ロンメル
ソビエト連邦
レフ・トロツキー
ナジェンダ・クリーボニス
ドミトリー・マゼーパ
ワシリー・サロマーテン
大英帝国
エリザベス・アレクサンドラ・メアリー
フィリッポス・マウントバッテン・グリュックスブルク
ヒュー・ダウディング
波木 一郎太(なみき いちろうた)
マーガレット
アメリカ合衆国
ウィリアム・F・ハルゼー
ハイマン・G・リッコーバー
イタリア王国
ジュニオ・ヴァレリオ・ボルゲーゼ
ヴィシー・フランス
クローン・デ・ラウター
登場兵器
大日本帝国
〈弩101潜〉
〈銀河〉
戦略指揮艦としての役割を重視し、電子機器を導入。砲塔・煙突を撤去し、代わりに対空墳進弾発射装置を設置し、〈海兎〉格納庫を拡張。さらに原子力機関を導入した。
鳳凰
雷花(ライジングフラワー)
狛犬
大蛇(タロス)
ドイツ第三帝国
〈フリードリッヒ・デア・グロッセ〉/〈グロス・ドイッチェラント〉
〈グラーフ・ツェッペリン〉/〈ペーター・シュトラッサ〉
Fl282-N"コリブリII"
Fl339"クークッ"
ギガントII
ホルテンHo229 / ホルテンHo230B
38式軽駆逐戦車"ヘッツァー"
ヘンシェルHe293A
V1号 / V2号
ファウスト
ソビエト連邦
赤い犬(クラスナヤ・ストレーヤ)
那子を出迎えるため使用された。
アメリカ合衆国
〈自由の女神(スタチュー・オブ・リバティー)〉
P80シューティング・スター
マーキュリー1 / マーキュリー2
プルート
大英帝国
〈プリンス・オブ・ウェールズ〉
艦橋以外の構造物を全て撤去し、墳進弾の垂直発射装置を埋め込む。
トルコ共和国
〈バルバロス〉
建造物
荒鷲(イーグルス)
グラディオルス村
ザールブリュッケン城
ウィンザー城
エディンバラ城
用語
日ソ戦争
戦後、トロツキー政権は「反逆者・スターリンの暴走」と公式発表し、戦後の国際情勢を睨んだ那子の判断により、これを受け入れた日本政府は賠償金請求権を放棄した。
日本ブーム
軍令部第三部第八課
婿探し
欧州合同使節艦隊
涙滴作戦(オペレーション・ティアドロップ)
ゼーレーベ(あしか)作戦
書籍
- 女皇の聖戦 内親王那子様の征途(2011年5月30日発行) ISBN 978-4-02-273966-7
- 女皇の聖戦 内親王那子様の機略(2011年6月30日発行) ISBN 978-4-02-273970-4
- 女皇の聖戦 内親王那子様の凱歌(2011年7月30日発行) ISBN 978-4-02-273971-1