漫画

妖狐伝義経千本桜




以下はWikipediaより引用

要約

『妖狐伝義経千本桜』(ようこでん よしつねせんぼんざくら)は、堤抄子による日本の漫画作品。月刊漫画雑誌『月刊Gファンタジー』(エニックス(現:スクウェア・エニックス))にて、1999年から2001年まで連載された。単行本は全4巻。

人形浄瑠璃・歌舞伎の演目である『義経千本桜』を原作に漫画化。ただし本作の主役は、原作での一主役であった佐藤忠信の偽者(狐忠信)ではなく、源義経の偽者が中心になっている。また五行による戦闘シーンの挿入や、玉藻前の登場など、大幅な漫画的アレンジが加えられている。

あらすじ

時は平安末期、平家追討を果たした源義経ではあったが、後白河天皇より院宣として「初音の鼓」を賜る。そして義経の兄、頼朝の勘気の元となった、平家三将の雁首を本物とすべく西国落ちを決意する。一方、物の怪の長の子であり霊力をもたぬ白狐は、両親を探すべく京の都へと降りる。そこで出合った崇徳院の怨霊に、両親の死と「初音の鼓」の存在を知り、霊力を取り戻すべく源義経を追う。

登場人物
主な登場人物

白狐(びゃっこ)

物の怪の長の子であるが霊力を持たない。その霊力を取り戻すべく「初音の鼓」を狙う。人間に化けた姿は源義経にそっくり(という設定)。烏帽子の付喪を頭に乗せている。原作での源九郎狐がモチーフ。
貂丸(てんまる)

テンの物の怪で、白狐の従者。作中は主に笑いの要素として描かれる。白狐を慕い、時に小馬鹿にし、足蹴にされ、身代わりにもなる。人間姿は稚児。原作には登場しないオリジナルキャラクター。
源義経(みなもと よしつね)

九郎判官。武勇に優れ、情理を兼ね備えるが、それが仇となり命を落とす。友である白狐に姓名を譲る。
静御前(しずかごぜん)

源義経の愛人。義経より形見として預かった「初音の鼓」が原因で白狐に狙われるが、ある望みを白狐に願う。
崇徳院(すとくいん)

本作では呼称は崇徳院で統一される。怨霊となり自らを魔王(魔界の王)と名乗る。魂を吸い上げるなど驚異的な力を持ち、白狐を引き入れ従わせようとし、戦乱を招くために義経の命を狙う。大天狗。

義経の郎党

常陸坊海尊(ひたちぼう かいそん)

法師陰陽師。白狐を義経にすり替え、義経を伝説の英雄として祀り上げようとする。料理上手。
佐藤忠信(さとう ただのぶ)

義経になった源九郎狐(白狐)の正体を知る一人。兄継信は既に壇ノ浦で死亡している。糸目。
武蔵坊弁慶(むさしぼう べんけい)

怪力無双の荒法師。手入れされずに伸びた髭と眉毛が特徴。
伊勢三郎義盛(いせ さぶろう よしもり)

鏡の宿を襲った山賊の一人。源九郎狐の正体を疑い、剣の稽古を申し出る。
鷲尾三郎義久(わしお さぶろう よしひさ)

そばかす顔の猟師の子。一ノ谷の戦いでの功績により義経の名の一部を預かり、元服する。
亀井六郎重清(かめい ろくろう しげきよ)

鼻に傷のある中年。摂津の山中で胸に矢傷を負い、意識薄れて向う桜の山で義経に出会う。味オンチ。
片岡八郎為春(かたおか はちろう ためはる)

白髪白髭を貯えた初老。
熊野喜三太(くまの きさんた)

半首(はっぷり)をした青年。

平家三将

渡海屋銀平(とかいや ぎんぺい)

大物浦で船宿を営む無精髭の男。義経一行を嵐の海に誘う。その正体は新中納言平知盛(たいら の とももり)であり、崇徳院の力を受け、亡霊と共に白装束で復讐を誓う。原作二段目。
釣瓶鮓の弥助(つるべずし の やすけ)

正体は三位の中将平維盛(たいら の これもり)。つるべ鮓屋(釣瓶鮓)の手代、平家の旧恩により弥助として匿われているが、権太によってその命を狙われる。原作三段目。
横川の覚範(よかわ の かくはん)

物の怪(崇徳院)の力を借り、宿敵義経とあいまみえることを望む偽の法師、その正体は能登守平教経(たいら の つねのり)。原作四段目。

その他の登場人物

後白河院(ごしらかわいん)

後白河天皇。崇徳院からは雅仁と呼ばれている。怨霊の恐怖で支配されている。
小天狗相模(こてんぐ さがみ)

天狗。崇徳院の命に従う物の怪。悉く白狐の行く手を阻む。他にもカラス天狗などが居る。
安徳天皇(あんとくてんのう)

この人物の入水による妄執が平知盛を動かす。本作中では原作の通りか、女子の姿で登場。原作では知盛の一人娘である。共に入水した典侍の局は原作では知盛の妻だが、本作では母親である。
権太(ごんた)

いがみの権太。ゆすりやケンカで散々悪さをした挙句に勘当されたつるべ鮓屋(釣瓶鮓)の長男。弥助の正体を嗅ぎつける。原作三段目に登場するが、本作では嫁子供は居ない様子。その為、代わりとして用意したのは…。
お里(さと)

権太の妹。大きな瞳が特徴。弥助とはまもなく夫婦になるという設定。
前髪の従者

作中では名前が出ないが、主馬小金吾武里(通称小金吾)。平維盛の妻子である、若葉の内侍と六代君の護衛をする。
川連法眼(かわつらほうげん)

横川の覚範(平教経)により、常陸坊海尊の頼みを裏切るかたちで義経一行を館に招き入れる。
西行(さいぎょう)

僧侶・歌人である老人。そして吉野宗徒らを薙ぎ倒す強さを兼ね備える。3巻収録の描き下ろし外伝「天の鞠」にも登場。詳しい心情が読み取れる。
玉藻前(たまも の まえ)

本作オリジナルのスペシャルステージとして登場。妖狐の姿として白狐の夢に度々現われる。
源頼朝(みなもと よりとも)

源義経の兄。上総介平広常(かずさのすけ たいら ひろつね)が参軍の際に寄贈したあるお守りが原因で強運に恵まれる。
北条政子(ほうじょう まさこ)

北条時政の長女で、源頼朝の正室。アホ毛が特徴。

単行本