孤島パズル
以下はWikipediaより引用
要約
『孤島パズル』(ことうパズル)は有栖川有栖が1989年に発表した推理小説。「学生アリスシリーズ」の長編2作目である。
解説
本作から有馬麻里亜(マリア)が「学生アリスシリーズ」のレギュラーメンバーに加わる。同シリーズではクローズド・サークル物の事件が定番であり、本作では嵐で陸と断絶した孤島が舞台となる。また、同シリーズはエラリー・クイーンの影響を受け、全長編作品にクイーンの「国名シリーズ」に倣(なら)って「読者への挑戦」が挿入されており、本作では第5章と第6章の間に挿入されている。
「このミステリーがすごい!」1989年16位、「東西ミステリーベスト100」2012年版の国内編95位。
あらすじ
英都大学推理小説研究会の新入部員・有馬麻里亜(マリア)の伯父・竜一の別荘「望楼荘」がある南の島・嘉敷島のどこかに、マリアの祖父・鉄之助が遺した時価5億円相当のダイヤモンドが眠っており、その隠し場所を示す手がかりは、宝の地図と鉄之助の遺言状に記された「進化するパズルを解いたものがダイヤモンドの相続人となる」という言葉だけだという。マリアから別荘に誘われた江神二郎と有栖川有栖(アリス)は、宝捜しを兼ねて1週間のバカンスを楽しみに島を訪れる。
南の島での夏休みをマリアの親類縁者たちとともに楽しく過ごす3人だったが、2日目、折り悪しく接近してきた台風のため全員が別荘で待機していた夜、竜一の義兄・牧原完吾と、完吾の娘・須磨子がライフルで撃たれて殺されてしまった。ライフルは室内に見つからず、ドアには掛け金が掛かり窓は施錠された状態の密室であった。しかも無線機が壊され、連絡船もあと3日間は来ない絶海の孤島という閉鎖状況の中、4日目、望楼荘がある満ち潮岬と湾を挟んで向かいの引き潮岬にある「魚楽荘」で、画家の平川がライフルで撃たれて殺されているのが発見される。アリスたち一行は、この連続殺人の謎に挑む。
登場人物
- 有馬麻里亜(マリア) - 英都大学法学部2回生
- 有馬鉄之助 - マリアの祖父
- 有馬竜一 - マリアの伯父
- 有馬英人 - 竜一の長男
- 有馬礼子 - 竜一の養女
- 有馬和人 - 竜一の二男
- 牧原完吾 - 竜一の義兄
- 牧原須磨子 - 完吾の娘
- 牧原純二 - 須磨子の夫
- 犬飼敏之 - 竜一の異母弟
- 犬飼里美 - 敏之の妻
- 園部祐作 - 医師
- 平川至- 画家
- 江神二郎 - 英都大学文学部4回生
- 有栖川有栖(アリス) - 英都大学法学部2回生
書誌情報
- 1989年7月、東京創元社、ISBN 978-4-488-01232-8
- 1996年8月、創元推理文庫、ISBN 978-4-488-41402-3
漫画版
本作品を原作として鈴木有布子作画で『孤島パズル』(マッグガーデン)の題で漫画化された。コミックアヴァルスから単行本は全3巻。