学園天国パラドキシア
漫画
作者:美川べるの,
出版社:一迅社,
掲載誌:月刊ComicREX,
レーベル:REXコミックス,
発表期間:2005年,12月9日,2014年,12月27日,
巻数:全10巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『学園天国パラドキシア』(がくえんてんごくパラドキシア)は、美川べるのによる日本のギャグ漫画作品。『月刊ComicREX』(一迅社)にて、2006年1月号より2015年2月号まで連載された。コミックスは全10巻が刊行された。
概要
- 「霊が多く集まる」という私立学校を舞台にしたドタバタギャグ漫画。読み切り作品『学園天国一歩手前学園』を原型にしていることもあり、都市伝説や怪談を元ネタにしたギャグが多い。
- 作者曰く、ジャンルは「学園ラブギャグ」。作者の提唱する略称は「学パラ」。
- 2010年にはドラマCD化もされている(5巻の限定版にも付属)。
登場人物
声優はドラマCDのもの。
メインキャラクター
坂神練司(さかがみ れんじ)(声:杉田智和)
主人公。私立豊葦原学園の高校2年生。身長175cm。代々霊能者としての力を持つ坂神家の生まれであり、本人も退魔師としての実力を持っている。すねこすりなどの下級妖怪の召喚も可能。坂神家に代々伝わる霊力を持った組紐で霊を浄化する。霊能力は高いのだが、巻き込まれ気質で運勢が良くないのか、「韮沢にはじき出された霊にうっかり肉体を乗っ取られる」「疫病神+ラブ米神の呪いで凄惨なことになる」など、不幸な目にあいやすい。
父の命により、大槻凛を守るため「霊が多く集まる」という私立豊葦原学園に転校してきた。かなりマジメな性格で、本作品におけるツッコミ役(ただし、一部にはひそかに寒い突っ込みと思われている。さらにオバケ風邪を「カゼ治し砲」で攻撃(治療)された一成・七緒・艶川が練司に変化しており、バカみたいだと思われていた事が判明)。
基本的にあくまで真面目で、一部世間知らずな所があってたまにボケる。特に同人誌を製作した時は、手抜きを自分で見つけたテクニックと言い張るなど聖では突っ込みきれないほど大量のボケを披露した。美術は苦手で自覚はある様子だが、同人誌製作時だけは全く画力のなさを気にかける様子はない。某イベントにも顔を出すようになったようだが、一迅社の手違いとして「原稿1ページ目が写植を打たれてそれっぽいアオリを入れられREXの巻頭カラーに載った」事実を一成と七緒から聞かされた時は絶叫した。作中後半では喋り方を「ラノベの地の分みたい」や「クドイ」とダメ出しされる事が多く、本人も「芝居がかった口調」と気にしている。
父を尊敬しているが、急遽来ることになったときはかなり動揺して突っ込みに余裕がなくなった挙句、周囲に振り回されて父親に蹴り突込みをしてしまった。当の父親は割と大人げない。
恐ろしく鈍感であり、3名の女子の好意(七緒曰く「坂神ハーレム」)に気づく気配がない。女子力アップのコスメを持ち出してきたり目の前で散々アピールしているにも拘らずこの有様なため、実の父親にすら「調子に乗るな」と敵意をむき出しにされた。さらに、半裸のサキュバスと全裸のQ子に対しても動じず、直後に現れた一成と七緒にも(BL的に)無反応だったため、サキュバスに「草の擬人化」「鈍感系主人公とか言うレベルちゃうで」などと評された。また、恋愛絡みの話題で締めや突っ込みを振られた場合、見当違いなことを言い出しては女子に制裁を喰らったりしている。
パラレルワールドの彼は霊能力を持たない普通の少年であるが、坂神家の家訓で全裸で登校している変態である。
姓の元ネタは『学校であった怖い話』の主人公・坂上修一。
大槻凛(おおつき りん)(声:植田佳奈)
ヒロイン。身長158cm。3サイズはB92,W61,H87。大食いの巨乳。生まれつき霊感が強く霊が見えているが、極度の怖がりのため理由を強引にこじつけるなどして、頑ななまでに現実を見ようとしていない。合わせて、練司のことも霊能力者と認めていない。霊が苦手なだけなので超能力・オーバーテクノロジーに関しては肯定的である。
熱血漢な性格で、若干ツンデレ気味な少女。話が進むにつれ、妖精やテレビに憑依した霊などを見ても普通に対応しているが、たまに思い出したかのように(練司曰く、未練がましく初期設定)霊否定主義者になり、目的のためなら手段を選ばない腹黒な面も見せるようになる(それが原因でヒロインとしての立場が危うくなることに)。ツンデレキャラではあるが、他二人にヒロイン枠を取られている感があり、空気ヒロインなどと呼ばれるようにもなった。また、デレ要素は照れが限度を超えた結果、奇行に走ってしまうため、こちらでも「ヒロインらしくない」と言われる。連載後期では妖怪やボス敵扱いされている。なお、美術の腕前は練司と同程度。
死神アイテムで「本音しか喋らない分身」が生み出されたときは、「(練司のことを)素直にほめてくれるところが好き」と暴露された。甘えん坊気質なのか、(分身が)頭を撫でてほしいとせがんだりも。なお、ファザコンの描写がなされているが父親が最後まで出てこないので、詳細は不明。
「二つの心具現化小槌」で心の中の天使と悪魔が具現化したときは、本物が悪魔のセリフを取った上、天使も悪魔のような言動をしていた。
姓の元ネタは大槻教授。ただし、前述の通り、オカルトを全て否定しているわけではない。
聖(あきら)(声:石田彰)
動く人体模型の霊。身長179cm。外見は長髪の美少年で、人懐っこい性格。人体模型なのでパーツを切り離すことができ、任意に意識が宿っている場所を変えたり部分的に動かしたりできる。ややフェチ系嗜好がある。本作品においてはボケ役(むしろツッコミらしいツッコミ役は練司のみといえる)。練司が気づいていないときや不在時などは突っ込む。蓮海の事を呼び捨てにしている描写があり、外見と実際の年齢に大きな差がある。普段は人体模型である事がばれないよう、微弱な霊力で人間らしく外見を変化させている。クラスメイトなどはどこまで正体を知っているか不明だが、宇宙人テイストのクラスメイトや小豆洗いの教師などもいるため、基本的には知っている可能性が高い。
とあるお嬢様学校に忍という人体模型仲間がいるが、外見がゲーム『ペルソナ2』に出てくるリサ・シルバーマンの髪型&そのキャラクターが通っている七姉妹高校の男子制服に似ている。結構な数の動く人体模型が存在しているようで、彼ら向けの情報誌もある。
本作の原型である読みきり作品に出てくる「人体模型」と同一人物である可能性がある(シニカル系でやや明るさなどが足りないが)。なお、この時は各パーツは生物のそれと同等だった模様。
Q子(キューこ)(声:折笠富美子)
淫霊。身長164cm。3サイズはB99,W55,H88。男女問わずいやらしいものが大好き。直截的なエロを好み、下心を隠そうともしない。着ている制服は旧型のもの。現在は大槻凛(の胸)に夢中。ただし、いやらしいものにつられて敵勢についたりする場合もある。聖と並んで本作品におけるボケ役。ボケが混じっているが、前向きな言動で他者を勇気付けたり、母性的な優しさに溢れた語り口で年下の少女を諭すといった善性を持ち合わせている。生前の名前は「久子(ひさこ)」で、表向きは真面目な性格の級長だった。だが、内心で自分の気持ちを率直に口に出せる男子生徒「九戸(ここのへ)」に憧れていた。現在の髪型は彼を真似た物である。九戸は「近所で有名なスケベジジイ」として健在である。時折、聖と互いのフェチポイントについて熱い論議を繰り広げる。なお、成人男性一人を投げ飛ばすくらいの腕力はある。
よっちゃん(後述)及び、彼に似た性格の人物を酷く嫌っており、不快感を露にする。
作者曰く、集団女子(山田さんグループ等)のキャッキャウフフは遠目(手に乗って見えるていどの距離)にていつくしむもの、巨乳は即もみしだくものとQ子は思っているようである。
韮沢飛鳥(にらさわ あすか)(声:川澄綾子)
オカルト大好きな霊感ゼロのお嬢様。身長162cm。3サイズはB81,W58,H80。性格上、凛とは仲が悪い。ただし、飲み物をねだったりするなどそこまで悪いわけでもないようである(むしろ不動寧々とのほうが険悪)。ガーターベルトの黒ストッキングを身に着けている。最初はミーハー感覚で練司に付きまとっていたが、現在はかなり本気らしく不動寧々とかなり真剣にやり合ったりしている。
実際は霊感ゼロどころかマイナスレベルであり、本人同意の上で憑依した霊が練司にうっかり憑依するほどの勢いで弾き出されるほど。
身体能力は高く、残像を出して一成・七緒の背後に回りこみ2人の背中に熱い茶をかけた程。
姓の元ネタはオカルト本を扱うたま出版社長・韮澤潤一郎。
宴夜浬鎖(えんや りさ)(声:釘宮理恵)
花子さん(はなこさん)(声:悠木碧)
蓮海耕平(はすみ こうへい)
不洞寧々(ふどう ねね)(声:井上麻里奈)
豊葦原学園生徒会会長。3年生。身長160cm。3サイズはB79,W59,H82。親が学園に多額の寄付をしているため、理事長すら口出しできないほどの絶大な権力を有す。一応悪役。浄霊委員会を潰そうと画策するが、御付である一成・七緒の頓狂な行動などによりことごとく失敗し、辱められる。凛同様ツンデレ気味の性格で、凛よりもヒロインらしい性質の持ち主。デレ要素が表立つようになってきて、夢に練司が出るようにおまじないをしたりする。たとえ妖怪でも教師には普通に接している。「ねねーん」という効果音がよく出る。
乙女チックな思考であり、アリカとライラが(外見は)格好いい死神と知ったときは突撃してきた。 物語が進むにつれ、わだかまりが無くなった影響か、浄霊委員会を潰そうと画策する描写が無くなってきている。
日下部一成(くさかべ いっせい)(声:立花慎之介) & 塚路七緒(つかじ ななお)(声:羽多野渉)
寧々の付き人で、代々不洞家の者を霊障から守ってきた「不動守」と呼ばれる組織の者。一成は身長180cm、七緒は身長179cm。二人共練司曰く「トップクラス」の実力者。二人共剣術使いで主に木刀を武器としている。一成は召喚術、七緒は式神を使用する。一成は生徒会副会長、七緒は生徒会書記。しかし、実際は2人とも寧々を守る事より恥辱に打ち震える姿を見るのが好きな変態兼卑怯者そのもので、彼女を守るための行動が全て彼女を辱める結果に繋がる。また、「おっぱい相撲」に興味を持ったりするなど、スケベである。その時に使われていた「おっぱい型妖怪」は召喚できるようになった模様。わざわざトラブルが起こっている場所に不動寧々と一緒に割り込んでくることが多い。両者とも女装などどんな格好でも平気でするが「バカみたいだと思う姿」は練司だと思っている。寧々よりも出番が多く、現在は彼女の従者というよりも浄霊委員会の仲間という扱いをされている。
一般生徒の前では一成は「さわやか」、七緒は「クール」な性格を装っており、結構モテる。ただし、割と一般生徒の前で地を出していたりする。一成は拘束系、七緒は露出系が好き。
パラレルワールドでの彼らは、着脱式のモヒカンヘアーで見分けの付かない姿をしている。
サブキャラクター
たまに思い出したかのように登場するキャラクターを挙げる(2回以上登場したキャラクターのみ)。
みーにゃ
メリーさん
黒花子さん(くろはなこさん)
豊葦原学園に流れ着いた学校霊。身長112cm。花子さん同様幼女の姿をしているが、巨乳。さらに声がN登M美子であり、その声を聞いた者は思わず言うことを聞いてしまう。花子さんとの戦いに敗れるが、彼女の意向により男子便所に棲み付くようになる。ほかの仲間に比べると、出番が多い。
艶川
新たに赴任してきた保険医。外見はまさに女医なのだが、凛に趣味でラバースーツを着させたりするなど変態である。
オカルト否定主義者だが、かなりアクティブでありオカルト存在ではないという証拠を集めるために積極的に幽霊などを捕獲しようとしてくる。その際チェーンソーを振り回し、床をチェーンソーでくりぬき天井を素手で突き破ったりしてくるため、下手な幽霊より怖い。凛同様に超能力は否定していない(ただし、エスパーに対する関心は低い)。また、「風邪治し砲」などの謎の発明品を持ち出してきたりする。発明家としての能力は非常識なまでに高く、秋葉原のジャンクパーツと生活廃材で美少女型二足歩行ロボットを作成したりする事が出来る(その為練司に、「アンタにだけは常識非常識をどうこう言われたくない」とアキレス腱固めを決められた)。下ネタ好きだが笑いに厳しい。初登場時と再登場時で髪型が変わっている。
アリカ
ライラノート
御座敷
ラブ米神
鬼島
スノウーマン
雪の精
オーナー
坂神練寂(さかがみ れんじゃく)
腐女子(ふじょし)
赤マント
浜崎(はまざき)
用語解説
私立豊葦原学園(しりつとよあしはらがくえん)
主要人物以外の生徒もごく普通に学園生活を送っており、いわゆる「霊能力」は生徒によってピンキリだが、中には「霊が見えて」いても「この学校幽霊がでるらしいのよ!」と言い出す生徒もおり、結局のところ幽霊や妖怪は在籍する生徒や教師陣にはほとんど影響を与えていないように見受けられる。また体育祭でも堂々と参加しているため、下手をすると近隣住民にも同じことが言える。生徒の方にも特殊なキャラクターが色々いる。
以前学園自体に大がかりな改装工事を施した際、不洞家が多額の寄付金を出した上、現在の学園運営資金の約4割を出資している。このため不洞家の一人である現生徒会長には理事長も頭が上がらない。
第一話で出てきた学園の外観は背景資料集の駅を加工した物である。
なお、七つの七不思議(=49不思議)が存在しており、勝手に演奏するピアノの霊・コの字校舎の霊・魔の3段階段などが登場している。
部外者も入居可能な学校霊用の寮が存在する。
浄霊委員会(じょうれいいいんかい)
生徒会から活動の証拠として解決する度に依頼人からはんこをもらうように言われているが、ほぼ忘れられているためスタンプシートは埃が立方体になるほど積もっている。
不洞家(ふどうけ)
組紐
霊験あらたかな道具なのだが、外見的な特徴からロープ・水洗トイレの紐・綱引きの綱扱いされることがある。
韮沢家(にらさわけ)
母親が一見服を着ていない様に見えるが、ボディスーツを着ている。
花子一武闘会(はなこいちぶとうかい)
書籍情報
読切『学園天国一歩手前学園』
『ストレンジ・プラス』1巻に収録されている。