宇宙海賊キャプテンハーロック
以下はWikipediaより引用
要約
『宇宙海賊キャプテンハーロック』(うちゅうかいぞくキャプテンハーロック、Space Pirate Captain Herlock)は、松本零士原作の漫画、並びにそれを原作とする同一タイトルのテレビアニメ。
概要
腐敗した地球に見切りをつけ、大宇宙に己の旗を掲げ自身の信念の下に生きるアウトローの宇宙海賊・ハーロックを中心とするスペースオペラである。時代設定は連載開始年の1000年後となる西暦2977年という未来となっており、地球侵略をたくらむ異星人マゾーンと宇宙海賊であるハーロックたちの戦いを描く。
主人公のハーロックは、本作の他にも数々の松本零士の作品に重要キャラクターとして登場する。1977年から1979年にかけて『プレイコミック』(秋田書店)にて連載され、未完のまま終了。秋田書店より単行本で全5巻、愛蔵版・文庫版で全3巻に収められている。
元々テレビアニメーション企画として松本が提案したがすぐには実現せず、『プレイコミック』での漫画連載が先行して始まった。企画は松本が主宰する「零時社」で行われ、アルカディア号などのデザインでスタジオぬえが参加していた。企画の背景には、松本も関わった『宇宙戦艦ヤマト』の爆発的ブーム、さらには『スター・ウォーズ・シリーズ』を中心としたSFブーム、また当時全盛期のロボットアニメに代わる分野の開拓があった。
本作の前に同誌で掲載された、同じくハーロックを主役とする西部劇漫画『ガンフロンティア』とは異なり露骨な性描写のない作品ではあったが、同誌が青年誌ということもあり、いわゆる成人コミックなみの性描写のある作品も掲載されていたことから本作と同時期に少年誌で連載していた『銀河鉄道999』(『週刊少年キング』連載)や『クイーン・エメラルダス』(『週刊少年マガジン』連載)に比べると、当時の中高生などには購入の難しい環境ではあった。
本編で語られなかったこと
この作品は新書版単行本にして5巻続き、マゾーンとの闘いに決着がつかないまま「第一部完」として未完の状態であり、詳しく語られなかった設定も多い。中でも重要なものとして、名前しか出ていない親友トチローの存在がある。
二人の出会いについては作品によって設定が分かれているので確定はできないが、先祖から何らかの因縁があったらしいことは共通している。いずれにせよ、トチローは技術者としては超一流で、アルカディア号の設計と建造に携わったほか、滅亡した文明の宇宙船とされるクイーン・エメラルダス号の修理にも携わっている。その後、「宇宙病」がもとでトチローは死に、アルカディア号の中央大コンピューターに宿る魂となり、ハーロックと共に宇宙を旅することになる。
他にもエメラルダスやメーテルとの関係など、本編を読んだだけでははっきりしない設定が多い。
年代設定による『銀河鉄道999』との整合性
本作ラストでは寂れた惑星ヘビーメルダーが登場している。連載を終了する1979年には『銀河鉄道999』(以下、『999』)の劇場版第1作が公開されており、ヘビーメルダーが賑わっていたころを回顧するシーンでは、ハーロックが酒場のマスターに星野鉄郎やメーテルがここを訪れたかを尋ねる場面が描かれ、前述の劇場版とリンクする描写になっている。しかし、『999』劇中で登場する戦士の銃の刻印はPATENTED 1.25.2979となっており、『999』の年代設定が本作の年代設定2977年より後となっているため齟齬が生じるほか、本作の方がトチローの死などの描写から『999』より時系列的に後と取れる描写となっているものの、そのテレビ版では年代設定が第1話において西暦2221年とされたために、『999』テレビ版と本作では700年以上の開きが生じている。
ただし、これらの松本作品の年代設定については作品制作時よりはるか未来という意味合いを込めたものと思われ、後述する嶋星光壱によるリメイク版の『キャプテンハーロック次元航海』では整合性の調整が行われている。
また、基本的には同一姓名・容姿のキャラクターが複数作品に登場していても完全な同一人物というわけではなく、手塚治虫・石ノ森章太郎作品にもみられるいわゆるスター・システム的なものとなっている。
物語
原作と比較してアニメではオリジナルストーリーが多く、結末も異なるため、共通の導入部のみ記載する。
2977年、退廃し堕落した人類の住む地球に、宇宙から丘1つ分程もある巨大な黒い球体が降って来た。表面にはマヤ文明の象形文字風の意匠が円形に刻まれていた。地球政府が無視したそれは「マゾーン」という宇宙からの侵略者が打ち込んだ、惑星の所有を誇示する「ペナント」であり、その危険を警告しようとした台羽博士、親友であるクスコ教授は、ペナント打ち込みに先立って侵入していたマゾーンたちに、自分たちのことを世間に知らせまいとして殺される。辛うじて生き延びた台羽博士の息子・正は、マゾーンに何ら手を打とうとしない地球政府に見切りをつけ、宇宙海賊として知られていたキャプテンハーロックの宇宙戦艦アルカディア号に乗り込む。台羽正という新たな仲間を加え、ハーロック及び40人の海賊とアルカディア号による、謎の侵略者マゾーンたちとの戦いが始まった。
主な登場人物
台羽正(だいば ただし)
登場兵器
艦船
アルカディア号
本作のアニメ終了後に公開された『999』劇場版では船体色を青から緑に変更し、船首を始めとしてデザインも大幅に変更されたアルカディア号が初登場した。
詳細は「アルカディア号」を参照
クイーン・エメラルダス号
多くの作品で飛行船に似たデザインで描かれることが多いが、本作ではデザインが異なる。また、アニメ版には登場しない。
詳細は「クイーン・エメラルダス号」を参照
デスシャドー号
詳細は「デスシャドウ号」を参照
ハーロックの宇宙船
第31話でエメラーダがトチローの棺を追いかける際に使われたのも同型船だが、これがハーロック達の船の後身なのかは不明である。
宇宙空母ゾネス
アニメ版の後期オープニング冒頭では、台羽らが乗るアルカディア号の艦載機からの攻撃により、ゾネスが惑星の地表に墜落する場面から始まる映像に変更されている。アニメでは第18話でパトラスが搭乗したのが初出演で、以後、第26話にカサンドラ。第29話にシラク、第38話でダフネスが乗艦とするなど多用される。艦載機は上下にあるドーム部分が開いて発進する。カラーリングは赤紫と黒。ドーム部分は薄青色。ゲーム『松本零士999』にも登場し、ラーメタル艦と交戦している。
コスモクルーザー
原作のエピソードに当たるアニメ版第8話では本艦は登場せず、遙かに小型の強行武装偵察機が艦隊(編隊)として使われており、組み込まれたマゾーンを分析するエピソードも割愛されている。
マゾーン巨大母艦
マゾーン主力戦闘母艦
古代戦艦ピラミッダ
第12話ではアレルギアスが、第32話ではダイネスが乗艦として使用したが、金星ではアレルギアスがアルカディア号唯一の死角を攻め立てたものの、そこを狙うのに執着し過ぎてアルカディア号の急旋回に付いていけず、巨体が災いして小回りが利かなかったことで逆に自身の死角を晒し、そこに向けた砲撃と衝角による突撃で敗退する。第32話ではまゆの護送に使われただけで、以降の消息は不明。
デザインは宮武一貴で、「アニメージュ」での本人の弁ではマゾーンメカの中ではかなり面白いもので個人的にはかなりノッたとのことだが、上記でのシーンから「画面で大きさがあまり出ておらず、あっさりやられて情けなかった」と述べている。
客船
台羽はボレットでその正体を客船であるとアルカディア号へ報告するが間に合わず、パルサーカノンの一撃を食らって大破する。
市民船
偽装病院船
形はマゾーン戦闘母艦のバリエーション(塔型艦橋の上部分が無い)。
マゾーン移民船
首都母艦ドクラス
遠くから見ると白く光る巨大な菱形に見える。真上あるいは真下から見ると円状になっており、その外周(赤道)部には多数の高層建築物と16個の八面体(四角錐を上下に張り合わせたもの)が均等に配されている。
アニメ40話の最後、「ハーロックに小手先の戦術は通用しない」と判断したラフレシアにより、その全貌を現した。舷側にエネルギー吸収装置を装備しているため、エネルギー兵器による攻撃は無効化される。舷側に単装巨大砲を格納してあり、その砲撃でアルカディア号の戦闘機能をほぼ麻痺させた。このため、ハーロックはドクラス内部への侵入を決意する。
ラフレシア御座艦
大型母艦
小型移民宇宙船
貨物船BB22
G79型鉱石運搬船
輸送船
潜水艦
ブレーブス号
魔地が乗っていた時には、山中の指揮でハーロックと戦ったものの、アルカディア号との性能差は歴然で、主砲の連射攻撃でも決定打を与えられず、アルカディア号の艦橋中央部に設置された速射砲の一撃で戦闘不能になってしまった。その後、魔地と袂を分かった山中と共にマゾーンと戦うために馬の首星雲に向かったが、マゾーンの罠に嵌まって磁場の墓場に迷い込んで遭難し、ハーロックの救援を待たずして白骨化した山中と共に果てて、それを見届けたアルカディア号によって宇宙に葬られた。
エベレスト
戦闘艦
エメラーダ艦
パトロール艦
伊一六八型潜水艦、戦艦武蔵
艦載機・宇宙艇など
ハーロック側
スペースウルフ
劇場アニメ『わが青春のアルカディア』でも登場しているが、こちらはカラーリングが実在の戦闘機を意識したものとなり、下部尾翼が廃されている。
コスモウイング(ボレットZ)
機体にボレット各号を1機収容し機首を開閉し、各ボレットを放出可能。ボレット支援のほかにも偵察、戦闘、爆撃、救命活動など汎用性に富んだ仕様となっている。
ボレット
ボレット1号
ボレット2号
ボレット3号
ボレット4号
コスモバット
偵察球(ていさつボール)
スペーストレーラー
シーバイク
マゾーン側
強行武装偵察機
マゾーン急爆戦闘機
原作でも双発ではないが似た形の機体が登場し、蛍の操るエアカーと接触して双方墜落している。
転移艇(ワープボート)
『999』アニメ第13話でも同型のメカが登場しているが、こちらは宇宙艇ではなく宇宙船扱い。発砲シーンもある。
ゾルの小型艇
劇場アニメ『さよなら銀河鉄道999』でも同型のメカが登場しているが、そちらは大型艦サイズ。
『999』アニメ第23話でも、同型のメカが登場している。
戦闘艇
マゾーン偵察艇
クレオ艇
マゾーン戦車
艦体修復の為に姿を消したアルカディア号を探す為、惑星全体をしらみつぶしに見渡す「ブルドーザー作戦」に大量に用いられたが、小惑星群に紛れた海賊島を突き止める事は出来なかった。
地球警備隊
警備隊戦闘艦
警備隊戦闘機
第13話で切田長官自らが編隊を率いてサルガッソ海域でアルカディア号を襲撃したが、魔女アマンが操る幽霊戦艦の介入で蹴散らされ、任務半ばで撤退を余儀なくされる。最終回となる第42話にも登場している。
警備隊戦闘爆撃機
大気圏内外兼用で、第33話の大田原長官の特攻にも使用されている。主な武装は光線機銃と爆弾。機体色は茶色。フォルムはF-16風。
警備隊装甲車
警備隊戦車
建造物
海賊島
ハーロック達の根拠地であり、いわゆる秘密基地。いずれもトチローの手で設計された。
第1海賊島
アニメでは内部に倉庫があり、ハーロックは地球に食糧難が来た時に備え、地球へ物資を運ぶ輸送船から略奪した食料を溜め込んでいた。また、実際の海岸を再現したようなプールと砂浜があり、台羽や有紀たちが楽しいひと時を過ごしていたが、マゾーンの罠により海賊島は内部から破壊される。アルカディア号は海賊島内に閉じ込められそうになるが、間一髪のところで脱出した(6話)。
原作終盤で台羽がデスシャドウ島(後述)を訪れた際、第1海賊島を訪れた旨をミーメとの会話で述べているが、原作の劇中で第1海賊島の内部に入った描写がなされているのはハーロックだけである。
第2海賊島 機械化自動変形小惑星デスシャドウ(デスシャドウ島)
内部にはアニメ版の第1海賊島同様に実際の海岸を再現したようなプールと砂浜があり、室内にもかかわらずあたかも青空が広がっているように見える。食糧の自給を考慮し、このプールでは魚のほか、アンタレスガニというカニが養殖されている(作中で巨大化しているのはデスシャドウ島で異常発育した個体)。また、島内には分析室があり、アルカディア号の分析コンピューター以上の処理能力を持つ大コンピューターが設置されている。このほか、ハーロックの弁によれば独立した居住区もあるとのことである。
デスシャドウ島内にはアルカディア号の予備パーツやオプションパーツが置かれており、必要に応じてパーツ交換が可能。また、島内でアルカディア号の修理なども行っている。
トチローの設計思想や嗜好などが反映されており、海岸は熱帯のような気候に調整されているほか、島の表面には歩いて内部に入ることのできる穴がある。
アニメ19話では、新星群の重力圏にとらわれたアルカディア号を収納、同艦の操縦系と連結することでデスシャドウ島の操作が可能となっており、アルカディア号はこれにより前方にある恒星の重力圏を離脱、衝突の危機を回避している。
同じ名前をもつ反物質重力星・デスシャドウが作中に登場しているが、原作では第2海賊島がこの惑星と同じ名前であることについての言及はない。アニメ22話では第2海賊島の名は、この反物質重力星にちなんでトチローにより命名されたことがハーロックの弁で語られている。
マゾーンの建造物
ペナント
地球政府の首相はこれを中心にゴルフ場、博物館、オペラ劇場、図書館、ヘルスセンターといった一大総合施設の建設を立案しており、そのスペースや立体図などの計算を台羽に依頼しようとしていた。
アニメ版では地球に潜入しているマゾーン部隊のエネルギー源となっており、最終回でペナントを破壊されたマゾーンはことごとくエネルギー供給を絶たれて全滅した。
第二ペナント
実験室(仮称)
ハーロックと静香が会話を交わした後でドームの外殻が破裂すると、静香も内部の植物も地球の大気に触れて溶けてなくなってしまった。
アニメには登場しないが、ドームの外殻部が復元される描写はアニメに登場する海底魔城(後述)が登場する第13話および劇場版で映像化されている。
バミューダ海域の海底ピラミッド
「地球がズレて見える」という怪現象が起こった際にズレの中心がバミューダトライアングルであることが判明し、その泥の中に隠れていたがアルカディア号が一号重爆雷を投下したことで姿を現した。表面にはペナント同様に古代マヤの象形文字が刻まれている。内部は大脳神経組織の一部に似た構造を持ち、迷路のように入り組んでいたためにハーロックと共に進入した台羽とヤッタランは迷子になってしまった。中心部は白色の輝く熱のない球体となっていて、カプセル状の装置にマゾーンの遺体が安置されていた。このピラミッドも信号を発振していて、ハーロックは「墓地灯台」と表現している。アニメ版ではピラミッドの周囲に群生する海藻にマゾーンが擬態しており、ピラミッド内のマゾーンの遺体を一人で回収しようとした台羽が海藻に擬態していたマゾーンによって手足を拘束され、サメの餌食になりかけている。
海底魔城
スフィンクス
スノーラの居城
トカーガ星の海底ピラミッド
トカーガ族の反乱鎮圧のためマゾーンがトカーガ星を消滅させたことにより、海底のピラミッド群も消滅している。
ピラミッド
その他の建造物
聖ジョバンナ学園
まゆがハーロックの身を案じて礼拝堂内のキリスト像に祈りをささげる場面なども描かれた。
ハーロックホーム
アニメ
「宇宙海賊キャプテンハーロック」(うちゅうかいぞくキャプテンハーロック)のタイトルで1978年に東映動画によりアニメ化され、1978年3月14日から1979年2月13日にかけて、毎週火曜日19時00分から19時30分にテレビ朝日系にて全42話が放送された。
未完のままの原作に対して、アニメオリジナルでストーリーが完結している。ナレーターは本編を柴田秀勝が、次回予告を神谷明が担当している。また、テレビアニメ放送中の1978年7月22日から東映まんがまつりの1本として劇場アニメ『宇宙海賊キャプテンハーロック アルカディア号の謎』が公開されている。これはテレビアニメ13話をベースに新作場面を追加した34分の再編集作品である。
監督はりんたろう(りん・たろう)で、プロデューサーの田宮武、メイン脚本の上原正三とともに『アローエンブレム グランプリの鷹』からのシフトである。りんは、1979年には本作のハーロックも登場する劇場アニメ『銀河鉄道999』を監督している。これは本作第1話の試写会で感動の涙を流した東映動画社長今田智憲の指名によるものである。
音楽については通常20人程度の編成で行われるシンフォニックオーケストラによるところを本作では65人編成で行っており、今までの作品にはない規模であった。 サウンドトラック『交響組曲宇宙海賊キャプテンハーロック』(CQ-7005)はオリコンLPチャートで最高9位を記録した。主題歌を歌唱した水木一郎は本作のアルバムで日本コロムビアの「コロムビア・ゴールデン・ディスク賞 ゴールデンLP賞」を受賞した。メインスポンサーはタカラとタカトクトイスで、両社により玩具を中心とした商品展開が行われた(後述)。
本作の放送終了後にハーロックを主人公として東映動画が製作したアニメ作品には、1982年の映画『わが青春のアルカディア』と、その続編となるテレビアニメ『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』がある。また、2003年には本作で監督を務めたりんたろうにより『SPACE PIRATE CAPTAIN HERLOCK』が製作されたほか、2013年には東映動画から社名を改めた東映アニメーションにより、『キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-』が製作された。
アニメ版の特色
りんたろうやメインライター上原正三らのアニメスタッフにより大幅な脚色が加えられ、地球側やマゾーン側に原作では登場しないキャラクターが多数登場することとなった。これによりトチローの娘「まゆ」が創作され、このまゆの存在がハーロックが地球を守る理由付けになっている。これは「ハーロックの哲学」に関わる問題であり、この「改変」をめぐって、原作者である松本零士とスタッフとの間で激論が行われたという逸話が残る。結果的には、アニメスタッフ側の熱意に松本が折れる形で承認を取り付けたという。ハーロックが地球を守る理由を示す「まゆ」と共に、ハーロックに歯向かう気骨ある軍人として登場する敵役の切田長官もアニメオリジナルキャラクターとして加えられ、原作よりさらに視聴者に理解しやすい作劇の作品となった。また、エメラルダスは版権の問題から登場させることができず、彼女に相当するキャラクターとしてエメラーダが創作され、ハーロックがトチローと共に過ごした日々を回想する30話と31話でまゆの母として登場することとなった。
「母星を失い、長い流浪の旅の果てに地球へ移住し、第二の母星とする」というマゾーンの目的も明確に描かれた。原作終盤でハーロックによって提示され、明確な答えが出ていなかった「移住の目的地がなぜ地球なのか」という問いに対しても、アニメ版では26話で移住先を決めるマゾーン達の会議においてラフレシアが地球を提示すると、それに賛同したテシウスの「ふるさとがある以上はふるさとを目指すべきであり、祖先が今日を見越して残した第二のふるさと地球に移り住むのは我々の使命」という主張に周囲が同調する形で決定したという描写となっている。
「ハーロックと台羽という2人の男を通じて40代の男と若い20代の男の価値観の違いを表現できたらと考え、2人の男のタイプの違いをもっと作中に出したかった」とするりんの意図により、ハーロックは「自分の死に場所を求めて生きる男」として描写されているのに対し、台羽は「なにがなんでも、これから生きていく若者」として描写されている。また企画の田宮武は後年、本作をやっていた当時を振り返って自分がマニアに目がいってしまっていたことを述懐している。
ビジュアル面での大きな変更点としては、アルカディア号の船体色が原作のカラーページや関連イラストなどでのミリタリー風の緑からアニメ版では青に変更されていることが挙げられる。これはマーチャンダイジングを前提としたスポンサーサイドや制作側の意向に沿った変更である。また原作が艦載機は戦闘機スペースウルフが主として描写され、あとは偵察隊が使用の大型戦闘機コスモバットや台羽救出の際に登場する探査艇風の機体くらいしか艦載機らしきものは登場していないのに対し、アニメではタカラから発売する玩具を増やすための措置として戦闘機「ボレット」、ボレット支援のための中型輸送艇「コスモウイング」も登場した。原作でもアニメの設定を反映してボレットやコスモウイングの名称はセリフ中に挙がりはするものの、結果的にはその機体が描かれていない。
未完の原作に対してアニメ版は多くのエピソードが追加され、アルカディア号クルーの過去を取り上げた話のほか、長い旅の中でのマゾーン同士の政策対立や集団脱走なども描かれた。ラストはまゆや台羽ら若者に地球復興を託し、ハーロックはミーメ以外の乗員を降ろしてトチローの心が宿るアルカディア号で地球を去るという形で終わっている。乗員を降ろし、大切な人物の心を持った船と共にハーロックが宇宙の彼方へ旅立つというラストは『プレイコミック』1975年11月13日号掲載の「宇宙戦艦デスシャドー」(短編集『帰らざる時の物語』収録)で松本自身の筆で既に描かれているが、この作品に登場する主役メカのデスシャドーは「死んだ親友の心を宿した船」ではなく、「恋人の生首をケーブルで機械的に接続した船」となっている。アニメ最終話のラストシーンには太宰治の小説「右大臣実朝」からの一文が引用されている。この引用についてりんは「解釈は観た人にお任せします。深い意味はないけど、僕自身の中ではあれが出ないと終わらないという思いがあったのです。」と述べている。
原作肯定派、アニメ肯定派という形にも分かれたようで、「松本零士のハーロックではない」という評価も一方では受けており、松本本人もインタビューで「私の描くハーロックと少し離れた感じはありますね」と述べているが、りんと上原の解釈によるハーロック像を生んだともいえ、松本零士のヒーロー像とは異なる、もう一人のハーロック像を築きあげている。
国内と国外での反響
平均視聴率6.9%と当時のゴールデンタイムのアニメとしてはかなり低かった。しかし、熱心なアニメファンによりテレビ局には絶賛の声が多く寄せられた。
日本国内での視聴率は振るわなかったものの、日本国外への販売も行われてヨーロッパでは人気を呼んだ。フランスでは1980年に公共放送「アンテンヌ2」(Antenne 2)の子供向け番組『レクレA2』内にて17時15分から18時までハーロックの名をアルバトールに変え、『Capitaine Albator』として放送された。同年にイタリアでも放送された。
アメリカでは1984年に『Captain Harlock and the Queen of 1.000 Years』と題されて、同じ松本原作のテレビアニメ『新竹取物語 1000年女王』とを同一作品として再編集された65話が放送されたが、視聴率では苦戦したという。
キャスト
※各キャラクターの詳細およびその他のキャストについては、宇宙海賊キャプテンハーロックの登場人物を参照。
- ハーロック:井上真樹夫(9、10話のみ徳丸完)
- 台羽正:神谷明
- ミーメ:小原乃梨子
- 有紀蛍、まゆ:川島千代子
- ドクターゼロ、首相:八奈見乗児
- ヤッタラン:大竹宏
- ますさん:つかせのりこ
- 魔地機関長:緒方賢一
- 女王ラフレシア:北浜晴子
- 司令クレオ(26話より登場):坪井章子
- ナレーター、切田長官:柴田秀勝
- 大山トチロー:山田俊司(現 キートン山田)
- エメラーダ:吉田理保子
- 台羽博士:北川国彦(現 北川米彦)
スタッフ
- 企画 - 田宮武、小湊洋市
- 原作 - 松本零士
- チーフディレクター - りん・たろう
- キャラクター設計 - 小松原一男
- 美術設定 - 椋尾篁
- 美術 - 窪田忠雄、秦秀信
- 音楽 - 横山菁児
- 指揮 - 熊谷弘
- 演奏 - コロムビア・シンフォニック・オーケストラ
- テレビ朝日プロデューサー - 小泉美明
- 協力 - スタジオぬえ
- アニメーション制作 - 東映動画
- 制作協力 - ジャパド、東映エージェンシー
- 制作 - テレビ朝日、東映
主題歌・挿入歌など
主題歌
挿入歌・劇中未使用曲
「さすらいの舟唄」同様に演奏が全くない、コーラスだけの歌。「さすらいの~」がハーロックを歌った曲であるのに対し、こちらはハーロックが従える海賊たちを歌った曲となっている。
歌 - かおりくみこ
ミーメのハーロックへの思いをつづった曲。
歌 - 水木一郎
歌 - コロムビア男声合唱団
「さすらいの舟唄」同様に演奏が全くない、コーラスだけの歌。「さすらいの~」がハーロックを歌った曲であるのに対し、こちらはハーロックが従える海賊たちを歌った曲となっている。
歌 - かおりくみこ
ミーメのハーロックへの思いをつづった曲。
歌 - 水木一郎
歌 - コロムビア男声合唱団
「さすらいの舟唄」同様に演奏が全くない、コーラスだけの歌。「さすらいの~」がハーロックを歌った曲であるのに対し、こちらはハーロックが従える海賊たちを歌った曲となっている。
歌 - かおりくみこ
ミーメのハーロックへの思いをつづった曲。
歌 - 水木一郎
歌 - コロムビア男声合唱団
「さすらいの舟唄」同様に演奏が全くない、コーラスだけの歌。「さすらいの~」がハーロックを歌った曲であるのに対し、こちらはハーロックが従える海賊たちを歌った曲となっている。
歌 - かおりくみこ
ミーメのハーロックへの思いをつづった曲。
歌 - 水木一郎
番組放送時に発売された主題歌・挿入歌LPには以上の他、横山菁児作曲によるインスト曲「まゆのテーマ」(オカリナのみヴァージョン)も収録された。監督のりんたろうによれば、当初「まゆのテーマ」として赤とんぼを使用しようとしたが許可が下りず、急遽新しい曲をつくることになったという。
各話リスト
放送回 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 作画監督 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1回 | 1978年 3月14日 |
宇宙にはためく海賊旗 | 上原正三 | りんたろう | 小松原一男 | 7.9% |
第2回 | 3月21日 | 未知からのメッセージ | 蕪木登喜司 | 菊池城二 | ||
第3回 | 3月28日 | 紙のように燃える女 | 福島和美 | 窪田正史 | 7.1% | |
第4回 | 4月11日 | 自由の旗の下に! | 山崎晴哉 | 川田武範 | 森利夫 | 7.9% |
第5回 | 4月18日 | はるかなる星の涯(はて)に‥‥ | 上原正三 | 生頼昭憲 | 菊池城二 | 7.8% |
第6回 | 4月25日 | 幻のマゾーン | 明比正行 | 谷口守泰 | 7.4% | |
第7回 | 5月2日 | 海底のピラミッド | 松浦錠平 | 小松原一男 | 6.5% | |
第8回 | 5月9日 | 女王の宇宙艦隊 | 明比正行 | 菊池城二 | ||
第9回 | 5月16日 | 戦慄の植物生命体 | 山崎晴哉 | 大関雅幸 松浦錠平 |
窪田正史 | 7.8% |
第10回 | 5月30日 | 謎の惑星に迫れ | 蕪木登喜司 | 菊池城二 | 6.1% | |
第11回 | 6月6日 | ローラが金色に輝く時 | 生頼昭憲 | 野田卓雄 | 5.8% | |
第12回 | 6月13日 | 母よ、永遠なれ | 明比正行 | 菊池城二 | 5.3% | |
第13回 | 6月20日 | 死の海の魔城 | 上原正三 | りんたろう | 小松原一男 | 6.5% |
第14回 | 6月27日 | スフィンクスの墓標 | 生頼昭憲 | 菊池城二 | 6.4% | |
第15回 | 7月4日 | 悲恋! 北極オーロラ | 松浦錠平 | 4.8% | ||
第16回 | 7月11日 | 螢・わかれうた | 蕪木登喜司 | 6.4% | ||
第17回 | 7月18日 | 白骨の勇者 | 山崎晴哉 | 生頼昭憲 | 野田卓雄 | 6.3% |
第18回 | 7月25日 | 魔の幻影戦士(シャドウソルジャー) | 明比正行 | 菊池城二 | 3.9% | |
第19回 | 8月1日 | 女王ラフレシアの罠 | 松浦錠平 | 小松原一男 | 7.8% | |
第20回 | 8月8日 | 死滅のジュラ星 | 大関雅幸 蕪木登喜司 |
菊池城二 | 6.4% | |
第21回 | 8月15日 | ゴーラム! 悲劇の戦士 | 明比正行 | 4.6% | ||
第22回 | 8月22日 | 宇宙の墓場・デスシャドウ | 神山香 | 5% | ||
第23回 | 8月29日 | ヤッタラン.プラモ狂の詩 | 生頼昭憲 | 5.8% | ||
第24回 | 9月5日 | 純愛流れ星 | 上原正三 | 大関雅幸 | 7.7% | |
第25回 | 9月12日 | ドクターゼロとミー | 山崎晴哉 | 明比正行 | 6.9% | |
第26回 | 9月26日 | はるかなる長い旅 | 川田武範 | 7.6% | ||
第27回 | 10月3日 | アルカディア号の意志 | 上原正三 | 松浦錠平 | 小松原一男 | 7.8% |
第28回 | 10月10日 | ユリシーズの星雲 | 大関雅幸 | 菊池城二 | ||
第29回 | 10月17日 | 虹の星の死闘 | 山崎晴哉 | 福島和美 | 7.7% | |
第30回 | 10月24日 | わが友わが青春 | 上原正三 | 生頼昭憲 | 7.1% | |
第31回 | 10月31日 | アルカディア号建造秘話 | 大関雅幸 | 6.3% | ||
第32回 | 11月7日 | 星笛が呼ぶ | 山崎晴哉 | 福島和美 | 5.8% | |
第33回 | 11月14日 | たった一人の突撃! | 神山香 | 6.6% | ||
第34回 | 11月21日 | 銀河子守唄 | 上原正三 | りんたろう | 小松原一男 | 6.4% |
第35回 | 11月28日 | 美しき謎の女 | 生頼昭憲 | 菊池城二 | 8.6% | |
第36回 | 12月5日 | 決戦前夜 | 山崎晴哉 | 大関雅幸 | 6.3% | |
第37回 | 12月19日 | 赤いセーターの涙 | 上原正三 | 松浦錠平 | 10% | |
第38回 | 1979年 1月9日 |
さらば! まゆ | 山崎晴哉 | 箕ノ口克己 | 7% | |
第39回 | 1月16日 | 壮絶! 長官死す | 生頼昭憲 | 8% | ||
第40回 | 1月23日 | その時 天使は歌った | 上原正三 | 福島和美 | 7.2% | |
第41回 | 1月30日 | 決闘! 女王対ハーロック | 大関雅幸 | 9% | ||
第42回 | 2月13日 | さらば宇宙の無法者 | りんたろう | 小松原一男 | 10% | |
平均視聴率6.9%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
放送局
放送局の出典は個別に提示されているものを除き、1978年11月中旬 - 12月上旬時点のものとする。
- テレビ朝日(制作局):火曜 19:00 - 19:30
- 北海道テレビ:火曜 19:00 - 19:30
- 青森放送:火曜 17:00 - 17:30
- テレビ岩手:水曜 17:30 - 18:00
- 秋田放送:木曜 17:00 - 17:30
- 山形テレビ:金曜 17:30 - 18:00
- 東日本放送:火曜 19:00 - 19:30
- 福島中央テレビ:火曜 17:00 - 17:30(1978年9月まで) → 水曜 18:00 - 18:30(1978年10月から)
- 新潟総合テレビ:金曜 17:20 - 17:48
- テレビ山梨:木曜 17:20 - 17:50
- 長野放送:木曜 17:30 - 18:00
- 静岡けんみんテレビ(現:静岡朝日テレビ):月曜 18:00 - 18:30(1978年7月開局から)
- 北日本放送:月曜 - 金曜 17:30 - 18:00
- 福井放送:木曜 16:50 - 17:20
- 名古屋テレビ:火曜 19:00 - 19:30
- 朝日放送:火曜 19:00 - 19:30
- 山陰放送:日曜 10:00 - 10:30
- 岡山放送(当時の放送エリアは岡山県のみ)火曜18:00-18:30→:木曜 17:00 - 17:30
- 広島ホームテレビ:火曜 19:00 - 19:30
- テレビ山口:火曜 17:30 - 18:00
- 瀬戸内海放送(当時の放送エリアは香川県のみ)
- 南海放送:火曜 16:55 - 17:25(11月28日で打ち切り)
- テレビ高知:月曜 17:25 - 17:55
- 九州朝日放送:火曜 19:00 - 19:30
- 長崎放送:水曜 17:20 - 17:50
- テレビ熊本:火曜 19:00 - 19:30
- 宮崎放送:水曜 17:30 - 18:00
- 鹿児島テレビ:月曜 17:50 - 18:20(11月13日で打ち切り)
- 沖縄テレビ:木曜 17:30 - 18:00
宮崎県ではテレビ朝日系列加盟局のテレビ宮崎ではなく系列外の宮崎放送で放送された。また山口県では放送中にテレビ朝日系列加盟局が山口放送に移行したが、テレビ山口で引き続き放送された。
玩具
先述の通り、放送当時はメインスポンサーであるタカラ(現在のタカラトミー)とタカトクトイス(現在は倒産)が主だって玩具中心の商品展開を行った。同時期に『スター・ウォーズ』の商品化権を取得したタカラとしては本作の商品展開をメインとしておらず、タカトクはトイジャーナル1978年2月号で本作を1番手にあげている。この結果、タカラはプラモデルに関してはSFブームということも合わせ、それなりにヒットしているが、その他の玩具商品は全て失敗。タカトクはそれなりにヒットし、後番組の『サイボーグ009』も提供した。
タカラからは、マグネモシリーズとは呼ばれなかったが「マグネモ アルカディア号」などマグネモシリーズ同様、磁石で合体する玩具が発売されたほか、アルカディア号やスペースウルフ、マゾーン戦闘艦ゾネスなどをプラモデルとして商品化している。タカトクからは「Z合金 アルカディア号」などが発売された。また、これら以外にも以下の商品も発売されている。
タカラからプラモデルが発売されているが、本作が終了した後は『太陽の牙ダグラム』が始まるまでの3年間はタカラによるプラモデル販売は存在しなかった。
Z合金アルカディア号
Z合金スケールモデルアルカディア号
Z合金コスモウィング
Z合金ボレット
Z合金ワーワー
発進セット
コスモウイング
Zマン55シリーズ ボレット
Zマン55シリーズ スペーストレーラー
スペーストレーラーの唯一の立体化製品。内容的には基地玩具に近く、内部に同シリーズのボレットやパイロットフィギュアを乗せる事が出来る。なお、トリコロール配色のアニメと異なり、色合いはダークブルーメイン。(タカラ)
マグネモアルカディア号
マグネモコスモウイング
上記商品同様に下部に車輪が付く。(タカラ)
キャラクター人形
スーパーコントロールアルカディア号
MM(ミニメタル)シリーズ アルカディア号
MM(ミニメタル)シリーズ コスモウイング
1/1100宇宙海賊船アルカディア号
1/1500アルカディア号
クイックモデル アルカディア号
小型キット
アルカディア号の楽しい組み立てセット
その後の1999年、JESNETでOVA『クイーンエメラルダス』展開時に、松本零士スペースバトルシップコレクションで、ポリストーン製の劇場版髑髏艦首アルカディア号とクイーンエメラルダス号と共に本作版アルカディア号が発売。その際商品名が「初代アルカディア号デスシャドウ」というものになった。
バンプレストは、プライズゲーム景品として「ウォーターシップアルカディア号」を出す。これはデフォルメタッチのアルカディア号の後部に一軸のスクリューが付いており、ゼンマイを巻いて水上に浮かべるとスクリュー回転で走り出す玩具で、同じくTVのものと劇場版髑髏艦首の2種が出ている。
21世紀に入りアオシマが2006年10月に新世紀合金で本作版のアルカディア号を発売。これにより同社が数年前より同シリーズで既に発売していた『999』映画版などに登場の髑髏艦首版と本作の鋭角艦首版の両方が立体化されることとなり、色替え限定バリエーションを含めそれぞれ3種が発売された。なお髑髏艦首版については『CAPTAIN HERLOCK』版と、日本国外限定品のテレビシリーズのブルーカラーに変えた4種となっている。
タイトーからは2008年にプライズゲームの景品として、アオシマのものと同サイズの本作版と髑髏艦首版のアルカディア号に加えハーロックの重力サーベルが登場した。
2011年には、航空機プラモを主に手がけるハセガワから、クリエイターワークスシリーズのラインナップで、「1/72スペースウルフ」が発売され、翌2012年にはこの「1/72スペースウルフ」のバリエーション違いとしてハーロック専用機を限定発売したことに加え、髑髏艦首版のアルカディア号を「1/1500宇宙海賊戦艦アルカディア」として発売した。ただしこのハセガワ版「1/1500アルカディア」キットと前述のタイトーのプライズゲーム景品のうちの髑髏艦首版モデルと重力サーベルについてはハーロックがらみの商品ながらも本作関連の商品ではなく、あくまでも『999』映画版関連の商品という扱いである。
その後、2014年2月に前述のハセガワより「1/1500宇宙海賊戦艦アルカディア 二番艦 (1978TVアニメ版)」として本作TVアニメ版のアルカディア号が発売された。こちらには小型のコスモウイング2機が付属されている。さらに同年にはバンダイから超合金魂で、全長485mmにもなる髑髏艦首版の「超合金魂アルカディア号」がハセガワの後を追う形で発売され、2016年にはメガハウスのコスモフリートコレクションから、本作TVアニメ版が発売された。
2020年には超合金魂で、TVアニメ版アルカディア号も発売され、全長430mmと前述の映画版よりサイズが小さくなったものの、TVアニメ版で見せた各種機能や、ミニメカ(スペースウルフ、コスモウイング)搭載の他、専用ベースに劇中主題歌や音楽、効果音に、井上真樹夫の生前の声を収録した音声ギミックが内蔵された。
映像ソフト
VHS
LD
DVD
ネット配信
- 2016年5月16日より、YouTubeの「東映アニメーションミュージアム公式チャンネル」から第1話が無料配信されている。
- また2021年3月26日より、同チャンネルから第1話から第5話までまとめて無料配信された(従って第1話は2種類の形で配信されている)。
- 2023年4月25日からは同チャンネルで全話が期間限定無料配信されている。
その他の関連商品
DVDレコーダー
フィルムコミックス
テレビ朝日系 火曜19時台前半枠 【当番組よりアニメ】 |
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
宇宙海賊キャプテンハーロック
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サイボーグ009
(第2作) |
まんがビデオ
maxellより1999年12月23日に発売され、原作の漫画に声優の声や効果音を加えて映像にしたビデオ作品。テレビ版からのキャストはラフレシア役の北浜のみ。北浜と内川以外の4名は、OVA作品『ハーロック・サーガ ニーベルングの指環』(1999年)でも同名のキャラクターを演じている。また、ハーロック役の山寺は、『SPACE PIRATE CAPTAIN HERLOCK』(2003年)でもハーロックを演じている。
キャスト
ハーロック - 山寺宏一
ラフレシア - 北浜晴子
台羽正 - 関俊彦
有紀螢 - 内川藍維
ミーメ - 弥永和子
ヤッタラン - 千葉繁
ゲーム
宇宙海賊キャプテンハーロック(1992年)
コトブキヤ製のハーロックフィギュアキャスト付きで限定5000本が発売され、6月20日から8月31日までの応募期間で付属のハーロックキャストに色を塗って仕上げたキットを応募する「キャプテンハーロックフィギュアコンテスト」も開催された。
松本零士999 〜Story of Galaxy Express 999〜(2001年)
必勝パチンコ★パチスロ攻略シリーズVol.9 CRフィーバー キャプテンハーロック(2007年)
このほか、セガゲームスから配信されたスマートフォン向けゲームアプリ『戦の海賊』で、2016年1月27日から2月11日にかけて色々なコラボレーションを実施した。
パチンコ・パチスロ
2007年1月にパチンコ台、『CRフィーバーキャプテンハーロック』がSANKYOからリリースされた。2011年1月には、同じくSANKYOからパチスロ『キャプテンハーロックG』がリリースされている。共にアニメ版『ハーロック』をモチーフにしているものの、原作やアニメ版に登場した濃いブルーのアルカディア号に加え『999』劇場版などのグリーンのアルカディア号も登場する。またトチローとエメラルダスも登場するほか、アニメ映画『わが青春のアルカディア』の同名主題歌のカバー版を用いているなど『わが青春の-』の設定なども加味したものとなっている。声優はハーロック役の井上真樹夫以外は別キャストとなっている。
2015年12月には、Sammyから2013年公開のCGアニメ映画版をモチーフとした『ぱちんこCRキャプテンハーロック』がリリースされた。
その他の作品
キャプテンハーロック ザ・ライド(2000年)
座席が画面にあわせて揺れるシミュレーションライドシステム。ハーロックの声をオリジナル声優の井上真樹夫が唯一担当したアトラクションである。
宇宙海賊キャプテンハーロック~銀河聖女ルナーラ~
松本が2014年にチャンピオンRED10月号で執筆した漫画。新たな敵ルナーラが登場する新作だがルナーラの紹介とそれに対するハーロック、トチローの抱負のみで僅か5ページしかない。
リメイク
キャプテンハーロック〜次元航海〜
嶋星光壱により、本作品の基本骨子を引き継いだ『キャプテンハーロック〜次元航海〜』が、『チャンピオンRED』(秋田書店)にて連載。2014年10月号から2019年3月号まで連載された。
同作は原作をなぞりつつ、『わが青春のアルカディア』・『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』・『SPACE PIRATE CAPTAIN HERLOCK OUTSIDE LEGEND 〜The Endless Odyssey〜』・『キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-』、エターナル編の設定を含む『銀河鉄道999』・『宇宙交響詩メーテル』・小説『GALAXY EXPRESS 999 ULTIMATE JOURNEY』、『クイーンエメラルダス』、『新竹取物語1000年女王』、『銀河鉄道物語』、『宇宙戦艦ヤマト』・『新宇宙戦艦ヤマト』、『超時空戦艦まほろば』、『ダイバー0』、『ワダチ』『ミライザーバン』など松本零士のそれまでの作品とリンクしている。
この作品において、ハーロック、トチロー、真田志郎らは、2009年から太陽系連邦政府によって遺伝子と記憶を永久保存され、DNA記憶分子覚醒再生装置で代々トレース更新を受けながら補完し続けて来た特別な一族の末裔であり、先祖と同一のDNAを持ち遺伝記憶を引き継いでいる。その何世代にもわたる記憶の蓄積が強さの源ではないかと、マゾーン地球統制官パフィオ(波野静香)は推測している。ガイアフリートの藤堂司令長官も同様の存在と見られる。
また、アニメ版『キャプテンハーロック』の設定も取り入れられており、切田(作中では「きるだ」ではなく「キリタ」)長官、マゾーン近衛艦隊司令クレオ、テシウス他、アニメ版のみだったオリジナルキャラも登場し、機械化帝国(黒騎士ファウスト)やイルミダス、ネオ・ガミラス(デスラー総統)などのマゾーンに比肩する異星勢力も同時に存在している模様で、ラフレシアがこれらの存在に対する外交問題を気にかける場面もあり、特にネオ・ガミラスはマゾーンの将来に関わってくる存在となる。
主に当代のトチローが造り上げた鋭角艦首型の初代アルカディア号(第二番艦)が活躍するが、終盤には緑色の髑髏艦首型のアルカディア号(第三番艦)も登場する。この三番艦は、次元航海の物語の1000年前にトチローの先祖が地球を支配したイルミダスと戦うために造り上げたアルカディア号一番艦を、当代のトチローが三番艦としてフルレストアコンバージョンし保存されていたものを、さらにヤッタラン副長と魔地機関長らが強化案を練り、ヤッタランの手により改修された強攻型である。上部甲板に三連装パルサーカノン砲塔を一基追加し、エンジンも出力アップした大型コーンにコンバージョンされており、外見的にも他の髑髏艦首型に比べても明確な特徴がある。
マゾーンとの決着は未完の原作と異なり決着しており、ジョジベルが戦死する。波野静香やクレオが生き残るなど、キャラクターの生死も原作通りではない。敗れたマゾーンは、切田の斡旋でネオ・ガミラスから提供されたビーメラ星を新たな移住先として去っていった。
マゾーンとの決戦後、ハーロックは台羽に初代アルカディア号を譲り、トチローとの約束を果たすべく機械化帝国へ挑むため、三番艦でアンドロメダへ向かうことがラストで示されている。
- 原作・総設定・デザイン:松本零士、漫画:嶋星光壱『キャプテンハーロック〜次元航海〜秋田書店〈チャンピオンREDコミックス〉、全10巻
- 2015年1月20日発売、ISBN 978-4-253-23721-5
- 2015年6月19日発売、ISBN 978-4-253-23722-2
- 2015年11月20日発売、ISBN 978-4-253-23723-9
- 2016年5月20日発売、ISBN 978-4-253-23724-6
- 2016年10月20日発売、ISBN 978-4-253-23725-3
- 2017年5月19日発売、ISBN 978-4-253-23726-0
- 2017年10月20日発売、ISBN 978-4-253-23727-7
- 2018年3月19日発売、ISBN 978-4-253-23728-4
- 2018年11月20日発売、ISBN 978-4-253-23729-1
- 2019年5月20日発売、ISBN 978-4-253-23730-7
舞台
2016年に舞台化され、新宿村LIVEにて上演された。脚本・演出は原田光規、脚本協力を安斉勝則が担当。6月8日から12日まで全9公演。再演が2017年1月9日から13日まで全9公演、大阪市中央公会堂にて上演された。
キャスト
- ハーロック - 林野健志
- 台羽正 - 鈴木勤
- 波野静香 - 伊藤えみ
- ダイバー・ゼロ - ヒロム(再演時の名義は峯田大夢)
- キリタ・イソラ - 霜月紫
- ミーメ - 柴小聖(初演)・春花きらら(再演)
- ヤッタラン - 山田崇夫
- 有紀螢 - 山本夢
- ラフレシア - 扇けい
キャプテンハーロック〜アルカディアの記憶〜
フランスの出版社のKANAとの共同制作で、ジェローム・アルキエにより、フランスの漫画手法であるバンドデシネ版が、『マンガクロス』(秋田書店)にて連載。2019年6月18日から2021年2月9日まで連載された。1話ごとのページ数は少ないが、全24話。フルカラー左開きで文字は横書き。
備考
- テレビ番組『SMAP×SMAP』では松本作品のファンである木村拓哉がハーロックに扮してコントを行う、「アルカディア」というコーナーが放送された。2002年5月20日、27日の「アルカディア2002」前後編では原作者の松本がトチロー役でゲスト出演し、後編では『999』の星野鉄郎役の野沢雅子も鉄郎の声で出演している。また2013年には、木村が主演のテレビドラマ『安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜』第8話から最終話にハーロックの声を担当した井上真樹夫が俳優として出演しており、木村と共演を果たしている。
- 後に松本とコラボレーションしたフランスのハウス・デュオ、ダフト・パンクは、この作品の大ファンでもある。
- 2013年、東京都港区台場にあるホテル グランパシフィック LE DAIBA(現グランドニッコー東京 台場)に本作品の世界観・アルカディア号の船室をイメージしたコンセプトルームが登場。
註釈
参考文献
- 『宇宙海賊キャプテンハーロック』全5巻(秋田書店、松本零士、1977-1979年)
- ロマンアルバムデラックス30号『キャプテンハーロック』(徳間書店、1980年)
- アニメ特集号『宇宙海賊キャプテンハーロック』VOL1〜3 (秋田書店、1978-1979年)
- 劇場版パンフレット『宇宙海賊キャプテンハーロック』(東映動画、1978年)
- ロマンアルバムエクストラ52 『わが青春のアルカディア』 (徳間書店 1982年)