宇宙英雄ペリー・ローダン
舞台:宇宙,
以下はWikipediaより引用
要約
『宇宙英雄ペリー・ローダン』(うちゅうえいゆうペリー・ローダン、Perry Rhodan)は、1961年にドイツで刊行が開始された、SFとしては世界最長のスペースオペラ小説シリーズ。草案作家のシノプシスに沿って、複数作家による執筆がなされているリレー小説で、ヘフトで週刊発行されている。2009年時点で15億部を越え(英語版のウィキペディアには、全世界で20億部という記述もある)、2013年時点での初版発行部数は10万2千部、実売6万3千部。2019年時点での印刷版発行部数は6万部。以前は複数版が存在したが、現在では初版のみの発行である。2011年に50周年企画としてリブート・シリーズである『ローダンNEO』が開始され、本シリーズと並行して刊行されている。
概要
初代草案作家の Karl-Herbert Scheer(K・H・シェール 1928年 - 1991年)が著した第1巻「Unternehmen Stardust(スターダスト計画)」(1961年9月8日刊行)によって第1サイクル「Die Dritte Macht(第三勢力)」が始まった。ここまでゲスト作家を含め30人以上の作家によって書き継がれており、2022年12月には第3200巻が刊行された。本編の他に、第2シリーズとも呼ばれた『アトラン・シリーズ』全850巻、外伝とも言うべき『ペリー・ローダン・ポケットブックス』(かつては「ペリー・ローダン惑星小説」シリーズと呼ばれていた)といったサイドストーリー・シリーズなどがある。2011年に50周年企画としてリブート・シリーズである『ローダンNEO』が開始され、2017年から日本語訳版も刊行されている。
日本では、1971年から松谷健二(1928年 - 1998年)訳で早川書房より、ドイツ版ヘフト2巻を1巻とする形でハヤカワSF文庫(現 ハヤカワ文庫SF)として出版、2004年5月には第300巻「太陽系帝国の守護者」が出版された。第213巻以後は訳者も複数体制となり、2009年6月時点で12人が名前を連ねる。2004年7月の301巻からは月刊での刊行、2010年1月の第368巻からは月2回の刊行となっている。2023年12月31日時点の最新刊は第703巻(ドイツ版ヘフトの第1405巻・第1406巻にあたる)。読者の高齢化に対応するためか、270巻より文字が大きくなり、1行当たりの文字数は変化していないものの、1ページ当たりの行数が17行とそれまでより1行減っている(約1万文字/巻の減)。1ページ当たり16行しかない巻もある。
かつてギネスブックには、「世界最長の小説シリーズ」として記録されていた(現在は未掲載)が、実際は、同じドイツで7年早く、1954年より刊行開始されているミステリーシリーズ「ジェリー・コットンシリーズ」(Bastei-Lübbe社)が最長で、本シリーズより200巻ほど長い。1992年時点では2位ですらなく、1959年開始のミステリの警視Xシリーズについで3位だった。ちなみに出版社は同じVPM(Verlagsgruppe Pabel-Moewig)社。
あらすじ
1971年6月、アメリカはペリー・ローダン少佐をはじめとする4名の宇宙飛行士を搭乗させた、人類初の有人月宇宙船スターダストを打ち上げた。ローダンをはじめとする宇宙飛行士達は、月面に不時着していた高度な文明を持つ異星種族アルコン人と遭遇する。アルコン人との接触に成功したローダン一行は、地球に帰還後、アルコン人の協力の下で「第三勢力」を作り、列強諸国の介入や地球の存在を知った銀河航行種族の攻撃を退けて地球統一政府を成立させる。やがて、超知性体“それ”から細胞活性装置を提供されたローダン達は相対的不死を手に入れ、地球統一政府は太陽系帝国へと発展していく。そして銀河航行種族の一員となった地球人類=テラナーは、数多くの種族たちとの遭遇や様々な困難や戦いを克服しながらも、大宇宙の奥深くへと進出していくのであった。
サイクル紹介
No. | サイクル | サイクル (ドイツ語) | 日本版 | ドイツ版ヘフト | 原著刊行年 | 作中年代 | アウトライン |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 第三勢力 | Die Dritte Macht | |||||
2 | アルコン帝国 | Atlan und Arkon | |||||
3 | ポスビ | Die Posbis | |||||
4 | 第二帝国 | Das Zweite Imperium | |||||
5 | アンドロメダ | Die Meister der Insel | |||||
6 | M87 | M 87 | |||||
7 | カピン族 | Die Cappins | des Imperiums | ||||
8 | 大群 | Der Schwarm | |||||
9 | 旧ミュータント | Die Altmutanten | |||||
10 | 銀河のチェス | Das Kosmische Schachspiel | |||||
11 | 公会議 | Das Konzil | |||||
12 | アフィリー | Die Aphilie | |||||
13 | バルディオク | Bardioc | |||||
14 | 《パン=タウ=ラ》 | PAN-THAU-RA | |||||
15 | 宇宙の城 | Die Kosmischen Burgen | |||||
16 | 宇宙ハンザ | Die Kosmische Hanse | |||||
17 | 無限アルマダ | Die Endlose Armada | |||||
18 | クロノフォシル | Chronofossilien | |||||
19 | ネットウォーカー | Die Gänger des Netzes | |||||
20 | タルカン | Tarkan | |||||
21 | カンタロ | Die Cantaro | |||||
22 | リング人 | Die Linguiden | N/A | ||||
23 | エノクス | Die Ennox | N/A | 大宇宙の謎 Das Große Kosmische Rätsel | |||
24 | 大空隙 | Die Große Leere | N/A | ||||
25 | アインディ | Die Ayindi | N/A | ||||
26 | ハマメシュ | Die Hamamesch | N/A | ||||
27 | トルカンダー | Die Tolkander | N/A | トレゴン Thoregon | |||
28 | ヘリオトの保塁 | Die Heliotischen Bollwerke | N/A | ||||
29 | 第六使徒 | Der Sechste Bote | N/A | ||||
30 | マテリア | MATERIA | N/A | ||||
31 | 太陽系政庁 | Die Solare Residenz | N/A | ||||
32 | トラドム帝国 | Das Reich Tradom | N/A | ||||
33 | スターオーシャン | Der Sternenozean | N/A | Friedensfahrer | |||
34 | テラノヴァ | TERRANOVA | N/A | ||||
35 | ネガスフィア | Negasphäre | N/A | ||||
36 | N/A | Stardust | N/A | ||||
37 | N/A | Neuroversum | N/A | ||||
38 | N/A | Das Atopische Tribunal | N/A | ||||
39 | N/A | Die Jenzeitigen Lande | N/A | ||||
40 | N/A | Sternengruft | N/A | ||||
41 | N/A | Genesis | N/A | ||||
42 | N/A | Mythos | N/A | ||||
43 | N/A | Chaotarchen | N/A | ||||
44 | N/A | Fragmente | N/A |
|
- Zyklen – Perrypedia
- Zyklen und Großzyklen – Perrypedia
主要執筆陣
ドイツ
- K・H・シェール
- クラーク・ダールトン
- クルト・マール
- W・W・ショルス
- クルト・ブラント
- ウィリアム・フォルツ
- H・G・エーヴェルス
- コンラッド・シェパード
- ハンス・クナイフェル
- エルンスト・ヴルチェク
- H・G・フランシス
- ハーヴェイ・パットン
- ペーター・テリド
- マリアンネ・シドウ
- ペーター・グリーゼ
- デトレフ・G・ヴィンター
- ホルスト・ホフマン
- トーマス・ツィーグラー
- アルント・エルマー
- 日本語版未登場の作家
- ロベルト・フェルドホフ (ただし、2004年6月に刊行された『ローダン・ハンドブック2』にて、執筆した第2000話「“それ”」が先行紹介されている)
- スーザン・シュヴァルツ
- フーベルト・ヘンゼル
- ウーヴェ・アントン
- アンドレアス・エシュバッハ
- ライナー・カストル
- アンドレアス・フィンディヒ
- レオ・ルーカス
- ミハイル・ナグラ
- グローディア・カーン
- フランク・ボルシュ
- フランク・ベーメルト
- ミハエル・マルクス・ターナー
- ギスバード・ヘフス
- ティータス・ミュラー
- クリスチャン・モンティロン
- ヴィム・ファンデマーン
- マーク・A・ヘーレン
- ヴェレナ・テムゼン
- マーカス・ハイツ
- リチャード・デュベル
- ベルント・ペルプリース
- ミシェル・シュターン
- オリバー・フロリッヒ
- キャロライン・ブラント
- ロバート・コーヴス
- カイ・ヒルト
- ロベルト・フェルドホフ (ただし、2004年6月に刊行された『ローダン・ハンドブック2』にて、執筆した第2000話「“それ”」が先行紹介されている)
- スーザン・シュヴァルツ
- フーベルト・ヘンゼル
- ウーヴェ・アントン
- アンドレアス・エシュバッハ
- ライナー・カストル
- アンドレアス・フィンディヒ
- レオ・ルーカス
- ミハイル・ナグラ
- グローディア・カーン
- フランク・ボルシュ
- フランク・ベーメルト
- ミハエル・マルクス・ターナー
- ギスバード・ヘフス
- ティータス・ミュラー
- クリスチャン・モンティロン
- ヴィム・ファンデマーン
- マーク・A・ヘーレン
- ヴェレナ・テムゼン
- マーカス・ハイツ
- リチャード・デュベル
- ベルント・ペルプリース
- ミシェル・シュターン
- オリバー・フロリッヒ
- キャロライン・ブラント
- ロバート・コーヴス
- カイ・ヒルト
日本語版スタッフ
- 訳者
- 松谷健二
- 池田香代子
- 天沼春樹
- 五十嵐洋
- 渡辺広佐
- 田中栄一
- 赤坂桃子
- 林啓子
- 青山茜
- 増田久美子
- 北村春子
- 安彦栄子
- 嶋田洋一
- 星谷馨
- 若松宣子
- 赤根洋子
- 小津薫
- 原田千絵
- 新郎恵
- 稲田久美
- イラスト
- 依光隆(1巻 - 367巻)
- 工藤稜(368巻 - )
- 松谷健二
- 池田香代子
- 天沼春樹
- 五十嵐洋
- 渡辺広佐
- 田中栄一
- 赤坂桃子
- 林啓子
- 青山茜
- 増田久美子
- 北村春子
- 安彦栄子
- 嶋田洋一
- 星谷馨
- 若松宣子
- 赤根洋子
- 小津薫
- 原田千絵
- 新郎恵
- 稲田久美
- 依光隆(1巻 - 367巻)
- 工藤稜(368巻 - )
関連出版物等
解説書
- 宇宙英雄ペリー・ローダンの世界 依光隆画集(早川書房)1981年6月 ISBN 978-4-1520-3192-1
- ローダン・ハンドブック1(早川書房)1994年6月 ISBN 978-4-1501-1065-9
- ローダン・ハンドブック2(早川書房)2004年6月 ISBN 978-4-1501-1479-4
- 『SFマガジン』(早川書房)
- 1980年11月臨時増刊号(通巻267号)「SF冒険の世界」
- ヘフト第500話「虚無からの使者たち」(文庫化題「虚無より来る」)収録。
- 1984年7月臨時増刊号(通巻315号)「ペリー・ローダン読本」
- アトラン・シリーズ「銀河シンジケート」、惑星小説「モックの惑星」など長・短編計5篇を収録。
- 1980年11月臨時増刊号(通巻267号)「SF冒険の世界」
- ヘフト第500話「虚無からの使者たち」(文庫化題「虚無より来る」)収録。
- 1984年7月臨時増刊号(通巻315号)「ペリー・ローダン読本」
- アトラン・シリーズ「銀河シンジケート」、惑星小説「モックの惑星」など長・短編計5篇を収録。
- ヘフト第500話「虚無からの使者たち」(文庫化題「虚無より来る」)収録。
- アトラン・シリーズ「銀河シンジケート」、惑星小説「モックの惑星」など長・短編計5篇を収録。
映像作品
- 『Perry Rhodan- SOS aus dem Weltall』(1967年)
- 西独=伊=西(テフィ・フィルム/PEA/アトール・フィルム)
- 監督:プリモ・ゼグリオ
- 脚本:K・H・シェールも参加している。
- 『Orbita Mortal』(1968年)
- 西独=伊=西
- 監督:プリモ・ゼグリオ
- 西独=伊=西(テフィ・フィルム/PEA/アトール・フィルム)
- 監督:プリモ・ゼグリオ
- 脚本:K・H・シェールも参加している。
- 西独=伊=西
- 監督:プリモ・ゼグリオ
音楽作品
- 『宇宙英雄ペリー・ローダン』(寺内タケシとブルージーンズ)- 1978年6月5日、キングレコードより発売。 SKA-245
- 『Perry Rhodan · Pax Terra』(クリストファー・フランケ)-1996年11月、Shape CD
他国の出版状況
本国ドイツを除いて最初に翻訳されたのはイスラエル(ヘブライ語)で、1965年ごろに最初の4話が出版されたらしい。日本と並んで順調に翻訳が進んでいるのはフランスである。ただし、いくつかのエピソードはスキップしているうえに、最近はいわゆる銀背本を元に訳出しているため全てのエピソードを網羅しているわけではないが、2007年4月現在550話あたりまで到達している。もっとも翻訳が進んでいるのはオランダであるが、21世紀初頭より通販のみの販売形態に移行したため、入手は困難になった。ブラジル(ポルトガル語)はファンクラブが主体のオンデマンド出版を続けていたが、800話台半ばで出版が打ち切られたらしい。アメリカ(英語)もまた長い冬の時代を経験している。21世紀初頭に外伝のレムリアポケットブックシリーズが英訳され、今後の動向が注目される。
この内容は2008年5月30日改訂のウエブ()に基づいている。
主な勢力
銀河系
太陽系帝国
3459年、銀河系に現われた「七種族の公会議」との抗争の中で中央星と国家主権を失い、3460年に実質的に崩壊した。新アインシュタイン帝国及び自由テラナー連盟は実質的な後継国家。
アルコン帝国
アコン帝国
レムール帝国
ダブリファ帝国
カルスアル同盟
中央銀河ユニオン (ZGU)
新アインシュタイン帝国(Neue Einsteinische Imperium:NEI)
3585年、自由テラナー連盟を後継として発展的解消。
銀河種族尊厳連合(Galaktische-Völkerwürde-Koalition:GAVÖK)
自由テラナー連盟(Liga Freier Terraner:LFT)
第二帝国帝国
アンドロメダ星雲
島の王たち
M87銀河関連
中枢部の設計者
時間警察
グルエルフィン銀河
タケル帝国
ガンヤス帝国
ナウパウム銀河
ナウパウム・レイチャト
その他
大群
公会議
3459年1月にNGC3190銀河出身のラール人が公会議を構成する種族の一つとして銀河系に現われ、ローダンに対して銀河系の支配者である「第一ヘトラン」の地位を与え、公会議への参加を要請している。既に3458年頃に銀河系にひそかに進出して独自のスパイ網を形成して情報収集を行い(太陽系帝国ではそのスパイを「ヘトス・インスペクター」と命名した)、3459年2月には反抗する銀河系諸種族を圧倒的な軍事力を持って制圧し、事実上銀河系を支配した。
離反したケロスカーの援助を受けたローダンらの工作により、3581年頃から各種族間の不信が強まり弱体化。3585年、深刻なエネルギー不足からラール人勢力は銀河系全域から撤退し、公会議の銀河系支配は終わりを告げた。また、ダッカル・ゾーンの次元トンネルを破壊されたことから、公会議自体も実質的に崩壊した。
ポスビ
主な組織・団体
太陽系秘密情報局
ミュータント部隊
USO
自由商人
関連論文
- 鼎元享「ナガサキ生まれのミュータント」 - 第1回日本SF評論賞選考委員特別賞受賞作(『SFマガジン』2006年5月号掲載)
- ローダン・シリーズに登場する「長崎の原爆で被爆した日本人ミュータント」の姓名から、その設定を考案した人物を推理する評論作品。
- ローダン・シリーズに登場する「長崎の原爆で被爆した日本人ミュータント」の姓名から、その設定を考案した人物を推理する評論作品。