実録!関東昭和軍
題材:日本の高校野球,
以下はWikipediaより引用
要約
『実録!関東昭和軍』(じつろく!かんとうしょうわぐん)は、田中誠による日本の野球漫画作品。『モーニング』(講談社)にて2006年から2008年まで連載された。単行本は全6巻。
概要
東京西部にある架空の高校、関東昭和高校(略称「関昭」)で戦前の軍隊教育のように過酷な体罰奨励の環境の中、試合を「戦い」と称して命がけで甲子園を目指すために手段を選ばない高校球児と関係者を描いたヒューマン・コメディ漫画である。
高校野球界が直面している様々な問題を風刺しており、漫画の各所に実際に起きた様々な不祥事などの事件が取り上げられている。また、当時起きた社会問題も小ネタとして度々使われている(時津風部屋力士暴行死事件等)。一方、監督の采配や試合中の選手の心理描写など、野球に関する理論は殆ど描写されていなく、ほとんどが監督による選手への脅迫・ヤキと、それを受ける選手の恐怖・発奮に終始している。
登場する団体は「報得学園」「亭京」「早稲田実践」など、実在する団体と似ている名前が多いが、時には「○○○○。実在する○○○×とは全く無関係。」という注釈が加えられている場合もある。
この作品に関して、作者の田中誠は、ギャンブルレーサー.comの中で 「西武園競輪場に顔を出した際、話の流れで日大三高野球部を紹介されてこりゃもう、野球漫画を描くしかないなってことで始めたのが『実録!関東昭和軍』という作品」 「読者からは『この漫画は高校野球のダーテイーな部分を、ことさら大げさに描いている!』『一の事実を十くらいに盛って、悪意を持って描いている!』という内容のハガキが多く届いたが、オレからすると逆で、『十の事実を一くらいに落とさないと、とてもじゃないけど描けやしねえ』と思っていた」(要約)と語っている。
主な登場人物
尾宮 貫一(おみや かんいち)
50歳。野球部監督。昭和49年度関東昭和高校卒業後、関東産業大、社会人野球の旭日ガスに入社するも伸び悩み、故障もあり、昭和56年に関昭野球部コーチに就任。平成5年に監督に昇格し、 選手にヤキを入れながら厳しく鍛える。短気でミスをした選手をすぐレギュラー落ちを意味する「クビ」にしたり、こすっからい性格だがここぞの場面では芯の通った所も見せる。高校、大学、社会人と現役時代は一度も全国大会に出場出来ず、未だに燃え尽きていない情熱を選手達に託している。妻と5人の子供に逃げられた過去があり、今も未練タラタラで甲子園での勝利監督インタビューで帰ってきてほしいと懇願したほど。最終回では春季東京大会優勝直後のインタビューで舌禍事件を起こし、渡邉にはほとぼりが冷めるまで誤魔化す事を勧められたが、選手に示しをつけるため自ら監督を辞任してコーチに降格、しかしヤキを入れることは止めていない。現役時は遊撃手で右投右打。
三河屋 三平(みかわや さんぺい)
戒名 喜寿(かいみょう よしひさ)
三野 文太(みの もんた)
一葉 知秋(いちよう ともあき)
連載開始時は2年生。途中まではエース投手だった。右投右打。調子に乗りやすい性格で投球にもそれが出て、調子の良い時は練習試合ながらもPL(パーフェクト・ライフ)学園相手に完封勝利をする程だが、普段は早々にノックアウトされ尾宮の怒りを買っている。後輩の山棟蛇からは大した実力もないくせに調子に乗りやすいと評され、下級生にも嫌われている。センバツ直前に石部、山口らと共に喫煙しているところを写真週刊誌にスクープされてしまい、それ以降は一切出場機会を与えられなくなった。
その後、自暴自棄になり合宿所から脱走しようとするも尾宮からのプロのスカウトから指名の可能性があるという嘘をすんなり信じ、裏方に専念するようになる。卒業前に行われる3年の引退試合には出してもらえることになり、大学の先輩から薬として貰った尿のおかげで下級生相手に完全試合を達成する。喫煙騒動は世間に公表こそしなかったが、最終回の卒業式では全校生徒の前でエースでありながら喫煙問題で出場出来なかったことを3人揃って壇上で土下座して謝罪した。卒業後は野球推薦で亜穂田大学への進学が決まっている。
後生 大事(ごしょう だいじ)
鸛 出来太(こうのとり できた)
石部 金吉(いしべ きんきち)
山口 百吉 (やまぐち ももきち)
桶谷 五朗(おけたに ごろう)
山棟蛇 千里(やまかがし せんり)
連載開始時は1年生。外野手兼投手。右投左打。野球の才能は素晴らしいが、あまりの凶暴さに強豪校からは誘いがかからず関昭に入学。先輩はおろか指導者からも恐れられており、ヤキを入れられることはほとんどない。
入学後すぐ1番センターに定着し、秋以降には抜群のマウンド度胸と制球力の良さを買われて投手も兼任するようになり、その後は一葉の追放もあり実質的にエースとなる。
死球を受けた投手相手に次の打席で手が滑ったように見せかけてバットを投げつける、平気で相手の顔にビーンボールを投げるなど、試合中でもすぐに切れる悪癖を持つ。一匹狼的な性格だが野球に対する情熱は本物で、後輩には優しさも見せるなど侠気もある。経験を積む中で精神的にも成長し、上級生引退後はエースで4番かつ主将となる。
鶴嘴 温助(つるはし ぬくすけ)
鋳掛屋 丁治(いかけや ちょうじ)
一縷 千鈞 (いちる せんきん)
鴨ノ橋 太郎 (かものはし たろう)
福井兄弟(ふくいきょうだい)
朝津風ドルジ(あさつかぜドルジ)
渡邉 爪雄(わたなべ つめお)
関東昭和高校及び関昭野球部
- 私立男子高校。学力は極めて低く、九九すらも覚えていない生徒が多くいる。
- 教師は戦前のような丸眼鏡をかけていたり、髭を生やしたいかつい男性教師ばかり。
- 野球部は東京都内では強豪で、甲子園には春夏通じて第45回選抜高等学校野球大会に一度出場している。作中で2度目のセンバツ出場を果たすが、早稲田実践や日学大三などといった一流校に比べると実力は劣る。
- 野球部所属の生徒は全て特待生として扱われている。特待生は入学金、授業料の免除はもちろんのこと、下宿代、食費、遠征費、道具代もタダであり、福井兄弟やノーバのように経済状況の悪い家庭からは人気が高い。また学内でも野球部員の授業中の居眠り、サボりなどは教師達から黙認されている。
- 野球部員は概して先述したような野球一流校に入れなかった者である。
- 野球部員は入部と同時に斗魂(とうこん)寮という寮に入り、盆暮れ関係なく3年間敷地から勝手に出ること、また親、知人との連絡も許されず、そのため現代にありながら外部との連絡を断つために携帯電話の所持を禁じられ、唯一の連絡手段である手紙も内容を検閲されるなど半ば囚人同然の軟禁生活を送る。
- 寮では上級生の命令は絶対で「1年・蛆虫、2年・蝿、3年・神様」と言われ、上級生の身の回りの世話一切は後輩がする。共に寮で過ごす仲間として彼らは「球友」と呼ばれるが、その実情は先輩による人を人と思わないような理不尽なシゴキ、イビりが日常茶飯事で行われている。ただし、引退後の3年生は社会に出た時困らないようにするため身の回りのことを自分でしなくてはならない。
- 野球しかない部員にとってメンバー入りへの想いは強く、メンバー交換が許される期間中までベンチ入り選手の食事に下剤を入れる、落とし穴を仕掛け故障させるなど醜い足の引っ張り合いをする。しかし、期間が過ぎると一転して今度は、がんばって評判を上げてもらうために喜んで裏方に専念する。
- そのため、3年生で最後の夏の大会にベンチ入り出来なかった部員は1日だけ夜間外出が許される。また、夏の大会敗退後も3年生は1日だけ海などへ遊びに連れて行って貰える。
- 上述のような過酷な環境で毎日のようにヤキを入れられながら3年間過ごすため、知性や品性はともかく上下関係の意識や礼儀は身に付くので就職組はヤクザ関係を中心に引く手数多。
- 目的のためには手段を選ばず、センバツ出場のために関昭OBが競合相手校へデマを流して風評被害を生じさせたり、週刊誌に(架空の)不祥事をリークして評判を落とすなどの妨害工作や、特待生制度を維持するために形だけの面接試験や、寄付金を集めるために振り込め詐欺まがいのことを行うなどしている。
- 校歌は「愛国行進曲」の一番の歌詞の「東海」が「東(ひんがし)」に変わったものである。
関東昭和高校野球部五訓
- 一、礼儀です
- 二、忍耐です
- 三、気迫です
- 四、闘志です
- 五、部費はキチンと納めます