小さな恋のものがたり
以下はWikipediaより引用
要約
『小さな恋のものがたり』(ちいさなこいのものがたり)は、みつはしちかこによる日本の4コマ漫画。ストーリー4コマ漫画の形態をとっている。連載期間は52年4月となるが、この数字は、連載漫画としては、6番目に長期にわたる漫画となっている。
高校時代の部活動の日々を漫画にした物を書き直したスケッチブック「ちびこの詩集」を、『美しい十代』(学習研究社)に持ち込み後、連載が決定。1962年6月号に連載予告が掲載され、7月号より連載を開始した。その後いくつかの雑誌で連載し、2008年3月号まで芳文社『まんがタイムファミリー』に連載されていたが、同号を最後に「長期休載」の扱いとなっていた。単行本は1967年11月に刊行後、学習研究社→立風書房→学習研究社→学研パブリッシングより発刊されており、一部を除き毎年5-6月に新刊が発行されていた。2007年の第41集以後は中断していたが、2011年12月に42集が発売、さらに2014年9月28日には描き下ろし内容を主とする最終第43集が刊行され、完結したとされているが、みつはしは「チッチとサリーの未来を描いてみたい」とも発言している。2018年10月に第44集、2020年9月に第45集、2022年10月に第46集が、「その後のチッチ」というサブタイトルを付けられて刊行された。
1972年には連続テレビドラマ化、1984年には単発TVアニメ化されている。1977年頃には映画化の企画が存在したが、後に中止となっている。。
背が低いことを気にしている女の子チッチ(小川チイコ)と、背が高くハンサムなサリー(村上聡)の恋愛模様を描いた作品。
随所に主人公チッチの目線から書かれた詩が挿入されており、恋の喜びや切なさといった叙情的な心情が分かるようになっている。
登場人物
主な登場人物
チッチ(小川 チイコ〈おがわ チイコ〉)
サリー(村上 聡〈むらかみ さとし〉)
岸本さん(岸本 文彦〈きしもと ふみひこ〉) 6集より登場
マユミ(岡本 まゆみ〈おかもと まゆみ〉) 11集より登場
松木さん(松木 カオル〈まつき カオル〉) 15集より登場
マリちゃん(金子 マリ〈かねこ マリ〉) 18集より登場
ゴータロー(丸山 ゴータロー〈まるやま ゴータロー〉) 26集より登場
その他の人物
テツコ(チッチの同級生)
深田(サリーにラブレターを渡すように頼まれた男子生徒)
アケミ 1集に登場
ルミちゃん(高丘 ルミ〈たかおか ルミ〉)4集に登場
中原さん 5集に登場
ケイコ 6集に登場
スミレの君(林 京子〈はやし きょうこ〉) 7集以降に登場
喫茶店の店員の女性 8集に登場
石田さん 13集に登場
神谷さん
作品の特徴
初期においては、チッチとサリーの出会いから始まり、チッチの先々に登場した恋敵を交えながらの高校生活が作品の軸となっている。岸本さんやマユミの登場以降は、サリー以外の登場人物との邂逅や展開が増えていった。中期~後期には他キャラクター同士の掛け合いや従来のキャラクターとは性格の異なるミサキの登場、マユミの恋心の変化など初期を彷彿させる展開が増えていった。
主に作中では、山へのハイキング、夏に海に行く、クリスマスや正月、高校生活や学校行事といったものが恒例のテーマとなっている。
連載雑誌
単行本は、各雑誌に掲載されたものをまとめ上げた物となっている。初期の『美しい十代』は1話完結式の2ページだったが、『女学生ロマン』では、32ページほどの連載が行われていた。連載月によっては、別冊付録という形で96ページもの掲載が行われていた。1980年代には『sansun』や『Lemon』に1ページに4コマを3本、『中3コース』に4ページほどの連載、『まんがタイム』にはある程度ストーリー性のある内容を8ページを掲載していた。現在は、予約購読となっている季刊誌『ちい恋通信』で20ページほどの連載が継続されている。
- 美しい十代(1962年7月 - 1968年10月)
- 女学生ロマン(1968年11月 - 1970年3月)
- 女学生コース(1970年4月 - 1972年2月)
- Someday(1971年11月 - 1972年2月)
- Fair Lady(1972年4月 - 1979年9月)
- 高2コース(1972年4月 - 1973年3月)
- 高1コース(1973年4月 - 1982年頃)
- sansun(1983年 - 1987年?)
- 中3コース(1982年9月 - 1990年11月)
- 中1コース(1992年頃 - 1993年頃)
- Lemon(1987年4月- 1998年頃)
- まんがタイム(1983年11月 - 1999年6月)
- まんがタイムファミリー(1998年10月 - 2008年3月)
- おはよう奥さん(2007年 - 2008年3月)
関連雑誌「いつかどこかで」
年4回発行の雑誌(途中より年6回になった)。1975年~1982年に38号までが発行された。1980年頃まではみつはしちかこの描いたイラストが表紙となっていたが1981年以降は内容とともに変化した。内容はみつはしちかこによる詩やイラスト、『小さな恋のものがたり』の掲載以外にも中島みゆき、田村セツコ、さだまさしを始めとした著名人による寄稿が行われていた。最終的に1982年1月をもって休刊となっている。
関連商品
1970年代後期に、学研より幾つものグッズが販売されていた。確認されているだけでも日記帳、レターセット、ミニバッグ、サイン帳、ハンカチ、絵葉書、ノート、ミニカード、布製のペンケース、便箋・封筒セット、額縁イラスト、マグカップが存在した。2000年以降には、過去作品のイラストなどが入ったカレンダーが予約購入という形で販売されている。なお、1960年代後期には学研の関連雑誌を購入することで入手できる応募券を集めることで、「チッチの七宝焼」と交換することが可能だった。 上記のグッズ以外には、サクラカラーでの販促やグリコでのCMが放映されている。
その他
- 連載は、みつはしちかこが『美しい十代』編集部にスケッチを持ち込み、そのまま決定された。なお、同誌には既に福地泡介、東海林さだお、南義郎による連載が行われていたが、福地と東海林の連載を1962年6月号で終了して『小さな恋のものがたり』の連載が行われた。『美しい十代』連載開始時には、1ページのスペースを使った予告が挿入されたほか、別ページの次回予告にも新連載の案内が記述されていた。
- タイトーのテレビゲーム『ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国』では多くの漫画家がキャラクターを書きあげたが、みつはしちかこはチッチを書きあげている。
- 各連載雑誌と、単行本掲載時では大幅な加筆が行われており、第1集の段階で多くの加筆または未収録となったエピソードが存在する。
- 本作品のパロディが、幾つかの作品で確認可能。例としてテレビゲームの『星のカービィ3』等が挙げられる
- チッチは音符足というイメージが一般的だが、『美しい十代』連載末期には2回ほどの掲載において、他キャラクターと同様の足が描かれていた。
- 1975年時点で、単行本は1集/70万部・2集/63万部・3集/60万部・4集/63万部・5集/64万部・6集/59万部・7集/56万部・8集/53万部・9集/47万部の合計585万部の出荷が行われていた。
- 立風書房で1970年頃に発行された『ナンシーちゃん(英語版)』の和訳版は『小さな恋のものがたり』の表紙を模した物となっていた。
- 単行本は20集前後までは重版が行われているが、1990年以降に発行された後期の巻は初版のみとなっていた。ただし立風書房の学研吸収後に一部の巻が学研名義で再販されている。
- ゲスト出演として『ハーイあっこです』のキャラクターが登場したエピソードも存在する
- 2023年、漫画で大塚愛とのコラボソング「maybe I love you」をリリース
海外での出版
本作は韓国にて1970年代初期に韓国国内の雑誌でハングル語に翻訳の上、<칫치와 살리>という題名で連載が行われていた。許諾をとったものかは不明。更に、1979年に韓国において紅斑出版社より第1集(작은 사랑의 이야기)が発行されていた。その後、1994年に『チッチとサリー(치치와샐리)』という題名の無許可版が1巻から3巻が発売されそれぞれ「出会い」「虹」「花火」という副題が付けられた。内容はオリジナルの1~3集より抜粋したエピソードの絵を書き直した上で、説明文を追加したものとなっている。原作通りの流れとなっているが、キャラクターにいくつかの相違点がある。サリーはオリジナルに近いものだったが若干のアレンジが行われている。ストーリーについても、一部にオリジナルの内容が含まれている。
韓国版の特徴
- キャラクターの名前はオリジナルと異なるほか、命名されていないキャラクターのも個別の名前がついている。
- 名前のあるキャラクターもいくつか名前が変更されている。
- チッチに姉がいる、渡米する友人との別れのエピソードが存在する、等。
- 演劇部長は、原作やアニメ版と異なり先生になっている。
上記の作品群とは別に台湾で1990年代後期に、偉翔出版が立風書房と契約を結んだ上で『戀愛物語』として1集から3集までが発売された。内容は1990年代後期に立風書房で重版された物をベースとしており、裏表紙の絵もそれに準じている。
厳密では英語版ではないが、1982年頃に学研雑誌に対訳されたものが掲載されたことがあった。
テレビドラマ
1972年7月8日から9月30日まで日本テレビ系列で放送。全13回。前番組『だから大好き!』から引き続き森永製菓の一社提供で放送されていた。
前番組『だから大好き!』が視聴率不振で打ち切られたため、その穴埋めとして制作された。主演の岡崎友紀と沖雅也も『だから大好き!』からのスライド出演で、テーマ曲「ファースト・ラブ」も『だから大好き!』から引き続き使用している。また、岡崎友紀の歌による挿入歌も前番組に引き続いて毎回あった。後に香港でも『荳蔻年華』という題名で放映された。再放送が1度行われたのみで長らく映像ソフト化はされなかったが2020年11月にDVD版が発売された。
放送時間(JST)は土曜19時30分 - 20時00分。
放映データ
- 放映期間:1972年7月8日 - 9月30日
- 放映曜日・放映時間帯:毎週土曜日19時30分 - 20時(JST)
- 放映話数:全13話
- 放映形式:カラー16mmフィルム
キャスト
- チッチ(小川 チイコ) - 岡崎友紀
- サリー(村上 ツトム) - 沖雅也
- 小川 修一郎(チイコの父) - 下條正巳
- チイコの母 - 文野朋子
- トンコ - 笠井としみ
- 山下君 - 赤塚真人
- 小川 里子(チイコの姉) - 奈美悦子
- 里子の夫 - 林ゆたか
- 村上 ユリ(聡の妹) - 荒牧啓子
- ノブコ - 中川加奈
- タバコ屋のおばさん - 菅井きん
- 西 みどり - 田代美恵子
- 小松 ルミ - 隅田和世
- 岸本 - 里見潤
- 夏目 テツコ - 松谷紀代子
- 三城康裕
- 近藤準
- 詩朗読 - 沢井孝子
スタッフ
- 脚本:松木ひろし、市川森一、重森孝子
- 監督:井上芳夫、野崎貞夫、後藤秀司
- 音楽:玉木宏樹
- プロデュース:岡本俊次(国際放映)、加賀義二(日本テレビ)
- 製作:国際放映、ユニオン映画
主題歌
「ファースト・ラブ」
「君と二人で」
各話リスト
放送は1972年。
回数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 | ゲスト(カッコ内は役名) | 挿入歌 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7月8日 | いつかだれかと | 松木ひろし | 井上芳夫 | 「ファースト・ラブ」 | |
2 | 7月15日 | はじめてのデート | 市川森一 | 石田太郎、土居まさる(DJの声) | 「黄色い船」 | |
3 | 7月22日 | 恋はどこから? | 「フレンズ」 | |||
4 | 7月29日 | チッチとサリー | 松木ひろし | 小栗一也(南ヶ丘牧場のおじさん) | 「希望の旅」 | |
5 | 8月5日 | 赤いピエロのお月さま | 市川森一 | 「黄色い船」 | ||
6 | 8月12日 | 風のうた花のうた | 重森孝子 | 野崎貞夫 | 江戸家小猫 | 「雛菊の首飾り」 |
7 | 8月19日 | あなたのふるさとへ | 福田トヨ(聡の母)、中村俊一(聡の父) | 「恋は知らない」 | ||
8 | 8月26日 | 恋の夏休み | 市川森一 | 「恋愛時代」 | ||
9 | 9月2日 | 涙のとなりのほほえみ | 水谷豊(ノブコの取り巻きの不良) | |||
10 | 9月9日 | すれちがった心 | ||||
11 | 9月16日 | たそがれに別れを | 重森孝子 | 後藤秀司 | 大和田伸也(教育実習生の南先生) | 「雛菊の首飾り」 |
12 | 9月23日 | 秋風の忘れた涙 | 市川森一 | 「私は忘れない」 | ||
13 | 9月30日 | 遠い思い出の恋人たち | 井上芳夫 | 野村昭子(みどりの母) | 「誰もいない海」 |
放送局
特筆のないものは、土曜 19:30 - 20:00に同時ネット。
- 日本テレビ(制作局)
- 青森放送
- テレビ岩手
- 秋田放送
- 山形放送
- 宮城テレビ
- 福島中央テレビ
- 北日本放送
- 福井放送
- 西日本放送
再放送
- CS放送
- 2005年10月 - 12月(チャンネルNECO)
- 2005年10月 - 12月(チャンネルNECO)
テレビアニメ
1984年3月20日、TBSで放送。タイトルは『小さな恋のものがたり チッチとサリー初恋の四季』。放送時間は火曜15:30 - 17:00(JST)。主演は伊藤つかさと古川登志夫が担当。 原作同様に詩が挿入され、比較的原作に近い形でのアニメーション化が行われた。後にVHS、LDで発売されている。ストーリーは初期作品のエピソードをつなぎ合わせた上でアレンジを施されたものとなっている。
キャスト
- チッチ(小川 チイコ) - 伊藤つかさ
- サリー(村上 サトシ) - 古川登志夫
- トンコ - 吉田理保子
- 山下 - 鈴置洋孝
- 演劇部長 - 堀内賢雄
- チッチの父 - 緒方賢一
- チッチの母 - 鈴木れい子
- 数学の先生 - 大山高男
- 男生徒A - 小野健一
- 男生徒B - 中原茂
- キミエ - 津島瑞穂
- マユミ - 原えりこ
- キヨミ - 花咲きよみ
- 京子 - 岡本章子
スタッフ
- 脚本:雪室俊一
- 監督:平田敏夫
- 作画監督:百瀬義行、こさこ吉重、四分一節子
- 音楽:風戸慎介
- プロデュース:金子満、渡辺忠美、石黒光一、忠隈昌
- 製作:エムケイ、TBS
主題歌
オープニング・エンディング「愛をあずけて」
挿入歌「真珠の季節」
挿入歌「名なしの花」
原作との相違点・その他
- 一部登場人物の役割が異なる。
- 山へのハイキングの際に乗った鉄道車両が蒸気機関車から電車に変更されている。
- ノンクレジットだが、アケミや中原さんも登場する。