小学星のプリンセス☆
以下はWikipediaより引用
要約
『小学星のプリンセス☆』(しょうがくせいのプリンセス、princess of shougaku star)は、餅月望による日本のライトノベル。イラストはbb(現・黒田bb)が担当している。スーパーダッシュ文庫(集英社)より、2008年6月から全3冊が刊行された。
外見年齢が12歳程度までしか成長しない宇宙人の少女と、地球人の少年との恋を描いたSF風味ラブコメ。作者は2巻のあとがきで、「書評サイトでラブコメではなく、ラブロマンスと評された」と述べている。
ストーリー
守本貢は小学6年生のとき、半年間だけ留学してきた外国人の少女、ルリス・ファル・ステファノスと仲良くなり、親友になった。別れ際、貢はルリスに四つ葉のクローバーをプレゼントし、そのお返しにルリスからお守りをもらい、2人は「絶対に忘れない」と約束して別れた。
それから5年後、高校2年生になった貢にルリスから「花嫁修業のためにこちらにくる」という内容の手紙が来て、貢は落ち込んでしまう。その夜、貢はルリスと再会するが、ルリスの姿は5年前の小学6年生のときとまったく変わっていなかった。
実はルリスは地球人ではなく、外見年齢が12歳程度までしか成長しない人たちが住む惑星、小学星のお姫様だった。小学星には「プロポーズの時は花とお守りを交換する」という儀式があり、5年前の別れ際のプレゼント交換を「貢からのプロポーズ」と勘違いしたルリスは、1年後に貢と結婚するために地球に花嫁修業に来たのだった。
こうして、プロポーズの誤解が解けないまま、高校生の貢と、見た目は小学生のルリスとの同棲生活が始まるのであった。
登場人物
主要人物
守本貢(もりもと みつぐ)
本作の主人公。地球人。17歳。私立桑ヶ島高校2年C組所属。両親は海外に住んでおり、アパートで部屋を借りて一人暮らしをしている。
小学6年生の時にルリスと出会い、彼女に恋心を抱く。ただし貢本人に恋愛感情の自覚はなく、ルリスのことは一番の大親友だと思っている。
ルリスと再会した当初は小学生姿のルリスと結婚することを受け入れられず、また周囲からロリコン扱いされることに耐えられなかったことから、ルリスに対してぎこちない態度をとってしまう。しかし、エパナからルリスが貢との結婚を認めさせるために大変な努力したことを聞かされ、また由月の叱責で自身の恋愛感情に気付かされ、ルリスに本当のプロポーズを行うことを決意する。その後、真田先生の協力の元、エパナと共に生身で小学星大使館に突入し、全銀河生中継の元でルリスに告白し、正式にルリスと婚約する。
以降は周囲の目を気にすることもなくなり、ルリスに正直な気持ちを表すようになる。その一方で、エパナの元で小学星語の勉強をしたり、ミリアと仲良くしようとするなど、小学星人達に自分達のことを認めてもらおうと努力し始める。マジカルコンパクトによる騒動やルリス誘拐事件での活躍を経て、次第にルリスの家族や小学星人達からも認められるようになっていく。
高校卒業後はルリスと同じ大学に通いながら、引き続き小学星に関する勉強を行っている。大学在学中にルリスと結婚し、後に2児の父親になる。
ルリス・ファル・ステファノス
本作のメインヒロイン。小学星人。17歳。小学星の第三王女。
12歳の時に半年間地球に留学し、留学先の小学校で出会った貢に恋心を抱く。その際の別れ際のプレゼント交換を「貢からのプロポーズ」と勘違いした。それから5年後、貢と結婚するために再び地球へ到来し、貢の部屋で同棲を始めると共に、桑ヶ島高校に「外国人の飛び級小学生」として転校してくる。
外見は小学星人としても少し幼い10歳前後くらいで、真っ白な肌と長い黒髪の持ち主。普段は明るい性格だが、王女として行動するときは厳しい面も見せる。地球の文化には疎く、インターネットに書かれていることを簡単に信じてしまう。
王女としての自覚を強く持っており、貢との結婚が大人型異星人への偏見が強い小学星では受け入れられないものであることを知りつつも、国民に隠したりせずに公表するのが王女としての義務であると考えている。そのため、再び地球に来るまでの間、貢との結婚を認めてもらうために王女としての仕事に注力しながら国や王族の意識改革に奔走していた。
再び地球に来た当初は貢との生活に喜び一杯であったが、クラスメートとの会話でプロポーズが勘違いであることに気付き、さらに自分と結婚したら貢が世間からロリコンのレッテルを貼られてしまうことを知り、貢の元を離れて小学星大使館に閉じこもってしまう。しかし、大使館に突入した貢から全銀河生中継の元で本当のプロポーズをされたため、それを受け入れて正式に貢の婚約者になる。
その後は正式に貢と付き合い始めるが、周囲からは恋人に見られないことに不満を覚え、さらに貢が自分に内緒で由月と行動を共にしていたことや(実際は2人でエパナの元で小学星語を学んでいた)、ルリスと貢を別れさせようとするミリアの発言によって次第に貢との生活に不安を抱くようになってしまう。「普通の恋愛」を求めるあまり、一度はアリシアから送られたマジカルコンパクトを使って地球人として生きようとするが、貢の「自分達で地球人と小学星人の恋愛の形を作る」という言葉を受け入れて、再び小学星人として生きることを決意する。
高校卒業後は貢と同じ大学に通いながら、地球と小学星の仲が円滑にいくように両星を行き来する生活を送っている。大学在学中に貢と結婚し、後に2児の母親になる。
地球人
葛木由月(かつらぎ ゆづき)
私立桑ヶ島高校2年C組のクラス委員長。17歳。
切れ目の美しい瞳と栗色のショートカットの持ち主で、関西弁で喋るのが特徴。世話焼きで面倒見がよい性格で、周囲からも頼られている。その一方で、相手のためになるなら苦言を述べることも躊躇わない。
ルリスが転校してきた際はその正体を知らないまま彼女と友達になる。貢からルリスの正体を知らされた際には、ルリスのことで周囲の目を気にする貢に対して怒りを露わにし、貢が自身の恋愛感情に気付くきっかけを作った。
その後もルリスの正体が知られたことで疎遠になってしまった貢たちとクラスメートとの関係修復を行うなど、事ある毎に2人をサポートする。一方で小学星のことに関しても興味を持つようになり、貢と一緒にエパナの元で小学星語を習い始める。
かつて世話焼きが過ぎて周囲から疎ましがられていた頃に唯一自分の行動を認めてくれた貢に恋心を抱いているが、告白には至っておらず、告白しないうちに貢はルリスと婚約してしまう。その後も自分の気持ちを隠しながら2人と付き合っていたが、ルリス誘拐事件の際に貢が危うく命を落としかけたことをきっかけに、貢に自分の想いを伝えることを決意する。小学星王宮の屋上でエディア王やフェリスの説得に失敗して落ち込む貢に告白するが、断られてしまい失恋する。それでも最後には貢にアドバイスを送って背中を押してあげ、フェリスの協力を得るきっかけを作った。
高校卒業後は海外の大学に留学し、コミュニケーション学を学びながら、宇宙人との関わり方について研究している。
小学星人
エパナ=タスタシ・ファル・スキウーロス
宇宙放送局地球支部の支部長(局長)。25歳。
小学星の名門貴族の出身で、小学星を出てわずか5年で宇宙放送局地球支部のトップにまで上り詰めた才女。小学星にいた頃は近衛隊騎士団の最精鋭部隊「エンジェルフェザー」の副隊長とルリスの養育係を務めていた。その経歴から王族とも面識があり、特にアリシアやフェリスとは仲が良い。
いつも無表情と思えるくらい表情をほとんど表に出さないのが特徴で、彼女の表情の変化は付き合いの長い人間でないと分からない。人をからかうのが趣味で、相手が地味に嫌がることを、手を変え品を変え行っている。現在はルリスや貢の痴態をまとめた秘蔵映像集を宇宙放送局のLシステムを使って作成し、2人に見せてからかうことが多い。ルリスからは「自分をからかうことに情熱の9割がたを傾ける女性」、貢からは「いつかはルリスの名誉をかけて戦わなければならない最大最強のラスボス」と評されている。
その一方で、ルリスのことは大切に思っており、彼女が本当に困った時には常に適切な援護を行っている。ルリスが小学星大使館に閉じこもった際には貢の元を訪れ、ルリスのこれまでの努力を貢に教えた上で「ルリスのことを悲しませたら許さない」と警告している。その後は貢の大使館突入に同行し、貢のルリスへの告白を全銀河に生中継する。
海洋生物が好きで、サメ型の寝袋などの海洋生物グッズを使用している他、エパナ自身が設計した宇宙船「イルアーナ」はイルカの形をしている。ただし、貢が海洋生物好きに関して指摘すると、秘蔵映像集を使って脅してくる。
本作から5年後が舞台の『ロイヤル☆リトルスター』では宇宙放送局社長に就任しており、やり手として活躍する他、会社のロゴマークをイルカに変更したり、地球に移転した本局の建物を水族館風にするなど、自身の海洋生物趣味を会社に反映させている。
ミリア・ファル・ステファノス
小学星の第四王女でルリスの妹。11歳。
金髪碧眼のツインテールで、お嬢様口調で喋るのが特徴。性格はあまり素直ではないが、根は純粋。
極度の方向音痴で、一本道でも迷子になってしまう。アリシアからは「空間や時空を歪曲させる力がある」とまで言われているが、実際に空間的に断絶された部屋に侵入したこともある。
姉のルリスが大好きな一方で、小学星人としては典型的な大人型異星人嫌いでもある。そのため、地球人である貢とルリスとの婚約を認めていない。アリシアからの勧めで、ルリスを貢から取り戻すために「地球への留学のための下見」という名目で貢とルリスの元に到来し、貢の部屋で3人で暮らし始める。
地球に来てからはルリスに対して貢のことを諦めてもらうためにわざと不安を煽るような言動を繰り返していたが、その結果ルリスがマジカルコンパクトに依存するようになってしまったことにショックを受ける。一方で貢に対しては、当初は敵意をむき出しにしていたが、共に生活していくうちに心を開くようになる。最終的にマジカルコンパクトの件を貢が解決したことで、貢のことをルリスの婚約者として、自分の義兄として認めるようになる。
その後も引き続き地球での暮らしを続けており、他の地球人達との交流を経て、次第に大人型異星人に対する偏見も解消していく。当初の予定を前倒しして地球への留学を開始した後は、転入先の小学校で地球人の親友が出来るほどにまでなった。
留学が正式に開始された後は貢の部屋を出て行き、ラシェルの元で世話になっている。また、本作から5年後が舞台の『ロイヤル☆リトルスター』最終巻あとがきによると、「小学星人アイドルユニット“SGS132”を率いている」とある。
アリシア・ファル・ステファノス
小学星の第二王女でルリスの姉。19歳。
腰のあたりまで伸ばされた瑠璃色の髪と癒し系ボイスの持ち主。冷静沈着、時には冷徹に判断を下すことが出来る策謀家。常に微笑みを絶やさないポーカーフェイスで感情を表に出すことはほとんどない。そのため、ミリアからは冷たい人間だと思われている。しかし実際はただ単にシャイなだけで、本当は表情豊かな妹思いの優しい少女。彼女の素顔を知っているのは両親とフェリスの他はエパナだけである。
かつてはミリアと同じく大人型異星人嫌いで、地球への留学も行わなかったのだが、後にそのことを後悔するようになり、その反動で地球人に対して強い憧れを抱いている。そのため、ミリアに対して地球へ行くように強く勧めており、貢とルリスの婚約に反対していることを逆手に取って地球へ行かせるように仕向けた。また、その際にマジカルコンパクトをルリスに渡すように頼んでいるが、これはわざと騒動を起こさせることで、自分らしくいることの大切さを知ってもらうためであった。
フェリス・ファル・ステファノス
小学星の第一王女でルリスの姉。25歳。
真紅の髪の持ち主で、勇猛な性格。身長も150cm近くと小学星人としては大きい。「姫将軍」と呼ばれている軍人で、小学星軍の実質的なトップ。また、近衛隊騎士団の最精鋭部隊「エンジェルフェザー」の隊長も務めており、元副隊長のエパナとは親友関係にある。
ルリス誘拐事件の際に貢から協力を求められるが、当初は「王族なら意に沿わぬ結婚も止むを得ない」と協力を拒否し、貢が説明したヘロデアの陰謀論も「本当なら受けて立つ」と一蹴する。しかし、再び貢から協力を求められた際は、ルリスへの想いだけを武器に必死に頼み込む姿に彼の心意気を認め、全面協力を約束する。最初に貢に述べた考えは彼の覚悟を試すためのブラフに過ぎず、実際はアリシアとエパナに裏でヘロデアと繋がっていた裏切り者の割り出しを頼んでおり、全員捕まえて証拠を揃えた時点で、中学星との全面戦争も覚悟の上でルリスの救出に向かうつもりだった。その後、結婚式当日に貢、エパナ、ラシェルとエンジェルフェザーの隊員10名を引き連れて、中学星宇宙要塞「エキノース」に奇襲を掛け、ルリスの救出に成功する。
エディア・ファル・ステファノス
ラシェル・ファウンディア
小学星地球大使館の警備部長。
身長はルリスよりも少し高い程度で、背中まで伸ばした黒髪を三つ編みにしているのが特徴。真面目で融通が効かない性格だが、その分責任感は強い。エンジェルフェザーの元隊員で、隊員時代は「切り込み隊長」と呼ばれていた。戦闘時はさすまたを武器として使用している。
フローズンヨーグルトが大好物で、北海道産のストロベリー風味フローズンヨーグルトでミリアに買収されたり、明らかに怪しい「ごーやフローズンヨーグルトTR」という名のトルコアイスを確かめもせずに通販で箱買いしたりしている。
地球の小学星大使館勤務でありながら地球人が苦手で、事あるごとに地球人嫌いを公言している。特に貢に対しては、彼が起こした大使館突入事件後に本国から厳しいお叱りを受けた事から、露骨に敵視している。しかし、ルリスの婚約者としては貢のことをそれなりに認めており、中学星宇宙要塞「エキノース」の自爆で貢が大怪我を負った際には誰よりも号泣している。
ミリアが正式に地球への留学を開始してからは、貢の部屋を出た彼女の身の回りの世話を担当している。
2巻までは挿絵には描かれていたものの、文章では単に「三つ編みの少女」とだけ表現され、キャラクター付けはされてはいなかったが、最終巻となる3巻でキャラクター付けが行われた。
その他の登場人物
ヘロデア・デミ・ロード
外見年齢が15歳程度までしか成長しない人たちが住む惑星、中学星の第一王子。年齢は貢やルリスと同年代。
世間一般では優秀な王子として非常に評判が高いのだが、実際は傲慢かつ不遜で、性格に非常に難がある。父親である中学星王からはその性格を見抜かれており、次期中学星王は彼ではなく、同じく優秀な彼の妹が最有力候補となっている。
権力に対して異常に執着しており、妹が王位に就くことで自身の権力が失われる事を恐れている。そのため、小学星の第三王女であるルリスとの結婚を企てて、父や妹が留守の間を狙ってルリスの誘拐を実行する。小学星の元老院に手を回してルリスとの結婚を認めさせ、それによって小学星とのパイプを手に入れて、王位継承権争いを有利に進めることで自身の権力を維持しようとしていた。
しかしルリスと共に捕まえたラシェルの逃走や、アリシアとエパナ、真田先生による調査、及び裏で繋がっていた小学星人達への尋問によってヘロデアの企ては全て露見してしまい、結婚式会場の中学星宇宙要塞「エキノース」もフェリス達エンジェルフェザーの襲撃を受けてしまう。最終的にルリスは貢によって奪還され、アリシア達によって中学星王や妹にこの一件が伝えられた事で、彼の企ては失敗に終わる。
自暴自棄になったヘロデアは、銀河1個を吹き飛ばすというエキノースの物質反物質砲の発射を解除不能な状態で起動させてしまうが、貢から権力に執着することの虚しさを諭され、エキノースを自爆させる事で発射を阻止する事を提案する。その後、貢とルリスの決死の突入によってエキノースは自爆し、物質反物質砲の発射は阻止される。
事件後、王位継承権を剥奪され、地方惑星に左遷される。しかし部下からは慕われていたようで、エキノースにいた彼の部下は全員左遷先について来ている。
既刊一覧
餅月望(著)、集英社〈スーパーダッシュ文庫〉、全3冊
- 『小学星のプリンセス☆』 2008年6月30日発行(2008年6月25日発売) ISBN 978-4-08-630434-4
- 『小学星のプリンセス☆2 おにいちゃんはじめました』 2008年12月30日発行(2008年12月25日発売) ISBN 978-4-08-630465-8
- 『小学星のプリンセス☆3 わたしたち、けっこんします!!』 2009年5月27日発行(2009年5月22日発売) ISBN 978-4-08-630489-4