島根の弁護士
以下はWikipediaより引用
要約
『島根の弁護士』(しまねのべんごし)は、あおきてつおによる日本の漫画、またそれを原作としたテレビドラマ。
概要
『ビジネスジャンプ』(集英社)において、2004年11号から2008年16号まで連載された。全101話。
第66話までは香川まさひとが原作を担当しており、第67話からは「シナリオ協力」として春木修が参加している。また、製作に当たっては島根県弁護士会が協力している。
2007年にテレビドラマ化され、フジテレビジョン系列で放送された。
あらすじ
日本の都道府県の中で、所属する弁護士の人数が最も少ないとされる島根県。主人公・山崎水穂は、27人目の弁護士として島根県に赴任してきた新米弁護士である。
水穂は「罪を憎んで人を恨まず」をモットーに、様々な訴訟事件と向き合いながら、徐々に成長を遂げていく。
登場人物
主要人物
山崎水穂(やまざき みずほ)
主人公。島根県弁護士会に所属する女性弁護士。秋田法律事務所に勤務する。
性格は明るく、かつ努力家。人情派の弁護士で「罪を憎んで人を恨まず」をモットーとしており、そのため人によっては「お人好し」と思われることもある。
横浜出身。幼い頃は文学少女で、実家の本棚に置かれていた小説を読んだことを機に小泉八雲の愛好家となる。その後、高校時代に友人の父親の裁判を傍聴したことがきっかけで弁護士を目指した。
赴任先として島根県を選んだのは、「八雲が好き」という思いと、弁護士が少ないという理由から。島根県に赴任してからは「石塚石材店」の2階に下宿しており、後に炎樹から「半次郎」という子犬を譲り受け、飼っている。
酒と甘い物が好物で、特に酒に関しては酒豪。
秋田良市(あきた りょういち)
桜井秀子(さくらい ひでこ)
水穂の母。水穂の父・春雄とは、水穂が2歳のときに離婚しており、水穂は春雄から「母は亡くなった」と言い聞かされて育った。
最初は小料理屋「虫の音」の女将として登場し、偶然「虫の音」を訪れた水穂と再会を果たす。水穂には当初、自分が母親であることを告げずにいたが、娘の職業が弁護士であることを知って母親であることを告白し、水穂に衝撃を与える。
その後、「虫の音」を畳んで松江を離れ、広島県弁護士会所属の弁護士として、広島市内に「桜井法律事務所」を構える。弁護士としては理論派で、「虫の音」時代に引き続き和服を着ていることから、広島では「美人の和服敏腕弁護士」として評判になっている。
実は元検事で、「20年以上前の事件」に検事として関わっていた。
秋田法律事務所
早野玉枝(はやの たまえ)
法曹関係者
その他
山崎春雄(やまざき はるお)
尼子卓郎(あまご たくろう)
秀子の元恋人で、「20年以上前の事件」の重要人物。
小泉八雲のファンで、大学時代、図書館で八雲の本を借りようとした際、同じ八雲の本を借りようとした秀子と知り合い、交際を始める。秀子とは一時期将来を約束しあう仲だったが最終的には破局し、東京Y病院の勤務医となる。
その後、「20年以上前の事件」の当事者に仕立て上げられ、マスメディアに取り上げられるなど自宅近辺が騒がしくなる。その結果、妻がノイローゼから流産し、夫婦で病院へ向かう最中、交通事故を起こし、妻と死別した上に重度の障害を負ってしまう。
以降、島根県国護町にある介護施設に移り、そこで秀子の世話を受けながら生きていたが、作中で介護施設が閉鎖されたことを受けて秀子とともに広島市へ移住し、そこで亡くなる。
用語
島根県弁護士会
秋田法律事務所
「虫の音」
水穂が島根県に赴任してから半年が過ぎた頃、尼子卓郎が入所していた介護施設が閉鎖されてしまったため、生計を立てるために秀子はこの店を畳み、弁護士として法曹界に復帰する。
尼子家
「20年以上前の事件」
N薬品と東京Y病院の策略によって、当時東京Y病院に勤務していた卓郎が事件の当事者として仕立て上げられ、以後卓郎は検察やマスコミから事件の容疑者として追及を受けることになる。
秀子の「贖罪」、春雄と秀子の離婚の理由、炎樹が法律を目の敵にする理由など、作中の登場人物の過去に大きく関わってくる事件。
書誌情報
- あおきてつお 『島根の弁護士』 集英社〈ヤングジャンプ・コミックス・BJ〉、全13巻
テレビドラマ
2007年7月14日、フジテレビジョン系列の『土曜プレミアム』でテレビドラマが放送された。主演は仲間由紀恵で、仲間はこのドラマで初めて弁護士役に挑戦した。なお、仲間演じる主人公・山崎水穂は、漫画の連載開始時点から仲間をイメージして描かれていた。
ドラマでは、最後、秀子が水穂に対し自らが実の母親であることを告げる。後日改めて水穂が秀子の店に行くと、既に店は閉店しており秀子は姿を消していたところで終わる。
撮影は4月17日から約20日間、この漫画の舞台である島根県でオールロケを敢行。ロケ中は地元マスコミでも取り上げられるなど、大きな話題を呼んだ。視聴率は9.6%だったが、舞台となった山陰地区での視聴率は高かった。
エキストラとして、松江フィルムコミッションの他、地元の劇団である劇団あしぶえ、劇団Yプロジェクト、演劇集団きらめき弾などからも参加・協力があった。また、山陰中央テレビジョン放送からもアナウンサーである山根収がエキストラとして参加した。
漫画からの変更点
- 2007年4月の時点で、島根県弁護士会に所属する弁護士の数は36人に増加しており、その実情に合わせて、山崎水穂は「2007年春に赴任した、37人目の弁護士」という設定に変更された。
- 水穂の出身地が横浜から東京に変更されており、それに合わせて水穂の父・春雄が経営する理容店の所在地も東京の下町に変更されている。
- 登場人物の名前が一部変更されており、秋田法律事務所の事務員の「玉枝」は「絹代」に、検事は「虎門」から「田尻」になっている。
キャスト
- 山崎水穂 - 仲間由紀恵
- 秋田良市 - 香川照之
- 石塚道雄 - 八嶋智人
- 石塚陽子 - 梶芽衣子
- 今井恒子 - 高田敏江
- 今井東太 - 益富信孝
- 川田君江 - 白川和子
- 橋本正一 - 森下哲夫
- 佐野浩輔 - 東根作寿英
- 佐野康子 - 小松みゆき
- 川田雄一 - 高橋良輔
- 事務員・絹代 - 鷲尾真知子
- 事務員・礼子 - 眞野裕子
- 裁判長 - 峰蘭太郎
- 田尻検察官 - 益岡徹
- 山崎春雄 - 竹中直人
- 桜井秀子 - 樋口可南子
スタッフ
- 脚本:十川誠志
- 演出:林徹
- 音楽:上田益
- プロデュース:保原賢一郎(フジテレビ)・西岡善信(映像京都)
- 協力:島根県弁護士会