崑崙遊撃隊
舞台:中華民国時代,
以下はWikipediaより引用
要約
『崑崙遊撃隊』(コンロンゆうげきたい)は、山田正紀による日本の小説。
概要
様々なジャンルを手がけている山田の、いわば「秘境探検もの」とでも呼ぶべき作品の1つであり、同様に秘境を巡る冒険を描いたものとして『ツングース特命隊』『魔境密命隊』なども執筆している。
著者である山田は二見書房版のあとがきで「この小説を書く時、常に念頭から離れなかったのはそのロスト・ワールドなのである。」「ぼくはロスト・ワールドが大好きなのだ。」と語っている。
あらすじ
時代は昭和8年(1933年)、幾つもの国が利権を争う上海の街に、1人の男が帰ってきた。シナ浪人の集団から金を横領し、また親友の妻であった中国人の娘を殺し、そのために親友からも命を狙われていると噂される藤村脇であった。死出の旅に出た藤村は、ゴビ砂漠で今の時代に存在しないはずの剣歯虎(サーベルタイガー)を見たのだ。藤村は、かつてその手にかけた娘・李夢蘭から崑崙の地の話を何度も聞かされていた。剣歯虎こそが幻の地・崑崙の住人であり、崑崙が実在する証であると確信し、そこを目指すべく、追われる身でありながら上海に帰ってきたのだ。しかし、それを知った者たちが、藤村に接触し、彼を道案内とした探検隊を組織した。女を嫌悪する美少年、謎めいた中年男、殺し屋、馬賊。いずれも一癖も二癖もある男たちが、それぞれの思惑を胸に、崑崙へ向うことになった。
登場人物
天竜(ティエンルン)
毒後家蜘蛛(ブラックウィドウ) / B・W
崑崙の住人
用語
崑崙(こんろん)
崑崙の地には、全長50メートル、直径30センチメートルはあるような巨大な竹林が外周を囲っている。この竹は招かれざる侵入者に対して鋭利な竹の葉を降り注ぎ、排除する役割がある。その内側には巨大な切り立った岩壁があり、崑崙の天然の城壁の役割を果たしている。岩壁の内側も杉や楢、クヌギなどの森林があるが、それらの樹木は通常のものよりもはるかに大きい。
太古の時代に絶滅した剣歯虎、幻覚作用を引き起こす霧を吐く巨大な蛸、地を潜行し人を襲う巨大な鮫、地に落とすと爆発するキノコを運ぶ巨大な蜂など、常識では考えられない生物が多数生息している。
崑崙の地は、それ自体が1つの巨大な知性であり、通常の生物とは全く違う進化を遂げた1つの生命である。何万年も生き続ける、永遠に近い生命を持つため生殖の必要は無い。崑崙の地の底には、夥しい数の細い水流が重層的に地中を走っており、それらは複雑に結びつきながら崑崙全体に広がり、一部はゴビをわたってロプノール(さまよえる湖)の謎を生み出し、黄河にまで繋がって「崑崙を制する者は黄河を制する」という言い伝えの元となった。それらの水脈が生物におけるニューロン(神経回路)を形成し、そこに流れる水が神経興奮、抑制を司るニューロンの電気的変化の役割を担い、この巨大な水脈層に知性を宿す源となっている。この水脈知性には流体素子の技術を用いた流水コンピューターとの類似性はあるものの、なぜ崑崙が自我を持つに至ったかは不明とされている。
水脈知性は長い期間の眠りを必要としており、その間、水脈知性はただの地下水脈層となってしまい、崑崙の地そのものも消滅してしまう。
相柳の一族
昇日会
無限軌道車(キャタピラ・カー)
空桑の琴瑟(くうそうのきんしつ)
単行本
- 二見書房版 1976年発売
- 角川文庫版 1978年5月発売
- 講談社文庫版 1988年8月発売 ISBN 4-06-184274-9
- ハルキ文庫版 1999年7月発売 ISBN 4-89456-544-7
劇画
田辺節雄作画による劇画作品。基本的なストーリーは原作と同じだが、一部エピソードを変更している。
- 田辺節雄 『崑崙遊撃隊』 講談社〈コミックノベルス〉、全1巻