幕末純情伝
以下はWikipediaより引用
要約
『幕末純情伝』(ばくまつじゅんじょうでん)は、つかこうへい作の長編時代小説。『幕末純情伝―龍馬を斬った女―』(ばくまつじゅんじょうでん りょうまをきったおんな)と題し『野性時代』(角川書店)1988年7月号にて発表、同年9月21日に角川書店より刊行された。幕末の騒乱期を舞台に、沖田総司は女性だったとの設定のもと、沖田と土方歳三・坂本龍馬との三角関係を描いたコメディ。つか自身により戯曲化され1989年8月に刊行・初演された。
1991年に薬師寺光幸監督によって映画化された。
概要
沖田総司は女性だったという設定で幕末の騒乱期を描く時代劇で、沖田と土方歳三や坂本龍馬との恋愛模様が繰り広げられる。
発表媒体で設定は異なり、たとえば捨て子だった沖田の養家の義兄(これも沖田と恋愛関係にある)は小説では小栗忠順、舞台版では勝海舟となっており、映画では沖田の出自には触れておらず義兄は登場しない。
『幕末純情伝―龍馬を斬った女―』のタイトルで『野性時代』(角川書店)1988年7月号に一挙掲載され、同9月30日に単行本として刊行された。のちに角川文庫版が刊行され、さらに光文社文庫から「つかこうへい演劇館」の一冊として再刊されたものが電子書籍になっている。
関連作として、舞台版の設定を踏まえた新選組メンバーのキャラクターや沖田総司の出生の設定等スケールアップされた『龍馬伝』三部作(完結はしていない)がある。
舞台上演に際して戯曲が発表されているが、実際の芝居内容と異なるところも多い。
あらすじ
登場人物
書誌情報
- 幕末純情伝―龍馬を斬った女―
- 角川書店 1988年9月30日 ISBN 4-04-872509-2
- 角川文庫 1990年12月10日 ISBN 978-4-04-142234-2
- 光文社文庫(つかこうへい演劇館) 1998年3月20日 ISBN 978-4-334-72569-3
- 戯曲&小説 幕末純情伝 トレンドシェア 2008年 ISBN 978-4-905090-00-7
- 龍馬伝 野望篇
- 角川書店 1991年2月 ISBN 4-04-872617-X
- 角川文庫 1991年7月 ISBN 4-04-142236-1
- 龍馬伝 青春篇
- 角川書店 1991年12月 ISBN 978-4-04-872684-9
- 角川文庫 1995年2月 ISBN 4-04-142239-6
- 龍馬伝 決死篇
- 角川書店 1993年6月 ISBN 4-04-872752-4
- 角川文庫 1995年11月 ISBN 4-04-142240-X
- 龍馬伝 三部作完全収録 トレンドシェア 2010年6月8日 ISBN 978-4-905090-06-9
- 角川書店 1988年9月30日 ISBN 4-04-872509-2
- 角川文庫 1990年12月10日 ISBN 978-4-04-142234-2
- 光文社文庫(つかこうへい演劇館) 1998年3月20日 ISBN 978-4-334-72569-3
- 戯曲&小説 幕末純情伝 トレンドシェア 2008年 ISBN 978-4-905090-00-7
- 角川書店 1991年2月 ISBN 4-04-872617-X
- 角川文庫 1991年7月 ISBN 4-04-142236-1
- 角川書店 1991年12月 ISBN 978-4-04-872684-9
- 角川文庫 1995年2月 ISBN 4-04-142239-6
- 角川書店 1993年6月 ISBN 4-04-872752-4
- 角川文庫 1995年11月 ISBN 4-04-142240-X
戯曲
『戯曲 幕末純情伝』と題し1989年8月1日に白水社より刊行、『幕末純情伝 黄金マイクの謎』として同年8月7日にPARCO劇場にてつかこうへい作・演出により初演された。
以降、『熱海殺人事件』『飛龍伝』と並ぶつかの代表作として上演され続けている。
舞台
年 | タイトル | 演出 | 沖田総司 | 坂本龍馬 | 主催・制作・劇団 | 主な劇場 |
---|---|---|---|---|---|---|
1989 | 「幕末純情伝 黄金マイクの謎」 | つかこうへい | 平栗あつみ | 西岡徳馬 | パルコ | PARCO劇場 |
1990 | 「幕末純情伝 黄金マイクの謎」 | つかこうへい | 平栗あつみ | 西岡徳馬 | パルコ | PARCO劇場 |
1998 | つかこうへいオールスター顔見世興行 「新幕末純情伝」 |
岡村俊一 | 藤谷美和子 | 筧利夫 | R.U.Pプロデュース | Bunkamura シアターコクーン |
1999 | 「新幕末純情伝 空駆ける龍、再び」 | 岡村俊一 | 藤谷美和子 | 筧利夫 | R.U.Pプロデュース | 銀座セゾン劇場 |
2003 | つかこうへいダブルス2003 「幕末純情伝」 |
杉田成道 | 広末涼子 | 筧利夫 | アール・ユー・ピー | 青山劇場 |
2007 | 劇団OPA Vol.20 「幕末純情伝」 |
後藤宏行 | 小野妃香里 | 藤浦功一 | 劇団OPA | 笹塚ファクトリー |
2008 | 「幕末純情伝 龍馬を斬った女」 | つかこうへい | 石原さとみ | 真琴つばさ | 松竹 | 新橋演舞場 |
2011 | パルコ劇場 つかこうへい追悼公演 「新・幕末純情伝」 |
杉田成道 | 鈴木杏 | 馬場徹 | パルコ | PARCO劇場 |
2012 | つかこうへい三回忌特別公演 「新・幕末純情伝」 |
岡村俊一 | 桐谷美玲 | 神尾佑 | アール・ユー・ピー | Bunkamura シアターコクーン |
2014 | つかこうへいダブルス2014 「新・幕末純情伝」 |
岡村俊一 | 河北麻友子 | 神尾佑 | アール・ユー・ピー | シアタートラム |
2015 | 「新・幕末純情伝」 | 松本和巳(総合演出) 川本淳市(演出) |
西平風香 | 武田航平 | gmk project | 新国立劇場小劇場 |
2016 | Gフォースプロデュース 「幕末純情伝」 |
後藤宏行 | 井内友理恵 | 小野寺博 | Gフォース | Gフォース アトリエ |
つかこうへい七回忌特別公演 「新・幕末純情伝」 |
岡村俊一 | 松井玲奈 | 石田明 | ネルケプランニング Grick |
天王洲 銀河劇場 紀伊國屋ホール 梅田芸術劇場 | |
2017 | 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 中城城跡特設ステージ | |||||
2018 | つかこうへい生誕70年記念特別公演 「『新・幕末純情伝』FAKE NEWS」 |
河毛俊作 | 北原里英 | 味方良介 | エイベックス・エンタテインメント アール・ユー・ピー プラグマックス&エンタテインメント |
紀伊國屋ホール |
2023 | つかこうへい復活祭2023 『新・幕末純情伝』 |
岡村俊一 | 菅井友香 | 松大航也 | アール・ユー・ピー | 紀伊國屋ホール 神戸・AiiA 2.5 Theater Kobe |
1989年1 - 2月、つかこうへい演劇復帰作『今日子』において、当日の出演者に春田純一を加えた特別キャストで『幕末純情伝』予告編が披露された。
書誌情報(戯曲)
- 戯曲 幕末純情伝 白水社 1989年8月7日 ISBN 4-560-03345-5
- つかこうへい戯曲シナリオ作品集 (4) 白水社 1996年11月15日 ISBN 978-4-560-03489-7
- 新・幕末純情伝 戯曲(ENBU研究所の本) 演劇ぶっく社 1999年7月 ISBN 4-7952-3584-8 ※構成:岡村俊一
- 戯曲&小説 幕末純情伝 トレンドシェア 2008年 ISBN 978-4-905090-00-7
映画
1991年公開。松竹製作。併映は『ぼくらの七日間戦争2』。
牧瀬里穂が沖田総司を演じた。急病により『天と地と』を降板した渡辺謙の復帰第1作でもある(角川春樹が渡辺に「復帰したら、(復帰後に)最初に製作される映画に出演させる」と約束したため)。
キャスト
- 坂本龍馬 - 渡辺謙
- 沖田総司 - 牧瀬里穂
- 土方歳三 - 杉本哲太
- 近藤勇 - 伊武雅刀
- 深雪 - 財前直見
- 大久保利通 - 石丸謙二郎
- 松平容保 - 榎木孝明
- 桂小五郎 - 柄本明
- 岩倉具視 - 津川雅彦
- 西郷隆盛 - 桜金造
- お登勢 - 松金よね子
- 岡田以蔵 - 木村一八
- 中村半次郎 - 伊藤敏八
- 井上源三郎 - 角田英介
- 山南敬助 - 貞永敏
- 原田左之助 - 野崎海太郎
- 永倉新八 - 五島拓弥
- 藤堂平助 - 友居達彦
- 笑福亭笑瓶、伊藤克信、武野功雄、井手らっきょ、長江英和、金田明夫、岩城正剛、佐藤恒治、草薙仁、植村喜八郎、ピンクの電話、立原友香 ほか
スタッフ
- 監督・脚本:薬師寺光幸
- 原作:つかこうへい
- 製作総指揮:角川春樹
- 製作者:奥山和由
- 音楽:国吉良一
- 主題歌:BY-SEXUAL「幕末純情伝」
- 劇中振付:ラッキィ池田
- 撮影:浜田毅
- 照明:長田達也
- 美術:稲垣尚夫
- 編集:荒川鎮雄
- 録音:弦巻裕
- 記録:椎塚二三
- 助監督:杉山泰一、日垣一博、城本俊治、麻生学
- 制作担当:井口喜一
- 音響効果:倉橋静男
- 殺陣:森岡隆見
- 絵草紙(エンドロールイラスト):山内隆
- ドックトレーナー:宮忠臣
- 火薬エフェクト:大平特殊効果
- 現像:IMAGICA
- ロケ協力:佐倉厚生園、マザー牧場、日光江戸村、長崎オランダ村、マリンパーク境ガ浜、坂戸市
- スタジオ:にっかつ撮影所
- プロデュース:霜村裕
- プロデューサー補:貝原正行、由里敬三