店長がバカすぎて
舞台:書店,
以下はWikipediaより引用
要約
『店長がバカすぎて』(てんちょうがバカすぎて)は、2019年7月13日に角川春樹事務所から出版された早見和真による小説。続巻として『新!店長がバカすぎて』が2022年8月31日出版された。
いずれも武蔵野書店・吉祥寺本店に集う店員、お客、作家が織りなす人間模様を描く。
あらすじ
店長がバカすぎて
- 第一話 店長がバカすぎて
書店員の京子は、尊敬する先輩書店員・小柳真理が紹介する、名前も知られていない作家の売れない作品に添えられた、売り場のポップの書評が気になり、読んでみるが、その面白さが全くわからない。
- 第二話 小説家がバカすぎて
吉祥寺本店の店長・山本が、武蔵野書店にて人気作家の富田暁を招いてサイン会を企画するが、デビュー作以降、順調に作品は売れるものの、面白い作品が書けないでいる富田はすっかりグレていた。
- 第三話 弊社の社長がバカすぎて
武蔵野書店の創業者で社長の柏木雄三が、吉祥寺本店に視察に来るが、自分の失策を棚に上げ、文芸の売り上げが下がっている事を、書店員の努力が足りないと叱責する。
- 第四話 営業がバカすぎて
かつて吉祥寺本店で京子と共に働く店員だった木梨祐子が、大手出版社の往来社の新人として、上司の山中と共に営業にやってきた。『レッツ・ゴー奥さま』という、年刊誌を、書店員に強制的に自爆購入させる大手出版社の傲慢さと、武蔵野書店にあまり力を入れてくれていない往来社の営業方針に、良い印象を持っていない京子は、彼女の就職を素直に喜べなかった。
- 第五話 神様がバカすぎて
ネットで手軽に本を購入出来るようになった現代においても、足繁くお店に来店し、定期購読を含め多数の書籍を購入して下さる常連のお得意様を、京子は勝手に「神様」と認定して大切にしているが、その尊い神々は、凡夫である書店員達の信仰心を、しばしば試すことがある。「出版社名や著者名はおろか、タイトルさえもわからない出版物を注文したい」と。しがない凡夫の書店員達の心は打ちひしがれる。運命はいかに。
- 最終話 結局、私がバカすぎて
出版社の営業担当者ですらその正体を知らない覆面作家・大西賢也。彼のサイン会を行おうと、店長の山本が動き出す。
正体を知られたくないから覆面作家なのであろう大西を、書店の店先に呼ぼうとする店長のバカさ加減に、あきれる京子であったが、その京子の元に、往来社の営業・山中が、かつての書店員仲間であった木梨祐子を伴って訪ねてきた。執筆中と噂されていた、大西賢也の新作のゲラ刷り原稿を携えて。
新!店長がバカすぎて
- 第一話 帰ってきた店長がバカすぎて
小柳店長の寿退職に伴い、宮崎に飛ばされていた山本猛が吉祥寺本店の店長として復帰した。
- 第二話 アルバイトがバカすぎて
半年前のアルバイト面接に京子も同席していた。欠員1人の募集に対して5人の応募があった。最初の男性はひたすら自分の夢を語っていた。最後の一人の山本多佳恵が採用された。
- 第三話 親父がバカすぎて
- 第四話 社長のジュニアがバカすぎて
柏木雄太郎専務が吉祥寺本店でスタッフを叱責していたのを京子が諌めてから京子に急接近し、夢を語り始めた。ある日呼び出された京子は愛の告白されるのではと思ったが、当日は、雄太郎の妻子である由香里と雄介がいた。
- 第五話 新店長がバカすぎて
リニューアルオープン後の吉祥寺本店の店長に京子を昇進させ、山本店長は店長補佐とする人事案の内示が出たが。
- 最終話 やっぱり私がバカすぎて
吉祥寺本店のリニューアルオープン記念として、大西賢也のトークショーが行われることになったが、開催直前に本人から別の覆面作家であるマーク江本との対談形式にしたいと申し出があった。
登場人物
武蔵野書店関係者
続巻からの登場人物
出版関係者
作家
書誌情報
- 早見和真『店長がバカすぎて』
- 単行本:2019年7月13日発売、角川春樹事務所、ISBN 978-4-7584-1339-8、四六判並製
- 文庫本:2021年9月8日発売、角川春樹事務所、ISBN 978-4-7584-4426-2
- 早見和真『新!店長がバカすぎて』
- 単行本:2022年8月31日発売、角川春樹事務所、ISBN 978-4-7584-1428-9
- 単行本:2019年7月13日発売、角川春樹事務所、ISBN 978-4-7584-1339-8、四六判並製
- 文庫本:2021年9月8日発売、角川春樹事務所、ISBN 978-4-7584-4426-2
- 単行本:2022年8月31日発売、角川春樹事務所、ISBN 978-4-7584-1428-9
用語
- 本屋大賞 - 書店員が選ぶ文学賞。現在は直木賞、芥川賞に並ぶ認知度を誇り、書店員や出版社も受賞作の販売に力を入れている。
- 谷原効果、逆谷原効果 - 谷原京子が小柳真理に小説を薦めた時、その小説が京子が絶賛するほど真理には面白く思えなかった場合を谷原効果と呼び、京子が貶し、低く評価した作品が、真理にはそれほど酷い作品ではなく、見どころもある。と判断したした場合には、逆谷原効果と呼ばれる。読み手の嗜好と判断基準のハードルの高さの違いを言い表わす二人の間だけで通じる言葉。