彼の求める影
舞台:東京,
以下はWikipediaより引用
要約
『彼の求める影』(かれのもとめるかげ)は、木々高太郎の長編推理小説。大心池(おおころち)先生シリーズの一篇。
第1章「義妹」は1947年4月『東京』に、第2章「死恋」は1947年12月『キング』、第3章「死の接吻」は1947年9月『黒猫』第1巻第3号、第4章「黒い扉」は1947年9月「新選探偵小説十二人集」に、第5章「実妹」・第6章「実母」は1948年5月から8月にかけて『ホープ』第3巻第5号から第8号に、第7章「他人のそら似」は1948年9月「苦楽」第3巻第8号に、第8章「眉毛」は1949年4月『週刊朝日』増刊号に、第9章「彼の求める影」は1950年『小説と読物』に掲載された。1952年12月、『別冊宝石』第10巻第11号に、長篇として纏めて再掲載された。
解説
作者の短篇を重ねて長篇とした例として、『風水渙』があるが、戦後の作としては本名で発表された『詩と暗号』につぐ2作目である。発表雑誌がまちまちで、年月が4年間にわたっているため、人的関係に齟齬が生じてる面もあるが、物語としての一貫性は『風水渙』よりも緊密である。
あらすじ
大学助教授の相生浅男はあるとき、父より母親違いの妹、夏子の縁談の話を寝たきりの父より切り出される。その相手はかつての浅男の教え子での柿岡初雄であった。その後、調べてゆくうちに、彼が求めているのは浅男の生き別れた実の妹で、既にこの世にはいない芳川比叡であることが判明する。やがて、夏子と比叡の相違に気づいた初雄は、より比叡に似た相手を求めて、恋愛遍歴を続けてゆく。
その2年後、某大学の第一号講堂で、検察官・警察の厳重な警護のもと、大心池教授の臨床講義が開かれ、その患者として、柿岡初雄が呼び出された。
登場人物
柿岡初雄(かきおか はつお)
芳川比叡(よしかわ ひえい)
川辺ぬい(かわべ ぬい)
評価
- 中島河太郎は、この作品の主人公が亡き人の容貌や肢体に取り憑かれた苦悩が、精神医学の解析だけで処理されていまっているところが物足りなく、安易だとしている
参考文献
- 『木々高太郎全集4』朝日新聞社刊(1971年1月25日初版)
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