復讐教室 (漫画)
以下はWikipediaより引用
要約
『復讐教室』(ふくしゅうきょうしつ)は、要龍による日本の漫画。原作はE★エブリスタに投稿された山崎烏の小説『復讐の唄』(双葉文庫版刊行時に同じく『復讐教室』と改題された)で、漫画もE★エブリスタで配信された。単行本は双葉社からアクションコミックスのレーベルで全7巻が刊行されている。
あらすじ
白咲中学校3年3組に在籍している藤沢彩菜はクラスメイト全員にいじめられていた。それはいじり、無視、物隠しなどの生易しいものでは留まらず、カツアゲ、レイプ、激しい暴行など熾烈を極めていた。それでも彩菜は、自分が大人しくしていれば早く終わると信じ、卒業までひたすら耐え忍ぶ日々を送っていた。だがある日、交差点で信号待ちをしていると、同じ学校の制服を着ている何者かに突き飛ばされ、交通事故に遭ってしまう。幸いにも軽傷で済んだが、この出来事をきっかけにこのままでは殺されると確信し、命を賭けて狩り返すという考えに至り、学校に復帰するまでの3週間入念な調査と計画を立て、クラスメイト全員に復讐を誓う。
登場人物
白咲中学校3年3組
主人公とその協力者
藤沢 彩菜(ふじさわ あやな)
本作の主人公。クラス中から暴行や恐喝をはじめ、あらゆるイジメに遭っていた女子生徒。そんなある朝、通学途中の横断歩道で何者かに背中を押され、交通事故に見舞われる。幸い3週間程度の入院で済んだものの、それを機にクラス全員への復讐を決意し、憎い者たちを不幸のどん底に陥れていく。
父親が会社経営者で生活自体は裕福。温室育ちのため、自己中心的な思考や行動が目立つが心優しい一面も持っており、小学生の頃、一緒にお祭りに行けなかった美穂のために露店の食べ物を買いに走ったり、中学2年には常盤蓮を保健室に連れて行き介抱している。また、北浦亮から好意を抱かれ告白されたこともあっただけでなく、いじめがエスカレートしてしまうまでは、美穂を始め結子、恵美、梨乃等と仲の良い友人が何人もいたりと学校内における人間関係は悪くなかった。一方、父親からは高圧的で傲岸不遜な振る舞いも相まって愛されていないと感じており、苦手意識を持っているばかりか家でも進んでコミュニケーションを取ろうともしなかった。母親との関係も、母親の保身や世間体ばかり考える態度もあってか、いじめの事件がエスカレートするにつれて拗れていってしまう。
物語が進むにつれて凄惨ないじめと悲劇を体験したこともあり、翔太に無責任な対応を見せたり殺しかねない行動をおこなう残忍さを見せ、復讐対象者の死についても、次第に心を痛めなくなる冷酷な人物になっていった。
終盤では、いじめの主犯格や黒幕を殺害して他の復讐対象者を探している時に翔太に無責任な対応をしたことが仇となり、現れた狂気の翔太に追いかけ回されて高い所から転落し、その後、意識不明の状態が続いている。
小説ではいきさつが異なり、いじめで精神的に追い詰められ自殺願望を抱くが、クラス全員を破滅に追い込むことを最後の生きる糧にする、というプロローグとなっている。また、終盤で妊娠が発覚している。漫画とは異なり全てのクラスメイトに復讐(復讐したつもりとしたこともある)を果たし、漫画同様最後に翔太によって高い所から転落させられ死亡することになるが、こちらは自業自得と割り切っており対象の範囲は定かではないが心の中で謝罪していた。
野村 藍(のむら あい)
吉永 翔太(よしなが しょうた)
彩菜の2人目の協力者。長身だが、非常に臆病な男子生徒で他者から強く問い詰められるとすぐにオドオドしてしまうが、一度感情的になったら、不良生徒も恐れる殺気を放つばかりか凶器で相手を傷つけることも躊躇わなくなる凶暴さもある。彩菜が酷いいじめを受けていた時も、見て見ぬふりを決め込んでいた。一方で、自身も不良男子と思しき生徒からいじめられていた描写もあり、酷い時は生活費をカツアゲされた事もあった。窃盗癖があり、その場面を彩菜に写真に撮られたうえで見咎められてしまう。そして「復讐の手助け」を強要されて以降、藍と並ぶ実行役となる。その反面、藍と比べると彩菜からは自身の失態が原因で、厳しく責められたり汚れ役を押し付けられることもあった。
彩菜に復讐を強要されていく内に精神の均衡を崩していき、自分が追い詰められた時に彩菜に無責任な対応を取られたことや、復讐対象者が翔太を挑発するような行動を行ったことでその復讐対象者を殺害し、彩菜の策で監禁される。その後は何者かに助けてもらい、狂人と化した状態で彩菜の前に現れ襲い掛かり、彩菜が高い所から転落する原因を作った。最後は隔離病棟に入院することになる。
家は貧乏で、祖母の年金で妹達と共に暮らしている。窃盗癖も家族にプレゼントを贈りたいと思うが故の行動である。中学卒業後は、アルバイトをしながら定時制の高校に通う予定だった。
ターゲット
瀬尾 優斗(せお ゆうと)
滝嶋 結子(たきしま ゆうこ)
峰嶋 貴志(みねしま たかし)
菅原 千鶴(すがわら ちづる)
三輪 楓(みわ かえで)
窪田 恵美(くぼた えみ)
五十嵐 隼人(いがらし はやと)
森谷 直人(もりや なおと)
川本 大輔(かわもと だいすけ)
山瀬 裕也(やませ ゆうや)
夏目 麻衣(なつめ まい)
越智 一真(おち かずま)
稲葉 結衣(いなば ゆい)
岡崎 安奈(おかざき あんな)
小林 政敏(こばやし まさとし)
阿部 祐樹(あべ ゆうき)
辻村 健太郎(つじむら けんたろう)
若槻 梨乃(わかつき りの)
常盤 蓮(ときわ れん)
22人目のターゲット。生徒はおろか教師からも恐れられているクラス1の不良男子。一真と大輔のリーダー的存在であり、大輔からはかなり恐れられており、一真からも「人を殺した事があるんじゃないか?」や「普通じゃない」と疑念や恐怖心を抱かれている。学校の外にも不良やチンピラの仲間がおり、バイクも乗り回している。裕也や亮とは幼馴染。美穂に対しては彼女が病弱なのは知っているものの、それでも対等な口調で接していたり気に掛けたりと一目置いている。
かつて彩菜をいじめていた男子グループの主犯格。彩菜からも「凶暴で凶悪で最低最悪な人間」と思われている。相手に暴力を振るうことに何の躊躇いもないばかりか、煙草を吸っていたり、他者から自身の行いを非難されても悪びれる素振りを全く見せないほど素行が悪い。また、中学2年時に上級生数人を相手しても、逆に返り討ちにしたほど喧嘩が強い。この時から彩菜と面識や接点があり、彼女からけがの手当てをされたりもしていた。
彩菜からもいじめの主犯格と認識され、相当な憎悪と怒りを抱かれている。
他のクラスメイト
塚本 美穂(つかもと みほ)
5人目の死亡者。ミステリアスな雰囲気とハーフツインテールが特徴。彩菜の元親友で小学校時代から一緒だった。定期的に腎臓透析を受けているほど病弱で、保健室にいることが多い。趣味は読書で、太宰治の『人間失格』をよく読んでおり、時に読んでいる本の文章を口にしたりすることもある。蓮とは顔馴染みなのか、一目置かれているような扱いをされているだけでなく、自身が病気で苦しんでいる時は介抱されていた。欠席者を出すにつれクラスが崩壊した後、彩菜が振り分けられた南ヶ原中学校に通う。
彩菜が酷いいじめを受けている間も鞠莉のグループに属し、彩菜と同じ学区に振り分けられてもいじめ事件について意味深な発言をしては、我関せずな振る舞いをしてはいたが…。
結城 真莉(ゆうき まり)
6人目の死亡者。彩菜の元親友。茶髪のツインテールが特徴。いじめグループのリーダー格。父親は亡くなっており、古びたアパートで一人暮らしをしている。
驚くことはあっても、落ち着いた行動や思考ができる冷静さと自分と仲の良い人物に対しても自重しない発言や振る舞いをした時は厳しく批判する気丈さを持っている。
かつて彩菜を酷くいじめていたが、本人自体は目立って酷い仕打ちをしていなかった。欠席者を出すにつれクラスが崩壊した後、彩菜が振り分けられた南ヶ原中学校に通う。
その後、自重しない真央や詩織と仲違いし始めたり、彩菜を精神的にフォローする場面が見られるようになった。
彩菜からも「自分が万全でない間は行動を共にした方がいいかも」と思わせるほど信用されつつあったが…。
北浦 亮(きたうら りょう)
彩菜に思いを寄せる男子。正義感が強く友人想いな性格で、どのような生徒とも分け隔てなく接する誠実な人柄の持ち主。健太郎、祐樹と仲が良い。蓮や裕也とは幼馴染。クラス内の揉め事にも公正に対処しようとする善良な人格者であるが、チンピラ数人を相手取ってもほとんど無傷で倒すほど喧嘩が強い。かつて彩菜とは学校行事を通して好意を抱くようになり告白したこともあったが、(彩菜の意志ではないが)手酷い振られ方をされており、それが原因で彩菜がクラス中から酷いいじめを受けてしてしまうことになってしまう。幼い頃は蓮や裕也とよく遊んだりするほど親しかったが、中学3年の時点では単なるクラスメイトでしかなくなっていた。いじめ事件がエスカレートする中で彩菜が自分を振った理由は、クラスメイトのいじめや蓮も関係していることを知って以降、独自に蓮の行方やいじめ事件について単独で調べるようになっては学校にも行かなくなってしまう。しかし、亮自身は蓮のことを心配してもおり、彩菜のことも変わらず想っている。
渋谷 真央(しぶや まお)
不良女子。ポニーテールとそばかすが特徴的。かなり陰湿で直情的かつ暴力的な性格をしており、クラスの中では一際酷く彩菜をいじめているばかりか、「結局みんなクズ」と断じ切るほどに性根が腐り果てている。また、彩菜をいじめたいがために彼女を庇おうとする人物に対しても、弱みを握ったり根も葉もない噂を広げようと脅しては彩菜の味方をしようとする人物の立場を危うくさせる行為も平気で行う。クラスが振り分けられた後は彩菜や鞠莉と別の学区になっても、詩織と共に因縁を付けてくる人物へ暴行を加えたり、懲りずに彩菜を執拗にいじめたりと全く自重しようとしない行動を起こしていた。。
真央の目的は、彩菜を自殺に追いやろうとすることであり、物語開始以前から終盤にかけて犯罪同然のいじめをほぼ継続的に行っていた。そしてその目的の根底には…
奥井 詩織(おくい しおり)
不良女子。左目を前髪で隠した、黒髪のショートカット。真央同様にかなり陰湿で暴力的な性格をしており、クラスの中では一際酷く彩菜をいじめている。真央と比べると理性的であり、真央が取り返しが付かなくなる暴挙を働きかけた際は止めていたこともある。一方で、自身もクズな人間であると完全に認めてすらいる。クラスが振り分けられた後は彩菜や鞠莉と別の学区になっても、詩織と共に因縁を付けてくる人物へ暴行を加えたり、懲りずに彩菜を執拗にいじめたりと全く自重しようとしない行動を起こしていた。
詩織の目的は、彩菜を自殺に追いやろうとすることであり、物語開始以前から終盤にかけて犯罪同然のいじめをほぼ継続的に行っていた。そしてその目的の根底には…。
その他
池田 沙知(いけだ さち)
藤沢 雪(ふじさわ ゆき)
藤沢 総一郎(ふじさわ そういちろう)【漫画版】 / 藤沢裕介(ふじさわ ゆうすけ)【小説版】
結末
3年3組の生徒たちが辿った末路は、五十音順で以下の通り。
書誌情報
- 山崎烏(原作)、要龍(作画) 『復讐教室』 双葉社〈アクションコミックス〉 全7巻
- 2013年11月12日発売 ISBN 978-4-575-84311-8
- 2014年4月19日発売 ISBN 978-4-575-84397-2
- 2014年9日23発売 ISBN 978-4-575-84489-4
- 2015年3月10日発売 ISBN 978-4-575-84594-5
- 2015年9月10日発売 ISBN 978-4-575-84683-6
- 2016年3月17日発売 ISBN 978-4-575-84773-4
- 2016年10月22日発売 ISBN 978-4-575-84865-6
小説
上述の通り、小説版は『復讐の唄』の題名でE★エブリスタに投稿され、2012年に双葉社から同名で単行本が刊行された。後に漫画版第1巻と同時期に双葉文庫版が刊行された際、漫画版と同じく『復讐教室』に改題された。2017年から2018年には双葉ジュニア文庫(全2巻)も刊行されている。なお、漫画版とは一部登場人物の名前、性格などに相違がある。
続編として、『復讐教室 連鎖』がある。
あらすじ(小説)
中学3年の藤沢彩菜は学校でいじめられていた。それはいじり、無視、物隠しなどの生易しいものでは留まらず、カツアゲ、レイプ、暴行など熾烈を極めていた。最終的には精神的に追い詰められ、自殺願望を抱いてしまう。だが、考えても苦しまず楽に死ぬ方法などありもしなかった。そんな中、自分の死後、クラスメイトの行く末を考える。逮捕される者、将来を閉ざされる者、その姿を見てみたい。それを生きる最後の糧にしよう。ここに藤沢彩菜の復讐劇が幕を開ける。
書誌情報(小説)
- 山崎烏 『復讐の唄』 双葉社(単行本) 2012年10月31日発売、ISBN 978-4-575-23790-0
- 山崎烏 『復讐教室』 双葉社(双葉文庫) 2013年11月14日発売、ISBN 978-4-575-51632-6
- 山崎烏 『復讐教室』 双葉社(双葉社ジュニア文庫) 全2巻
- 2017年11月15日発売、ISBN 978-4-575-24071-9
- 2018年3月21日発売、ISBN 978-4-575-24085-6
- 山崎烏 『復讐教室 連鎖』 双葉社(双葉文庫) 2014年5月15日発売、ISBN 978-4-575-51678-4