忘却バッテリー
以下はWikipediaより引用
要約
『忘却バッテリー』(ぼうきゃくバッテリー)は、みかわ絵子による日本の漫画作品。野球漫画に記憶喪失をかけ合わせたアイデア作。ウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』(集英社)にて、2018年4月26日より隔週木曜更新で連載中。
概要
みかわにとって2作目の連載作品。話数カウントは「第○話」、キャッチコピーは「天才たちは出会ってしまった…!」「気づいてしまった もう、逃げられない。」など。
みかわは前作『ブタイゼミ』で演劇をテーマとしていたが、読者の母数が多いジャンルに挑みたいと野球漫画を描くことした。野球の絵や漫画は好きだが、試合を観ることは少なかったこともあり、スポーツに興味ない人でも読みやすく作っているという。1度は他社で連載を試みるも企画が通らず、漫画家の二宮裕次にアドバイスを受けるなどをしていたが、最終的に修正を施さず『少年ジャンプ+』で連載することが決定した。集英社新連載40連弾の第3弾として『終末のハーレム ファンタジア』・『アビスレイジ』などとほぼ同時期に始まった。
取材先として高校野球の地方予選(千葉県や神宮球場など)を挙げている。また、野球を本格的にやっていた夫に話を聞くこともあるという。そのほかの情報源として速報性に優れたTwitter・YouTubeなどを活用している。
『週刊少年ジャンプ』(集英社)2020年1号で出張掲載が行われた。これによって単行本7巻の電子書籍版売上が前巻比で245%に急増した。『SPY×FAMILY』・『地獄楽』などと共に『少年ジャンプ+』の代表的な作品として挙げられることもある。次にくるマンガ大賞2019年Webマンガ部門で6位を受賞した。2020年10月にはジャンプフェスタでオリジナルアニメが公開された。
「本誌には連載されないかもしれないが「ジャンプ」を冠する媒体/作品としてどこか納得感のある」作品であり、その点で『少年ジャンプ+』らしさを体現した作品の一つとも評されている。
あらすじ
かつて中学硬式野球界で誰もが恐れた天才バッテリー・清峰葉流火と要圭。中学時代に彼らと対戦した山田太郎は野球を辞める決意をし、野球部のない小手指高校に進学する。だがそこで出会ったのは、記憶喪失により野球素人となった要と、それにくっついて入学してきた清峰だった。さらに、かつて清峰-要に心を折られて野球を辞めた天才プレーヤー・藤堂葵と千早瞬平もまた、同じく小手指高校に入学していることが判明。出会うはずのない場所で出会ってしまった天才たちは、発足したばかりの野球部に入り、再び野球の道を歩み始める。
登場人物
担当声優はOVA(ジャンプスペシャルアニメフェスタ2020)版 / テレビアニメ版の順に表記。一人しか記載がない場合はテレビアニメ版での配役。
都立小手指(こてさし)高校
勉学も部活も普通の都立高校。吉祥寺に近い位置にあり、高校野球では西東京地区に属する。これまで野球部は無く同好会だけだったが、要達が入部し部活動に。夏の地区大会は部員10人で進み4回戦で帝徳に敗れる。秋は部員8人で勝ちきれないとした監督の判断で棄権。2年目は部員20人で活動している。
清峰 葉流火(きよみね はるか)
声 - 細谷佳正 / 増田俊樹
本作の主人公。宝谷シニア出身。1年生→2年生。投手、右投右打。身長185cm。血液型B型。12月10日生。
中学時代、「完全無欠」と評された天才投手。最速148km/hの剛速球と高速スライダーが武器。持ち玉は他にスローカーブも存在。シニアで四番打者であり、打撃センスも非常に高く足も速いが、コミュニケーション能力に難がある。要に対しては従順だが、それ以外の人物に対しては終始冷淡かつ傲岸不遜。
野球に関しては天性の素質を持つが、本人は極度の負けず嫌い(俊足を見せた千早に対して勝負を挑もうとするなど投手以外でも負けず嫌い)でこそあれ「圭と野球をすること」と「ピッチング」にしか興味がなく、トレーニングや体調管理、チーム内のコミュニケーション等はほぼ要に依存している。
要 圭(かなめ けい)
声 - 宮野真守(OVA版・テレビアニメ版)
本作のもう1人の主人公。宝谷シニア出身。1年生→2年生。捕手、右投左打。身長172cm。血液型AB型。4月15日生。
清峰の幼馴染。かつては冷静沈着なリードで勝利に導く天才捕手だったが、記憶喪失により野球に関するあらゆる知識と興味を失い、性格も生来のお調子者キャラになっている。時折突発的に記憶が戻り、かつての冷静沈着な状態になることもあるが、後にこの変化は記憶の問題ではなく解離性同一性障害による人格交代であったことが判明する。
アホ / マスター
「記憶喪失」後のお調子者の人格。野球に対する知識・技術は素人同然。チームメイトからは「アホ」「何も考えていない」などと評され、いい加減で間の抜けた言動ばかりとるものの、どこか憎めないその性格は野球部のムード作りに貢献している。女子が多いという理由から小手指高校へ進学。当初は野球に関わることさえ嫌がっていたが、様々な体験を経て野球の楽しさに目覚め、智将時代に自ら書き残していた「ぜったいノート」でキャッチャーとしての膨大な知識を習得していく。本人はあまり自覚していないが実は他人の感情の機微に敏く、鋭い発言で図星を突くこともしばしば。
作中の時系列上は後から出てきたような形だが、本来はこちらが主人格。現在は「智将」人格のアドバイスを受けながら智将を超えるプレーヤーになるべく奮闘している。
智将
天才捕手と呼ばれていた頃の人格。自信に溢れた冷静沈着な性格で、ある種のカリスマ性を持つ。尋常でない努力と執念により習得した技術と理論を武器とし、捕手としても打者としても超一流。だがその一方、非情までのストイックさゆえに周囲との軋轢を呼ぶことも多かった。
幼い頃に葉流火の野球の才能に触れたことを発端とし、「葉流火を一流のプロ野球選手にする」「そのために野球以外は全て捨てる」という尋常でない決意により生まれた人格であり、野球にしか興味を持てないが野球を楽しむこともできない。野球を追究していく中で遭遇した負の感情によって多大な精神的負荷を抱え込み、中3の時に限界を超えて休眠状態に陥ってしまう。代わりに主人格が表出し、その状態が周囲からは「記憶喪失」と解釈されていた。現在は時折人格交代できる程度には回復しており、主人格のことをからかい半分に「マスター」と呼びつつ、自身の消滅に向けて野球教育に勤しんでいる。
アホ / マスター
「記憶喪失」後のお調子者の人格。野球に対する知識・技術は素人同然。チームメイトからは「アホ」「何も考えていない」などと評され、いい加減で間の抜けた言動ばかりとるものの、どこか憎めないその性格は野球部のムード作りに貢献している。女子が多いという理由から小手指高校へ進学。当初は野球に関わることさえ嫌がっていたが、様々な体験を経て野球の楽しさに目覚め、智将時代に自ら書き残していた「ぜったいノート」でキャッチャーとしての膨大な知識を習得していく。本人はあまり自覚していないが実は他人の感情の機微に敏く、鋭い発言で図星を突くこともしばしば。
作中の時系列上は後から出てきたような形だが、本来はこちらが主人格。現在は「智将」人格のアドバイスを受けながら智将を超えるプレーヤーになるべく奮闘している。
智将
天才捕手と呼ばれていた頃の人格。自信に溢れた冷静沈着な性格で、ある種のカリスマ性を持つ。尋常でない努力と執念により習得した技術と理論を武器とし、捕手としても打者としても超一流。だがその一方、非情までのストイックさゆえに周囲との軋轢を呼ぶことも多かった。
幼い頃に葉流火の野球の才能に触れたことを発端とし、「葉流火を一流のプロ野球選手にする」「そのために野球以外は全て捨てる」という尋常でない決意により生まれた人格であり、野球にしか興味を持てないが野球を楽しむこともできない。野球を追究していく中で遭遇した負の感情によって多大な精神的負荷を抱え込み、中3の時に限界を超えて休眠状態に陥ってしまう。代わりに主人格が表出し、その状態が周囲からは「記憶喪失」と解釈されていた。現在は時折人格交代できる程度には回復しており、主人格のことをからかい半分に「マスター」と呼びつつ、自身の消滅に向けて野球教育に勤しんでいる。
山田 太郎(やまだ たろう)
藤堂 葵(とうどう あおい)
千早 瞬平(ちはや しゅんぺい)
土屋 和季(つちや かずき)
声 - 山谷祥生
軟式野球部出身。2年生→3年生。中堅手、右投右打。身長169cm。血液型A型。11月17日生。
体力はないが、千早に負けず劣らずの瞬足を誇る中堅手。中学では「野球部」というシステムに馴染めず、高校ではフィクションの「野球」に逃げ込んでいた。
オタク気質で要の記憶喪失について「二次元みたい」、智将モードの要を「圭様」と称する。またオカルトにも詳しい。
御手洗 優作(みたらい ゆうさく)
鈴木(すずき)
陽ノ本 照夜(ひのもと てるや)
滝 正雪(たき まさゆき)
猿川 小立(さるかわ こたち)
姫倉 清花(ひめくら さやか)
私立帝徳(ていとく)高校
西東京に存在する名門校。部員全員が寮。多くの部員を抱えており、3年間ベンチに入れない部員も多い。環境はかなり良く、争いの中でも空気は柔らかい。要達の1つ上の2年生の代は最強と呼ばれており、スタメンのほとんどが2年生。 地区大会4回戦で小手指に勝ち、決勝では氷河を逆転で倒し西東京大会優勝、甲子園出場を決めるも一回戦で選抜王者の大阪陽盟館に11-0の惨敗を喫する。春は横浜に敗れベスト4。2年目の夏は準決勝で小手指と再戦。
国都 英一郎(こくと えいいちろう)
声 - 大塚剛央
1年生→2年生。一塁手。右投左打。身長184cm。血液型A型。5月23日生。
1年から帝徳の4番を担う長距離砲のエース。シニア時代に対戦した清峰・要の実力に感激し、二人と共に帝徳高校に入って甲子園を目指したいと考えていた。再会時に要が記憶喪失状態であることを知らなかったため、野球を軽視するかのような要の言動に失望、激怒したものの、夏の小手指との試合を経て要に謝罪し清峰に再戦を誓う。生真面目な性格で、面倒臭い飛高のことも先輩として純粋に慕っている。
飛高 翔太(ひだか しょうた)
陽ノ本 当(ひのもと あたる)
千石 今日路(せんごく きょうじ)
久我 歳行(くが としゆき)
片山
私立氷河(ひかわ)高校
巻田 広伸(まきた ひろのぶ)
声 - 石井マーク
1年生→2年生。投手、右投右打。身長183cm。血液型O型。7月14日生。
直球勝負を信条とするパワーピッチャー。中学時代は千早と同じリトルシニアチームに所属していた。千早のプレースタイルを「チマチマしていてつまらない」と評しつつも、その実力は認めておりライバル視している。
桐島 秋斗(きりしま しゅうと)
声 - 河西健吾
2年生→3年生。投手、左投左打。身長178cm。血液型AB型。1月24日生。
キレのある速球と多彩な変化球で打者を翻弄するエース投手。見た目はクールだが、大阪からの野球留学生で笑いに厳しい。部内で「ダントツでオモンない」巻田をイジりまくっている。大阪陽盟館高校の桐島夏彦の兄。
星明(せいめい)学園
大阪陽盟館(ようめいかん)高校
全国一の実力を誇る激戦区大阪の名門校。出場ではなく甲子園優勝を目標に活動しており、プロも数多く排出している。プロ野球の世界を地続きの世界と部員は考えている選手も多い。部員はスカウトで180cmしか取っていない。監督曰く今の1年生が歴代No.1世代。
桐島 夏彦(きりしま なつひこ)
凪 薫(なぎ かおる)
その他の登場人物
清峰 葉流馬(きよみね はるま)
要の母(仮称)
書誌情報
- みかわ絵子『忘却バッテリー』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、既刊17巻(2024年1月4日現在)
- 2018年9月4日発売、ISBN 978-4-08-881603-6
- 2018年12月4日発売、ISBN 978-4-08-881688-3
- 2019年3月4日発売、ISBN 978-4-08-881765-1
- 2019年6月4日発売、ISBN 978-4-08-882013-2
- 2019年8月2日発売、ISBN 978-4-08-882026-2
- 2019年12月4日発売、ISBN 978-4-08-882147-4
- 2020年5月13日発売、ISBN 978-4-08-882308-9
- 2020年9月4日発売、ISBN 978-4-08-882451-2
- 2021年3月4日発売、ISBN 978-4-08-882617-2
- 2021年6月4日発売、ISBN 978-4-08-882699-8
- 2021年8月4日発売、ISBN 978-4-08-882739-1
- 2022年1月4日発売、ISBN 978-4-08-882887-9
- 2022年5月2日発売、ISBN 978-4-08-883123-7
- 2022年9月2日発売、ISBN 978-4-08-883252-4
- 2023年3月3日発売、ISBN 978-4-08-883442-9
- 2023年8月4日発売、ISBN 978-4-08-883617-1
- 2024年1月4日発売、ISBN 978-4-08-883760-4
アニメ
OVA
2020年10月11日にYouTubeのジャンプチャンネルで配信された『ジャンプスペシャルアニメフェスタ2020』にて、オリジナルアニメが公開された。 原作第1話と第2話を元にした内容となっている。
スタッフ(OVA)
- 原作 - みかわ絵子
- 監督・絵コンテ・演出 - 篠原ぱらこ
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 伊藤憲子
- 美術監督 - 赤木寿子
- 脚本 - 藤原ちぼり
- 演出 - 青島昂希
- 色彩設計 - 徳田智瑛子
- 撮影監督 - 八木まどか
- 編集 - 寶藏旬也
- 音響監督 - 小泉紀介
- 音響制作 - dugout
- 制作 - MAPPA
テレビアニメ
2023年8月に制作が発表された。2024年4月よりテレビ東京ほかにて放送予定。
スタッフ(テレビアニメ)
- 原作 - みかわ絵子
- 試合制作 - 高嶋栄充
- 監督 - 中園真登
- 副監督 - 飯田剛士
- シリーズ構成 - 横手美智子
- キャラクターデザイン - 長谷川ひとみ
- アクション作画監督 - 立中順平、徳丸昌大
- 美術監督 - 船隠雄貴
- 色彩設計 - 中野尚美
- 撮影監督 - 川下裕樹
- 3D監督 - 小川耕平
- 編集 - 吉武将人
- 音楽 - 菊谷知樹、山崎寛子
- 音響監督 - 名倉靖
- 制作 - MAPPA