応天の門
漫画
作者:灰原薬,
出版社:新潮社,
掲載誌:月刊コミックバンチ,
レーベル:BUNCH COMICS,
巻数:既刊18巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『応天の門』(おうてんのもん)は、灰原薬による日本の漫画作品。『月刊コミックバンチ』(新潮社)にて、2013年12月号から連載中。
平安京を舞台に巻き起こる怪奇事件を、在原業平と菅原道真が解き明かすクライム・サスペンス作品。事件は平安時代に信じられていた鬼や物の怪などが引き起こすという形で発生するが、真相は人間たちが引き起こしたものとして解決される。また、事件の背景には、朝廷で勢力争いを繰り広げていた藤原氏や伴氏といった有力貴族が何らかの形で関わっているなど、歴史ものとしての側面も描かれている。
本作の監修は東京大学史料編纂所の本郷和人が担当しており、単行本には平安時代の文化・風俗に関する解説文を書いている。
2017年、第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞。2023年2月時点で紙と電子書籍を含めた単行本の累計部数は、185万部を突破している。
あらすじ
藤原氏が朝廷の実権を掌握しつつあった時代。平安京の貴族たちの間では、その藤原氏の屋敷から夜な夜な下女が行方不明になるという事件の噂で持ちきりとなっていた。貴族たちは「鬼の仕業」と言い出し、その噂は帝の耳にも届くようになった。都の守護を務める在原業平は、帝の命を受け犯人捜しを始めるが、下女誘拐の犯人として自身の縁者である紀長谷雄が捕縛されてしまう。長谷雄の無実を証明しようとする業平は、捕縛の場に居合わせた長谷雄の学友・菅原道真に協力を依頼し、不承不承協力を約束した道真と共に犯人捜しを続けることになった。
捜査の甲斐あって下女の行方不明事件を解決した業平と道真は、以降も都で起こる怪奇事件を解き明かしていくが、次第に事件の背後に関わる藤原氏と伴氏の勢力争いに巻き込まれることになる。
登場人物
主人公
菅原道真(すがわら の みちざね)
文章生。長谷雄からは「菅三殿」(菅原家三男の意)、屋敷の女房からは幼名の「阿呼さま」と呼ばれている。普段は冠を被っているため隠れているが、病で亡くなった兄・吉祥丸に負わされた傷痕が額にある。
学問に秀で、類稀なる洞察力があることにより業平に度々事件への協力を頼まれている。夥しい数の書籍を父・是善と共に所蔵している。権謀術数蔓延る都の政に嫌気が差し、遣唐使として大陸に渡ることを目標に精進している。一度聞けば大抵のことを記憶するなど秀でた才を持ち、大学寮には殆ど通っていない。貴重な書物・墨に目がない。人と馴れ合うことを嫌っており、屋敷に閉じこもっていることが多い。また年若い為、貴族社会の理不尽さには憤りを感じている。リアリストで物の怪・怨霊などの迷信は全く信じていない。厄介事に巻き込まれることを嫌い常に相談者へ突っ慳貪な態度をとるが、頼られることや尊敬されること感謝されることに対しては度々喜びを隠し切れないでいる。相手の心理を汲み取り応じる優しさもある。
兄の死の原因となった藤原家に対し多少憎んではいるが、それ以上に自分には何も出来ないことを憎く思っている。是善に抗議するために数日間断食したり、現実逃避のために出奔したりするなど頑固で行動的なところもある。
普通の貴族と違い民衆とも分け隔てなく接するが、家柄のせいで下級貴族や貴族でない人間からは特別視されてしまい葛藤している。
菅原家
菅原是善(すがわら の これよし)
白梅(はくばい)
藤原北家
藤原良房(ふじわら の よしふさ)
藤原高子(ふじわら の たかこ)
藤原基経(ふじわら の もとつね)
藤原国経(ふじわら の くにつね)
藤原遠経(ふじわら の とおつね)
伴家
その他朝廷関連
紀長谷雄(き の はせお)
島田宣来子(しまだ の のぶきこ)
源信(みなもと の まこと)
市井
各話登場人物
- 「在原業平少将、門上に小鬼を見る事」
- 「都を賑わす玉虫の姫の事」
玉虫姫(たまむしひめ)
- 「藤原高子屋敷に怪現れたりの事」
- 「鏡売るものぐるいの事」
- 「染殿の后、鬼に乱心せらるるの事」
染殿(そめどの)/藤原明子(ふじわら の あきらけいこ)
- 「道真、明石にて水脈を見る事」
- 「在原業平、多くの災難に遭うこと」
- 「在原業平、京にて塩焼きの宴を催す事」
- 「山科の宮、山中の笛の音に惑わさるる事」
- 「伴善男、吉夢を引き替ふる事」
- 「都にて、魂鎮めの祭りの開かれる事」
- 「藤原多美子、入内の事」
- 「長谷雄、唐美人に惑わさるる事」
- 「源融、庭に古桜を欲す事」
- 「都で流行りたりける暦の事」
- 「大学寮にて騒ぎが起こる事」
- 「菅原道真、遊行する比丘尼に合う事」
青海尼(せいかいに)
- 「禍いを呼ぶ男の童の事」
- 「都に馬頭鬼のあらわるる事」
- 「菅原道真、米算用をする事」
- 「菅原道真、山中に椿の怪をみる事」
源能有(みなもと の よしあり)
- 「菅原道真、盗人に疑わるる事」
- 「天女に魅入られたる男の事」
- 「土師忠道、菅原道真と遇する事」
- 「紀長谷雄、竹薮にて子を見付くる事」
- 「在原業平、伊勢に呼ばるる事」
- 「典薬寮にて不老不死の薬が見つかる事」
- 「流人の隠岐より帰京する事」
恒貞親王(つねさだしんのう)/恒寂(ごうじゃく)
嵯峨帝(さがてい)
- 「宵闇に鬼出る辻の事」
- 「宴の松原に屍の出る事」
- 「伴中庸、橋の上にて思し悩む事」
- 「狐を嫁にした男の事」
- 「藤原高子、屋敷に吉兆が現れる事」
舞台化
宝塚歌劇団月組により、2023年2 - 4月に宝塚大劇場・東京宝塚劇場において上演。
脚本・演出は田渕大輔。主演は月城かなと・海乃美月。
キャスト
- 菅原道真:月城かなと
- 昭姫:海乃美月
- 在原業平:鳳月杏
書誌情報
- 灰原薬『応天の門』新潮社〈BUNCH COMICS〉、既刊18巻(2023年11月9日現在)
- 2014年4月15日発行(2014年4月9日発売)、ISBN 978-4-10-771742-9
- 2014年10月15日発行(2014年10月9日発売)、ISBN 978-4-10-771777-1
- 2015年4月15日発行(2015年4月9日発売)、ISBN 978-4-10-771810-5
- 2015年10月15日発行(2015年10月9日発売)、ISBN 978-4-10-771846-4
- 2016年3月15日発行(2016年3月9日発売)、ISBN 978-4-10-771883-9
- 2016年11月15日発行(2016年11月9日発売)、ISBN 978-4-10-771930-0
- 2017年6月15日発行(2017年6月9日発売)、ISBN 978-4-10-771987-4
- 2017年12月15日発行(2017年12月9日発売)、ISBN 978-4-10-772034-4
- 2018年7月15日発行(2018年7月9日発売)、ISBN 978-4-10-772101-3
- 2018年12月15日発行(2018年12月7日発売)、ISBN 978-4-10-772143-3
- 2019年7月15日発行(2019年7月9日発売)、ISBN 978-4-10-772203-4
- 2020年2月15日発行(2020年2月7日発売)、ISBN 978-4-10-772258-4
- 2020年9月15日発行(2020年9月9日発売)、ISBN 978-4-10-772320-8
- 2021年3月15日発行(2021年3月9日発売)、ISBN 978-4-10-772371-0
- 2021年11月15日発行(2021年11月9日発売)、ISBN 978-4-10-772445-8
- 2022年11月9日発売、ISBN 978-4-10-772544-8
- 2023年3月9日発売、ISBN 978-4-10-772584-4
- 2023年11月9日発売、ISBN 978-4-10-772666-7