怨讐星域
以下はWikipediaより引用
要約
『怨讐星域』(おんしゅうせいいき)は、梶尾真治のSF小説。
『S-Fマガジン』2006年5月号より2014年11月号まで連作短編シリーズとして不定期に連載され、加筆・修正の上、2015年5月22日に早川書房よりハヤカワ文庫JAの3分冊で刊行された。舞台は、地球、地球から172光年離れた惑星〈約束の地〉、地球から〈約束の地〉に向かう移民船〈ノアズ・アーク〉の3か所で展開される。数百年にわたる年代記であるため、全話に共通して登場する人物はおらず、世代交代とともに、人物は入れ替わっていく。
あらすじ
近未来、太陽フレアの膨張による地球滅亡が予想されていた。アメリカ大統領フレデリック・アジソン率いる約3万人の選ばれた人々はひそかに地球を脱出し、世代間宇宙船〈ノアズ・アーク〉で172光年離れた惑星〈約束の地〉へと旅立った。地球に残された人々は、〈ノアズ・アーク〉出航後に発明された転送装置を用いて、超長距離の星間転移により〈約束の地〉へと後戻りのきかない決死の脱出を図ったが、文字通りの天文学的距離の星間転移により〈約束の地〉にたどり着くことに成功したのは、その中のほんの一握りであった。国籍も民族も宗教も言葉も異なる生き残りたちは、〈ノアズ・アーク〉への恨みを糧に結束し、過酷な未開の惑星で新たな社会〈ニューエデン〉を築いていった。そして、地球滅亡から数百年、〈ノアズ・アーク〉と〈ニューエデン〉の2つの人類が再開を果たすとき、両者の間に起きることは……。
登場人物
田辺正広 / マサヒロ
フレデリック・アジソン / アジソン大統領
イアン・アンソン・アダムス
クリス
オマール・エッフェンディ
タナベ・タツロー
アンリー
キース
”アジソンもどき”
ナダヤ・アケル
ナダヤ・ノビル
グルーシュカ・リンリー
ダン・マエバシ
用語
地理・組織等
〈約束の地〉
〈ノアズ・アーク〉
〈ニューエデン〉
ワシントン
ニューヨーク
カリフォルニア
オクラホマ
草千里転送施設
イースト専門校
テンゲン山
ネオ・アララテ岳
ゴブリン橋
アダムス小屋
ダホディル・フィールド
コンフォート・マウンテン・ビュー
パラダイス・ビーチ
マーメイド・ラグーン
〈約束の地〉の生物
オカガニ
シャドーカラオケ
スナーク
カーペット・ビーフ
ポグ芋
繭猫
ブッシュ・バード
卒塔婆笹
米
100年蝉
ニップルベリー
キルゴアトラウト
エデンオーク
ビターオーク
脂魚
テクノロジー
転送装置
N-ホーン
ハッピーエンド
未復元工学
工場結合艦(コンビナートシップ)
飛び竜(ドラゴンフライ)
各話リスト
書誌
ハヤカワ文庫JA
巻数 | タイトル | ISBN | 発行日 |
---|---|---|---|
1 | 怨讐星域 I ノアズ・アーク | ISBN 978-4-15-031192-6 | 2015年5月25日 |
2 | 怨讐星域 II ニューエデン | ISBN 978-4-15-031193-3 | 2015年5月25日 |
3 | 怨讐星域 III 約束の地 | ISBN 978-4-15-031194-0 | 2015年5月25日 |
カバーイラストはtoi8。 カバーには、怨讐星域の英題としてVendetta Planetと記載されている。
書評
書評家の大倉貴之は、「人間味溢れるいくつものエピソードを積み重ねることで壮大さが際立ち、読後になんともいえない感動が湧き出てくる。著者の新たな代表作となったと思う。」と評価した。
受賞
2016年7月9日、日本SF大会において、第47回星雲賞日本長編部門の受賞が発表された。受賞を記念し、SFマガジン2016年10月号に物語全体の後日談であるとともに第21話「七十六分の少女」のエンディングとなる特別篇「七千六日の少女」が書き下ろされている。