息子がかわいくて仕方がない魔族の母親
漫画
作者:十五夜,
出版社:集英社,
掲載サイト:となりのヤングジャンプ,
レーベル:ヤングジャンプ・コミックス,
発表期間:2016年,5月25日,2020年,7月22日,
巻数:全9巻,
話数:全202話,
以下はWikipediaより引用
要約
『息子がかわいくて仕方がない魔族の母親』(むすこがかわいくてしかたがないまぞくのははおや)は、十五夜による日本の漫画作品。もともとはTwitter上で作者の十五夜によって掲載されていたが、2016年5月25日から2020年7月22日までウェブコミック配信サイトの 『となりのヤングジャンプ』(集英社)にて連載された。
ストーリー
その女性の名はローレム。彼女は絶滅寸前の魔族に生まれ、人間や他の魔族から食料を奪いながら生きていたが、息子のゴスペルを産んだことをきっかけに平穏な生活を送るようになる。
彼女は、妹のメリーや人間の友達の西村千春に助けてもらいながら子育てに奮闘していたが、ある日、昔人間から強奪した対魔族爆弾を取り出した時に誤ってゴスペルが起動させてしまったため、ゴスペルを危険な目に遭わせてしまう。この一件のせいで息子に嫌われるのではないかと思ったローレムは、ゴスペルに対し、ちゃんとゴスペルを育てられるような立派な母親になることを涙を流しながら誓う。
風邪で寝込んでいたローレムに呼び出された千春は、そのまま彼女の看病をするが、ローレムが寝込んでいた理由は風邪ではなく魔族特有の病・鬼病であることが判明。そのウイルスに感染した千春は生死を彷徨うが、駆け付けたメリーが千春の中のウイルスを除去したことで事なきを得る。鬼病の件で千春の命を脅かしたことに責任を感じたローレムたちは千春を突き放そうとするが、これにより千春は、ローレムたちの力になるために人魔共生学科がある大学を受験することを決心し、彼女の覚悟を感じたローレムたちもまた、何があっても千春を守ることを決めた。
登場人物
主要人物
ローレム
本作の主人公。赤い角が生えた長い白髪と腰に生えた白い尻尾と翼が特徴的な魔族の女性。24歳。息子のゴスペルを溺愛している。超高温な熱を操る能力を持つ。昔は妹のメリー以外は信用せず、人間や魔族から食料や水を奪ったり自分を危険視して襲ってくる魔族を圧倒しているうちに「殲滅の狂炎(きょうえん)」とあだ名が付くほど恐れられていたが、ゴスペルを産み、魔族に偏見を持たない千春やメリーとの日常生活を過ごしているうちに性格はだいぶ丸くなった。現在でも母親としてはかなり不器用だが、メリーたちの支えもあって母親として成長してきている。本気で怒ることは滅多になくなったが、自治区の一件で超高深度の魔獣化を発動、発声のみで周囲を高熱で焼き尽す(一応手加減は加えたらしく、範囲内に居た魔族は全身火傷程度のダメージで済んだ)など、実力は健在。
アリスショップ
テレサ
アリス
『アリスショップ』の店長。前方向に伸びた角と、ピンクの長髪が特徴的な魔族。25歳。普段の言葉遣いは非常に乱暴。元々人間が使っていた道具を魔族用品に作り替えて販売している。商売上手で金勘定に厳しい。超音波を利用して周囲を探索したり、物を破壊したりできるが、超音波の使用中に目を使うと酔ってしまうので、おおよその場合はアイマスクを付けている。まだアリスショップを開店する前の下請け時代のころにテレサを買い取る。最初は自分でもテレサを買ったことに困惑していたが、テレサの人柄がよく才色兼備な長所が店員に向いていると気に入る。なお特性である超音波は物体の感知に優れているものの映像や文字など実体の無いものは感知できず(「ペンキ塗りたて」と書かれた貼り紙が貼られたベンチに座ってしまうなど)、万能とは言えない。素顔は魔族であれば目を奪われるほどの美人。最終章ではテレサに社長の座を譲り、新たなビジネスの種を求めて旅に出る。
ドローレス
ケンプ
蚕のような能力を持つ女性魔族。尻尾のような器官から耐火・防御性能に優れた糸を出すことができ、副腕と縫い針のような鋭爪を使ってあらゆる服飾品を一瞬で生産することができる。能力を生かしてショッピングモールの一角でオーダーメイドの服屋を営んでいたが、魔族であることに加えその外見と商売下手のため閉店寸前の経営の危機に陥っていた。ゴスペルの服を探していたローレムと出会い、二人分の服を格安で作ったことがきっかけで、その服を見初めたアリスにスカウトされてアリスショップで服飾ブランド「ケンプファー」を担うこととなる。なお、糸の放出には大量のタンパク質を必要とするため大量生産後は千春が唖然とする量のステーキを平らげた。
魔族管理局
特観エリア
フーガ
リゼット
ローレムの隣の部屋に住んでいる魔族の女の子で、頭から小さな羽が生えている。8歳。メリーからは「ぜったん」と呼ばれている。日光が苦手で、夜にならないと外に出られない。人間の血液を食料としており、好物はB型とのこと。当初はちょっとしたことで泣いてしまう繊細な性格だったが、ローレムためと交流していくうちに徐々に年相応に天真爛漫な面が出てきている。歯の構造が他の魔族とは異なり、噛みついた際に効率よく捕食対象から吸血するために数種類の鋭利な歯が並んでいる。胃袋が無いため固形物は食べられないが、液体を飲むことはできる。満腹度に反比例して魔獣化・深度が上がる特殊なタイプ。正確な特性は判明していないが保護された時点では遠距離から無数の衝撃弾・鉄格子を容易に捻じ曲げる怪力が確認されている。バレンタインの大ファンで、彼女が家に遊びに来た時は喜びのあまり気絶してしまった。最終章では夢だったアイドルを目指して養成所に通っている。
エリザ
CATT
ジーク
CATTのα班に所属している魔族の男。25歳。人間の部下を使ってローレムを監視している。翼の爪からは一時的に魔族の特性や魔獣化を封じることができる毒が分泌される。幼少期からその能力のせい他の魔族から仲間外れにされており、居場所を求めてADガスの開発に協力したものの、それが原因で他の魔族から更に疎外されるようになってしまったという過去があり、基本的に他者に心を許さない無愛想な性格。
110話にて、実はゴスペルの父親であることが判明。ドレイクやナイトメアと共にローレムを討伐するよう命令を受け、激闘の末ローレムを倒したが、トドメを刺さずに彼女に対して応急処置を施す。そのお礼としてローレムがジークの家まで鹿の肉を持ってきたことをきっかけに彼女と友達になり、ついにはローレムと結ばれる。やがて彼女がゴスペルを身篭ったことでようやく生きる理由を見出すことができた。しかし、妊娠中のローレムに警察の手が迫ってきたことをきっかけに別離を余儀なくされ、さらにローレムの発熱能力と自分のAD兵器への耐性を併せ持つゴスペルが人間に狙われることを防ぐためにローレムとの関係を隠すことになる。そのため、表向きにはローレムに対し因縁じみた憎悪を抱いているかのような素振を見せるが、それは上層部を欺くための演技であり彼女への愛情は変わらない。いつか家族全員で平穏に暮らせる日のために策を進めている様子で、その事実を知っているのはメリー・千春・エリザのみであったが、クラウンによってローレムが襲撃された際、ローレムの命を救うために隠していた正体を明かすことになった。
クラウン撃破後は晴れて家族と暮らすことができるようになり、CATTも退職して新たに管理局が立ち上げた治安部隊へ転職する。
ドレイク
CATTに所属していたワイルドな風貌の男性魔族。超深度の魔獣化が得意で、魔獣化すると大蛇のような姿になる。ローレムとの交戦により死亡したものと思われていたがなんとか生き延び(この際CATTを自然脱退)、植物状態になったナイトメアのために治療費を貯めてメリーに治療を依頼する。そして、ナイトメアが目を覚ました後は彼女とともに外国で傭兵としてテロリスト狩りを行なっている。なお、生存していた事実は本格的に傭兵を始めた6巻時点ですでにCATTに発覚していた模様。
ゴスペルが誘拐された後、メリーからの依頼を受けてキンドランドへ突入。クラウンとの戦闘中に乱入したコクレンの能力によって深海へ飛ばされてしまうが無事生還。クラウン撃破後は傭兵を辞め、最終章では主夫として家事全般を担っている。
ナイトメア
CATTに所属していた女性魔族で、ゴスロリ系の服を着ている。25歳。一人称は「ワタクシ」。特性は洗脳で、彼女に脳を触られた者は彼女の操り人形になる。子供の頃、その能力を持っていたせいで自分が所属していた女魔族の集団から迫害された挙句、囮として人間に差し出されたため、女を心の底から憎んでいる。ドレイクからのあだ名は「メア」。ローレムとの戦いで重傷を負って植物状態になるが、メリーに治療をされて目を覚ます。その後、ドレイクとともに外国に渡り、傭兵としてテロリスト狩りを行なっている。
ゴスペルが誘拐された後、メリーからの依頼を受けてキンドランドへ突入し、ジーク・ドレイクと共にクラウンと戦闘に入るが、コクレンによってドレイクを飛ばされてしまい、クラウンとの一対一の勝負となる。その際に戦闘中に悪阻で嘔吐したことでドレイクとの子供を妊娠していることが判明、ローレムが到着したことで戦線を離脱する。
クラウン撃破後は傭兵を辞め、傭兵時代に貯めた財産で豪奢な生活を送る。最終章では打倒・ローレム親子のために息子・アルバートを徹底的に鍛え上げている。
CATT幹部
ゼロフォー
自治区の関係者
バレンタイン
ベルトルト
ラモン
クラウン一派
クラウン
三つ目が特徴的な男性魔族で、夜明島にある魔導塊の原石を盗みに来た一派のリーダー。魔導塊を集めることでAD兵器の抑止力を無くした上で魔族だけの国を作ることを企んでいる。設定した座標にあるものを空間ごと握り潰すことができる。
CATTと表面上は対立しながら裏で繋がることで組織を拡大させていったが、ビャクレンの死をきっかけにCATTと手を切り、新型AD兵器の開発阻害、対抗戦力、不確定の強大な戦力の抹消を目的としてジーク・ゴスペルの誘拐(およびローレムの殺害)を目論んで特観を襲撃。AD兵器に対する高い抵抗力を持ち、さらに多くの人に愛される素養、潜在能力の高さから「ゴスペルこそ求めた魔族の王」と見出し、ゴスペルとその家族を勧誘するが断られた為、戦闘。能力発現器官にダメージを負っていたものの戦術でローレム・メリーに勝利し瀕死の重傷に追い込む。その後、自治区の魔族を巻き込んで魔族の国「キンドランド」の樹立を宣言するが、敵対関係に回ったCATTの軍勢およびそれに乗じて潜入したナイトメア達と戦闘となる。
ナイトメア相手には終始優勢に進めていたが、意識を取り戻したローレムがゴスペルを取り返すために参戦すると戦況が逆転。死闘の末に敗北し、部下と共に逮捕・収監される。その後の自供で、今までのCATTとの関係を全て暴露した。
逮捕された3年後に脱獄した後は魔族の国の樹立は諦め、かつての同志がそれぞれの道を進んでいた事を見届けると新たに集めた同志と共に政治を陰からコントロールすべく活動を図る。
ビャクレン
キューピー
モクギョ
コクレン
ビャクレンの双子の弟で、黒いアオザイを着た中性的な少年魔族。ビャクレン同様ワープホールを作る能力を持っている。魔族排斥派の人間に虐待を受けていたところをクラウンに救われ、そのまま一派入りした過去を持つ。
元々は穏やかで引っ込み思案な性格だったが、ビャクレンの死のショックで人間や人間に味方する魔族を深く憎むようになる。
最終決戦では待機を指示されていたが、クラウンとジーク・ナイトメア・ドレイクの戦闘に乱入し、ドレイクを海底に消し飛ばす。その後ジークと交戦して一時は追い詰めるが、ジークの作戦にはまって無力化される。敗北後は姉の後を追おうとビルの壁に空いた穴から身を投げるが、ビャクレンの遺髪で編んだミサンガが途中で引っかかったことで一命を取り留めた。
その後はキューピーと共に各地を転々としていたが、その途中で人間の少女・フーロンと出会ったことがきっかけで人間の街で定住する道を選び、能力を利用して鉱山で働いている。姉を殺した人間への恨みは消えてはいないが、フーロン達と触れ合うことで徐々に和らいできている模様。
ベロニカ
特殊保護観察区域の病院で働く魔族の看護師。腕が4本生えており眼鏡をかけている。触れたものを操作する能力を持っているが、質量が大きいものを操作するのは苦手。ゴスペルからは「注射のお姉さん」と認識されており、顔を合わせても避けられてしまう。
その正体はクラウン一味のスパイで、特観の設立当初から潜入して情報を逐一クラウンに流していた。ゴスペルの健康診断をきっかけとしてゴスペルの秘密を知り、クラウンの命を受けてローレムたちを魔族の国へ勧誘するが拒否される。
人間には反感を抱いているが主治医としての責務からゴスペルたちを作戦に巻き込むことには葛藤を覚えており、ローレムが襲撃を受けた際には立場を超えて命を救う助言を与えた。キンドランド崩壊後は消息不明だったが、最終話にて無事に生活していることが判明した。
大学関係者
最終章の登場人物
フーロン
アルバート
用語
魔族
鬼病(きびょう)
特殊保護観察区域
公安機動捜査隊対魔班(Counter Asumodian Tactical Team)
Anti Demonize(対魔獣化)兵器
自治区
魔導塊
書誌情報
- 十五夜 『息子がかわいくて仕方がない魔族の母親』 集英社〈ヤングジャンプ・コミックス〉、全9巻
- 2017年2月17日発売、ISBN 978-4-08-890656-0
- 2017年6月19日発売、ISBN 978-4-08-890698-0
- 2017年12月19日発売、ISBN 978-4-08-890828-1
- 2018年6月19日発売、ISBN 978-4-08-891040-6
- 2019年1月18日発売、ISBN 978-4-08-891189-2
- 2019年7月18日発売、ISBN 978-4-08-891337-7
- 2019年12月19日発売、ISBN 978-4-08-891455-8
- 2020年6月19日発売、ISBN 978-4-08-891595-1
- 2020年9月18日発売、ISBN 978-4-08-891696-5