悪徳学園
以下はWikipediaより引用
要約
『悪徳学園』(あくとくがくえん)は、平井和正の短編SF小説。早川書房『SFマガジン』1969年10月臨時増刊号に掲載された。本作を表題作とした短編集も刊行されている。本項では主に短編小説について扱う。
あらすじ
東京の私立中学校・博徳学園。だが、「博徳」とは名ばかりで、実際は腐敗・堕落した悪徳学園だった。転校生・犬神明は、ここで卒業を待つつもりだったが、女性教師・斎木美夜が赴任してきてから騒動に巻き込まれる。
登場人物
犬神明(いぬがみ あきら)
斎木美夜(さいき みや)
『狼の紋章』との対比
犬神明と山本勝枝と田所と〈七人衆〉の黒田の4名を除いた登場人物の個人名の違い(斎木美夜と青鹿晶子など)や、名前やキャラクターの入れ替えなどがある。最も大きい相違点は、羽黒獰は暴力団組長(正確には組長代理の幹部)の息子だが、〈七人衆〉の鏡には暴力団とのつながりがないこと(「ある」とは明言されていない)。また、本作には神明(もしくは対応する人物)が登場しない。
本作の犬神明は、登場順では2番目であるが、シリーズを持たないため、他の2名より知名度は低い。
他の平井和正作品との関係
アダルト・ウルフガイシリーズ
『狼の紋章』(ウルフガイシリーズ)
ウルフランド
魔女の標的
あとがき小説「ビューティフル・ドリーマー」
女神變生
地球樹の女神
収録
- エスパーお蘭 (早川書房 1971年)
- 悪徳学園 (ハヤカワ文庫JA 1974年、角川文庫 1975年)
- 月光学園 (出版芸術社 1994年)
- 日本SF傑作選4 平井和正 虎は目覚める/サイボーグ・ブルース (日下三蔵編集 ハヤカワ文庫JA 2018年)
短編集
SF短編小説集『悪徳学園』は、1974年にハヤカワ文庫JAから刊行され、翌1975年に角川文庫版が刊行された。すでに単行本で刊行していた短編集『虎は目覚める』 (1967年)、『エスパーお蘭』(1971年)の文庫化に際し、(分量が多かったため)3冊に再編したうちの2冊目にあたる。具体的には次のように再編された。
- 悪夢のかたち(1973年) - 『虎は目覚める』から一部を割愛し、タイトルも変更
- 悪徳学園 - 『エスパーお蘭』から一部を割愛し、タイトルも変更
- 虎は暗闇より(1974年) - 『虎は目覚める』『エスパーお蘭』から上記で割愛された作品を収録
ハヤカワ文庫JA版のあとがきで、平井は「これで、『悪徳学園という単行本はない』と説明する必要がなくなった」と述べている。
短編集『悪徳学園』には以下の作品が収録された。
- 悪徳学園
- 星新一の内的宇宙(インナー・スペース)
- 転生
- エスパーお蘭
- 親殺し
「星新一の内的宇宙」は、星新一や平井たちSF作家仲間の集まりを題材にしたショートショートであるが、「『狼男だよ』改竄事件」について触れている箇所がある。
なお、上述の『日本SF傑作選4 平井和正』に、これら5作のうち「親殺し」を除く4作が収録されている。