愛のアランフェス
以下はWikipediaより引用
要約
『愛のアランフェス』(あいのアランフェス)は、槇村さとるによる日本の漫画。『別冊マーガレット』(集英社)に1978年1月号から6月号、1979年1月号から7月号、さらに1980年1月号から9月号まで、三度に分けて連載された。単行本は全7巻(集英社マーガレットコミックス)・全3巻(集英社ガールズコミックス)・全5巻(集英社クイーンズコミックスプレミアムシリーズ)。文庫版は全4巻(集英社文庫)。
あらすじ
日本フィギュア界で往年の名選手だった父の指導を幼い頃から受けた森山亜季実は、全くの無名ながらエキシビションの国際大会に飛び入りし、世界トップクラスの演技で一躍天才少女として注目を浴びる。男子シングル選手の黒川貢は2年前のケガが原因でリンクから遠ざかっていたが、偶然目の当たりにした亜季実の演技に強い衝撃を受け、親友の筒美一や貝谷真紀子らの激励の中、復帰を決める。
近い将来のメダリスト候補と目し、スケート協会が全面的に庇護する亜季実を、母の死やそれに続くスランプ、ライバル選手らの嫉妬が襲うが、筒美や貝谷、黒川の支えで乗り越え、初めての全国大会でも2位になる。
黒川が滑ったアランフェス協奏曲の演技に父の面影を感じ、知らず知らずのうちに黒川にも惹かれていた亜季実は、同じ思いを抱く黒川からのペア結成の申し出を受け入れ、ペア転向を決意した。しかし難しいペア競技の中で、精神的に不安定な亜季実が過度に依存してくるようになったのを悩んだ黒川は、ペアコーチの嵯峨島操がソビエトに戻ったのを機に、単身ロンドンへ留学する。
互いへの愛を悟った亜季実と黒川が、再び手を取り合える日は来るのだろうか。
登場人物
スケート選手
森山 亜季実(もりやま あきみ)
主人公。釧路出身。日本フィギュア界の名選手だった優一のひとり娘。高校2年生→大学生。市ヶ谷シルバー・リンク・クラブ所属。
日ソ対抗フィギュアスケートエキジビション大会において、辻みゆきの代わりに強行出場し、チゴイネル・ワイゼンをバックに滑る。男子でも数人、女子では成功したことのない3回転ジャンプを飛んで全国デビューする。東日本フリー大会優勝、ロータリーカップシングル2位、クーデンホーフ大会シングル優勝。貢のスケートに惹かれ彼とペアを組む。しかし、貢へ過度に依存するようになり、迫力や輝きを失ってしまう。しかし、貢の留学後、スケートに対する鷺夫の姿勢を知ることで甘えを悟る。その後、しばらくはペアを念頭におきつつもソロの選手として活動し、日本で初めての国際大会である、国際フィギュア・ジャパン・カップ(沢田の死後、「国際フィギュア沢田カップ」と名称変更)で、貢とのペアを再開する。
黒川 貢(くろかわ みつぐ)
筒美 一(つつみ はじめ)
貝谷 真紀子(かいや まきこ)
柴 鷺夫(しば ときお)
スケート関係者
森山 優一(もりやま ゆういち)
沢田 源三郎(さわだ げんざぶろう)
アランフェス協奏曲
本作では、曲は5つのパートに別れている。第一のパートは出会いがテーマで、離れてスタートした2人が出会う。第二パートは恋がテーマで技中心で軽いリフトが入っている。第三パートは突然の別離がテーマで、まったく寄り添わず、距離を置いて滑る。第四パートは再会の予感。第五パートは再会。これらは亜季実と貢の行動を模しており、優一から「二人の愛のアランフェスだ」と言われる。
解説
- 第一回目の予告カットを描くまでは作品については未定であったという。3回連載の予定で始まったが、足かけ4年、冬期だけという長期連載になり、結果として作者の初期の代表作になった。読者の存在をしっかり認識して描いた最初の作品だという。
書誌情報
- 槇村さとる 『愛のアランフェス』 集英社 〈マーガレットコミックス〉、全7巻
- 1979年6月30日初版発行
- 1996年7月30日初版発行
- 1980年1月30日初版発行
- 1980年2月28日初版発行
- 1980年9月30日初版発行
- 1980年10月30日初版発行
- 1980年11月30日初版発行
- 槇村さとる 『愛のアランフェス』 集英社 〈ガールズコミックス〉、全3巻
- 1989年9月1日初版発行 ISBN 4-08-855006-4
- 1989年11月1日初版発行 ISBN 4-08-855014-5
- 1989年12月1日初版発行 ISBN 4-08-855020-X
- 槇村さとる 『愛のアランフェス』 集英社 〈集英社文庫〉、全4巻
- 1996年9月23日初版発行 ISBN 4-08-617240-2
- 1996年9月23日初版発行 ISBN 4-08-617241-0
- 1996年11月20日初版発行 ISBN 4-08-617242-9
- 1996年11月20日初版発行 ISBN 4-08-617243-7
派生作品
- 牧村さとる『白のファルーカ』集英社 〈マーガレットコミックス〉、全8巻
筒美一・真紀子夫妻が、アイスダンスに打ち込む主人公のコーチとして登場する。