愛気
以下はWikipediaより引用
要約
『愛気』(あいき)は、ISUTOSHIによる日本の漫画。本記事では、直接の続編となる『愛気-S』についても併せて解説する。
概要
少年画報社発行の漫画雑誌『ヤングキング』にて連載を開始し、2004年20号から2006年20号まで連載された。この間は、月2回発行の掲載誌に対し隔号掲載という月一ペースでの発表となっている。2006年10月に新創刊された『月刊ヤングキング』に移籍。創刊号となる同年12月号から掲載され、2013年2月号(2012年12月発売)まで連載された。全99話。単行本は少年画報社のYKコミックスにて全14巻が刊行されている。
第99話の「東欧編」完結をもって『愛気』としては一旦終了となるものの、新シリーズ開始に伴ってタイトルを『愛気-S』とリニューアル。翌2013年1月発売の『月刊ヤングキング』同年3月号にて連載を続行し、2013年8月(同年10月号)において同誌が『月刊ヤングキングアワーズGH』へリニューアルされたのを経て、2018年1月(同年3月号)まで連載。
あらすじ
中学生にして国内の有名武術家を多数撃破するほどであった天才武術家・承久國俊。16歳の時には父以上の実力となっていたが自宅に入った強盗と遭遇時、必要以上に痛めつけるなど強さが仇となった危険な人格が垣間見えたことから、父が生業とする整体による骨格の施術(封禁)を施され、本来の実力の10分の1程度しか発揮できない状態に陥る。その後父は他界し元に戻る術は失われたが、それでもなお他者を隔絶した実力を持つ彼の元に、古今東西様々な武芸者が集い次々と騒動が巻き起こる。
登場人物
承久國俊(じょうきゅう くにとし)
主人公。最強の名をほしいままにした天才武術家だったが「人格面に問題があり過ぎたため」16歳の時に父・達國に薬を盛られ、意識を失っている間に特殊な整体を施され、実力の10分の1も出せない体にされる。それでいてなお常人を遙に凌ぐ戦闘能力を持つ。
年齢は推定20代半ば、昭和生まれらしい。極めて燃費が悪く、体格に反してかなりの大食い。食いまくって相撲取り並に肥えても動いているうちに痩せるほど。中途半端に味にうるさい。パンや肉料理なども嫌いではないが、米の飯が食えないと機嫌が悪くなる。
悪人に対しては冷酷にして残忍。ただし善人に対しても優しいわけではなく、絶大な自信からか全ての他者を見下している。本人曰く、「俺は仲間なんぞいらん。友達もいねーけどな(バルボア曰く「友達? ナニそれ、旨いのか?主義」)」。ストーリーの途中でもバルボアたちと別れ、「見学」と称して騎士団側についていたりする。
美人と見れば自分を倒しにきた相手でも即座に口説きに掛かるが、体も鍛えずに無理やりなダイエットをした女は嫌い。ソープランド無料優待券を紛失した時は、父親が亡くなった時以上に悲しかったらしい。
合気道を基本とするが、見よう見まねでの打撃で「発勁」すら使いこなす。特に体捌きに関しては抜きん出ており、空中での機動は時に理不尽、器用さに至っては両腕どころか足で「居合払い」を使うほど。しかし、初めての日本刀をいきなり実戦で使用したり、かすめ取ったハンドガンを使用するなど、戦い方に対しては武術一辺倒ではなく柔軟な考えを持つ。全盛時には「G-マジシャン(重力魔術師)」「UFOマン」「ソーサラー」などとあだ名されていた。
烏丸の手引きで引き合わされた蓬麗婆さんの治療と自ら開拓した「省エネ運転」でリミッターが常時70%(瞬間的には80%)にまで向上。ヴェロニカの斬撃を受けたことが切っ掛けで「左腕のみ常時80%(瞬間90%)」となり、左手で頭部に触れただけで相手を昏倒させるほか、相手の攻撃ベクトルを90度そらしたり時間停止・空間固定のような技も使う。しかし、この状態は極めてバランスが悪く左腕のパワーに身体が振り回されてしまう。某所ではこの戦法に反応できるヤツも出てきたためか「全体80%」という技術を出してきた。この状態だと相手の攻撃ベクトルを180度ひっくり返すことも可能。
登場時からしばらくは金持ちの母親にたかって生活していた(高卒)。母・彩香の伝手で綾武大非常勤講師ともなるが、翌年には契約を打ち切っている。東欧某国からの帰国後は再び契約(准教授扱い)していた。
國俊のオリジナル技
承久達國(じょうきゅう たつくに)
城厘(きづき りん)
城治(きづき おさむ)
鷹取巳卯(たかとり みう)
十禅寺高校校長の娘で十禅寺高校筆頭(生徒会長)。実は國俊の従姉妹。陰謀により城厘と敵対していたが、烏丸一派との抗争の中で和解。城よりは実力が上。従姉妹だけあって國俊と性格が似ており、勝ち気で乱暴、かつ無鉄砲。國俊にキスをしたり色仕掛けをしたりと親しげだが、「彼氏にするのは今のところパス」だという。演説を始めると長いが、父親譲りとのこと。十禅寺高校を卒業後、綾武大学に進学。愛気-S・6巻にて大学2年生となり某所に押しかけてきた。黒月の追加要員・ギュンターと戦い圀俊同様の「時間停止」を使ってみせるが、全力で仕掛けても停止させられる時間は圀俊の1/10程度で動きを止めても続く攻撃が追い付かないなど未完成。
鷹取達仁(たかとり たつひと)
景安アケミ(かげやす アケミ)
綾武大学に通う女子大生。高校時代に國俊に師事しており(彼を「センセ」と呼ぶ)、封禁状態の國俊ならば凌ぐほどの腕前の持ち主。本来の技は「捕り手術」で十手や捕り者道具を使う。快活でさばけた性格で、やや天然キャラ。烏丸大基と交際しており、國俊に師事したのも烏丸と同じ大学に行くためだった。烏丸の暴走を止めるためにかつての師である國俊を騒動に巻き込んだが、それも烏丸の陰謀だった。実力はあるが素直な性格と戦いぶりを逆手に取られてしばしば敗北・苦戦しては、國俊に後でいびられている。
また、初期は名前(アケミ)が源氏名っぽいといじられていた。國俊が綾武大の非常勤講師となった際には勤務態度があまりに不真面目なため、マネージャー的な立場に納まっている。
蓬明(ホーメイ)
蓬麗(ホーレイ)
メタラ
東雲彩香(しののめ あやか)
ブル
本名・古川。チンピラ養成校と言われる万代工業の番長。チンピラ社会の基準でいえば腕っ節が強い部類だが、命に関わる戦いなど縁がない一般人。元々身体的には恵まれていて、各種格闘技を齧った際には「本気でやってみないか?」と誘われていたが、本格的に打ち込むことはなかった。紆余曲折を経て何故か承久の3番弟子になった。その結果、承久の気まぐれで武道家たちの抗争や、果ては戦場での殺し合いにまで巻き込まれてしまう。家族は家事が苦手な母親のみという典型的な母子家庭で、訓練教官となったダグラスには父性を感じていた。
烏丸一派との戦いでは、偶然により最終戦のキーマンとなった。その後國俊の呼び出しにより、ある日突然革命軍に強制入隊させられてしまい、嫌々ながら兵士としての訓練をうける。「後に承久から戻るように言われても、自分から進んで革命軍側に残ることを選択した。
帰国後は自身の経験を周囲に吹聴するが、まったく信じてもらえず、ヤクザの運転手に就職していた。その後またもや國俊と出くわしてしまい、強引にアメリカに同行させられてしまう。某所では達人「ブル・ザ・インフィニティ」として表看板に祭り上げられる。
愛気-S・5巻収録の外伝「ブルる」では、帰国直後に自身のグループが元・十騎衆だった男「永正」に乗っ取られており、殴りこむも返り討ちにされる。承久・景安の干渉(間違っても「手助け」ではない)を受けて勝利するが、自分が仲間だと思っていたメンバーが単に威勢が良かった自分にすり寄っていただけと知る(ブル自身もかなり横柄な扱いだったが)。
天保兼元(てんぽう かねもと)
烏丸大基(からすまる だいき)
綾武大学の学生。両こめかみの古傷による視野狭窄症を患っているが、それと引換に卓越した先読み能力を駆使する、底知れない実力の持ち主。実力者ぞろいの綾武大生から精鋭を選りすぐり、彼らを率いて裏にも表にも属さない権力を確立するため暗躍する。自らの限界を測るため、國俊を戦いに引きずり出して実力を回復させ、対決しようと策動していた。國俊に挑みかなり追いつめたものの敗北。意識が戻った後病院から失踪した。その後、経緯は不明だが革命軍に「見習い」として所属していた。
國俊に負けた時の後遺症で現在國俊と同じような「リミッター」が掛かっている状態。しかし存外その状況を楽しんでいる様子。宝寿からは國俊に負けたのは「生真面目すぎるのが原因」と指摘され、内戦終結後はヨーロッパを放浪中。
バルボア
宝寿兼音(ほうじゅ かねおと)
「昭和の伝説」「ラストサムライ」と呼ばれた剣術家。80に届く年齢だが「無流」を名乗り、様々な異形刀とそれを操る日本の剣術から逸脱した技を使う。ただし、年齢のため戦えるのは精々数分。戦闘態勢のままの維持は3分が限界。全力が出せる間は國俊とすら互角に戦える腕の持ち主。若いころは数多くの戦場を傭兵として渡り歩いており、戦闘経験が豊富で近代兵器が相手でもそれらの「穴」を突く戦い方を見せる。女好きも國俊といい勝負で10年ちょっと前までは行く先々で子どもを作っていた。ヴェロニカの母含めて後述の3人以外にも多くの子供がいる。
本来の剣術を著わす代表選手として古刀「天國(てんごく)」を持つ。
日本を出て数十年。即席ラーメンと日本式カレーライスだけは忘れられず、それを手配している城理事長に借りが増えている。その昔、某国の軍人から国内のウラン鉱脈の位置を示す地図を譲られ、いつか必要になるかと中心部を破り捨て情報確度を落とした上でマイクロメモリーカードに分割して保存していた。
シズク
マルレーヌ
レルリア
ヴェロニカ・ユミノフ
宝寿の子であるコーデリアの娘、つまり宝寿の孫。某国革命勢力の支部長を務めている。前述の叔母三名より年上(25歳)。
日本刀の小太刀を武器とし、宝寿から技を受け継いだ母親に習った居合いを使うほか、ドルニエと同じ合気道系の技も使う。國俊にも深手を負わせる相当の実力者。「愛気-S」では景安の雷歩を見て即座に風歩レベルの歩法を(同様にホンの「発勁」を見て刀越しに技を)使ってみせるなど、才能は國俊と同レベル。
某国内乱が政府軍の勝利で終結した後、宝寿の勧めもあって旅に出る。来日して國俊の伝手で綾武大の講師となる。國俊の傍にいれば厄介事含めて刺激にはこと欠かないと思っていたようだが、自身の想像を超える日本の「ユルさ」には驚いており、外国人らしいカルチャーショックとして「日本なのに日本刀を携帯できないのはおかしい」とも言っている。和食に関してはいまいち馴染めず梅干しなどは苦手だが、唐揚げはかなり気に入っている。
十騎衆
武術が盛んで稜武大学への推薦枠を持つ私立十禅寺高等学校でも指折りの使い手たちで同校の「生徒会の様な物」。
和同昭文(わどう あきふみ)
寛元(かんげん)
永正(えいしょう)
烏丸一派
猿渡誠次(さるわたり せいじ)
蟹崎麗(かにさき れい)
シャモニ
鯨井(くじらい)
羽生(はぶ)
鹿江(しかえ)
猪口(いのくち)
革命軍
ヴェロニカの部下
革命軍の騎士団の、ヴェロニカの下に付く者たち。
セリーヌ・鯨井(- くじらい)
アンドリュー
ハリー
カタコンベ
オブリエット
ヴェロニカの側近。一見すると執事風の中年。武器術と近代兵器の組み合わせの研究者であり、鞭や鎖鎌の先に分銅状の銃器を連結させた特異な武器を使う。自己の攻撃範囲内では宝寿も逃げ出すほどの圧倒的な実力の持ち主で、ついたあだ名が『閉じた場所(オブリエット)』。鞭の先端からはスタンガンや榴弾など様々な兵器を射出することができ、軌道の予測も困難なだけでなく、戦術にも優れている。
実は30年ほど前、ただの傭兵だったころにヴェロニカの母・コーデリアに一目惚れしていた。努力空しく別の男と結ばれてしまったが彼女に対しての思いは純粋なものだったらしく、遺された娘のヴェロニカに尽くすことを心に決めている。
騎士団の面子でも正体を知るものは少なく、國俊も彼のことは知らなかった。
本部騎士団
ヴェロニカの部下の大半が戦線離脱したことにより本部から増援として送られた面々。
ドルニエ
大きな犬歯と黒いドレスから吸血鬼のような印象の女。西洋では珍しい「合気道系」の技を使う。承久の熱烈的なファンで國俊を「ローシ(老師)」と呼び承久の弟子を自称する。東洋的師弟関係に憧れているのか、景安を「姉デシ」と呼ぶ。パラアスリート用義肢素材を使った道具(見た目はピコピコハンマーか猫パンチ)を「手の延長」として活用する。景安と戦った時に勝っているが、國俊は「怪我をしていなければ景安の方がまだ上」と評価していた。
國俊が「裏切った」時に彼に弓引くことをよしとせず、國俊側につくがヴェロニカの一撃を受け重傷を負う。その後療養していたが脱走(意図的に逃がされた様子)、國俊たちに合流した。
「愛気-S」にて怪我からの復帰後、来日前の腕慣らしを兼ねて訪れたアメリカの某所で國俊たちと再会した。エランテの二人組相手に鹿江と急遽タッグを組んで戦うが敗退・負傷で戦線離脱。回復してきたところで強化兵の実験体(ほぼ出所不可能な囚人)と戦って銃撃を受ける。再び加療状態となるが、そのまま某所が閉鎖されたため追い出される。最後は忘れられていたことでべそをかいていたが、イノシカに誘われて一緒に修行することになる。
デハビラント
カーチス
ダグラス中尉
本部付騎士団の団長で通称は「将軍(ジェネラル)」。武術家としてよりむしろ軍歴のほうが長く、そのため軍事その物に馴染みのない武道家たちの指揮官を任されている。教官の経験もあるのか、ブルを気に入って訓練を施した。スコップを武器とし、塹壕を掘った土に爆弾など混ぜて、そのまま土を飛ばして攻撃する戦闘スタイル。リミッターがゆるんだ承久にあっさり気絶させられ自信喪失に陥っていたが、ブルの一喝で目を覚まし、2人の間に奇妙な師弟関係ができあがる。
城に攻め込んできた國俊にリベンジを挑むが再び敗北、武器庫で装備を物色している時に爆破するためにやってきたカタコンベと遭遇、銃撃される。ブルの奮闘の隙を突いてカタコンベを倒すが、弾薬庫内で自爆されブルのみを倉庫外に放り出した。
ゴータ
愛気-S以降の登場人物
相鉄(そうてつ)
オルレアン
フランスを拠点に暗躍する女ばかりの武闘集団。全員揃って健啖家で相鉄が用意していた食材を食いつくした。
ラミー・ブレア
カサンドラ
ビアンカ
黒月旅団
ドイツに本部を置く暗殺請負会社。三派の中では負けが込んでいる。
団長/カール
赤の竜騎兵
スペインを中心に暗躍する武闘組織。「使える物はなんでも使う主義」で正々堂々という概念は持たない。3人がかりで承久に完敗し、某所で研究中の「強化処置」を受ける。この処置によって反射速度や肉体的限界は上がっており、某所内で収集されたデータから達人の劣化技(圀俊の「雷迅」やヴェロニカの「居合い」)を使用する。試作段階であり、現時点では反動で再起不能となる可能性が高い。
ジュリエッタ
エランテ
南米の闇ネットワークに根を張るチーム。
ゴンザレス、ゴメス