小説

成瀬は天下を取りにいく




以下はWikipediaより引用

要約

『成瀬は天下を取りにいく』(なるせはてんかをとりにいく)は、宮島未奈による日本の小説。連作短編集。『成瀬シリーズ』の第1作。

収録作の『ありがとう西武大津店』(ありがとう せいぶおおつてん)が『小説新潮』(新潮社)2021年5月号に、『階段は走らない』(かいだんは はしらない)が『小説新潮』2022年5月号に掲載されたのち、書下ろしの4編を加え、2023年3月17日に同社から刊行された。

滋賀県大津市を舞台に、主人公・成瀬あかりの中学2年生の夏から高校3年生の夏までの間の出来事を描く5編と、外伝的作品「階段は走らない」1編の全6編から成る。

「ありがとう西武大津店」は新潮社主催の第20回『女による女のためのR-18文学賞』で史上初のトリプル受賞(大賞、読者賞、友近賞)に輝いた、宮島の商業誌デビュー作である。

デビュー作ながら発売から半年で書籍、電子書籍合わせて発行部数10万部を突破し、後述の受賞歴にあるように『坪田譲治文学賞』など数多くのアワードを獲得している。

2024年1月24日に続編となる『成瀬は信じた道をいく』が同社から刊行された。

あらすじ

ありがとう西武大津店
成瀬あかりは14歳の夏休み、幼馴染の島崎みゆきに「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」と、コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通いテレビ中継に映ると告げる。
膳所から来ました
成瀬は夏休みが明けると「島崎、わたしはお笑いの頂点を目指そうと思う」と島崎を巻き込み、「膳所(ぜぜ)から来た」ということで漫才コンビ「ゼゼカラ」を結成、M-1グランプリに出場する。
階段は走らない
大阪で働く稲江敬太は西武大津店の閉店をきっかけに地元大津で同窓会を企画し、旧友・吉嶺マサルと小学6年から音信不通となったタクローを探し出そうとする。
線がつながる
大貫かえでは進学した県内屈指の進学校・膳所高校で、苦手だった中学の同級生・成瀬と同じクラスとなり頭を抱える。
レッツゴーミシガン
全国高校かるた大会に出場した西浦航一郎は他校の出場者・高校2年の成瀬とデートの約束を取り付け、琵琶湖の観光船ミシガンに案内される。
ときめき江州音頭
別々の高校に進学後も継続していた「ゼゼカラ」の成瀬と島崎は高校3年の夏、地元の「ときめき夏祭り」で司会を務める。

登場人物

成瀬 あかり(なるせ あかり)

滋賀県大津市生まれ、同市在住のきらめき中学2年生→膳所高校3年生。
周囲から「変わった子」と思われても、ブレることなく興味の赴くまま我が道を突き進む。
島崎 みゆき(しまざき みゆき)

成瀬の幼馴染。凡人の自分は成瀬を見守るのが己の務めだと考えている。コミュ力が高く友人が多い。
稲江 敬太(いなえ けいた)

大阪のWeb制作会社に勤務する男性。1977年生まれ。大津市出身。
吉嶺 マサル(よしみね マサル)

稲江の旧友。吉嶺マサル法律事務所代表。「ときめき夏祭り」実行委員。
大貫 かえで(おおぬき かえで)

膳所高校1年生。クラスカーストでは最下層だが、承認欲求に飢えている。
西浦 航一郎(にしうら こういちろう)

広島・錦木高校の男子高生。出場した全国高校かるた大会で出会った成瀬に心惹かれる。
中橋 結希人(なかはし ゆきと)

西浦の競技かるた部の仲間。西浦と成瀬の仲を取り持とうとする。

受賞歴
  • 第20回『女による女のためのR-18文学賞』
  • 大賞、読者賞、友近賞(収録作『ありがとう西武大津店』での受賞。史上初のトリプル受賞)
  • 第11回『静岡書店大賞』小説部門1位
  • 『ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2023』小説ランキング1位
  • 『読書メーター OF THE YEAR 2023-2024』第1位
  • 『中高生におすすめする司書もイチオシ本 2023年版』第1位
  • 第17回『神奈川学校図書館員大賞』KO本大賞
  • 『キノベス!2024』第1位
  • 第39回『坪田譲治文学賞』
  • 大賞、読者賞、友近賞(収録作『ありがとう西武大津店』での受賞。史上初のトリプル受賞)
書誌情報
  • 宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』
  • 単行本:2023年3月17日発行、新潮社、ISBN 978-4-10-354951-2
  • 単行本:2023年3月17日発行、新潮社、ISBN 978-4-10-354951-2

タイトル 初出 ありがとう西武大津店 『小説新潮』2021年5月号 膳所から来ました 書き下ろし 階段は走らない 『小説新潮』2022年5月号 線がつながる 書き下ろし レッツゴーミシガン 書き下ろし ときめき江州音頭 書き下ろし