成長チートでなんでもできるようになったが、無職だけは辞められないようです
小説
著者:時野洋輔,
出版社:新紀元社,
掲載サイト:小説家になろう,
レーベル:モーニングスターブックス,
連載期間:2015年12月30日 - 2021年4月15日,
巻数:全13巻,
漫画
作画:橋本良太,
出版社:KADOKAWA,
掲載サイト:ComicWalker,
レーベル:MFコミックス,
発表期間:2017年11月21日 -,
巻数:既刊21巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『成長チートでなんでもできるようになったが、無職だけは辞められないようです』(せいちょうチートでなんでもできるようになったが むしょくだけはやめられないようです)とは、時野洋輔による日本の小説作品である。略称は「成長チート」。web版は2015年12月から2021年4月まで小説家になろうにて連載された。また、書籍版は新紀元社より2016年9月から2021年5月まで全13巻が刊行された。橋本良太によるコミカライズがComicWalkerにて2017年11月から連載中。
作者曰く「ほのぼのハーレム物語」で、シリアス展開はほぼ閑話のみで進めている。『第四回ネット小説大賞』で金賞を受賞。作者も述べているが、web版と書籍版でかなりストーリー展開が異なっている。
本作品の完結から一年後の同じ世界を別の主人公で描いた『無人島ダンジョン経営~迷宮師チートにより何もせずにレベルアップできるようになりましたが、思っていたスローライフとは少し違うようです~』がモーニングスターブックス(新紀元社)から2020年に刊行された。
あらすじ
就活100連敗中の青年、楠一之丞はある日面接に向かう途中、横断歩道で横から暴走したトラックに突っ込まれる。トラックは回避したものの、そのトラックには運転手が盗んだ馬たちが乗っていたため、電柱に衝突したトラックから逃げ出した馬たちに巻き込まれて死亡。異世界に転移する。転移の際に女神からチートを貰ったが、女神側の手違いで、通常はチートは1つだけのところ「経験値20倍」と「必要経験値1/20」の2つのチートをそれぞれ別の女神から貰ってしまう。これにより相乗効果で他人より400倍成長しやすくなった一之丞は、時には女神すら巻き込んで仲間たちと様々な冒険を繰り広げる。
世界観
世界の名前は「アザワルド」で、東西南北4つの大陸があり、転生者は「迷い人」と呼ばれている。また、通貨の単位は「センス」で、1センス=100円。六柱の女神に管理されており、各地には各女神が管理する迷宮がある。迷宮の最奥にはボス部屋があり、さらにそこをクリアすると女神像があってクリア特典が貰えるが、当たりのスキルが貰えることもあればハズレのタワシが貰えることもある。この女神像は、女神本人によって作られ、悪魔の餌となる瘴気を浄化する役目も担っている。
登場人物
主要人物
転生者は前世の名前 / 異世界での名前の順に記載。
楠 一之丞() / イチノジョウ
本作の主人公。20歳。先述の通り死んで異世界「アザワルド」に転移する。
両親が3年前に事故で他界しており、妹のミリと二人暮らしだった。妹のために迷わず高校を辞めてバイトするなど、人のために自分を犠牲にできる人物である。またミリ曰く「面倒見が良い」とのこと。
異世界では素手で倒せるレベルの兎を二匹倒して一気にLv20になったところ、存在しないはずの無職スキルを手に入れる。このスキルで第二職業を設定できるようになり、「ファースト職業が無職だと精神的にきつい」と無職を第二職業に移動しようとするが、無職を第一職業から解除すると二度と無職に戻れないことを知る。そのため、周りには秘密にしながら自分は無職を極めようと決意した。その後、ダンジョン踏破時にコショマーレと会い、やはり無職スキルはバグであったことを知る。戦闘スタイルは、相手の特性や弱点などによって素早く職業を付け替えながら戦闘を進めるというイチノジョウにしかできないものである。また、複数の魔法を同時に扱う、脚でスラッシュの魔法を出すなど他の人にできない魔法やスキルの使い方もし、周囲の人から疑問を抱かれることもある。
楠 ミリ() / ミリュウ
一之丞の妹で、中学生。僅か三ヶ月で株式投資で一財産を築けるほど頭がよく、またかなりのゲテモノ食いである。兄の死後、自分以外から兄の存在が忘れられていることに気づき、兄が異世界に転移したことを察知する。その後、膨大な計算によって異世界に転移できる時間と場所を導き出し富士山の頂上で自刺(書籍版では焼身自殺)、兄を追ってアザワルドに転移した。実は魔王ファミリス・ラリテイの生まれ変わりで、討伐された後に逆に日本に転移した。「ミリ」という名も、ファミリス・ラリテイの名残だと考えられる。また、重度のブラコンであり、異世界に転移した際の「ろくな天恵を与えていなかったら女神でもコロス」など、言動から愛情の歪みや重みが見て取れる。
かぐや
ミリがファミリスだった頃よりもさらに前世で、日本人。名前の通りかぐや姫のモデルである可能性が高い。絶世の美女であったが、陰陽師たちに富士の怒りを鎮めるための人身御供にされ、富士山の頂上で体を焼かれた。だが異世界に転移し、魔族として転生、魔王になった。
ハルワタート
白狼族の女性で、18歳。職業は剣士。セトランスの信者である。
勇者と魔王との戦いの時に白狼族が二分した際、父親が魔王側に付いたため、戦争後、父親は死刑、その後長い裁判の後母親は終身刑、ハルワタートは奴隷落ちが1年前に決まった。その際、ハルワタートがマティアスに買われることになったのは勇者たちの配慮によるもの。奴隷になって2か月後にオレゲールと初心者迷宮に潜った際に彼に気に入られ、購入されることを拒否したため購入条件が自由になる10か月後(物語開始の数日後)に買われる予定となった。しかし、山賊を倒したイチノジョウを自分より強いと認め、双方合意でイチノジョウに身請けされる。イチノジョウと迷宮に潜った際、イチノジョウに職業を獣剣士に変更してもらい、その後は獣剣士として闘うことになる。
キャロル
第2章から登場。紫色の髪を持つ半小人族(ハーフミニヒュム)の女性。種族のため小学生くらいに見えるが、実は16歳である。14歳の時に突然ユニーク職業である「誘惑士」が発現し、固定化(通常の神殿では転職できない状態。司教以上の位の者でないと転職できないものもある)してしまう。この職業の固有スキルである「月の魅惑香」の特性は、「夜または太陽の届かない場所で周囲の魔物を全て引き寄せてしまうが、本人は魔物を傷つけない限り襲われない」というものであった。その夜に両親は魔物に殺されてしまい、荷物も荒らされてしまったため、行商人だった両親の商業ギルドへの借金が返せなくなり、奴隷落ちした。職業の特性を利用し、冒険者からよく貸し出されるが、実力を過信していると大量の魔物にやられてしまうため、犠牲者は二桁に上る。本編では第二章で登場し、自分を借りた冒険者が全員死んだところでイチノジョウとハルワタートに助けられる。この時は、「自分のせいで冒険者たちが死ぬ」と思い、イチノジョウに自分を殺すように懇願するなど、生きる希望を失っていた。キングミノタウロス戦後、イチノジョウの言葉に勇気をもらい、かつ職業変更によって職業を誘惑士から平民に変更してもらったことで、生きる希望を取り戻した。そしてイチノジョウに身請けされ、商人の知識と頭の回転の速さを生かしてイチノジョウたちを助けていく。自分が誘惑士でなくなったのはトレールールのおかげだという嘘をイチノジョウに聞いたため、本当はイチノジョウが変えたと知った今でもトレールールの信者である。
桜 真梨菜() / マリナ
第3章から登場。イチノジョウと出会う一年前にアザワルドに来た日本人転生者で、21歳と実はイチノジョウより年上である。職業はユニーク職業の大道芸人で、固有スキルの大道芸を持っている。転生の際、トレールールにいろんな人と仲良くなれる天恵が欲しいと頼んだところ、大道芸人の職業をプレゼントされる。しかし元々の内気な性格が災いし大道芸ができず、金がなくなって奴隷落ち。カノンに買われ、付けている間はあがり症がなくなる(と思っているだけで実際は普通の)仮面を貰い、二人で世界を旅していた。この仮面を付けると別人格の「マリーナ」になる。初登場時、カノンの店にいたイチノジョウたちのところにマリーナの状態で現れた。稼ぎが足りずカノンに売られそうになっていたが、売らない条件としてお使いを頼まれ、イチノジョウたちと一緒にダキャットへ向かう。お使いを無事に終えたが、届け物に同封されていた手紙には、「仕事が入って王国に行くので、暫くの間イチノジョウに預かっていてもらう」というような内容が書いてあった。
フロアランスの人々
マーガレット
ノルン
マティアス
ジョフレ、エリーズ
冒険者のカップル。よく2人合わせて「ジョフエリ」と呼ばれる。ジョフレは赤髪で見習い剣士の男性で、エリーズは青髪で鞭使いの女性。どちらも18歳前後。泥棒や落書きなどの主に軽い犯罪を繰り返している小悪党で街で知らない人はいないくらいだが、頭の弱い本人たちには犯罪をしている自覚はない。そして犯罪も軽いものであるため、毎回の処罰は留置所や懲罰室で数日間過ごす(ジョフレ曰く「懲罰室は俺たちの第二の故郷」)程度である。イチノジョウとハルワタートがフロアランスを出る直前に一緒に迷宮に潜った時も、依頼書を勝手に剥がす罰金行為をやらかした。その時の報酬金(盗賊の仲間+依頼書の罰金を差し引いた)でロバを買い、イチノジョウ、ハルワタートと分かれてベラスラへ向かった。しかし、買ったロバ(ケンタウロス)の気の向くままに進ませていたので、ベラスラに着くまでに大分時間がかかった。
ベラスラに向かう旅の途中、隠された未発見の迷宮を偶然発見。そこでアイテムバッグを手に入れるが、同時に意図せずして魔王の封印の一つを解いてしまう。その後下にあった穴に落ち、落ちた先でキングミノタウロスを倒したイチノジョウたちと再会する。イチノジョウのことは最初は「初心者(ルーキー)」、第一章の終わりからは「ジョー」と呼んでいる。
ベラスラの人々
ダキャットの人々
鈴木 浩太() / コータ
シュレイル
フリオ、スッチーノ
ミルキー
勇者パーティー
アレッシオ・マグナール
ダイジロウ
イチノジョウと同じく日本からの転生者で、名前で勘違いしやすいが女性である。職業は魔法技師。物語開始の12年前に魔王討伐、そして転生者に向けた手記を残すなど物語開始時点でかなりの影響を残している。また、「ビッグセカンド」名義で様々な本を書いていたが、そのうちR18同人誌(イチノジョウや鈴木からはDと呼ばれている)を制作し始め、女神同士の百合作品に手を出した結果、禁書扱いとなり、書いてきた作品が半分以上女神教会に回収されてしまった。ちなみに、ビッグセカンドの作品の隠れファンをセカリアン、影響を受けた同人作家たちをセカンドチルドレンと呼び、今もアザワルドの各地でこっそりとセカンドチルドレンたちが同人誌を書き続けている。
王族・貴族
オレゲール=ロブッティ
ハルワタートを買おうとしていた貴族で、男爵家・ロブッティ家の嫡男。家が冒険者ギルドに多額の投資をしているため、イチノジョウにハルワタートを買うために冒険者ギルドへ圧力を掛けていると勘違いされていた。しかし、実際はそんなことはなく、ハルワタートを買うために彼女より強くなろうとしていた。セバスタンと共にキャロルを使ってレベリングしていたところ大量のミノタウロスに追い詰められ、もうダメかと思われていたがイチノジョウとハルワタートに助けられた。その後、ボス部屋ではハルワタートに強くなったところを見せようと、キングミノタウロス相手に攻撃するが効かず、またもイチノジョウに助けられた。イチノジョウの強さを目の当たりにし、ハルワタートの主人となることを認めた。ミノタウロスに追い詰められ、キャロルを殺そうというセバスタンの提案を即時却下するなど、仲間を犠牲にはできない正義感ある一面も見られる。
女神
セトランス
その他
ヴァルフ
既刊一覧
小説
- 時野洋輔(著)・ちり(イラスト)『成長チートでなんでもできるようになったが、無職だけは辞められないようです』新紀元社〈モーニングスターブックス〉、全13巻
- 2016年9月12日発売、ISBN 978-4-7753-1417-3
- 2017年1月18日発売、ISBN 978-4-7753-1467-8
- 2017年5月22日発売、ISBN 978-4-7753-1497-5
- 2017年9月22日発売、ISBN 978-4-7753-1542-2
- 2018年1月22日発売、ISBN 978-4-7753-1575-0
- 2018年5月31日発売、ISBN 978-4-7753-1597-2
- 2018年10月18日発売、ISBN 978-4-7753-1632-0
- 2019年2月22日発売、ISBN 978-4-7753-1705-1
- 2019年6月22日発売、ISBN 978-4-7753-1734-1
- 2019年10月21日発売、ISBN 978-4-7753-1782-2
- 2020年3月13日発売、ISBN 978-4-7753-1818-8
- 2020年7月20日発売、ISBN 978-4-7753-1848-5
- 2021年5月19日発売、ISBN 978-4-7753-1909-3
漫画
- 橋本良太(漫画)・時野洋輔(原作)・ちり(キャラクター原案)『成長チートでなんでもできるようになったが、無職だけは辞められないようです』KADOKAWA〈MFコミックス〉、既刊21巻(2023年12月21日現在)
- 2018年3月22日発売、ISBN 978-4-04-069778-9
- 2018年7月23日発売、ISBN 978-4-04-069972-1
- 2018年11月21日発売、ISBN 978-4-04-065272-6
- 2019年3月20日発売、ISBN 978-4-04-065572-7
- 2019年7月22日発売、ISBN 978-4-04-065824-7
- 2019年11月22日発売、ISBN 978-4-04-064163-8
- 2020年3月23日発売、ISBN 978-4-04-064466-0
- 2020年7月22日発売、ISBN 978-4-04-064767-8
- 2020年11月21日発売、ISBN 978-4-04-065974-9
- 2021年3月22日発売、ISBN 978-4-04-680286-6
- 2021年6月23日発売、ISBN 978-4-04-680480-8
- 2021年9月21日発売、ISBN 978-4-04-680726-7
- 2021年12月22日発売、ISBN 978-4-04-680963-6
- 2022年3月22日発売、ISBN 978-4-04-681249-0
- 2022年6月23日発売、ISBN 978-4-04-681454-8
- 2022年9月22日発売、ISBN 978-4-04-681703-7
- 2022年12月23日発売、ISBN 978-4-04-681987-1
- 2023年3月23日発売、ISBN 978-4-04-682272-7
- 2023年6月22日発売、ISBN 978-4-04-682515-5
- 2023年9月22日発売、ISBN 978-4-04-682809-5
- 2023年12月21日発売、ISBN 978-4-04-683101-9