戦闘破壊学園ダンゲロス
ジャンル:トランスセクシュアル,
以下はWikipediaより引用
要約
『戦闘破壊学園ダンゲロス』(せんとうはかいがくえんダンゲロス)は、架神恭介/著、左/イラストによる日本のライトノベル。ダンゲロスシリーズ1作目。第3回講談社BOX新人賞“Powers”Talents賞受賞作。講談社のPowersBOXより刊行。およびそれを原作とした横田卓馬による漫画作品、同名のシェアード・ワールドについても記述する。
概要
提唱者「架神恭介」および有志が2007年よりネットコミュニティ上で定期的に開催しているウォーシミュレーションRPG『戦闘破壊学園ダンゲロス』のリプレイという体裁を取って執筆されたオリジナル作品。極めて自由なシェアード・ワールドの一翼として設定された。
架神の小説処女作品であり、友人のありさちゃん が小説を書いているのを見て、小説って誰でも書けるんだと思って執筆したところ講談社BOX新人賞を受賞した。
「魔人」と呼ばれる異能力者が闊歩する世界観の現代日本、東京湾に浮かぶ巨大な人工島「希望崎学園」において二陣営に分かれた魔人と、報酬を求めて乱入した「転校生」との間に行われる三つ巴の殺し合いを描く。物語の冒頭などでこれがゲームの小説化であることを明示するなど多層構造を仄めかした世界観となっており、メタ・フィクションの色合いが濃いのも特徴である。
生徒会と不良グループの対立や「転校生」という名詞が特別な意味を持ち異界から召喚されるなどの要素は菊池秀行の魔界学園シリーズに触発されたものである。また、能力バトルに極力ご都合主義を排し、エログロ要素をふんだんに盛り込むなど山田風太郎の忍法帖シリーズなどを連想される作品となっている。能力バトルについて架神自身(実在のほう)は安能務の封神演義のようなニュアンスを出したかったと述べている。架神恭介のライフワークである仏教思想も世界観設定に活かされており、作者の趣向の集大成と言える作品となった。
原作ゲーム中で「魔人」という形で作成されたキャラクターは二次創作利用を無償かつ無断で可能という規約を了解したうえで投稿されており、読者投稿のような形で小説内に登場した際も金銭の授受などは発生しない。この特性は提唱者である架神恭介本人にも適用されており、小説版を除き、本人の手に依らないコミカライズなどによって印税分配が発生しないという特異な形での出版契約となった。なお、アニメ化の企画も上がったが、その場合は製作委員会にグッズ化の権利を譲渡することになり、二次創作利用が自由でなくなるという理由から頓挫している。
漫画版は月刊ヤングマガジンにて2012年1月号から2015年5月号まで横田卓馬作画で連載され、ヤンマガKCスペシャルより刊行された。全8巻。漫画版について横田は前述の二次創作に関する規定から、原作者である架神に連絡することなく執筆を開始しており、架神は月刊ヤングマガジンに掲載されているのを見て、漫画化のことを初めて知ったという。内容についても架神は事前確認をしていない。
あらすじ
二〇一〇年、希望崎学園は揺れていた。一般生徒の庇護者として尊敬の念を集める「生徒会」とかつての暴威の記憶も新しい集団「番長グループ」、かねてより軋轢を深めていた両陣営は遂に一触即発から戦争状態へ突入。
時同じくして異界より召喚されし時空の旅人「転校生」――両陣営の抹殺を狙う彼らもまた動きだしている。彼らはミス・ダンゲロス「天音沙希」を報酬とし、依頼遂行の際にはいざ持ち帰らんと早くも手元に置いている。
一般生徒、両性院男女はこの凶報を知り、あえて番長グループという火中に身を投じる。それは彼が隠していた魔人能力を見込まれてのものだったが、渦中の中で揉まれながら、それはいずれ確信と決断へと変わっていく――。
愛と欲望、たぎるリビドーとタナトス。誰もが望まぬままに破局に向かっていくと知る者は神以外にはいやしない。少年は世界を知った。
登場人物
本作の主人公。隠れ魔人。
名が表すような中性的な容姿の温厚な少年で、天音とは互いに一歩踏み出せない恋人未満友達以上のような関係。魔人としては中学時代に受けた後遺症のため腕力に優れず一般人並みであるが頭が切れ、特に土壇場で正解を掴み取る判断力に優れる。常に鞄を持ち歩いており、中身を自分以外の誰にも見せようとしない。
自身の持つ性転換能力を知った番長グループによって「赤紙」による呼び出しを受け、同時に別グループの「転校生」に天音が拉致されたことを知る。当初は親友のミツル同様に番長グループを校内の無頼魔人の集団としか思っておらず、生徒会を信頼していたが彼らの実態を知って心動いていく。
能力名:チンパイ
性別転換能力。対象が男性の場合はペニスを、女性の場合は両胸の乳房を掴み、「チンパイ!」と叫ぶことで発動する。
発動後はペニスまたは両乳房がポロリととれた後、性別転換が徐々に進行する。また、対象の体に負担がかかるものの、性転換の速度を促進することも可能。
性別を戻す条件は取れた局部を元の場所に戻すだけで、両性院の能力を発動させる必要はない。性別を変じる際は徐々に変わるが、元に戻る際は一瞬という特徴には彼のとある「認識」が深く関わっている。
性転換後の容姿・体格の変化は人によって個人差がある。邪賢王に対して発動した際に、彼が美少女へと変化したことは図らずも番長グループの面々の士気の向上に繋がったが、男性時に比べて腕力などは大きく低下している。
能力名:チンパイ
性別転換能力。対象が男性の場合はペニスを、女性の場合は両胸の乳房を掴み、「チンパイ!」と叫ぶことで発動する。
発動後はペニスまたは両乳房がポロリととれた後、性別転換が徐々に進行する。また、対象の体に負担がかかるものの、性転換の速度を促進することも可能。
性別を戻す条件は取れた局部を元の場所に戻すだけで、両性院の能力を発動させる必要はない。性別を変じる際は徐々に変わるが、元に戻る際は一瞬という特徴には彼のとある「認識」が深く関わっている。
性転換後の容姿・体格の変化は人によって個人差がある。邪賢王に対して発動した際に、彼が美少女へと変化したことは図らずも番長グループの面々の士気の向上に繋がったが、男性時に比べて腕力などは大きく低下している。
両性院の幼馴染の女の子で、付き合ってこそいないが互いに想い合う仲である。可憐な容姿と、魔人でも分け隔てなく付き合おうとする裏表のなく芯の強い性格から一般・魔人問わず人気が高く、昨年度(2009年)の学園祭ではミス・ダンゲロスに選ばれている。
一方で一度正しいと決めたことは譲らない頑なところもあり、幼い頃はいじめっ子に積極的につっかかっていったという意外な面も持っている。
それら善良な性質は「転校生」にも好かれており、転校生派遣窓口から報酬として回答された。そのため長谷部によって拉致され、作中では最後の局面まで一糸まとわぬ姿で眠らされたまま磔にされていた。両性院にとって想い人の彼女の救出は一大命題であり奮闘されることになる。
両性院、天音にとって共通の友人。非魔人。
ハルマゲドン発動当日に両性院宛に送られた「赤紙」を彼とともに目撃し、無力なりに友の力となろうとするが両性院からは隠れ魔人であることをカミングアウトされ帰宅を促される。
今まで親友が黙っていたことに怒りこそ隠せなかったものの、彼の熱い友情は魔人相手でも全く変わることはなく再会を信じる言葉を叫び別れた。
歩 渡(あゆみ わたる)
中学時代の両性院、天音のクラスメイト。
中学二年生の折、修学旅行先の京都で土産物の木刀を手に取った瞬間に突如として魔人に覚醒し、跳ね上がった腕力と獲得した短距離テレポーテーション能力を使って多数の級友を殺傷する。破壊衝動に呑まれながらも半ば打算と怨念を込めてかねてより執着していた天音を惨殺しようとしたところを両性院に阻まれる。両性院の両肩に後遺症が残るほどの打撲を負わせるも、彼の能力を受けた動揺により、能力を暴発させた末に清水の舞台から転落死する。
生前は日常から歪んだ性癖を喜々として弟の透相手に吐きだしており、彼を恐怖させていた。両性院と対面した弟の口からは三年の時を経たとはいえ軽蔑し嫌っていたこと、よくぞ止めてくれたという言葉が語られている。
浅宮 ミヅキ(あさみや ミヅキ)
阿摩羅識 ぎりか
黒川 メイ(くろかわ メイ)
長谷部 敏樹(はせべ としき)
数学教師。非魔人。
幼少期から特に原因は無いが病的なまでの魔人嫌いで、常日頃から魔人への侮蔑を公言する中年男性。小心者で保身を第一にする性格だが、生徒会の「学園総死刑化計画」進行に懸念はしていた模様。番長グループとの対立激化に伴う黒川校長のハルマゲドン開催宣言を好機として転校生を異界から召喚、主に個人的感情から気に入らない魔人の皆殺しを狙う。
性格に極めて難がある通り、善良な魔人はおろか魔人への好意を隠さない教え子まで嫌って平然と犠牲にする外道だが数学者としては有能であった。なお、前職場である大学研究室から希望崎学園へ左遷されたのは日常からの放言が上層階級に属する魔人の気に障ったためとされている。
生徒会
生徒会会長。
希望崎入学から数ヶ月で学内の不逞魔人を皆殺しにし、虐げられていた魔人を前身とする現役員たちと共に治安維持機関である生徒会を設立。生徒会役員の魔人能力による力の担保の下に法の秩序を打ち立て、希望崎を全国でも群を抜いて安全な学園に作り変えた男。
清廉潔白を絵に描いたような長身かつ眼鏡をかけた美男子で、一見すると融通が利かなさそうに思われるが実際は為政のためになら司法取引に応じ、性格に難のある犯罪者を生徒会役員に加える等、清濁併せ呑む器量の持ち主。堅物かと思えば人情を解する方である。生徒会役員への思いは非常に強く、彼らを失った際に取り乱す一面もあった。
能力名:超高潔速攻裁判
能力名:超高潔速攻裁判
イボガエルを連想される極めて容貌醜悪な小男。押し潰したかのような声で時代劇もかくやという古めかしい喋り方をする。ただし、頭の冴えは明晰で生徒会長を補完するように冷徹な判断を下せるため、下記の悪癖に由来する人格面での評価を除けばド正義からの信任は厚い。小説・漫画共に極めて卑猥な髪型をしている。
自他ともに認めるレイプ魔であり、バイセクシャル。老若男女を問わず守備範囲は非常に広いが、食指が動くのは処女(男性の場合は、いわゆる「後ろの処女」)のみという強いポリシーを持ち、彼の能力の発動条件にもそれが反映されている。
性癖を抜きにすれば、生徒会役員でも常識をわきまえた方であり人心の機微を察する力もある。能力の特性も併せて、ド正義の「学園総死刑化計画」の肝となる人物。
能力名:メギド
因果を超えた強制レイプ能力。
対象の「“処女”を奪う」と赤蝮が心に決めた瞬間に発動し、その時点で彼が対象の処女を奪い終わるまでは赤蝮を殺すこともできず、彼のペニスを断ち切ることも不可能、地球の裏側へとワープしても瞬時に追いつき、事が終わるまでは自殺を試みることもできない。
この能力とド正義の「超高潔速攻裁判」を組み合わせ、対象が処女であれば、あらゆる魔人を「レイプは加害者被害者ともに極刑」という「学園総死刑化計画」の新校則の違反者とすることが可能になる。それによって全生徒の生殺与奪を握ることが目的であった。とはいえド正義も初めはこの手段を快くは思っておらず、当初は鏡子にこの役割を託すつもりであったが、彼女が生徒会入りを断ったことによる次善の策であった模様。
また、この能力と両性院の能力の相克が、本作の根幹にかかわるテーマにも繋がっている。
能力名:メギド
因果を超えた強制レイプ能力。
対象の「“処女”を奪う」と赤蝮が心に決めた瞬間に発動し、その時点で彼が対象の処女を奪い終わるまでは赤蝮を殺すこともできず、彼のペニスを断ち切ることも不可能、地球の裏側へとワープしても瞬時に追いつき、事が終わるまでは自殺を試みることもできない。
この能力とド正義の「超高潔速攻裁判」を組み合わせ、対象が処女であれば、あらゆる魔人を「レイプは加害者被害者ともに極刑」という「学園総死刑化計画」の新校則の違反者とすることが可能になる。それによって全生徒の生殺与奪を握ることが目的であった。とはいえド正義も初めはこの手段を快くは思っておらず、当初は鏡子にこの役割を託すつもりであったが、彼女が生徒会入りを断ったことによる次善の策であった模様。
また、この能力と両性院の能力の相克が、本作の根幹にかかわるテーマにも繋がっている。
生徒会屈指の鍛え上げられた肉体を持つマッチョイズムの権化。見たとおりの体育会系で架神と並ぶ生徒会タカ派急先鋒だが、彼と違って決して頭は悪くない。筋骨隆々で雄々しい男性を愛する同性愛者で、その裏返しとして女性のことを激しく嫌っている性差別主義者。
能力は非常に単純だがそれゆえ隙は無く、渡り廊下などの特定の地形で相手を迎え撃つには最適と言える。
能力名:ミスバスターズ
能力名:ミスバスターズ
福本の親友。性格や性癖に難のある人物が多い生徒会役員の中で数少ないまともな人格の持ち主の上、前線に立てる能力、一定水準の判断力を持ちド正義からの信頼も厚い。
生徒会役員。
原作冒頭と中盤でTRPGの案内役として登場し、同名キャラクターを作成した作者の分身と言うべき存在でもある(漫画版でこの段落はカットされている)。
作中の登場人物としては生徒会に属するタカ派魔人。番長グループの粛清をかねてより訴えていたが、特に確固とした考えや恨みは持っておらず、ただやみくもに主張するでしかなかった(漫画版では範馬等同様旧番長グループに悲惨な目に遭わされ、ド正義に救われていた描写が追加されている)。
生徒会内でも微妙に浮いたうえに小馬鹿にされるポジションにおり、同じタカ派の範馬からも「策士ぶる癖に頭が悪い」などと酷評されている。ただし、その態度から一之瀬のような一部の下級生からは慕われており面倒見も悪くはなかった。能力の関係からか料理、特にカレー作りが上手い。
能力は戦闘には役に立たないものと思われたが、両陣営の和睦の場である「なかよしお楽しみ会」にて防御に特化した口舌院の能力の穴を突いてまさかの格上殺しを果たす。
治安維持機構としての手前と番長グループへの手打ちとして特一級極刑に処されるが、当初はただのポーズであり助命が叶うものだと高をくくっていた。しかし鋸挽きによって体を足元から寸刻みにされる恐怖と苦痛を味わい、体を半分以上失ったところでもはや助からないと悟るとド正義へ裏切られたことへの絶望と怨嗟に満ちた最期の叫びを発して事切れた。
能力名:サドンデスソース
能力名:サドンデスソース
ショートカットの美少女で、上半身はセーラー服だが、下半身は袴であり脇からは褌がチラ見えという独特な服装をしている。
女子魔人剣士として全国最強の実力者だが、白金翔一郎と以前手合わせをした際は性差から来る力の差によってか敗れ、全力を出させることも叶わなかった。以降は手加減抜きの対等の立場での殺し合いを望んでおり、ハルマゲドンを絶好の機会として奮起している。
能力名:先手必勝一撃必殺
能力名:先手必勝一撃必殺
中学時代は魔人を差別するわけでもなく、単に縁遠いだけの普通の少女だったが地元の非魔人大学生における輪姦を受け魔人覚醒する。
直後から世間の好奇や偏見の目による激しいバッシングに加え、守ろうとすら思っていた以前の親友二人(ちか・ゆう)にさえ裏切られ彼女たちから特に執拗ないじめを受ける。そこをリンドウと夜夢アキラの両名に助けられ、新たに友人関係となった。
希望崎学園にはその二人と共に入学し、かつて呪った能力を治安維持のために役立てるべく生徒会に入り、新たな友人も得て以前のような明るさを取り戻した。身体能力的には普通の人間とは変わらないが、能力は全敵対陣営から警戒されている通り非常に強力であり今回の戦いのキーパーソンとなった。
能力名:災玉(さいたま)
能力名:災玉(さいたま)
戦慄的面構えを持った恋する乙女。内面はいわゆる白馬の王子様を待ち望むだけの過剰に惚れっぽく夢見がちな少女なのだが、能力と本人の性格の取り合わせが最悪で、思い込みが激しいため希望崎学園入学までに六人もの無関係な男性を死に陥れている。
が、魔人学園に追いやられた後も新たな恋を求めるポジティブさに微塵も陰りはなかった。あまりに凶悪な能力を持つため必然的に遠巻きにされる生活を送っていたが、邪賢王率いる番長グループから送られてきた「赤紙」を彼からのラブレターのように捉えて惚れ込んでしまう。
そのまま番長グループに入って傍から見ると一方通行な恋愛沙汰を繰り広げていたが、あげはが勧誘されるにあたって短絡的思考から来る嫉妬によって邪賢王に能力を発動してしまう。報復を恐れた彼女はかねてより心配していた絶子の必死の嘆願によって生徒会の庇護を求め移籍することになる。
能力名:自殺ブリミナル
能力名:自殺ブリミナル
奇人変人の集う生徒会で珍しい良識人の一人で空気を読む才に長け、的確な心配りが出来る。天音の友人でもあり、付かず離れずな両性院との関係性を微笑ましく見守っている。
能力名:ユガミズム
能力名:ユガミズム
中東からの留学生だったが、ド正義に賛同して生徒会の一員となる。生徒会は一般生徒に対して使途不明の上納金の納付を義務付けているのだが、集められた資金の用途は主に彼の能力を活用するためということが大きい。
能力名:損害保険の法則
能力名:損害保険の法則
能力名:バザーボム
能力名:バザーボム
電脳空間に意識を宿す魔人であり、パソコンの前に残された肉体は最低限の生命維持活動だけを行っている。好物は甘海老。
能力名:インターネット殺人事件
能力名:インターネット殺人事件
福本忠弘(ふくもと ただひろ)
生徒会役員。エースの親友。
魔人が製作した刀が世間的に認められないという理由から自己実現の場を求めてエースと共に荒廃していると思わなかった希望崎学園へ入学する。
魔人同士の抗争の中で有用性が認められ、福本が刀匠として打った刀は数十本単位で学内に流通することになるがそれはあくまで道具としての価値であり、番長グループに召し抱えられ一応の安全が得られる形になっても全く本意ではなかった。
ド正義の活躍を聞き、無理矢理従わされると知りながらも番長グループを前に協力しない旨の啖呵(小説版と漫画版で内容が微妙に異なる)を切るが、直後にド正義に助けられる。ド正義の鷹揚な判断によって罪を問われることなく、旧番長グループ壊滅後は生徒会の初期メンバーに加わった。
生徒会に居場所を得、治安維持という大義のために数々の刀を生みだすが、最期は死後に己の名を冠されることになる傑作を作り上げると両手両足を今生への名残としてこの世を去った。
特に生徒会の活動に興味を持っているわけでなく、非協力的で不真面目な態度を取る。常にふわついた態度で校内を闊歩し、気に入った女子がいれば口説くという生活を送っている。美男子で口も上手くて優しいためほだされる女生徒も皆無ではないが、非常に惚れっぽく飽きっぽい。
能力名:キミとボクの二人の世界
能力名:キミとボクの二人の世界
通称「リンドウ」。顔を縦横に横切る傷跡やライオンのように逆立った髪が恐ろし気な大柄の男子生徒。
番長グループの「夜夢アキラ」とは古くから馴染の親友であるとともに、ハルマゲドンでは友釣を巡って争う敵同士でもある。友釣の能力は生徒会で活用されるのが本人のためとする意見は夜夢と相容れなかったが、双方の応酬を見るに恋心を絡めた私心も多分に含まれていたようである。
能力名:フラクタ
亜音速移動能力。自らの移動速度を限りなくマッハまで近づけることが可能。
自己最高記録は時速600kmで、彼自身が「たぶん可能」と“認識”しているためマッハへの到達も可能と考えられるが、後述するデメリットにより普段の戦闘では時速300km程度でとどめている。
移動速度が向上するだけで、彼自身の防御力を強化する効果はないので、ライダージャケットとフルフェイスのヘルメットで防御こそしているものの、時速400kmを超えたあたりから空気抵抗によって彼自身にダメージが及ぶというデメリットがある。
そのため、足場の悪さによる転倒や進路上に砂利をまかれるだけでも大ダメージを受ける危険性があり、普段の戦法は超スピードで敵に接近し、ゼロ距離まで近づいた瞬間に所持しているレンガ片を手放し、相手に激突させるというものである。
能力名:フラクタ
亜音速移動能力。自らの移動速度を限りなくマッハまで近づけることが可能。
自己最高記録は時速600kmで、彼自身が「たぶん可能」と“認識”しているためマッハへの到達も可能と考えられるが、後述するデメリットにより普段の戦闘では時速300km程度でとどめている。
移動速度が向上するだけで、彼自身の防御力を強化する効果はないので、ライダージャケットとフルフェイスのヘルメットで防御こそしているものの、時速400kmを超えたあたりから空気抵抗によって彼自身にダメージが及ぶというデメリットがある。
そのため、足場の悪さによる転倒や進路上に砂利をまかれるだけでも大ダメージを受ける危険性があり、普段の戦法は超スピードで敵に接近し、ゼロ距離まで近づいた瞬間に所持しているレンガ片を手放し、相手に激突させるというものである。
架神が最も親身に面倒を見ていた後輩で彼のことを実際に慕っていたが、顔面蒼白になりながらも生徒会への忠誠心から敬愛する先輩を特一級極刑執行に処する。自己評価が極めて低く自分を「ウンコ」などと卑下する一方で、承認欲求も高く生徒会に貢献しようという意志が強い。
戦闘には全く役に立たない能力者のためその方面でのエースからの評価は低いが、意志力をド正義から評価されてハルマゲドンでは鏡子討伐隊に加わる。得物は鋸やチェーンソーなど。
ツミレ
スピードスター五十嵐(スピードスターいがらし)
ロケットパンチ固塚(ロケットパンチかたづか)
忍足(おしたり)
番長グループ
番長。学園でも屈指の怪力を持ち、険呑とした広島弁で喋る。
全身から悪臭を放つ筋骨隆々とした大男。ド正義卓也による旧番長グループ一掃の裏で前番長「戦慄のイズミ」を殺し、代々受け継がれていた伝統の長ランとともに番長位を奪い取った男。服装は伝統的なバンカラスタイルで、悪臭は長きに渡って洗濯されていない服から主に放たれている。
巌か、悪鬼羅刹を思わせる外見の厳つさと悪臭に加え、学内の無法魔人を取りまとめて「赤紙」による魔人生徒の殺害を含めた呼び出しなど、実像は見えにくいが明らかに脅威に見える存在と言うこともあって一般生徒からの評判は最悪。高い支持率の生徒会長と対極を為すような人物である。
漫画版では常人を越えた巨人に描かれているが(実際の身長は大柄だが常識的な範疇に収まっている)、これは本人が努力して気合いを入れた結果周囲からはそう見えているとされている。
実はド正義の幼馴染で、現在は袂を分かっているが家族ぐるみの付き合いであった。番長という職柄、強面な硬派を演じているが実際は気のいい人物で、本人の照れもあって好意や感謝を表立っては伝えられない不器用な男性。ただし、同じグループ内で彼の誠意はよく広まっており、慕われている。
能力名:仁義なき戦い
能力名:仁義なき戦い
“剣の悪魔”の異名を取る全国でも随一の実力を持つ魔人剣士。邪賢王の右腕として番長グループを取り纏め、下の者からの信頼は厚い。甘いマスクに加え、質実剛健とした態度と紳士的な物腰によって一般生徒からの風聞もさほど悪いものではなかった。
番長グループナンバー3。白金翔一郎の恋人。
ド正義卓也、鏡子らと並んで希望崎学園最強の魔人に挙げられるほどの実力者で番長グループの守りの要。生徒会との融和を説く穏健派であり、対処困難なほどに強力な能力を持っていたために架神によって暗殺され、ハルマゲドンの直接の引き金となってしまう。
小説版では開始時点で既に故人となっているため、イラストもなくわずかな回想で生前の人柄が偲ばれる程度になっているが漫画版では生前の活躍が描かれるオリジナルの過去編が追加されており、外見に加えて飄々とした性格と発揮されずに終わった能力の詳しい内容がここで明らかになった。
外見は巨乳の長身美人に描かれているほか「言霊」と書かれた扇子を手に敵味方を翻弄する。小悪魔的かつ常に余裕綽々な態度のままに入学当初の邪賢王を気に入って行動を共にし、彼を助ける。この際に多くの魔人を倒すほか、旧番長グループ幹部五人を単独で引き受け傷ひとつなく完勝した。
能力名:騙しの美学
能力名:騙しの美学
邪賢王には劣るが恵まれた体躯の持ち主で、日本刀を背負った丸々とした巨漢。戦闘班班長を任されている。
男子魔人剣道部の副主将であり、白金、口舌院、バルに次ぐ位置にいる上級生。
漫画版では制服と忍装束を折衷したような格好をしており、覆面の奥には性転換の前後問わず、異性に縁遠い顔が隠れているようである。また、白金に続いたはいいが、男子剣道部の廃部に伴う上級生として最も遅い加入だったこともあって出来上がった人間関係に馴染めず存在感があまりなかったらしい。
能力名:妊娠眼(にんしんがん)
能力名:妊娠眼(にんしんがん)
外見的には校則通りのかっちりした服装に三つ編み眼鏡と、いかにも人畜無害で地味に見えるがその実態は宇宙一セックスが巧いと称されるビッチ。日々、数多くの生徒を襲って淫猥行為を働いているが、彼女の卓越した性技がもたらす快感によって被害を届け出るものは皆無であるという。
性の目覚めは小学生と早く、その際に担任教師を誘惑したことをきっかけに男をたらしこむための化粧とファッションを覚える。が、ある日鏡を覗く自分の姿に疑問を覚え、悟りを開いて魔人に覚醒する。自身の華美さに意味を見出せなくなったことで派手な服を捨て現在のスタイルに落ちつく。
性別や老醜すら問わず、人類すべてを愛する気概に満ちている彼女の包容力は抜きんでており、見かけ通り聡明な女性である。既に技量は一撫でで射精させ、少し時間をかければ無力化にまで持っていくことが出来る域にまで達している。最終的には衰弱死にまでもっていくことも可能であるが、本編開始の一年前にある好敵手を殺めた経験と、とある気概から現在では不殺を誓っている。
能力名:ぴちぴちビッチ
能力名:ぴちぴちビッチ
常に眼を閉じた美男子。瞼の裏には虚ろな眼窩が隠れている。
生徒会の「リンドウ」とは古くから馴染の親友であるとともに、ハルマゲドンでは友釣を巡って争う敵同士でもある。友釣の能力は番長の庇護の下で眠らせておくのが本人のためとする意見はリンドウと相容れなかったが、双方の応酬を見るに恋心を絡めた私心も多分に含まれていたようである。
そのため、ハルマゲドン開戦に先駆けて、双方ともに所属陣営から離れて一騎討ちの果し合いに挑むことになった。
能力名:アイスクリーム
抉り取った自らの眼球を自由自在に操作する能力。
飛行範囲は本体から500mほど。二つの眼球は夜夢の視界とリンクしており、同時に二つの光景を見ることができる。さらに瞳の中に写真のように映像を焼き付けておくといった応用も可能で、偵察や戦況の把握に役立つ汎用性の高い能力。
また、魔人に覚醒して間もない頃にこの能力で女風呂を覗こうとし、眼球に熱湯を浴びせられて失敗した経験から、3年もの間自らの眼球を握り続けて鍛えた結果、邪賢王の膂力をもってしても砕けぬと称されるほどの硬度と質量を備えることになった。
戦闘時は二つの眼球を大リーガーの渾身のストレートをも凌駕するスピードで操り攻撃するだけでなく、眼球の上に乗ることで空中を浮遊するといった多彩な戦術で相手を翻弄する。
能力名:アイスクリーム
抉り取った自らの眼球を自由自在に操作する能力。
飛行範囲は本体から500mほど。二つの眼球は夜夢の視界とリンクしており、同時に二つの光景を見ることができる。さらに瞳の中に写真のように映像を焼き付けておくといった応用も可能で、偵察や戦況の把握に役立つ汎用性の高い能力。
また、魔人に覚醒して間もない頃にこの能力で女風呂を覗こうとし、眼球に熱湯を浴びせられて失敗した経験から、3年もの間自らの眼球を握り続けて鍛えた結果、邪賢王の膂力をもってしても砕けぬと称されるほどの硬度と質量を備えることになった。
戦闘時は二つの眼球を大リーガーの渾身のストレートをも凌駕するスピードで操り攻撃するだけでなく、眼球の上に乗ることで空中を浮遊するといった多彩な戦術で相手を翻弄する。
そのため、番長小屋で対面した際には美術部員の両性院から二重の意味で驚かれた。実はむっつりスケベなところがあり、天音の肖像画を使って密かに性欲を満たし、学園祭では女子モデルを起用したヌードデッサン企画を用意していた。
能力名:ファンクションファイブ
能力名:ファンクションファイブ
エコの精神とバイクへの愛が結びついたことで魔人覚醒を果たした男。
「静かなる駒沢」の異名を取る目立たない印象の男子生徒で見たままに気が弱く押しも強くない。
能力名:I.Z.K(いつからいたの? ぜんぜん気付かなかった!)
能力名:I.Z.K(いつからいたの? ぜんぜん気付かなかった!)
能力名:メルヘン・メン=ヘル
能力名:メルヘン・メン=ヘル
世紀末覇王(せいきまつはおう)
鬼無瀬 雷観(きなせ らいかん)
転校生
長谷部に召喚された三人の転校生の一人。
外見は筋肉質で日に焼けたスポーツマン風の年若い高校生くらいの好青年。三人の中ではリーダー格で、場数を踏んだベテラン転校生。沈着冷静に物事を運ぶ慎重派で、何事も情報を集めてリスクを最小化してから決断するタイプ。後輩二人からは信頼されているが、ムーからは慎重を期すぎて好機を逃がすとごちられることも。
能力名:有無(うむ)
能力名:有無(うむ)
外見は二次元から抜きだしたような不思議な制服を着た140cmほどの小柄な美少女。当然貧乳。常に眠たげな眼をしている。ユキミ、ムーと組んだ仕事歴は長いらしい。作中の年代(2010年)を基準とすると、ムー同様に未来世界の出身である。戦闘ではナイフを用いる。
能力名:XYZ
コピー能力。発動こそ厳しいものの、条件を満たせば得た魔人能力を元の所有者同様に完全に理解、運用することが出来る。
原作・漫画版問わず能力の前提として得たい能力を持つ魔人の脳髄(損壊していないことが条件)を必要とする。原作ではその特定部位を直接摂取する必要があったが、漫画版ではそれを捧げ引き換えに出現するプリン(のような物体)を完食するといういささかオブラートに包んだ条件に変更されている。ただし、現れるプリンは生理的嫌悪感が高いうえ、非常に不味い。元はゾンビ映画を見ながらプリンを食べていた際、姉と交わした何気ない会話から企図せずして覚醒した能力である。
ちなみに能力の取得期間は嚥下完食してから、完全に消化排泄もしくは内容物を吐瀉するまで。
能力名:XYZ
コピー能力。発動こそ厳しいものの、条件を満たせば得た魔人能力を元の所有者同様に完全に理解、運用することが出来る。
原作・漫画版問わず能力の前提として得たい能力を持つ魔人の脳髄(損壊していないことが条件)を必要とする。原作ではその特定部位を直接摂取する必要があったが、漫画版ではそれを捧げ引き換えに出現するプリン(のような物体)を完食するといういささかオブラートに包んだ条件に変更されている。ただし、現れるプリンは生理的嫌悪感が高いうえ、非常に不味い。元はゾンビ映画を見ながらプリンを食べていた際、姉と交わした何気ない会話から企図せずして覚醒した能力である。
ちなみに能力の取得期間は嚥下完食してから、完全に消化排泄もしくは内容物を吐瀉するまで。
能力名:木曜スペシャル
広大な宇宙では地球を訪れるUFOは無数であり、その中で地球人、狭めてはムー個人に友好的な宇宙からの訪問者がいてもおかしくないという認識の下、双方の友情に従って運用される能力。ちなみに作中で彼が訪れる希望崎近郊ではUFOの目撃例は非常に多く寄せられているが、宇宙人自体の実在については文中では濁され、断言されていない。
UFOは能力者の視覚範囲内では自由に召喚でき、狙った対象を本人に自覚のないうちに瞬時にアブダクション(=誘拐)、インプラント処置を施してこの間の記憶を消したのちに任意の地点で解放する。
また、インプラントで取り付けられた装置によって能力者は取り付けられた対象の視聴覚を任意で同期することも出来る。UFOには能力者本人も乗り込んで高速で移動することもでき、作中で明らかになっている範囲ではアブダクション同様に数キロを一瞬で到達可能である。
移動・行動阻害、拉致、情報収集など広範囲に運用可能な非常に優秀な能力のひとつ、彼の動きから能力の全貌を察することも難しい。
能力名:木曜スペシャル
広大な宇宙では地球を訪れるUFOは無数であり、その中で地球人、狭めてはムー個人に友好的な宇宙からの訪問者がいてもおかしくないという認識の下、双方の友情に従って運用される能力。ちなみに作中で彼が訪れる希望崎近郊ではUFOの目撃例は非常に多く寄せられているが、宇宙人自体の実在については文中では濁され、断言されていない。
UFOは能力者の視覚範囲内では自由に召喚でき、狙った対象を本人に自覚のないうちに瞬時にアブダクション(=誘拐)、インプラント処置を施してこの間の記憶を消したのちに任意の地点で解放する。
また、インプラントで取り付けられた装置によって能力者は取り付けられた対象の視聴覚を任意で同期することも出来る。UFOには能力者本人も乗り込んで高速で移動することもでき、作中で明らかになっている範囲ではアブダクション同様に数キロを一瞬で到達可能である。
移動・行動阻害、拉致、情報収集など広範囲に運用可能な非常に優秀な能力のひとつ、彼の動きから能力の全貌を察することも難しい。
鏡介(きょうすけ)
鏡子が百歳の天寿を全うした世界における彼女の曾孫。
本編では出身世界を含む三つの世界に登場する人物であり、本作の世界観を象徴する存在ともいえる。
未熟児として生を受けた日から鏡子による性の手ほどきを受け、曾祖母に対する恋慕の感情とセックスの技術を育んできた男子。小学校入学以降は半径2キロ内で常に鏡子の右手を恋人のように母親のようにして生きてきた。
高校生になり、鏡子が亡くなった際には後を追って命を絶とうと考えるまでに思い詰めていたが、葬儀場に現れた識家の男(阿摩羅識あらか)の勧めに従って通常の手段でない特例で「転校生」にしてもらい、鏡子を手に入れるために二つの世界に現れることになる。
本編の世界においては一年前の希望崎学園祭当日に現れた転校生。迎撃に現れた精鋭たちのうち、ド正義を一撫でで射精・無力化に追いこむのを皮切りにそのすべてをわずかな時間で殺害もしくは無力化する。直後、何かに突き動かされるままに現れた鏡子と互いの局部をさらしたままノーガードでの性技の果たし合いに移行する。そのまま手加減抜きでの互角の戦いを繰り広げるが、僅差で敗北し精液の海に沈んで事切れた。
本編においては両陣営の対転校生戦略のヒントとなった人物としてまごうことなき強敵として描かれているが、ハルマゲドンが起こらなかった世界では同じく襲撃をかけても驚きの弱さによって両陣営に一蹴され、鏡子には足腰が立たなくなるまで抜かれ、挙句の果てには元の世界に帰ることもできずに橋の真下で架神「恭介」等による差し入れで辛うじて食いつなぎホームレス生活を送る、という扱いの悪さで描かれている。
固有の魔人能力としては空間を歪めて相手を引き寄せるという性質の能力を有している。
識家
末那識 千尋(まなしき ちひろ)
その他
戦慄のイズミ(せんりつのイズミ)
前番長。
ド正義、邪賢王入学前に旧番長グループを束ね、希望崎学園を恐怖で覆い尽していた男。
ド正義による旧番長グループ粛清の最終局面において邪賢王に討たれ、番長位を証の長ランと共に奪われる。
漫画版ではオリジナルの過去編が追加されている。それによると生前は戦闘狂であり、地獄のような学園を作り上げたのは戦いを求めるあまりのことであった。学園の憎悪を己の一身に集めることで敵を作りだし、その結果として邪賢王との交戦一年前に致命的な打撃を頭部に受けていた。
そのため、既に自我を失い反射的に戦闘行動を取るだけのほとんど骨と皮ばかりの肉人形と化していたが、部下からの人望が皆無であったために幹部たちからは悪漢たちをまとめる看板としての価値しか認められずに閉じ込められ、手の付けようがないので殺すこともできずに生かされ続けた。
最終的には恐怖と憎しみを集めることが愚かしいという教訓を学び取った邪賢王に引導を渡される。
ド正義 克也(ドせいぎ かつや)
筑摩 泰斗(ちくま たいと)
紅畑(べにばたけ)
清水(しみず)
用語
魔人
魔人(まじん)
主に「覚醒」と呼ばれる現象を経ることで魔人となる。「覚醒」のきっかけは様々で、作中では何気ない日常会話やちょっとした思いつきからはじまり、トラウマになりかねない壮絶な体験に至るまで多種多様な経緯が語られている。そのため狙った能力を得ることが出来るわけではない。
覚醒の時期が幼児期や思春期(特に中学二年生)に偏っているため、比較的攻撃的・性的な能力に目覚める傾向が強いが、基本的に統一性はない。多くは覚醒と同時に常人を遥かに越えた身体能力を獲得し生命力も強いが、銃火器に耐えられる魔人はごく一部に限られ、常人並みかそれ以下の身体能力しか持たない魔人も存在する。
また覚醒直後から思春期特有の万能感や攻撃性に支配され殺人・強姦などの重犯罪に手を染める者も多いことから社会からは疎まれ、職業差別などを受ける。そのため、社会にカミングアウトしない隠れ魔人も数多い。
識家(しきけ)
転校生たちをまとめる魔人の集団で、本作の世界観を形作るルールの擬人化と言うべき存在。仏教の意識作用「識」にまつわる姓を持つ。
時の概念のない世界に居を構え、転校生に依頼の斡旋を行って各人にとっての「理想の世界」を作るための手助けと世界設定の変更を請け負っている。
魔人警察官
職業差別が根強い魔人の中でも魔人自衛官と並び安定して雇用が見込まれる職種のひとつ。
対魔人犯罪に主に投入されるが、一般的に同属嫌悪が根強く魔人犯罪者相手にしばしば虐殺に走るということで恐れられている。
魔人中隊
陸上自衛隊普通科が抱える特殊部隊のひとつ。
名の通り、全員が魔人によって構成され対転校生など特殊な事態に合わせ投入される。多くの事例で小隊規模に編成されて作戦に従事するため「魔人小隊」と呼称するのが一般的になっている。軍人の統率と魔人の機転を併せ持った魔人小隊は対魔人戦に特化しているため、転校生が交戦を忌避するほどに強力な相手であるという。
転校生(てんこうせい)
報酬次第でトイレ掃除のような些事から国家転覆のような大事業まで契約次第でどのような依頼でも請け負う集団で、歴史の転換点に必ず居合わせると恐れられている。
各人が持つ固有の魔人能力に加え、通常の手段ではかすり傷ひとつ負わせることが出来ず何気ない礫が必殺の一撃になるなど総じてでたらめな強さを持ち、彼らの強さはベクトルが違う、無限の攻撃力、防御力とも称されている。
転校生を召喚するための手順として作中で判明しているものとして、依頼主が五十桁からなる電話番号を入力した先につながるカスタマーサービスに連絡し、目的に合わせて派遣される彼らが必要とする報酬を用意する必要がある。なお報酬は生きた人間であるが、それを必要とする理由は不明。依頼遂行の際に引き裂いて持って帰るその僅かな痕跡から現地民は報酬の末路を窺い知ることが出来る。
彼らが召喚先の世界で活動するに当たって「嘘を付けない」などの基本的なルールを定められるほか、事前に取り決めた契約書の内容を遵守しなければならない。契約面でこそ融通は利かないが、文面から外れた詳細な活動方針などについては依頼主の言葉でも従う義務は持たず、独自の意志で行動する。
魔人の一種である通り普通の魔人から転じた存在であるが、そのなり方などは謎に包まれている。不老であるが不死では無く依頼途中で落命する転校生も決して珍しくはない。彼らの持つ死生観や世界観は独特であり、長く活動しているベテランの転校生は超然とし、人の生死に頓着しない傾向にある。
認識の衝突(コンフリクト)
舞台
学園自治法(がくえんじちほう)
シリーズにおいて学生同士の抗争に公権力が介入しない理由づけとして根幹を為す設定である。六〇年代に巻き起こった魔人差別撤廃を目的とした学生運動末期、警察当局に多大な犠牲を払わせた恐怖から政治的妥結として成立した。経緯についてはシリーズ第3作『ダンゲロス1969』に詳しい。
成立当初から危険性は囁かれていたが、施行から数年で矛盾は発露する。全国各地の学園内に不良魔人が結集した集団「番長グループ」が発生し現地の治安維持機構を破壊、一般生徒や教職員を暴力で支配する事例が続出した。
学園側は治安維持のために魔人体育教師を大量雇用したり、一般生徒も「生徒会」を組織して「校則」という形の刑法を定め強制力をもたせようとするなど対抗はしているが、施行の前後で国内の治安が著しく悪化したことは確かである。
希望崎学園(きぼうさきがくえん)
東京湾に浮かぶ半径4kmほどの巨大人工島を丸々敷地とした「魔人学園」で練馬区と同等という広大さを誇る。他に魔人学園では関西の「羅漢学園」などが有名。
本編開始年度では隠れ魔人を含めれば全校生徒の二割(百名以上)という通常の数十倍を越える比率で魔人が入学しており、二年前に現生徒会長「ド正義卓也」が治安を確立するまでは全国でも有数の危険地帯として知られていた。
1983年開校当初は魔人を受け入れない方針で運営を開始したが、世論に負けなし崩し的に魔人を受け入れた結果「番長グループ」の形成と学園側の警察力の崩壊を招く。最終的には一般生徒が百名以上の犠牲を払った全面戦争という惨禍を招き、校内施設も全壊した。
学園が現在の姿になったのはこの復旧の際のことである。旧来は普通の高等学校でしかなかったものが住宅地の立ち退き買収を経て広大な敷地を獲得し、巨大な「新校舎」など多くの施設が対魔人建築によって建てられた。本土からは「希望崎大橋」という一本の橋によってのみ結ばれている。
戦闘破壊学園ダンゲロス
ハルマゲドン
影響
「このライトノベルがすごい!2021」単行本・ノベルス部門と新作部門でダブル1位を獲得した異修羅の作者珪素は、原作ゲーム版のプレイヤーであり、プレイヤー同士で作品を投稿し、星の評価で競争しようとなったことが、オリジナル小説を執筆したきっかけである。
書誌情報
小説
- 架神恭介 戦闘破壊学園ダンゲロス、講談社BOX Powers BOX、2011年2月01日 ISBN 978-4-06-283759-0
- 架神恭介 戦闘破壊学園ダンゲロス、ちくま文庫、2016年5月 ISBN 978-4-480-43357-2
漫画
- 戦闘破壊学園ダンゲロス 1 2012年06月06日 ISBN 978-4-06-382187-1
- 戦闘破壊学園ダンゲロス 1 初回限定版 2012年06月06日 ISBN 978-4-06-362225-6
- 戦闘破壊学園ダンゲロス 2 2012年11月06日 ISBN 978-4-06-382237-3
- 戦闘破壊学園ダンゲロス 2 初回限定版 2012年11月06日 ISBN 978-4-06-362234-8
- 戦闘破壊学園ダンゲロス 3 2013年04月05日 ISBN 978-4-06-382286-1
- 戦闘破壊学園ダンゲロス 4 2013年09月06日 ISBN 978-4-06-382349-3
- 戦闘破壊学園ダンゲロス 5 2014年02月06日 ISBN 978-4-06-382413-1
- 戦闘破壊学園ダンゲロス 6 2014年07月04日 ISBN 978-4-06-382488-9
- 戦闘破壊学園ダンゲロス 7 2014年12月05日 ISBN 978-4-06-382539-8
- 戦闘破壊学園ダンゲロス 8 2015年05月01日 ISBN 978-4-06-382608-1