振袖いちま
以下はWikipediaより引用
要約
『振袖いちま』(ふりそでいちま)は、須藤真澄による日本の漫画。『月刊MOE』1990年11月号から『コミック・モエ』を経て『コミックFantasy』No.14(1995年11月)まで連載された。単行本は1・2巻が1993年・1994年に偕成社から出版されたが、休載のため3巻が刊行されず長らく未完結のままだった。2002年に装丁を新たにして全3巻でエンターブレインより出版された。最終話は新規に書き下ろされている他、付録の着せ替えジオラマが大幅に追加されたりしている。
偕成社版の1巻には「夢と野望の市松人形」、2巻には「愛と気合の市松人形」という副題が付いていたが、エンターブレイン版には特に付いていない。
作品概要
美少女を描くことに関して独特の技法を持つ作者であるが、(「須藤真澄」の頁参照)彼女自身、美少女を主人公とした長編はほとんど描いておらず、1話完結形式か、長くても単行本1冊(『アクアリウム』等)である。そうした中で、本作は単行本3巻ではあるが、彼女の作品中、美少女を主体としたものでは異例の長さである。(ただし短編集あゆみによれば、本来は一回限りの読み切りの予定であったと書かれている。)物語は大きな流れを持つが、基本的に一話完結の形式をとっている。
あらすじ
女子高生ゆきは、母に曾祖母の形見という市松人形をもらう。部屋に飾り名前をたずねると、人形が「いちま」と答えた。なんとその人形は、考え、話す人形だったのだ。いちまは曾祖母のことを「お友達」と呼び、ゆきが生まれる前に亡くなっている「お友達」をしのび、小川の土手に連れて行くよう、ゆきに頼む。すると人形は、等身大の振袖の美少女に変身した。別れを告げるいちまを呼び止めて面倒をみることにしたが、ゆきはいちまの「お友達」の叶えられなかった夢を代わりに叶えたいという思いに応えるため、不平を言いながらも彼女のために尽くすのであった。やがて、ゆきも新しい「お友達」となって行くのである。
主要登場人物
主人公
いちま
本作の主人公。大正時代に作られた市松人形。髪は市松人形特有の前髪を切り揃えたロングヘア。考え・会話することが出来る。特定の川の特定の土手に来ると、人間の大きさ・形態(高校生くらいの少女)になることが出来、また、同じ場所で元の人形形態に戻ることが出来る。この拡大・縮小の時、身に着けていた物も同様に拡大・縮小される。人間形態の時は、飲食以外はほぼ人間と同じことができる。むしろ腕っ節は強い。人形形態のときは会話することぐらいしかできない。誰とでも会話可能なのだが、秘密保持のため、人形形態時は基本的にゆきとしか会話しない。人形なので、あらゆる常識に疎く(例えば病気が理解できない)、料理など日常的なことも出来ない。それを、見よう見まねで強引に実行するので、面倒が大きくなる。人間形態での体の比重は小さく、浮き輪のように水面上に体全体が浮いてしまう。プライドが高く、強心臓で、自己中心にすべてのことを考え・行動するが、実はとても甘えん坊で寂しがりや(かまってほしい)。今は亡き「お友達(ゆきの曾祖母)」との懐かしい思い出には誠実。ゆきにはひたすら甘えて、迷惑をかけることも厭わないが、他の人間には基本的に外面は良い。客観的に見るとゆきが被害者なのだが、いちまはゆきに悪意は無く、むしろかつての「お友達(ゆきの曾祖母)」亡き後の現在の唯一無二の「お友達」と思っており、それゆえゆきには甘えまくるのである。ちなみに、ゆきのことは「ゆきさん」と呼ぶ。
嫌いな言葉は「どうせ」と「辛抱」。
ゆき
本作の実質的な主人公。髪はやや栗毛色のかかった三つ編み1本。某女子高(第2巻「振袖いちまの奉公」でゆきの学校の文化祭の看板が「□□女子高祭」となっている)の1年B組所属。得意は裁縫。
去っていくいちまを呼び止め、自分の部屋に置くことにしたが、いちまが「お友達(ゆきの曾祖母)」がらみの思い出でつぎつぎと出す要求を、次々と(基本的に)独力で実現しなければならないはめに陥る。別に義務でも何でもないのだが、一種の優しさからいちまのわがままに付き合う。また、いちまはゆきの同情に訴える作戦を使うこともある。はじめは曾祖母の夢を叶えるのに尽力しようと、死に物狂いで人形屋さんを開くが、それが終わると、実は夢はひとつではなかったことをいちまに聞かされ、愕然とする。そこから、ゆきの終わりなき戦いが始まるのである。いちまのことは普通「いちま」と呼ぶが、「いっちゃん」と呼んだこともあった(3巻「振袖いちまの着物」)。
学校の制服はセーラー服を基本とした形式で、白の衿の白シャツに明るい薄緑色のセーター。スカートは渋い薄緑の地に緑・青の帯と柿色の線のタータンチェック柄のボックスプリッツのミニスカート。校章は左胸につける。
その他
本物語はいちまとゆきの2人を主軸に描いたものであり、上記2名の主役以外のキャラクターは出演頻度が格段と低くなる。
いちまの「お友達」= ゆきの曾祖母(本名:いく)
ゆきの父
ゆきの父方の祖父
ゆきの父方の祖母
物語
第1巻「夢と野望の市松人形」(偕成社版のみ副題付き)
表紙のゆきは着物姿(エンターブレイン版)。巻頭に厚紙切り取り・組み立て式の「いちまドールハウスセット」が4枚分おまけで付いている(偕成社、エンターブレイン共通)。
「振袖いちまの友情」
「振袖いちまの野望」
マーケットのドサクサで着せ替えられ、いちまの着物がなくなってしまう。第3巻「振袖いちまの着物」でやっと取り返すことが出来る。
「振袖いちまの要求」
「振袖いちまの挑戦」
「振袖いちまの内緒」
「振袖いちまの義妹」
「振袖いちまの舞踏」
第2巻「愛と気合の市松人形」(偕成社版のみ副題付き)
表紙のゆきはモダンガール姿(エンターブレイン版)。巻頭に「はじめてのおこづかい」と題した、絵本風漫画がオールカラーで4ページ載っている(偕成社、エンターブレイン共通)。
「振袖いちまの没収」
「振袖いちまの場所」
この話では珍しく、「お友達」が年を取ってきてからの話とか、ゆきの死後の話とか、時間経過を物語る話が挿入される。「時は流れる いちまは残る」という感傷的な言葉も添えられている。ゆきが「前のお友達」になってしまう日も来てしまうだろう(いちまが壊れない限り)。
「振袖いちまの鼻歌」
「振袖いちまの奉公」
「振袖いちまの純愛」
「振袖いちまの看護」
第3巻(副題無し)
表紙のゆきは現代の女子高制服姿(エンターブレイン版)。
「振袖いちまの一葉」
「振袖いちまの避暑」
この話で、人間形態のいちまの比重がゼロに近いことが分かる(つまり水面上に全身が出る)。
「振袖いちまの冒険」
「振袖いちまの番外」
「振袖いちまの記憶」
「振袖いちまの着物」
「振袖いちまの大祭」(最終回)
物置からひいおばあちゃんの形見の人形がもうい1体見つかった。いちまが増えるのかと戦慄するゆきであったが、その内裏雛は普通の人形だった。お雛様のような十二単衣(じゅうにひとえ)を着たがるいちまに、いつものようにごり押しされ作業を始めるゆき。ゆきの作業中、いちまは走り回り、今までゆきが作ってくれた物を一堂に集め、雛壇の上に並べる。こうしていちまの晴れ舞台が出来上がった。ゆきはいちまと並んだ内裏雛に「初めまして わたしがいちまの友達です」と挨拶するのだった。
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