漫画

探偵ゼノと7つの殺人密室


ジャンル:推理漫画,推理,

題材:健忘,

主人公の属性:探偵,

漫画

原作・原案など:七月鏡一,

作画:杉山鉄兵,

出版社:小学館,

掲載誌:週刊少年サンデー,

レーベル:少年サンデーコミックス,

巻数:全8巻,

話数:全79話,



以下はWikipediaより引用

要約

『探偵ゼノと7つの殺人密室』(たんていゼノとななつのさつじんみっしつ)は、七月鏡一の原作、杉山鉄兵作画による日本の漫画作品。『週刊少年サンデー』連載。

本格推理漫画と銘打っており、全体的にダークでシリアスな内容が特徴。それに伴いギャグ・お色気描写も控えられている。また、物語の舞台は近代の日本に近い世界であるが、「D坂」なるあり得ない名字が受け入れられている、自衛隊では無く陸軍や軍警察が存在するなど、ある種のパラレルワールドとなっている。

ストーリー

一年前、路上で重傷を負っていたところを発見された青年ゼノは、収容先の病院で起こった殺人事件を目覚めた直後に解決したのを皮切りに、多くの難事件を解決して名探偵と呼ばれるようになった。

野球場での殺人事件を解決したゼノは、殺し屋の女子校生・D坂 エイラと共に、高名な建築家・甲斐 七楼が死後に残した「誰でも完全犯罪を成し遂げられる7つの殺人密室」の解明に乗り出す。

登場キャラクター
主要人物

ゼノ

主人公。
物語の一年前、路上で重傷を負っていたところを発見され、収容先の病院で起こった殺人事件を目覚めた直後に解決したのを皮切りに、多くの難事件を解決して名探偵と呼ばれるようになった青年。
記憶喪失にかかっており、過去の経歴は一切不明。「ゼノ」という名前も通称に過ぎない。
異常なほどクールでドライ。目の前で人が死んだり、自分自身が命の危機にさらされても、一切取り乱さず推理力を発揮する。自身ではそのことを「他人の気持ちが分からない、探偵として致命的な欠陥」とも捉えており、それを補完するためにD坂エイラを助手に任命する。
D坂 エイラ

ゼノの助手。女子高生にして殺し屋。ゼノに殺し屋と見破られ、警察に引き渡さない交換条件として助手を拝命する。
ミーハーで感情豊か、お節介焼きで人と接することにも物怖じせず、倫理観や義理堅さも備えるなど、およそ殺し屋らしからぬ性格。
当人も殺し屋に向いてないとことあるごとにこぼしており、ゼノの助手を引き受けたのも、弱みを握られている以外にも別の生き方を探したいという動機がある。
作中での「仕事」は全て失敗か中座に終わっており、実際に殺し屋として人を殺めた描写はないのだが、殺し屋としての訓練を受ける中で実際に人を殺めたことがあると語られている。

甲斐家

甲斐 七楼(かい しちろう)

著名な建築家。裏では殺人の教唆・幇助を行う天才的犯罪者としての顔を持つ(目を付けた相手に計画書や仕掛けを作動させる装置を匿名の手紙で送るという大変シンプルなもので実行者と直接会うことはない)。なお作中ではベルモットのように脅迫して強制的に実行させたり、高遠遙一のように(自殺用の仕掛けを施すことはしても)実行者に死の制裁を加えることはしない。
生涯をかけて殺人を行うための仕掛けを施した7つの密室「殺人密室」を作り上げる。帝国ドームの事件を解決したゼノを認め、殺人密室の存在を仄めかして挑戦し、自らが最初の犠牲者となるが全ては計画されたものであった。
第一の密室の謎が解かれた後に流れた録音で殺人密室を全て解決すればゼノの失われた記憶と過去を教えることを宣言する。
甲斐 里久(かい りく)

甲斐七楼の養女で長女。
「ポリグラフ症候群」と呼ばれる病気で、人間の言葉に含まれた嘘を敏感に感じ取ってしまい、心臓に大きな負担がかかる。里久は嘘を感知するとまばたきがゆっくりになる。
そらが七楼を殺した事を知り、自らが罪を被ろうと警官たちを殺害するが、最期は超電導コイルの冷却材を浴びて凍死した。
甲斐 羽美(かい うみ)

甲斐七楼の養女で次女。同じくポリグラフ症候群で、嘘を感知すると拳を握りしめ、目つきが険しくなる。
七楼と自分たちの間には愛情はなかったと言い、殺されても仕方がないと考えている。墓標館の事件解決後、心が壊れたそらの世話をしながら喫茶店で働きだす。殺人密室を全て暴くことをゼノに依頼する。
甲斐 そら(かい そら)

甲斐七楼の養女で三女。同じくポリグラフ症候群で、嘘を感知すると怖い目になって睨みつける。
実は七楼の本当の娘であり、一方で七楼が愛情を抱いていないことを感じ取ってしまったために隠し部屋の仕掛けを動かし、七楼を殺害してしまった。事件解決後に流れた七楼の録音を聞いて心が壊れてしまう。

ガーデン関係者

ツワブキ

日本国首相。
キノオ / ツワブキ リヒト

ツワブキの息子。ゼノを「トモロウ」と呼び、ガーデンでは親友だったと言う。殺人密室の情報をバラまいている。
最初にゼノに顔を見せた時には「キノオ」と名乗る。
バロン

フリーランスの犯罪者たちのネットワークを支配し、天才的な犯罪計画を実行する犯罪コーディネーター。
口にする全ての言葉が嘘。ゼノの過去を知っている。

警察・軍関係者

鬼首(おにこべ)

警視庁殺人課所属の警部。ゼノに協力し、殺人密室を探す。
姫宮(ひめみや)

警視庁公安12課所属の警部。
墓標館の事件にて犯罪プランナーである甲斐七楼の客である企業・政治家に関わる証拠を揉み消そうと乗り込んでくるが、殺人密室の仕掛けにより部下を殺害されてしまう。
天田(あまだ)

中央軍警察隊の大尉。
"やたがらす"に要人警護のために乗り込み、ゼノと出会う。

創修音楽大学

村田 文吾(むらた ぶんご)

4回生。チェロ奏者。
ゼノに似せた人形を吊るして騒ぎを起こすが、ゼノには見破られた。
事件があった翌日、一斗缶で楽譜を燃やしていたため疑われる。
三田村 静香(みたむら しずか)

「ミューズの復讐」の長姉カリオペー役。
事件があった夜は草野と遅くまでレッスンしていた。
草野 二郎(くさの じろう)

ピアノ科講師。静香の指導担当で、瀬名とは同期。
瀬名を「女性にだらしなく、自己中心的な性格」と評すが、同時に殺されるほど恨みを買ってはいないと言う。
瀬名 高雄(せな たかお)

学長。オペラ「ミューズの復讐」の作曲を担当した世界的な音楽家。
内側から施錠された学長室で死体となって発見される。死因は気泡による血管の塞栓。ただし、気泡は全身に及んでいた。
岸田 凜(きしだ りん)

学長の秘書。
ポリープ手術で失敗するまでカリオペー役を持ち役としていた。現在でも耳は衰えていない。

やたがらす乗務員・乗客

西村 聡(にしむら さとし)

ポーター。ゼノ達の世話を担当する。
沢野(さわの)

ポーターのチーフ。
花井 薫(はない かおる)

ジャーナリスト。
15年前の「富士誤射事件」を10年も追っている。
下瀬 勲(しもせ いさお)

陸軍中将で東部方面軍の司令官。「富士誤射事件」の関係者。
"やたがらす"の一等個室内で溺死する。
加茂 三郎(かも さぶろう)

陸軍出身の与党議員。「富士誤射事件」の関係者。
自ら事件を解決しようと西村を人質にとり、羽美を嘘発見器として使おうとする。
間久部 宏明(まくべ ひろあき)

軍警察総監。「富士誤射事件」の関係者。

殺人密室

甲斐七楼が作り上げたあらかじめ殺人のための仕掛けを施した7つの建造物。それを使えばだれでも完全犯罪が可能となる殺人のための密室であることから、もはや密室殺人ではないとしてゼノにより名付けられた。

墓標館の事件解決の際、甲斐七楼が遺したテープが流されたことでマスコミにも知られ、世間で多く取り上げられて甲斐七楼が手掛けた建築物は調査がされたが発見されなかった。なお複数の建造物などを組み合わせた大掛かりなものも仕掛けを動かすことで殺人を可能とできれば殺人密室とされ、仕掛け次第では一度きりでなく繰り返し使用することができる殺人密室も存在する。また、ここで言う殺人密室の7つの建造物とは甲斐七楼が最高傑作と称したもので、密室ではないものの1話で使用された帝国ドームなど、甲斐七楼によって意図的に殺傷能力のある欠陥や仕掛けが設計された建造物は他にも存在する(1話の犯人の証言から、5年前の古いドームにも仕掛けがなされていた)。

ちなみに作中でゼノが遭遇する事件は殺人密室が使用されたものではない事件(殺人密室の事件に関係している場合もあるが、全く関係がない事件もある)もある。

墓標館
甲斐七楼の自宅兼アトリエ。東京都西部O地区に存在する。
六角形の筒状の建物で、窓や廊下が螺旋を描くように配置されているのが特徴。
創修音楽大学
大学自体が丸ごと甲斐七楼による設計。
それぞれの建物が楽器の形を模しており、その楽器と同じ名前が付けられているのが特徴。キャンパスには大壁画が存在する。
豪華寝台列車"やたがらす"
東京駅から出発する東北周遊用の行楽列車。甲斐七楼が内装を手掛けている。

書誌情報
  • 七月鏡一(原作)・杉山鉄兵(作画) 『探偵ゼノと7つの殺人密室』小学館〈少年サンデーコミックス〉、全8巻
  • 2018年4月18日発売、ISBN 978-4-09-128243-9
  • 2018年7月18日発売、ISBN 978-4-09-128335-1
  • 2018年10月18日発売、ISBN 978-4-09-128555-3
  • 2019年1月18日発売、ISBN 978-4-09-128777-9
  • 2019年4月18日発売、ISBN 978-4-09-129130-1
  • 2019年6月18日発売、ISBN 978-4-09-129170-7
  • 2019年8月16日発売、ISBN 978-4-09-129317-6
  • 2019年9月18日発売、ISBN 978-4-09-129334-3