摩陀羅 天使篇
以下はWikipediaより引用
要約
『摩陀羅 天使篇』(マダラ てんしへん)は、大塚英志の小説。1994年から1995年にかけてメディアワークスの『電撃アドベンチャーズ』で連載された後、電撃文庫のレーベルにて3巻まで刊行されたが、未完。1997年に、大塚英志プロデュース、白倉由美演出・脚本で朗読ドラマCD化された。
概要
魍魎戦記MADARAシリーズの108の物語が全て完結した後の話で、最後の戦いに敗れた後、すべての力と前世の記憶を失ってしまった転生戦士達の物語。
主要登場人物が無残な死を遂げたり、転生戦士達が前世の記憶を妄想と認識していたりと、魍魎戦記MADARAシリーズへの皮肉の様なストーリーが展開される。
作中の設定では昭和の元号が1989年以後も続いている。また、東京は首都機能が全て筑波に移転し、天皇が京都に移り住み、都から府に格下げされ、外国からの移民や難民で溢れかえり、差別と暴力に満ちた混沌極まる暗黒街と化している。
作者の大塚はのちに、未完となった理由を「出版社の路線と合わなくなったので続けられなくなってしまった」。と述べている。
1994年から1995年にかけてメディアワークスの『電撃アドベンチャーズ』で連載された後、電撃文庫のレーベルにて3巻まで刊行されたが、未完である。 1997年に、大塚英志プロデュース、白倉由美演出・脚本、飯塚雅弓出演の朗読ドラマCD『リーディングストーリー MADARA天使編―麒麟』が発売された。
あらすじ
昭和74年(1999年)。5年前のアガルタとの決戦で霊性「摩陀羅」と「麒麟」を世界の王アル・アジフによって奪回され敗北し、記憶と力を失った転生戦士達は深い喪失感を覚えながら、吹き溜まりのようになった東京で荒廃した日々を送っていた。しかし、アメリカのある宗教団体による小型核爆弾を使った集団自殺事件をきっかけに、東京で異変が起き始める。人の手によるものとは思えない惨殺死体が多数発見され、人々の間で「マダラ」という名の天使の噂が囁かれる。その「マダラ」は、いまやただの人として生きる犬彦たちの前に現れる。今、本当の最後の戦いが始まろうとしていた。
登場人物
犬彦綬陀矢(いぬひこ ゆだや)
伏姫輝燐(ふせひめ きりん)
カオス・リヴァイアサン
レオン・シャムロック
グレイシー・トーゴー
不条霊子(ふじょう れいこ)
兵頭沙門(ひょうどう しゃもん)
大江朔(おおえ さく)
在義一(ざい ぎいち)
ヒミカ
大徳寺貴更(だいとくじ きさら)
トビオ
日子坐宮稀人(ひこますのみや まれひと)
大江響(おおえ ひびき)
K・ヒラオカ
昭和天皇
用語
フリーファイト
エンジェル・チャーチ
邪学
弥勒根之魂(ミロクネノコン)
「神々の世界である根之国(アガルタ)では弥勒(ミロク)神が最高の位に君臨していたが、他の神々からの嫉妬によって根之国から人間界へ追われる。弥勒神はその際、根之国の童神「影王」を秘かに連れ出す。根之国とは冥界であり、人間界における死を司る。そして人の死を糧とするため、何千年かに一度根之国の門を開き、地上の人間たちを滅亡に追いやる」
「それ故、同じく根之国の神である木花開耶姫(コノハナノサクヤヒメ)は、根之国の神々の意向で命運を左右されている地上の人類を、その支配から解放してやりたいと願っており、そのために開耶姫もまた根之国を追放されることとなる。そして彼女もまた、それと同時に根之国の童神「摩多羅」と「麒麟」を根之国から連れて、地上に降る」
「弥勒神は人間界に混沌をもたらす存在であったが、自分を追放した根之国への復讐の念は強く、人間界から根之国を侵略し、その最高位に返り咲こうと欲していた。一方、根之国に対して地上の人類の味方になろうとする開耶姫とは、互いに対極にあるが、根之国に反旗を翻すという目的が一致している。しかし両者は、単独では根之国から持ち出した神を地上に生み出す事はできない。そこで弥勒神は木花開耶姫に近づき、次の契約を持ちかける」
「互いに夫婦の契りを交わして、根之国に抗する力である「摩多羅」「麒麟」を地上に生誕させ、人々を根之国から解放するという母・開耶姫の願いをかなえる。その代わり、その二神と共に「影王」をも、根之国に侵攻するという父・弥勒神の野望のために生誕させる。「影王」は閉ざされた根之国への扉を開ける鍵となる」
これを見た沙門は、そのあまりにも荒唐無稽な内容と、題名が有名な架空の書物「ネクロノミコン」のアナグラムであるため、老民俗学者と養父による偽書と判断したが、真相は不明。
侏儒(しゅじゅ)
自警団
ナチスの鉤十字の入ったジャンパーを着ている。
ロレトの連祷 (ロレトのれんとう)
朔は1000個の爆弾を爆発させれば天使に会えると言って仲間を魅了し操ったが、沙門は「自分達こそが天使であり1000個の爆弾を使って東京を裏で支配している外国人達を抹殺せよ」と言って朔の仲間を洗脳した。
サクリファイス
日子坐宮家(ひこますのみやけ)
稀人は徳川時代の某天皇の御落胤の末裔にすぎず、その意味では皇族でさえない青年のために宮家を興すなど問題外のはずであったが、もはや日本に天皇家に関心のある人間はいなかったため、何の問題もなく創設されてしまった。
持衰(じさい)
常に主として仕える者の傍らにいて、その者にとり憑こうとする穢れの一切を引き受け、時には主の代わりに死ななくてはならない。
古くは「魏志倭人伝」にも登場する日本最古の職業の一つ。
沙(すな)
満洲人民共和国
旧日本軍が残した満鉄を始めとする資本を背景に、冷戦後は経済力で日本を凌ぎつつある。
アジアのイスラエルとして人口の半数はユダヤ人だが、一方では旧日本軍の関係者が残留し経済や政治に強い影響力を持っている。
共和国でありながら象徴皇帝制をとっており、民族統合の象徴として旧満洲国皇帝溥儀に人間宣言をさせ、連合国の戦犯追及をかわし、象徴皇帝とした。
五族協和にユダヤ人を加えた六族協和を理念として掲げており、六芒星が国旗に使われている。
単行本
電撃文庫のレーベル
朗読ドラマCD
- 『リーディングストーリー MADARA天使編―麒麟』(レーベル:キングレコード、リリース:1997年12月3日)
- 原作・プロデュース:大塚英志、演出・脚本:白倉由美、朗読:飯塚雅弓、音楽:岸本友彦、イラストレーション:田島昭宇
- 原作・プロデュース:大塚英志、演出・脚本:白倉由美、朗読:飯塚雅弓、音楽:岸本友彦、イラストレーション:田島昭宇
朗読ドラマCDの登場人物
- 伏姫輝燐(ふせひめ きりん)
- 犬彦綬陀矢(いぬひこ ゆだや)
- 夏目エリス(なつめ えりす)
- 熊の着ぐるみを着た精神科医
他の作品との関係
- 原作が同じ大塚英志の漫画『北神伝綺』(森美夏画)には兵頭沙門の養父の兵頭北神が登場している。
- 幾人かの登場人物は他の作品にも登場しており、これらはマダラの108編の世界観に属する。
- 犬彦 は漫画『多重人格探偵サイコ』(田島昭宇画)、『リヴァイアサン』(衣谷遊画)、小説『ロリータ℃の素敵な冒険』にも登場している。
- 十頭 は小説『多重人格探偵サイコ 西園伸二の憂鬱』にも登場している。
- 兵頭沙門 は漫画『口裂け少女さっちゃん』(大橋薫画)にも登場している。
- 大江朔は漫画『東京ミカエル』(堤芳貞画)、小説『ロリータ℃の素敵な冒険』、ドラマ版『多重人格探偵サイコ』(三池崇史監督)、白倉由美のオリジナル作品である小説『ロリータの温度』、『きみを守るためにぼくは夢をみる』、にも登場している。
- ギーは漫画『東京ミカエル』(堤芳貞画)、小説『僕は天使の羽根を踏まない』、ドラマ版『多重人格探偵サイコ』(三池崇史監督)にも登場している。
- 三島由紀、シャムロック、リカ、伊伏は漫画『東京ミカエル』(堤芳貞画)にも登場している。
- 日子坐宮稀人、K・ヒラオカ は漫画『JAPAN』(伊藤真美画)にも登場している。
- 甲賀三郎は漫画『八雲百怪』(森美夏画)にも登場している。
- 忌は漫画『三つ目の夢二』(ひらりん画)にも登場している。
- 昭和天皇は漫画『東京ミカエル』(堤芳貞画)、『JAPAN』(伊藤真美画)、『木島日記』(森美夏画)、『オクタゴニアン』(杉浦守画)、小説『海辺の教室』にも登場している。
- 犬彦 は漫画『多重人格探偵サイコ』(田島昭宇画)、『リヴァイアサン』(衣谷遊画)、小説『ロリータ℃の素敵な冒険』にも登場している。
- 十頭 は小説『多重人格探偵サイコ 西園伸二の憂鬱』にも登場している。
- 兵頭沙門 は漫画『口裂け少女さっちゃん』(大橋薫画)にも登場している。
- 大江朔は漫画『東京ミカエル』(堤芳貞画)、小説『ロリータ℃の素敵な冒険』、ドラマ版『多重人格探偵サイコ』(三池崇史監督)、白倉由美のオリジナル作品である小説『ロリータの温度』、『きみを守るためにぼくは夢をみる』、にも登場している。
- ギーは漫画『東京ミカエル』(堤芳貞画)、小説『僕は天使の羽根を踏まない』、ドラマ版『多重人格探偵サイコ』(三池崇史監督)にも登場している。
- 三島由紀、シャムロック、リカ、伊伏は漫画『東京ミカエル』(堤芳貞画)にも登場している。
- 日子坐宮稀人、K・ヒラオカ は漫画『JAPAN』(伊藤真美画)にも登場している。
- 甲賀三郎は漫画『八雲百怪』(森美夏画)にも登場している。
- 忌は漫画『三つ目の夢二』(ひらりん画)にも登場している。
- 昭和天皇は漫画『東京ミカエル』(堤芳貞画)、『JAPAN』(伊藤真美画)、『木島日記』(森美夏画)、『オクタゴニアン』(杉浦守画)、小説『海辺の教室』にも登場している。