小説

新釈諸国噺




以下はWikipediaより引用

要約

『新釈諸国噺』(しんしゃくしょこくばなし)は、太宰治の作品集。12編の短編から成る。1945年(昭和20年)1月27日、生活社より刊行された。定価は2円60銭だった。

井原西鶴の著作に取材し、太宰独特の趣向を凝らしている。太宰は冒頭の「凡例」で次のように述べている。

「わたくしのさいかく、とでも振仮名を附けたい気持で、新釈諸国噺といふ題にしたのであるが、これは西鶴の現代訳といふやうなものでは決してない。(中略) 西鶴は、世界で一ばん偉い作家である。メリメ、モオパツサンの諸秀才も遠く及ばぬ。私のこのやうな仕事に依つて、西鶴のその偉さが、さらに深く皆に信用されるやうになつたら、私のまずしい仕事も無意義ではないと思はれる」

収録作品

タイトル 初出
1 貧の意地 『文藝世紀』1944年9月号
2 大力 書き下ろし
3 猿塚 書き下ろし
4 人魚の海 新潮』1944年10月号
5 破産 書き下ろし
6 裸川 『新潮』1944年1月号
7 義理 『文藝』1944年5月号
8 女賊 『月刊東北』1944年11月号
9 赤い太鼓 書き下ろし
10 粋人 書き下ろし
11 遊興戒 書き下ろし
12 吉野山 書き下ろし

6.「裸川」の雑誌掲載時のタイトルは「新釈諸国噺」だった。はしがきの部分はのちに本書の「凡例」として用いられた。 7.「義理」の雑誌掲載時のタイトルは「武家義理物語(新釈諸国噺)」だった。 8.「女賊」の雑誌掲載時のタイトルは「髭候の大尽」だった。 11. 妻の津島美知子は、「遊興戒」は「奇縁」という作品を改題、書き改めたものではないかと憶測している。「奇縁」の掲載誌は現在も不明である。