新雪 (小説)
以下はWikipediaより引用
要約
『新雪』(しんせつ)は、藤澤桓夫の小説、それを原作とした映画作品、およびその主題歌の題名。
『新雪』は、まず、藤澤桓夫による新聞連載小説として、1941年11月24日から1942年4月28日まで『朝日新聞』に154回連載された。連載開始後に太平洋戦争が始まるという時期であったが、「さわやかな恋物語」として好評となり、1942年に五所平之助監督によって大映で映画化されて、水島道太郎、当時は宝塚歌劇団に在籍していた月丘夢路と美鳩まりが主演して、灰田勝彦が歌った同名の主題歌もヒットした。
内容は、国民学校の青年教師・蓑和田を主人公に、女医と恩師の娘との淡い恋愛模様を描くものであった。
戦後も、楽曲「新雪」は様々な歌手によって歌われた。また1962年と1966年には、テレビドラマも制作された。
映画
映画『新雪』は、五所平之助監督のもとで、館岡謙之助の脚本によって大映で製作され、1942年10月1日に公開された。
概要
五所平之助監督が松竹退社後初めて大映で手がけた作品。
本作は大ヒットし「大映初めてのヒット作」と評される。
大都映画のスターだった水島道太郎と、当時は宝塚歌劇団に在籍していた月丘夢路が主演した。
おもな撮影地は、兵庫県神戸市の高羽国民学校(後の神戸市立高羽小学校)で、撮影は1942年夏に行なわれ、当時の同校の児童も5年生、6年生を中心に20人ほどがエキストラとして撮影に参加した。映画公開時に、エキストラとして参加した児童たちが映画館へ見に行ったところ、恋愛映画であり子どもは入場できなかった、というエピソードも伝えられている。
戦後長く、プリント等が残っていない「幻の映画」とされたが、1996年に東京国立近代美術館フィルムセンターがロシアのゴスフィルモフォンド(ロシア国立映画保存所)を現地調査した際に、存在が確認された。後に東京国立近代美術館フィルムセンターがこのフィルムを購入した。現存するのはオリジナル124分のうち84分相当であるが、実際に上映可能な74分相当分だけでもストーリーは理解できるという。
スタッフ
- 脚色:館岡謙之助
 - 演出:五所平之助、蕪木淳、小松原力、小倉泰美、菅野恒三
 - 撮影:岡野薫、兼井和郎、中村壽郎、松橋梅夫、井上雅夫
 - 録音:長谷川光雄、増田一美
 - 美術:今井高一、木村威夫
 - 照明:伊東辰雄、安藤眞之助
 - 装置:小山照吉
 - 装飾:三田正武
 - 小道具:河島仁
 - 背景:西牧恭平
 - 園藝:坂根音次郎
 - 工作:島田二朗
 - 衣裳:坂口福松
 - 美髪:寒川ヤスエ
 - 技髪:牧野正雄
 - 音響効果:高野藤夫
 - 普通寫眞:山本松次郎
 - 華道:田島素峡(草心流家元)
 - 現像:東洋現像所
 - 音樂:久保田公平
 - 編輯:辻井正則
 - 製作担当:大中豊
 - 配給:映画配給社
 
主題歌
ビクターレコード レコード番号:A4351号
- 「新雪」(作詞:佐伯孝夫、作曲:佐々木俊一、歌:灰田勝彦)
 - 「千代の唄」(作詞:佐伯孝夫、作曲:清水保雄、歌:月丘夢路)
 
出演者
- 蓑和田良太:水島道太郎
 - 片山千代:月丘夢路(宝塚歌劇団)
 
                                湯川家
                                
- 丈亮:高山徳右衛門
 - 保子:美鳩まり
 - おきくさん:武田サダ
 
                                片山家
                                
- 進:白川博
 - 母:久野あかね
 
                                正木家
                                
- 信夫:井染四郎
 - 淑江:國分みさを
 
                                徳井家
                                
- 金兵衛:山口勇
 - 妻:浦辺粂子
 - 金之助:矢田稔
 
                                長谷家
                                
- 靜枝:近松里子
 - 英雄:小林直樹
 
                                國民學校
                                
- 校長:吉井莞象
 - 古井教頭:斎藤紫香
 - 千葉訓導:石黒達也
 - 伊東訓導:水原洋一
 - 竹井訓導:小杉光史
 - 木村訓導:冬木映彦
 - 若原訓導:若原初子
 - 千明訓導:千明明子
 - 小使さん:赤星瞭
 - 小久保:上代勇吉
 
                                父兄會
                                
- 安藤夫人:吉田八千代
 - 息子:南澤昌平
 - 社長夫人:中野政野
 - 事務長夫人:藤村昌子
 - 老人:岩井昇
 - 退役軍人:加原武門
 
                                隣組
                                
- 食料品店主人:見明凡太朗
 - 高村さん:高村榮一
 - 菊地さん:菊地良一
 - 三井の奥さん:三井知惠
 - 煙草屋のおばさん:小峰千代子
 - 南條さん:南條はるみ
 - 鴨川の奥様:鴨川百合子
 - 仲居:光川京子
 - 看護婦:高松律子
 - 若い夫:松原輝夫
 - 若い妻:文野朋子
 - 少年:奥岡榮二郎
 
                                賛助出演
                                
- 劇團新兒童劇場
 
楽曲
映画『新雪』の主題歌は、映画と同名の「新雪」として佐伯孝夫の作詞、佐々木俊一の作曲によって書かれ、灰田勝彦が歌い、映画の封切りとともに1942年10月に発売されて、ヒット曲となった。
戦後も、楽曲「新雪」は様々な歌手によって歌われている。NHK紅白歌合戦では、第3回(1953年1月2日)に映画の主演女優であった月丘夢路が、後述のテレビドラマではフランク永井が、「名曲紅白」というテーマが掲げられた第33回(1982年12月31日)に新沼謙治が、それぞれ歌った。
「新雪」は、佐伯孝夫の作詞作品を集めた佐良直美の1972年のカバー・アルバム『鈴懸の径 -佐伯孝夫 優しい詩集-』にも収録された。
「新雪」は灰田勝彦の歌の中では、カラオケで歌われる機会が最も多い曲のひとつとされている。
テレビドラマ
1962年版
1962年2月1日と同年2月8日の2回に渡って、日本テレビ系列の『武田ロマン劇場』(武田薬品工業一社提供。木曜21:45 - 22:30)で放送。
出演者
- 高野真二
 - 葵京子
 - 瞳麗子
 - 佐藤慶
 - 夏川大二郎
 - 上田吉二郎
 - 堀越節子
 - 猿若清方
 
出典・脚注
- 大映製作の映画作品
 - 五所平之助の監督映画
 - 1942年の映画
 - 兵庫県を舞台とした映画作品
 - 神戸市を舞台とした映画作品
 - 神戸市で製作された映画作品
 - 小説を原作とする映画
 - 日本の白黒映画
 - フィルムが再発見された映画
 - フィルムが部分的に現存している映画
 
- 灰田勝彦の楽曲
 - 佐伯孝夫が制作した楽曲
 - フランク永井の楽曲
 - ビクターエンタテインメントの楽曲
 - ポピュラーソング
 - 1942年の楽曲
 - 楽曲 し
 - 第33回NHK紅白歌合戦歌唱楽曲
 
- 日本テレビのスペシャルドラマ
 - 1962年のテレビドラマ
 - 武田薬品工業一社提供番組
 - 日本テレビのテレビドラマ
 - 1966年のテレビドラマ
 - 日本テレビの一社提供番組
 - サンスター一社提供番組
 - 小説を原作とするテレビドラマ
 - 大映テレビ
 - 神戸市を舞台としたテレビドラマ