日常ではさえないただのおっさん、本当は地上最強の戦神
小説
著者:相野仁,
出版社:KADOKAWA,
レーベル:角川スニーカー文庫,
巻数:全7巻,
漫画
作者:田口一,
出版社:KADOKAWA,
掲載サイト:ドラドラしゃーぷ#→ドラドラふらっと♭,
レーベル:ドラゴンコミックスエイジ,
発表期間:2019年3月1日 - 2021年2月25日,
巻数:既刊1巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『日常ではさえないただのおっさん、本当は地上最強の戦神』(にちじょうではさえないただのおっさん、ほんとうはちじょうさいきょうのせんしん)は、相野仁によるライトノベル。キャッチコピーは「その男、向かうところ敵なし」。
2017年10月から小説家になろうに投稿され、2018年8月から2021年1月まで角川スニーカー文庫より書籍が刊行された(イラストは桑島黎音)。全7巻。主に小説家になろうに投稿されたストーリーを編集して書籍化しており、なろう(WEB)版の方は2021年2月10日に完結となった。
登場人物
特に表記なしで「〇巻」とする場合は原作ライトノベルを指すものとする。またここで言うコミカライズ版は、悠久ポン酢の広告漫画ではなく田口一版を指す。
メインキャラクター
バル / バルトロメウス・グロースヘルト・シュレージエン
本作の主人公。人間族。帝都二等エリアに住居を構えるさえないおっさん冒険者。三十路。ベテラン冒険者だが冒険者ランクは最低の七級であり、《その場しのぎのバル》という不名誉なあだ名を付けられている。その豊富な知識で新人冒険者をサポートすることから《トレーナー》とも呼ばれる。物わかりがよく、人当たりもいいので帝都中に知り合いがいる。そして困っている人を見過ごせないお人好しでもある。
原作5巻にて六級に昇格し、続く6巻では中央大陸派遣のギルド依頼を受けるために五級に昇格する。
その正体は、帝国が誇る最強戦力「八神輝」の一人にして最強を誇る《光の戦神》バルトロメウス。魔力を消費して行使する「光の異能」を操る大陸最強格の戦士であり、八神輝でも別格の力を持つ。バルトロメウスとして活動する時は、フードのついた黒マントを羽織り、不気味な仮面で素顔を隠す。その実力と勇名は一般市民のみならず冒険者にも知られ、帝国最強の使い手として讃えられている。一方で彼の素性は貴族階級の者でも知らず、正体を知るのは八神輝や皇族などごく一部に限られる。異能に目覚めた当初は人付き合いを避けており、先代八神輝ユルゲンのもとで師事していた。
コミカライズ版では疲れた表情を見せることが多く、愚痴っぽいところがあるなど本当の意味での「さえないおっさん」として描かれている。バルトロメウスとなった際も周囲の態度に引いたり、たじろいだりと本質的な部分はバルと変わらないことが示唆されている。また原作ではアウズンブラに薬草をぶつけて怯ませたのに対し、コミカライズ版では斬撃で目を潰し、その間にエーファたちと逃げるなど違いも大きい。
スキル一覧 光の剣 名称不明。既に弱っていたとはいえゲパルトゥを一振りで倒すなどすさまじい威力を誇る。 エルブス 基本技。右手から光の奔流を放つ。バルの代表的な技で使用頻度が高い。 マグナ・ルミネセンス 掌から無数の光線を放つ。 スプライト エルブスを超える光の洪水を放つ大技。 スプライトコール 二つの光球を生み出し、相手を挟み込むように放つ。 絶影(ぜつえい) 音速より「ちょっと早く動く」移動技。
ミーナ / ヴィルヘミーナ・エールデ・プリメーア
本作のヒロインの一人。エルフ族。帝国が誇る最強戦力「八神輝」の一人。異名は《断罪の女神》。その実力は《光の戦神》に次ぐという。
クールな美女で皇帝が相手でも媚びない振る舞いをする高慢な性格。バルにのみ心を開き、基本的にバルの言うことしか聞かない。バルが他の女性から好意を寄せられても「バル様が好かれるのは当然のこと」と嫉妬したりしない独自の価値観を持つ。本人曰く「600年前は未熟な子供だった」とのこと。生まれついての天才だったため高慢な振る舞いをしていたが、バルと戦って負けたことで「自分の上を行く強者」として認め、従者のような振る舞いをするようになった。
かつて世界を救ったエルフの賢者「デュオニュース・エールデ・プリメーア」の子孫で、エルフの首都「シュタルク・オルドヌング」の出身。その強さと美貌から帝都や故郷での人気は高く、女神とも言われる。
コミカライズ版では顔立ちがやや幼めに描かれている。また下着姿が描かれており、バルとは肉体関係にあることを示唆する描写もあった。
リヒト帝国
本作の舞台となる東方大陸最強の軍事国家。
皇族
「民のために尽くす」皇族はあまりおらず、ミーナには「アドリアンとベアーテ以外は教育に失敗した」と酷評されている。
ザビャ
リュディガー
八神輝
読みは「レーヴァティン」。帝国が誇る八人の最強戦力。その権限は、宰相や魔術長官よりも上に位置する。中でもバルトロメウス、ヴィルヘミーナ、クロードの三者は三強に数えられる。
クロード・ヴォル・ノイエンドルフ
人間族の男。異名は《剣聖》。年齢四十代。
帝都防衛の任に就いており、八神輝の実質的なとりまとめ役。そして気苦労の絶えない中年男性。短く刈った銀髪に無精ヒゲという容貌だが顔立ちは端正。伯爵家出身の上級貴族。
帝国最強の剣士でありバル、ミーナに次ぐ実力者。バルには「お前がいれば元帥にも勝てる」と言われている。しかし立場上、帝都の護りに専念しているためあまり戦うことがない。そのため世間的には「マヌエルより弱い」と見られ実力を信用されていない。また慎重な性格であり、何事も様子見や守りに入ることから始めるタイプ。このため武闘派のマヌエルとは意見を違えることも。ミーナとは相性が悪く、気苦労の一つとなっている。八神輝の中ではバルとミーナに次いで出番が多い。
戦闘では静かで無駄のない動きを披露する。一方で気合で魔術を無効化するという力技も行う。
コミカライズ版では、さえないおっさんを演じるバルを「市民ごっこ」「八輝神の仕事ではない」と述べたものの、「さえないおっさん冒険者」に対して魔物出現の噂の調査を遠回しな言い方で依頼した。
マヌエル
シドーニエ・ヴォル・ミュンスター
人間族の女。異名は《氷結の女王》。その名の通り感情に希薄な性格で、掌を差し出しただけで対象を凍結させる技を持つ。
母は子爵の愛人だったため、子爵の妻から陰湿な嫌がらせを受け続けた過去がある。やがて母を守るべく剣を取る道を選んだ。八神輝の座に就いたのも皇帝に仕えることで母を守るためである。基本的に男嫌いで八神輝の中で心を許しているのはバルのみ。ミーナに次ぐ魔術の使い手だが、専門分野での実力はミーナに匹敵する。
5巻では『闇の手』が放った亀型の魔物を容易く氷漬けにして生け捕り、冒険者たちを救った。6巻ではケビン総裁らが村を襲った際に駆けつけ、総裁や幹部たちを睡眠魔術で容易く生け捕りにした。
WEB版では「シンディ」という母親が登場しており、バルを実家に連れて行ったので対面している。バルと娘の仲を勝手に誤解して舞い上がるなど親バカな性格で、シドーニエから「今は何を言っても無駄」と呆れられている。
ギーゼルヘール・テュネス
先代
ユルゲン・フォン・アトマイアー
異名は《破壊神》。先代八神輝にしてバルの師匠。年齢60歳だが外見は50前後。茶髪の髪に水色の瞳をしている。
過去に当時の八神輝を率いてバルと7対1の戦いを演じ敗れたことがある。今まで名前が語られるのみだったが7巻にて本人が登場した。
素性はヴェストハーレン州を治める伯爵家アトマイアーの三男。帝国では三男が貴族の証である「フォン」を名乗ることは許されないが、ユルゲンに至っては八神輝ということで例外として名乗ることを許されている。身内にはオットーという25歳年下の甥がいる。
7巻では皇帝の肝いりで始まる若手育成アカデミーの教官として帝都に招致される。その過程でバルやミーナと顔合わせをすることになり、久方ぶりに再会する運びとなった。
上層部
近衛騎士
協力者
リリ
イスラ
6巻から登場。水色の鱗と青い瞳を持ったアイスドラゴン。人語を解する他、体格を自由に変えたり人型にもなれる。巨体時は発声には向いていないとしてカタカナ混じりの言葉だが、小さくなると普通にしゃべれる。
孤島の浜辺に潜んでいたところ観察にやって来たバルと遭遇。バルがリミッターを二つ外したことで実力差を直感し、潔く降参した。バルから使役されることを持ち掛けられ、嫌なら断ってもいいと告げられたが彼の庇護を受けるのは利点があるとして協力を約束する。また魔界の民との戦いが控えていると知るとより戦意を燃やした。仲間になった後は名前がないことから宰相に「イスラ」と名づけられ、以後はその名を名乗るようになる。ゲパルトゥのことは知っており、バルによって倒されていることを知って大層驚いていた。
貴族
ノルト公爵
ユーリヒ侯爵
カロリング侯爵
2巻に登場。ユーリヒ侯爵が口を出さないのをいいことにホーエンの迎賓館を根城にし、若い娘たちを監禁しては弄んでいた。だが真の目的は、アルト王国の貴族ギュスターと組み、リュディガーの派閥を強化すること。正確にはそれによって得られる栄誉が目的である。
バルと協力した『夜空の月桂樹』と『希望とはためく旗』に娘たちを取り戻されたため、報復も兼ねて一行を拉致。そしてノルト公爵とユーリヒ侯爵の前で特別な魔術具を用いて「ルゴス」を呼び出し、使役する。一級冒険者が10人で掛からないと倒せないというルゴスを操れる「力」を手に入れたことを誇り、バルたちを蹂躙するも「バルトロメウス」によってあっさりと制圧されお縄となった。
捕縛された後も「悪いのはノルト候だ」と言い張っていたが、バルの正体が《光の戦神》だと知り、もう言い逃れはできないと落胆する。
帝国冒険者ギルド
イェレミニアス
ギルド総長。48歳。虎人族。異名は《轟雷の暴虎》。バルの正体を知る数少ない人物。妻に近衛兵のライザがおる。容姿が描かれたのはコミカライズ版の方が先で、原作6巻でも同一の容姿として描かれた。
元々は村人だったが15歳で友人と共に徴兵され、騎士に正式採用された。そこから順調に出世を重ね、22歳で騎士団の副長となる。その後、皇帝ザビャが創設した冒険者ギルドの二代目総長となった。
現場主義の武闘派なのだが、現在は書類仕事ばかりに追われて総長になったことを後悔する日々を過ごしている。
6巻では来るべき脅威に備えるべく肩慣らしとしてバルと戦うことに。全盛期と比べると大分レベルが落ちており、バルにはまったく歯が立たず「一級冒険者よりは強い」と評された。その後、ミーナと何回もやり合って訛った体に活を入れられた。
必殺技は雷の嵐を放つ【嵐雷吼】、雷の槍を投げつける【雷穿槍】。防御技に雷をまとう【剛雷鎧】がある。
デニス
2巻に登場。クレーフェベルク州のギルド支部長。物腰柔らかで礼儀正しい青年。高い実力の持ち主であり、ミーナからは「一級冒険者よりも上を目指せた」と評された。必殺技は、身体強化魔術を重ね掛けして放つ音速の居合い【音置き切り】。
実は野心家でありギルド総長の地位を狙っている。その一環としてカロリング侯爵を唆し、アルト王国の貴族と手を組ませ、リュディガー派閥の強化を目論んだ。目的はそれによって得られる貴族たちの後ろ盾。ギルドは貴族には屈さないとされているが、実際には貴族の助力なしではやっていけないのが現実だった。カロリングたちが娘を拉致しているのをバルと『夜空の月桂樹』と『希望とはためく旗』に暴かれた後、口封じのためカロリングたちに一行を拉致させた。特にバルの洞察力には危険性を感じ、絶対に口封じするべきだと考えていた。だが二級冒険者たちをカロリングに処刑させようとしたところ、バルとミーナが駆けつけたことで形勢逆転される。そこで自分はカロリングに従っただけで敵意はなかったと言いわけし、一瞬の隙を突いてミーナに【音置き切り】を仕掛けるが片手で受け止められ驚愕。「想像以上の怪物」を相手にしたことを思い知り戦意喪失、捕縛された。
冒険者
七級から一級まで存在する。冒険者の割合は七級と六級が7割を占めるという。
エーファ
ヘレナ
イェニー
レナータ
ヨハネス
6巻に登場。一級冒険者パーティー『天泣(てんきゅう)』のリーダー。ドワーフの男性。年齢は三十路。当初はバルたちと共に中央大陸に潜む『闇の手』の本拠地を探るという名目で招集された(実際は『バルトロメウス』を中央大陸に送り込むための目くらまし)。
バルやレナータたちを見下したり、何かにつけて不平不満を述べたりと粗野な振る舞いをする。そのためバルから「もっと適任者はいなかったのか」と内心で毒づかれた。実は自分の考えを素直に口にできないだけで、本心ではバルや女性冒険者たちを心配していた。前述の振る舞いは「危険だから帰れ」という思いがあってのことだった。
メンバーのクルトには頭が上がらないが、褒められると照れた様子を見せるなど素直な部分もある。
クルト / ゼルギウス
帝都市民
リタ
エルフ
シュタルク・オルドヌング
エルフの首都に住まう者たち。
レムス
六の花輪
読みは「ゼクスグランツ」。エルフが誇る6人の最大戦力。
ファラハ(ヴァラハ)
4巻に登場。《六の花輪(ゼクスグランツ)》の一人で、シュタルク・オルドヌングの中でもミーナに次ぐと言われる実力者(ただしミーナとの実力差は天と地ほどある)。剣を用いた接近戦と攻撃魔法【風切輪(かざきりわ)】で相手を斬り刻むという戦法を用いる。必殺技は精霊魔術【天に輝き地に轟く豪炎】。巨大な白光の炎槍は、エルフの集落を焼き尽くすほどの威力を誇る。
バルの実力を見たいという族長の推薦によって模擬戦を行うこととなった。既にバルの実力は察知していたようで終始腰の低い態度を見せており、バルとは一合交わしただけで実力差を受け入れている。そこで周囲にもバルの凄まじさをわかってもらうべく「わかりやすい闘い方」をすることになった。しかし勝負に白熱したため、音速にも等しい速度で攻撃したためルール違反を犯してしまう。危うくミーナに処分されかけたが、バルが諫めたことで事なきを得た。
当初はヴァラハだったが5巻から「ファラハ」に変更された。
ビゴット聖国
帝国の北西に位置する宗教国家。王侯貴族より神殿関係者の方が権力を持っている。
フォルカー二世
カール
魔界の民
かつて世界を危機に陥れた闇の勢力。異種族の英雄たちによって魔界に追放された。現在は【神々の結界】に阻まれ地上に戻れないでいる。
九元帥
軍団長や将軍の更に上に位置する存在。
ゲパルトゥ
3巻における最終的な敵。アリアによって呼び出された存在。尊大で偉ぶった態度を取り、「フハハ」とよく笑う。自分より強い者の存在を許せず、受けれることもできないなど狭量な人格。逆に服従を示す者に対しては寛大に舞う。実力は決して低くなく、殺気だけでアリアを気絶させたり、魔力のオーラだけで一国を消滅させられる力を持つ。
召喚された直後に現れたバルと交戦する。当初はほとんど互角に渡り合っていたが、バルのリミッターである仮面とマントを破壊してしまったことで一気に不利となり、右腕を斬り落とされて驚愕。実力差を思い知らされて怒り狂うが、何もできないまま光の剣で斬り捨てられ消滅した。
必殺技は、闇の破壊光線を放つ【ドゥンケル・シュトラール】。異能は、力と魔力を瞬く間に全回復させる【リヴァイバル】。パワーダウンした状態で神々の結界を潜り抜けた後、異能を用いて本来の力を取り戻した。実力に関してはバル曰く「ギーゼルヘールでは勝てないかもしれない」と評されている。登場した敵の中でも最強の敵であり、イスラからもその存在は知られていた。
闇の手
1巻~6巻に掛けて登場した、魔界の民を崇拝する敵対勢力。
ゲレールター
【魔界の民】の一角鬼(いっかくき)。一つ目に青い肌、額から生えた一本角が特徴。サイクロプスのような見た目をしているが、外見に反して口調は穏やか。
闇の手が持つ【闇の召喚魔術】によって地上に呼び出され、以後は彼らの上位者として振る舞う。
闇の手には協力的だが、内心では使い捨ての駒程度にしか考えておらず、彼が最も価値を見出しているのは【魔界扉】を開ける紫眼導師にある。しかし5巻で紫眼導師を失ったことで組織を見限り、6巻ではケビンを唆して自分たちだけで逃げようとする。だが一角鬼の習性(「仲間を見捨てて自分だけ逃げる」「人がいなくなった頃合いを見計らって元のアジトへ戻る」)を文献で知っていた皇帝は、ゲレールターの動きを予測してバルを本拠地へと向かわせていた。本拠地へ戻っていたゲレールターはバルとクルトたちをただの冒険者と見て洗脳しようとしたが、正体を知って絶望。慌てて逃げようとしたがクルトによって逃げ場を完全に封じられ、最後の手段として魔術具でパワーアップを図るもバルには遠く及ばず【エルブス】で上半身を消し飛ばされた。その遺体はケビンの首と共に帝都に晒された。
最終巻は後日談となっているため敵は登場せず、ゲレールターが「最後の敵」となった。
ケビン総裁
紫眼導師(しがんどうし)
闇の手の相談役。魔術的な知識の造詣に深い美女であり青年。登場するたびに性別も口調も変化しているが、後に男性的な口調として統一された。
【闇の召喚魔術】を用いてゲレールターを呼び出した張本人。本名は不明で、呼び名も紫の瞳を持つことからそう呼ばれているに過ぎない。本人曰く「帝国の騎士団長クラスには勝てない」くらいには戦闘は不得手。
その正体は、かつて帝国に戦争を仕掛けて滅ぼされたゲスターン王国の生き残り。戦争で死んだ両親の仇を討つべく闇の手を利用して帝国に復讐を果たそうとする。戦争で瀕死の重傷を負ったが【魔界の民】から力の一部を手にしたことで生存する。しかし代償に日に日に性別が入れ替わってしまうという怪奇現象が起こるようになった。
闇の手は替えの利く道具として利用しているに過ぎず、メンバーに対しても仲間意識は微塵もない。
3巻ではアリアに指示して【闇の召喚魔術】を行使させ、九元帥の一人ゲパルトゥを召喚させた。だがゲパルトゥはバルに倒されてしまい、アリアとリリを殺して口を封じようとするが二人の側にミーナがいたため手出しができず、存在を察知される前に撤退した。その際は、必ず帝国を倒すことを独白している。
5巻では前回の失敗から地位を落とされ、汚名返上のため八神輝の実力を探る任務を行う。強力な魔物を各地に召喚したり、「ドラゴンの鳴き声がした」など嘘の噂を流して八神輝を探索に向かわせ、帝都の戦力を一時的に落とすことに成功。そして帝都の防衛についていたクロードの実力を探るべくゴブリンの群れをけしかけるが、わずか二撃で全滅させられたことで驚愕。慌てて逃げ帰った。しかしクロードの強さを通信で総裁に報告した後、焦燥感に駆られていたことで周囲への対応が遅れ、バルの存在に気づかず取り押さえられてしまう。転移魔術を使って逃げるも転移した瞬間に先回りされて再び取り押さえられ、どうやっても逃げられないという絶望感を味わわされる。そのまま皇帝の前まで引きずり出され、アリアの口から正体が露見してしまう。完全な逆恨みだった上に改心の兆しもないことから処刑が決定。最期はクロードによって斬り捨てられ、その剣捌きを身を以て味わうこととなった。
なお、彼/彼女の処遇は、闇の手への牽制のため表向きは「生け捕りにされた」ということになった。
ゼレリー
アリア
ゼレリーのお目付け役兼秘書の女性。効率主義者であり、仲間の命を失うような任務だとしても得られるものが大きければ平気で同意する。ゼレリーの人間性は見抜いており、上手く褒めちぎることで操縦している。実は幼い妹がおり、貧困の中で育ったことから「妹だけは守らなければ」という想いが強い。帝国とは別の国の人間のようで、「自分たちを差し置いて繁栄した帝国」に反感を抱いている。
紫眼導師の助力を得て九元帥の一人ゲパルトゥを召喚するが、直後に現れたバルによって倒され、自身も捕虜となる。協力するならば保護を約束するというバルの言葉を信じ、妹の安全と引き換えに降伏した。
元々は敵だったこともあり周囲から冷たく扱われているが、バルという理解者の存在やリリを気に掛けてくれるミーナのことなどから挫けずに帝都で過ごしている。つらい日々なのは昔と変わっていないが、それでも「妹のために」という思いは変わらないでいる。
既刊一覧
小説
- 相野仁(著)、桑島黎音(イラスト) 『日常ではさえないただのおっさん、本当は地上最強の戦神』 KADOKAWA〈角川スニーカー文庫〉、全7巻
- 2018年8月1日発売、ISBN 978-4-04-107247-9
- 2019年1月1日発売、ISBN 978-4-04-107837-2
- 2019年5月1日発売、ISBN 978-4-04-107840-2
- 2019年10月1日発売、ISBN 978-4-04-108369-7
- 2020年2月1日発売、ISBN 978-4-04-108370-3
- 2020年7月1日発売、ISBN 978-4-04-109396-2
- 2021年1月29日発売、ISBN 978-4-04-110952-6
漫画
田口一によるコミカライズ版は2019年3月1日より『ドラドラしゃーぷ#』にて配信されていたが、2020年9月3日から『ドラドラふらっと♭』に移籍した。しかし、田口一の体調不良により2021年4月16日に打ち切りが発表されたため、2021年2月25日の更新が最後になった。
- 田口一(作画)、相野仁(原作)、桑島黎音(キャラクター原案) 『日常ではさえないただのおっさん、本当は地上最強の戦神』 KADOKAWA〈 ドラゴンコミックスエイジ〉、既刊1巻(2019年10月9日現在)
- 2019年10月9日発売、ISBN 978-4-04-073360-9