星界の断章
以下はWikipediaより引用
要約
『星界の断章』(せいかいのだんしょう)は、森岡浩之による『星界の紋章』『星界の戦旗』の短編小説集。これまでに早川書房から3巻が刊行されている。
概要
森岡の代表作『星界の紋章』・『星界の戦旗』の番外編となる短編小説。本編では描かれないアーヴの誕生から星界本編までの歴史上重要なエピソードや、登場キャラクターにまつわるエピソードを中心に描かれている。また、『超外伝』とタイトルについたセルフパロディものも存在する。
SFマガジンに不定期掲載されることが多いが、それ以外にアニメ、ゲーム、ドラマCD関連の商品に収録されることも多い。また、同人誌で発表されることもある。後に発売される文庫本には書き下ろし作品が収録されている。
一部の作品はドラマCD化やアニメ化が行われた。
星界の断章I
創世
「作業生体」誕生に携わった2人の男。そして、ユアノンを発見した「作業生体」たち。両者の関わりとは。
超外伝・饗宴
帝国で年に2度開かれる饗宴「ソビーク」。そこでジントが見たものとは。
蒐集
他星系への植民へ向かったヘルー・ネブー星系の宇宙船「マアト・カー・ラー」から、動力源のユアノンが突如脱落した。それから5年後、たまたま通りかかったアーヴの宇宙船「アブリアル」に彼らは助けを求める。
超外伝・哺啜
サムソンの故郷ミッドグラット。サムソンは、自らが大人になったことを証明するため、ある料理を作りにクレンメン山へ向かう。
君臨
ペネージュが16歳になった日、母の大公爵アセーヌが、突然帝都へ旅立った。ペネージュにとっては教師でもある母から、留守中の課題が言い渡される。
超外伝・秘蹟
入学したのはいいが、自分以外の学生は生まれながらのアーヴばかりで戸惑うジントを、「委員長」が何かと助ける。
夜想
ソバーシュは交易のために立ち寄ったフェゼール伯国惑星ガーフェウで、あるものを見る。
なお、本編では曖昧、アニメ版では明確に女性と設定されたソバーシュは、この作品では明確に男性として描かれる。
超外伝・戦慄
交易から星界軍へ復帰したソバーシュは、不穏な動きを見せる従士たちの監視任務につく。
誕生
ドゥビュースとレクシュは、探査船に乗ってかつての太陽系を訪れる。
暴君
スポール提督に仕える苦労人・クファディス参謀長と、今は亡き姉との関わりが描かれる。
接触
未探査の「門(ソード)」をさがす2人(+1人)の探査屋たち。彼らが偶然見つけた門は、かつての恒星間宇宙船の動力源だった。
原罪
ラフィールの修技館入学前の饗宴の日、父ドゥビュースは、彼女を先祖の墓地へ連れて行く。そして、ドゥビュースは「アーヴの原罪」について語り始める。
星界の断章II
併呑
交渉期限まであと20分。ロックは、流砂艦隊司令長官・帝国皇太子ドゥサーニュに対して驚くべき提案をする。それは、自分を領主にしてくれ、というものだった。
嫉妬
ジントは、デルクトゥーのスポーツ・ミンチウのチームのメンバーだった。その仲間の一人が、「アーヴの真実」を教えてやるとジントらに言う。
着任
最先任従士長だったサムソンは、悩んだ末に士族としてアーヴの一員となることを選ぶ。監督として突撃艦の模擬訓練を受けていたとき、彼はリンと名乗る若い書記と出会う。
童友
アプティック門沖会戦が終わり、ヴォベイルネー鎮守府に待機していたエクリュアは、幼なじみのサグゼールと再会する。
転居
ハイド伯国を帝国が奪還したのを受けて、ジントは領地の運営方法について元・フェブダーシュ男爵スルーフに教えを請う。
謀計
修技生時代、トライフは不倶戴天の敵・カシュナンシュと談合せざるを得ない窮地に陥っていた。
球技
フェブダーシュ男爵公女ロイは、アーヴ固有の球技ベルポウコスに熱中していた。ロイを指導する女性コセールとの関わりが描かれる。
訣別
惑星ミルケーズ出身の女性ハンナ・デリーズは、養育方針で夫と対立し、結果として愛する息子と離れ離れになってしまう。
童戯
エクリュア一族は、帝都ラクファカールにある古い突撃艦で暮らしていた。「幽霊船」が見つかったことを知ったノールは、エクリュアの仲間たちと幽霊船に向かう。
祝福
ラフィールが修技館入学資格を得た日。クリューヴ王宮には、皇帝以下帝国の貴顕たちが祝福のために集まっていた。ラフィールは、父から秘密にされている自分の遺伝子提供者が、ある人物だと確信していた。
変転
一介の地上人から帝国地上軍元帥にまで登りつめたジムリュアことリンダ・ナルンは、ある理由からアーヴに対してコンプレックスを抱いていた。それは、次第に反乱の意思へ変わっていった。
墨守
アーヴの宇宙船「アブリアル」は、交易のために惑星メルハバに到着した。しかし住民は、アーヴが人工生命体と知るや交易を打ち切ってしまう。そして、船王ドゥロイは、驚くべき命令を発する。
星界の断章III
野営
「皇族の章」「貴族の章」「士族の章」の3章からなる。 それぞれ初出は
2010年5月28日発売の「EMOTION the Best 星界の紋章 DVD-BOX」の付録に「野営~ドゥサーニュの場合」として発表
2010年6月25日発売の「EMOTION the Best 星界の戦旗 DVD-BOX」の付録に「野営〜ペネージュの場合」として発表
2010年7月23日発売の「EMOTION the Best 星界の戦旗II・III DVD-BOX」の付録に「野営〜ノールの場合」として発表
出奔
13歳の時、ドゥヒールは家出を決意した。自立の方法はともかく、取り敢えず王宮を出ようと叔母の宇宙船に密航するが、彼も想像だにしなかった事態が起こる。
介入
スーメイ人との間のとある契約によって危機に陥ったベリサリア星系に、アーヴの艦隊が「アーヴによる人類帝国」創建の報知を携え来訪した。政府交渉官アルコ・アウゴはアーヴとの交渉準備のためアーヴの艦隊へと赴く。
誘引
翔士修技生を全うし列翼翔士となったクファディスに、同時に修技生を終えたスポールの青年がある計画を持ちかけた。
海嘯
ドゥビュースの妹、ラムリューヌの惑星可住化改造の顛末。彼女の領地の惑星改造も終盤にさしかかった。久しぶりに領地を訪れてみると、領地の管理を任せている代官はおらず、なぜか生態系調整官が通信を送ってきた。彼の報告は「海が自殺を思いとどまり、放浪している」というものだった。
離合
帝都侵攻に際した、コリュア館とエクリュア館の運命。帝都陥落が迫り、緊急遷都準備令が発せられた。コンサは生家コリュア館を含む14の軌道館の住民の避難と、軌道館1つの要塞化の指揮を任ぜられる。住民たちの会議の場でコンサはかつて想人であったエクリュアのナースと再会する。
来遊
アーヴによる平面宇宙航法実用化の回顧録。ビボース氏が入手した理論の実用化を当時の船王が決断。新航法の開発が始まるものの時間がかかっていた。そこへ前回交易を行った地上世界から新航法の実用化に参画したいという通信が入る。
未刊行作品
- 超外伝・宿敵 - 2005年4月発売のPlayStation 2ソフト「星界の戦旗」の付録として発表。
- 継承 - 2019年12月25日発売の「星界 Complete Blu-ray BOX」の封入特典として発表。
- 観光 - 2019年12月25日発売の「星界 Complete Blu-ray BOX」のAmazon.co.jp法人特典として発表。
- 過疎 - 2019年12月25日発売の「星界 Complete Blu-ray BOX」のアニメイト法人特典として発表。
登場人物
既刊一覧
- 森岡浩之(著) / 赤井孝美(イラスト) 『星界の断章』 早川書房〈ハヤカワ文庫JA〉、既刊3巻(2014年3月20日現在)
- 2005年7月15日発行(7月8日発売)、ISBN 4-15-030802-0
- 2007年3月15日発行(3月9日発売)、ISBN 978-4-15-030880-3
- 2014年3月25日発行(3月20日発売)、ISBN 978-4-15-031153-7
アニメ
『誕生』のみ、アニメとして製作されている。2000年4月7日にWOWOWにて放送された。ビデオ、DVDが発売されている。
スタッフ
ラジオドラマ
『接触』、『原罪』、『併呑』、『童友』が下記のCDドラマ6作と共に2006年にエフエム大阪によりネットラジオとして放送された。『原罪』は、同年死去した鈴置洋孝が出演した星界シリーズの遺作となった。
CDドラマ
『君臨』・『誕生』がラジオドラマに先駆けてCDドラマとして2001年にリリースされた。のちに2006年にリリースされた「星界の戦旗II」CD-BOX(初回限定版)に第5話『童戯』と共に付録として収録されている。また、第3話『祝福』が「星界の紋章」CD-BOX付録、第4話『球技』が「星界の戦旗」CD-BOX付録、そして第6話『嫉妬』が「星界の戦旗III」CD-BOX付録として収録された。
なお、上記のドラマはいずれも2006年にエフエム大阪のラジオドラマ「星界の戦旗IV」放送終了後に放送された。
2011年2月23日には、『接触』、『原罪』、『併呑』、『童友』が「星界の断章オーディオドラマCDブック with 星界の紋章&星界の戦旗」としてリリースされた。
2019年12月25日に発売された「星界 Complete Blu-ray BOX」のA-on STORE(バンダイナムコアーツ公式ショップ)法人特典として新規録り下ろしドラマCD「『星界の断章 離合』~ラクファカール陥落の日~」が収録された。