星界の紋章
以下はWikipediaより引用
要約
『星界の紋章』(せいかいのもんしょう)は、森岡浩之による日本のライトノベル。イラスト担当は赤井孝美が担当している。ハヤカワ文庫(早川書房)より1996年4月から同年6月まで刊行された。第28回星雲賞日本長編作品部門受賞作。2021年4月時点でシリーズ累計部数は200万部を突破している。メディアミックスとしてテレビアニメ化、2度のコミカライズ、ゲーム化もされている。
『星界の戦旗』(続編)・『星界の断章』(短編集)と合わせて『星界シリーズ』と総称される。
あらすじ
星界の紋章I
アーヴ率いる人類帝国の侵略により、実父である元首ロック・リンの降伏・叙爵にともない、主人公の少年ジントはロックの秘書にして育ての親であったティル・コリントと離れ離れになり、ヴォーラーシュ伯国デルクトゥーに送られた。
7年後、アーヴ言語文化学院を卒業したジントは、帝都ラクファカールにある星界軍の主計修技館(ケンルー・サゾイル)に入学するため、巡察艦ゴースロスに乗り込む。彼を迎えに来た翔士修技生ラフィールは、皇帝の孫娘であった。いろいろあった末に友情を結んだ2人は、突如4ヵ国連合の一つである人類統合体の艦隊の攻撃を受けて脱出、その後ゴースロスは撃沈される。
2人を乗せた連絡艇は、燃料補給のためフェブダーシュ男爵領へ到着するが、男爵により2人は引き離されジントは監禁されてしまう。
星界の紋章II
ジントが監禁されていることを知ったラフィールは男爵の家臣セールナイらと、ジントは共に監禁されていた前男爵スルーフと協力して脱出して合流する。追撃してきた男爵を倒した2人は、目的地のスファグノーフ侯国へ向かうが、惑星クラスビュールに不時着した時には、星系は人類統合体の占領下にあった。
地上人に変装した2人を待ち受けていたのは、マルカ率いる帝国からの独立を夢見る「反帝国クラスビュール戦線」の面々であった。一方、4ヵ国連合の大使から抗議された皇帝ラマージュは、連合に対して宣戦布告した。
星界の紋章III
2人の着陸跡を発見した人類統合体軍は、2人と「戦線」との関連を突き止め、追跡を開始する。ルーヌ・ビーガ市警察のエントリュア警部は、統合体のカイト憲兵大尉とともに2人を追う。一方、スファグノーフ奪還のために帝国は大艦隊を派遣する。スファグノーフ門沖会戦が始まった。あちこちで追跡劇を繰り広げた2人を脱出させるために、「戦線」のメンバーは奇想天外な脱出法を提案する。2人は無事に救出され、帝都ラクファカールに到着する。
そして3年後、主計修技館を卒業したジントはラフィールと再会する。ジントの故郷ハイド伯国は人類統合体に占領され、父ロックは処刑されてティルが星系首相になっていた。爵位を継いで晴れて翔士となったジントは、ラフィールと共に新しい突撃艦「バースロイル」に、艦長と部下として乗り組むのだった。
星界シリーズの登場人物
星界シリーズの重要諸設定
梗概
星界シリーズの超光速航法は、通常宇宙空間から「門」を通じて「平面宇宙」という別の宇宙空間を経由して、再び「門」をくぐって通常宇宙空間へと戻るという方式である。
他のスペースオペラと異なる特徴は、別の宇宙空間である「平面宇宙」の設定と描写が詳細であり、「平面宇宙」の通過にもそれなりに時間を要すること、さらにはそこでの宇宙戦闘艦同士の戦闘があり、戦略があることである。恒星間の移動は全て「平面宇宙」を経由することから、宇宙地図・星間国家の勢力図は、平面宇宙上の地図で表される。
また、作者は『星界の戦旗VI』の「あとがき」の中で、「星界の舞台では同時性が崩壊していて」「登場人物の時間にずれが生じることはざらにある」と記載している。
この世界には、かつては恒星系ごとに独立した数百を越える国家が存在したようであるが、長年の間に侵略と併合が進み、現在は「アーヴによる人類帝国(フリューバル・グレール・ゴル・バーリ)」、通称「帝国(フリューバル)」を含めて5か国しか存在しない。
帝国は人類宇宙の約半分を支配し、その交易により莫大な富を得、超大規模の星界軍(ラブール)を維持している。というよりも、星界軍が帝国の政治、行政の多くを動かしており、事実上帝国の基盤となっている。
形式上は皇帝(スピュネージュ)が帝国全体を統治しているが、その支配は緩やかなものであり、地上世界(ナヘーヌ:有人惑星)では現地人からなる領民政府(セメイ・ソス)が各惑星の統治を行い、帝国に対しては領民政府の代表である領民代表(セーフ・ソス)が、帝国貴族である領主(ファピュート)と各種の交渉を行う(領民政府の統治権は大気圏外には及ばない。したがって、複数の有人惑星を持つ星系には同数の領民政府がある)。
このように、帝国は地上世界や領民(ソス)に対して直接関与せず、地上世界で起きていることに通常はまったく関心を払わない。領民は、帝国臣民としての自覚や忠誠を期待されてはおらず、帝国の支配に反対することすら禁止されていない。
人類宇宙の残りの半分は、一部は遺伝子操作種族もいるものの、普通の人類からなる「人類統合体」「ハニア連邦」「拡大アルコント共和国」「人民主権星系連合体」が、離合集散しながら統治している。彼らは一般に、アーヴの帝政に嫌悪感を持っており、民主主義国家を標榜している。「4ヵ国連合(ノヴァシチリア条約機構)」という軍事同盟を結んでアーヴによる人類帝国と敵対しているが、各国の帝国に対する態度にはかなり温度差がある。
戦いは、帝国以外では最も強大にして敵愾心の強い、人類統合体の大規模な先制攻撃から始まった。帝国はこれに対し、断固たる報復で応えんとする。
アーヴによる人類帝国
アーヴとは
帝国(フリューバル)の社会構成
アーヴ
皇族(ファサンゼール)
貴族(スィーフ)
世襲の貴族の場合、各爵位の叙爵基準は以下の通り。
大公爵
公爵
侯爵
伯爵
子爵
男爵
帝国に編入されたばかりの星系や、何らかの理由で領主が空位となった星系は、一時的に帝国直轄領=皇帝領となり、新たな領主が決まるまでは代官(トセール)が任ぜられる。そのため、皇帝は上記の「アブリアル伯爵」以外にも、その領地の数だけ男爵から公爵までの爵位を同時に持つ立場になることがある。
貴族自身が長く行方不明の場合(たとえばヴォーラーシュ伯爵など)や、特に諸侯で何らかの事情により地上世界の統治が困難または不可能である場合(たとえば取り決めにより領地内に長期滞在できないハイド伯爵など)にも、領地の近く(通常、軌道城館内)に代官が置かれる。これらの場合の代官は一時的なものではなく、比較的長期にわたり、その任に就くこととなる。
貴族の子弟が爵位を継ぐには、翔士として最低10年(翔士修技生である期間を含めると13年)、星界軍への奉職が義務づけられている。また、領地を持っている場合、星界軍に所属している間は無給である。
領地を持たない貴族も存在し、むしろこちらの貴族の方が多い。本来は領地を持つ 世襲の貴族であったが、敵国の侵略などにより領地を奪われた貴族(ジントも一時的にこの立場になった)と、皇族から離籍した公子(皇帝にならなかった皇族や王族の子女)、領地を持つ貴族の子女(例として伯爵位を継ぐ前のジント・伯爵公子)、領地を持つ貴族の傍流で「公子」という爵位のみ継承する貴族、一代限りの貴族(星界軍や帝国政府で特に高い地位に達した国民、官僚、軍人などで、称号には「帝国(ルエ)〜」の後に公爵以下の爵位がつく)がある。
また、上記の一代限りの貴族が領地を賜って、世襲の貴族になる場合もある。例を挙げると、星界軍の翔士は、飛翔科以外の各兵科(一部を除く)の最高位である元帥になると叙爵される。また、星界軍の翔士以外にも、官僚が功績を上げて貴族となる場合もある。
領地を持たない一代限りの貴族は、かなりの人数がおり、爵位も職位相応のもの(帝国宰相は帝国公爵など)が与えられる。だが、それが世襲の貴族になろうとする場合、受け取る領地の基準は、かなり厳しい。技術科元帥として艦政本部長官を務めても、あるいは、帝国の官僚機構の頂点である帝国宰相を務めても、受け取る領地は男爵領、特筆すべき功績を挙げても子爵領が精一杯とされる(つまり世襲の貴族となる場合、最初に与えられる領地はたいてい男爵領である)。国民ですらなかった地上人が一足飛びに貴族、しかも伯爵となったロック・リンは史上初の例である。のちにハニア連邦の一部勢力が帝国に帰順しようとした際にも、同様の処置が検討された。
上記の叙爵基準から、男爵から子爵への昇格はかなり困難であると考えられる。男爵は、自領にどのような投資をしても有人惑星を持つことが不可能であるため、子爵以上に昇格するには何らかの大きな功績を挙げ、少なくとも有人惑星が持てる別星系の領主となることが必要である。子爵以上であれば、自領への投資(惑星改造、移民募集、邦国への経済的援助など)により、公爵までの上位昇格を狙うことができる。
なお、貴族籍を捨てることもできる。すべての貴族特権を失い、領地は帝国へ返上となる。
諸侯は約1600家で、家族を足しても2万人足らず。貴族全体では20万人ほどである。
士族(リューク)
一等勲爵士(ラローシュ)
二等勲爵士(キゼー)
三等勲爵士(ルフール)
四等勲爵士(エナーヴ)
五等勲爵士(リヘール)
また、星界軍に入らずとも、官僚としての功績によって国民から士族になる場合もある(貴族にまで昇進するケースもあるのは上記の通り)。ラフィールを保護した『紋章』の反帝国クラスビュール戦線のメンバーのように、領民からいきなり士族になったケースもあるが、これは「アブリアルが約束を守らないのは許されない」・「領民ですら無かった地上人からいきなり貴族になった前例もある(初代ハイド伯爵に叙されたロック・リン)」として認められた特例であり、その後同様のケースが生じたかは、現時点では不明である。
帝国成立時からある士族の家の祖先は根源二九氏族に連なり、「ウェフ」の姓称号を持つ。帝国成立後に士族となった家は「ボルジュ」の姓称号を持つ。なお、領地を持たないため、帝国から課税されることはない。約2500万人ほど。
地上人
国民(レーフ)
領民(ソス)
個々の地上世界の詳細は星界の紋章・戦旗惑星一覧を参照。
邦国の義務
帝国貴族である諸侯の領地である有人星系、すなわち邦国(アイス)内部の有人惑星を統治する領民政府には、いくつかの義務がある。
- 領主や帝国との交渉役である「領民代表」を選出すること。一応は邦国のトップの立場である人間が望ましいが、帝国はそこまでは干渉せず、純然たる交渉役でも構わないようである。ただし帝国の側では、領民代表を邦国のトップとみなして扱う。選出方法は、領民が認めるものであれば既存の政府主席、世襲の王、選挙、指名、籤など、何でもよい。ただし、あからさまに帝国に叛逆の意志を示す者や、何らかの理由で領主が拒否する者は認められない(領主は拒否権を持つ)。領民代表の地上世界側での呼称は自由であり、「大統領」や「首相」などは無論、「皇帝」を名乗ろうとも、帝国はそれに関与しない。独立国としての体裁を保つ目的で(帝国を外交相手である外国とみなして)「外務大臣」と称しても構わない。変わったところでは、アーヴを生体機械と定義した上で、領民代表をその「保守責任者」と称する地上世界もある。
- 平面宇宙航行の可否を問わず、星系間を航行できる宇宙船(メーニュ)の所有は一切禁止される。領民個人はもちろん、領民政府であっても所有は認められない。ただし、星系内の航行に限定された非武装宇宙船に関しては領主の許可があれば、所有可能である。
- 帝国星界軍の募集事務所(バンゾール・ルドロト)の設置。領民の星界軍への参加は、強要による徴兵ではなく、本人の自由意志による志願が原則であり、領民政府や領民代表もこれを妨げてはいけない。ただし、星界軍に入隊しないようにというプロパガンダを行う程度なら黙認されている。なお、募集事務所では志願兵の受付のほか、移民を募集する他の邦国や家臣を募集する領主、帝国の官僚機構などへの人材斡旋も行う。募集事務所を通さない星系間での移民は、原則として禁止されている。
帝国星界軍(ルエ・ラブール)
帝国星界軍(ルエ・ラブール)とは、アーヴによる人類帝国の保有する軍隊の名前である。星界軍(ラブール)とも呼ばれる。以後は星界軍と呼称する。
星界軍は、アーヴ帝国の領域の維持および拡大(悪く言えば侵略)を主任務としている。また、次期皇帝の選出や貴族の爵位継承などに関する社会制度との関わりも極めて深く、星界軍無くしてアーヴ帝国は成り立たないといっても過言ではない。
アニメ版における敬礼は、現代の軍隊においても一般的な挙手の敬礼であるが、手は人差指と中指を揃えて伸ばし、他の指を握って掌を下方に向ける。現実世界でも、ポーランドでは掌を前方に向ける以外はよく似た手の形の敬礼を行う(詳細は二指の敬礼を参照)。
組織
帝国成立期のアーヴは小型の高機動戦闘ユニットを主戦力としており、当時の職名が階級名としてジントたちの時代になっても使われている(ただし、千翔長以上は組織の拡大にともなって創設されたもの)。
勅任翔士(セドラリア)
帝国元帥、星界軍元帥は飛翔科のみ。その他の兵科は元帥(スペーヌ)ないし大提督が最高階級。
帝国元帥(ルエ・スペーヌ)
かつては皇帝が「帝国元帥」にして帝国艦隊司令長官を兼務したが、現在では皇太子がその任にあたる。統帥権は皇帝が有するが、象徴的なもので軍令に指図することはない。
星界軍元帥(スペーヌ・ラブーラル)
大提督(フォフローデ)
提督(フローデ)
准提督(ロイフローデ)
千翔長(シュワス)
奏任翔士
この階級は、初期の星界軍の艦隊編成に由来する。小型の高機動戦闘ユニットはダイヤモンド型の4機編成を基本としており、その役割に由来する。星界の紋章の時代には高機動ユニットは過去の兵器であり、階級と役職は乖離している。
百翔長(ボモワス)
副百翔長(ロイボモワス)
十翔長(ローワス)
前衛翔士(レクレー)
後衛翔士(リニエール)
列翼翔士(フェクトダイ)
翔士修技生(ベネー・ロダイル)
従士(サーシュ)
- 従士と翔士を総称して軍士(ボスナル)という。
- 軍隊の階級も参照。
原則として従軍したアーヴはすべて翔士となり、従士には国民がなる。翔士に昇進した国民は士族として扱われる。なお、士族の説明にある通り、著しい功績などにより特に高い階級に昇進した場合、国民出身であっても一代限りの貴族爵位や、さらに領地を賜って世襲の貴族(正式の貴族)にまで昇格することもある。
帝国では、平面宇宙航行機能を持つ宇宙船はすべて空識覚に基づく、制御籠手(グーヘーク)を介した操縦を前提としているため、操艦・砲術などを担当する飛翔科翔士(ロダイル・ガレール)になれるのは、生物学的なアーヴだけである。また、戦隊以上の艦隊司令官もすべて飛翔科翔士から選抜される。
かつては地上軍が存在したが、帝国創建から程なく帝国史上最大の内乱「ジムリュアの乱」を起こしたために解体され、空挺科として星界軍に組み込まれた。
その他の兵科には軍監科(作戦参謀)、主計科(補給・医療などの後方参謀)、軍匠科、軍医科、技術科、警衛科、法務科、看護科などがある。
上記の通り奏任翔士の階級は役職と乖離しているため、星界の紋章の時代においては階級とは別に、各艦の艦橋要員について以下の職名が存在する。
艦長
艦長席の後方には、必ず艦長の氏族の紋章旗を掲げ、また航行日誌や戦闘状況などを記録する「思考結晶(ダテューキル)」を管理する。
通常、突撃艦や護衛艦などの小型艦では十翔長、襲撃艦や巡察艦、戦列艦などの大型艦では副百翔長以上がおもに担当する。
副長(ルーセ)
航法士(リルビガ)
砲術士(トラーキア)
通信士(ドロキア)
監督(ビュヌケール)
書記(ウィグ)
艇指揮(ボノワス)
装備
巡察艦(レスィー)
主兵装は電磁投射砲。副兵装として凝集光砲群、少量の機雷。反陽子砲を持つものもある。強力な防御磁場を有しており実体弾を除けば生半可な攻撃では致命傷を与え難い。
主な任務は敵勢力圏への強硬偵察。平面宇宙では有効な長距離索敵方法が存在せず、ある程度近付くか接触を図るかして情報の収集が行われる。その為、迎撃を躱して敵情を探り追撃を振り切って帰還できる強力な艦が求められ、その結果生まれたのが当艦種である。単純な戦闘能力も非常に高く艦隊戦に於いては主力を担当する事も多い。
汎用性に富み高い安定性と攻撃性能を持つが故に全軍を巡察艦で編成するべきとの意見もあるが、費用対効果などの問題もあり実際の配備数は少ない。船体長は凡そ1200~1500m程で乗員数は通常200人強。質量は三隻まで同一時空泡を形成できる程度。星界軍では通常6隻で一個戦隊、6個戦隊と本部戦隊三隻、+補給戦隊(追走できる小型快速の補給艦隊)で一個偵察分艦隊が形成される。なお、皇帝御座艦「ガフトノーシュ」には最新鋭の巡察艦を充てるのが慣例になっている。
4ヵ国連合ではこの種の艦に対し、巡洋宇宙艦という呼称が用いられている。
突撃艦(ゲール)
主兵装は反陽子砲。副兵装として数基の凝集光砲。機雷は有さない。艦というより艇や機に近く運用もそれに近い。機動力に富む反面火力と防御力が低い。
星界軍では最も数が多い艦種であり片寄った仕様ながら用法は万能寄り。機動力を活かしての敵の迎撃や排除、攻撃から防御迄多岐に亘る。機動力を維持しつつ対艦用の反陽子砲を有する為に凝集光砲の装備数が少なく防御機雷戦を苦手とする。単艦での機雷迎撃は運任せと言われたり複数発同時ともなると絶望的と評される程。その反陽子砲も同級を始めとする非力な艦艇なら兎も角、強力な防御磁場を有する大型艦には通用し難く、対抗する為には数を揃えての集中攻撃を必要とする程度である。
作中では主戦力が巡察艦等の強力な艦へと移り変わりつつあり、非力な突撃艦は徐々にその地位が低下している(統合体は巡洋宇宙艦の比率を高めつつあり、アーヴも襲撃艦という新艦種を作り配備し始めた)。船体長は500m弱程、乗員数は20~30名前後。
4ヵ国連合ではこの種の艦に対し、攻撃型駆逐宇宙艦という呼称が用いられている。
人類統合体では機動力よりも火力を重んじる傾向があり、凝集光砲を多く装備していたり大型の艦対ミサイルを多用していたりする。その為駆逐艦というより雷撃艇/艦といった装いとなっている。このミサイルには時空泡発生機関が無く時空泡内か通常宇宙でしか使えない。対艦格闘戦時には真っ先に使うか投棄されている。
護衛艦(レート)
対艦用の反陽子砲を持たずその分凝集光砲を多数装備しており、機雷群から味方陣営を守る事を主任務としている。偏った仕様から機雷には強いが対艦戦には弱く、通常突撃艦部隊などと組み合わせて運用される。船体の規格は突撃艦のものを流用しており、大凡の大きさは突撃艦とほぼ同等である。
4ヵ国連合ではこの種の艦に対し、防衛型駆逐宇宙艦という呼称が用いられている(護衛型駆逐宇宙艦という表記もある)。
戦列艦(アレーク)
4ヵ国連合ではこの種の艦に対し、機雷母艦という呼称が用いられている。
襲撃艦(ソーパイ)
4ヵ国連合ではこの種に相当する艦は存在しない(少なくとも確認されていない)。突撃艦の項目でも記述した通り、統合体は巡洋宇宙艦を増強している。
過去に存在した艦種(高機動戦闘ユニット他)
輸送艦(イサーズ)
また、惑星への降下および離脱が可能な強襲輸送艦(ルソーミア)も存在する。その性格上、星界軍の星間船では極めて珍しく明確な上下の判別が出来る艦種で、大気圏内航行を考慮した空力形状、着水を前提としたフロート、惑星からの緊急離脱のための垂直発進形態機構を装備。『戦旗II』で登場したセース級は、艦首に水上航行を意識したバルバス・バウが装備されている。
アーヴ帝国では帝都防衛の必要が生じた時は、たまたま帝都にあって他に任務の無い商船と翔士を集めて、近衛阻止戦隊を編成する(指揮系統は、近衛艦隊司令部の直属)。その役割は臨時編成の戦列艦部隊に近く、輸送船でありながら機雷を(少なくとも)射出することが可能。ただし、正規の軍艦ではない(そのためか、「輸送艦」ではなく「輸送船」と表記されている)ため、自衛能力は皆無で、軍匠科員も乗っていないため故障等が発生しても対応は不可能。
連絡艦(ロンギア)
連絡艇(ペリア)
短艇(カリーク)
救命莢(ウィコー)
艦艇の外部に面した通廊などに接して装備されている。ワンタッチのスイッチ操作で迅速に乗り込むことができ、救命莢内側のボタン操作で自動密閉、その後すぐに射出され、艦艇の爆散に巻き込まれないよう速やかに宇宙空間へ離脱する。
射出後は自動的に救命信号を発信し続け、近くの艦艇に救助を求めるようになっている。
機動時空爆雷(サテュス・ゴール・ホーカ)
時空泡発生機関と人工知能を備え、平面宇宙を自力航行できる無人の小型宇宙船の様な代物。目標まで平面宇宙を渡り、時空融合からの体当たり攻撃を仕掛ける事で長距離攻撃を可能とする。突撃艦などより遥かに小型・軽質量であり平面宇宙に於ける機動性はとても高い。通常宇宙での運動性能も高く、防空能力の低い小型艦艇にとっては天敵とすら言える存在。巡察艦には10発前後、戦列艦には50~100発近くが搭載されている。平面宇宙戦に於いては命中させる以外にも相手の時空泡内に残骸として残る事で質量を増やして行き足を鈍らせるといった付与効果もある。
過去様々な仕様の機雷が開発されては淘汰されてきた歴史があり、開戦時にはシンプルなモデルが主流となっていたが、人類統合体や人民主権星系連合体などでは多弾頭型機雷や、小型艦艇(おそらく突撃艦など)と同等の航続距離を誇る“超長射程機動時空爆雷”なるものが運用されたりもしていた。
電磁投射砲(イルギューフ)
反陽子砲(ルニュージュ)
凝集光砲(ヴォークラーニュ)
人民主権星系連合体は、反陽子砲並みの破壊力を持った凝集光砲を軌道施設に配備している。凝集光であるので、拡散しやすく、硝子霧(セビュール・セラ)などを事前に散布することにより、一定以下まで火力を低下させることも出来る。
軍衣(セリーヌ)
左胸に、所属兵科と階級を示す階級章をつける。軍衣自体は位階・兵科に関係なく共通のもので、位階が上がるに従い装飾が増えていく。
気密性が高く、与圧兜と併用することで、簡易宇宙服として使用できる。
かつてアーヴの先祖が使用していた船内作業服を元に、改良を重ねたものである。
生地はドゥニューク氏が管理していたもので、高い気密性を持ち、強靭でありながら柔軟でしなやかな特性を備える。
階級章(レンスィムスィア)
飾帯(クタレーヴ)
端末腕環(クリューノ)
与圧兜(サブート)
大気瓶は容量が少ないため、簡易宇宙服による宇宙空間での活動時間は極めて短い。
与圧服(ゴネー)
凝集光銃(クラーニュ)
4ヵ国連合
平面宇宙(ファーズ)
星界シリーズ最大の特徴が、この「平面宇宙」である。
平面宇宙とは「通常宇宙」と異なる物理法則に縛られた「別の宇宙」である。時間と平面空間だけで成り立つ文字道理の「平面な宇宙」。「門」によって通常宇宙と繋がれているが、その世界に立ち入る為には「時空泡」と呼ばれる通常宇宙の法則を堅持した空間で身を守らなければ三次元物質は「時空粒子」となって雲散霧消してしまう為、平面宇宙航法理論に基づく平面宇宙航行技術が必要不可欠とされる。
平面宇宙と通常宇宙
人類が銀河文明を築き得たのは平面宇宙の発見と、通常宇宙とを繋ぐ「門(ソード)」の利用技術確立によるものである。
通常宇宙と平面宇宙との位置関係は同じではない。平面宇宙は通常宇宙の投影ではなく別個の宇宙であり両空間における位置関係は異なっている。ただし、「第二形態ユアノン」または「開いた門」(単に「門」とも)と呼ばれる特異点においては同じ位置関係を保っている。ある門から平面宇宙に入って別の門から通常宇宙に出ると、光速以上の速さで移動したと同様の結果となる場合があり、このような例を利用した疑似的超光速移動を使う事で人類は通常宇宙の物理法則から解放され、銀河文明を作りえたのである。
その原動たる「ユアノン」とは、陽子の千倍ほどの質量を持ち常に一定のエネルギー(凡そ500MW)を放出し続ける特異な素粒子の事。人類がまだ単一星系にのみに住んでいた頃に発見された。当初、放出源が何なのか原因を突き止める事は出来なかったが活用方法は研究され、やがて同粒子を推力源とする恒星間移民船が造られ人類の本格的宇宙進出の最初の一石となった。居住圏の拡大と共に新たなユアノンも見つかり、多数の移民船が宇宙を駆けた(ジントの故郷も、そうしたユアノン推進宇宙船によって植民された星の一つである)。
このユアノン(後に「第一形態ユアノン」と呼ばれる)は粒子状の特異点であり「閉じた門」であった。特定の方法にて「第二形態ユアノン」又は「開いた門」にする事が可能で、技術的に確立されると平面宇宙と通常宇宙を繋ぐ文字道理の「門」となった。第一形態時に放出されるエネルギーは平面宇宙から流入してくるものであった。
平面宇宙の勢力図
通常宇宙の銀河系で中心部ほど星が濃密であるように、平面宇宙の「天川門群(ソードラシュ・エルークファル)」にも「中心円」と呼ばれる「門」が密集した領域が存在する。この領域は時空粒子流が激しく、アーヴといえども航行できない。また、時空粒子流は中心円から外側へ向かって流れるため、流れに逆らって進む時はその反対方向へ向かうのに比べて遅くなる。
中心円から離れると、「環(スペーシュ)」という門がある程度密集した同心円状の領域が飛び飛びに存在する。「アーヴによる人類帝国」を構成する八王国のうち7つと4ヵ国連合諸国はおおむね第1環から第7環までの「中央領域(ソール・バンダク)」に存在し、イリーシュ王国のみが第12環にある(第8環から第11環までにも、有人星系に通じる門が少数ながら散在する)。ジントのハイド星系が長らく帝国に発見されなかったのは、ハイド門が第12環の中でもイリーシュ門のほぼ反対側という「辺境」に存在するため、探査自体がほとんど行われなかったことによる。第12環から外側は門がほとんどないが、一部に門密度の高くなっている領域があると観測されていたため、遥か遠くに別の銀河系に由来する門群があると推定されているが、まだそこまで到達したものはいない。
帝都ラクファカールのあるアブリアル伯国には八つの門があるが、それぞれが平面宇宙側では八王国のどれか一つに通じている。このためにいわゆる「内線の利」を発揮することが可能だが、逆に帝都が陥落すれば一気に分断されてしまう。『紋章』では、人類統合体を主力とする連合艦隊が第12環に通じる2つの門からイリーシュ王国に侵攻し、帝都に通じるイリーシュ門へ向けて進撃した。
平面宇宙における勢力境界線は、かつて地球上にあった国境ほど明確なものではないが、便宜的にそれに準じて記した勢力図が『星界の戦旗I』の付録に示されている(第12環以外の「環」は省略)。7つの王国は4ヵ国の支配領域の隙間を埋めるように存在する。中でもラスィース王国とスュルグゼーデ王国は、人類統合体に楔を打ち込んだ状態になっており、『戦旗I』ではこの王国を出撃基地として攻撃を加えている。
図上では、クリューヴ王国だけがハニア連邦内に孤立している。ただ、ハニア連邦は他の三国全てと隣接しているものの、大戦初期に中立を宣言していたため、アーヴ側もクリューヴ王国方面への戦力増強は控えていた。しかし、この領域が実は重大な問題であったことが、『戦旗IV』の最後で語られた。
平面宇宙での戦闘形態
平面宇宙とは文字通り2次元の宇宙であり、通常宇宙(ダーズ:3次元)上にあるものが平面宇宙に入る際は、通常宇宙を切り取った「時空泡(フラサス)」を時空泡発生装置によって形成して、3次元を維持しなければならない。また、物理法則も通常宇宙とは異なる。時空泡の移動速度は、内部質量と反比例するなどである(このため、複数の艦艇が時空融合した時空泡で防御しつつ、攻撃に際しては「単艦時空泡」に時空分離して急速接近する戦術が用いられる)。電磁投射砲の砲弾も凝集光も時空泡外では存在できないため、平面宇宙戦闘は、敵味方の時空泡が重なった場合に起こる「時空融合(ゴール・プタロス)」によって発生する。そこでは3次元的な戦闘が行われる。ただし、時空泡発生機関を独自に持つ機雷を使用すれば、時空融合していない遠距離の敵艦を破壊することもできる。
艦隊同士の平面宇宙戦闘は通常、多数の機雷を備える戦列艦からの雷撃戦に始まる。しかし費用対効果や運搬コスト等の問題、相手の護衛艦や戦列艦に因る防御機雷戦・対抗雷撃戦もあってそれだけで殲滅する事は難しく、大抵は他艦艇が時空融合からの直接戦闘に至るまでの牽制と漸減に留まる。艦隊の彼我距離が詰まると巡察艦や突撃艦の出番となる。護衛艦等と配置を変ると突撃が始まる。互いに陣形を崩したり守り合い、有利な戦闘状態を作ろうと激しく入り乱れ合う。通常宇宙と異なり情報連結がやり難いのが平面宇宙である為、連係や即応は個々の艦艇や部隊指揮官の判断技量が激しく問われるのが特徴である。また、戦列艦や補給艦といった脆弱な部隊が巡察艦等の強力部隊による突撃を受けると戦闘は一方的な展開となり易く、これらの状況を「蹂躙戦」等と呼ぶ。
上記の戦闘形式は大艦隊同士の戦闘形態であり、小規模な局地戦ではこの限りではない。例えば大質量の機雷を多数搭載する戦列艦には機動力が低いという弱点があり、強行偵察と奇襲を主な任務とする機動力重視の偵察分艦隊に含むことはできない。偵察分艦隊は戦列艦より機動力の高い巡察艦のみで編成され、敵偵察分艦隊の迎撃には主に突撃艦がその任に当たることとなる。平面宇宙での巡察艦と突撃艦の戦闘は、まず巡察艦が機雷を発射して突撃艦の数を減らし、その上で生き残った突撃艦と巡察艦が時空融合して戦う形となる。突撃艦は火力が弱く機雷攻撃にも弱いため、巡察艦を相手にする場合は数で圧倒しなければ勝利は難しい。もっとも、突撃艦にとっては、敵の巡察艦と時空融合する(いわば懐に飛び込む)までは難しいものの、いったん時空融合して時空泡内部での戦闘に持ち込むことができれば、機動力で巡察艦を翻弄しつつダメージを与えることが可能となるため、十分に勝機がある。作中で、人類統合体の駆逐宇宙艦(アーヴ帝国の突撃艦にあたる艦種)10隻がアーヴの巡察艦1隻(艦名「ゴースロス」)に辛勝した戦いを例に挙げると、時空泡内部での戦闘に持ち込むまでに6隻が失われたが、生き残った4隻が巡察艦を撃沈した(時空泡内部での戦闘で、さらに3隻が失われた)。
平面宇宙戦闘で一番問題となるのは、時空泡の中身は質量でしか判断できないことである。泡間通信ができない場合、時空泡の質量や配置から経験と勘と運に頼って、敵か味方か、また艦種は何かを判断するしかない。何が出てくるかは実際に時空融合してみないと分からないこと、そして時空泡内の質量にも限界があることで、少なくとも襲撃艦6隻程度の質量が限界のようである(厳密にどの程度かは不明)。もっとも、限界質量に関しては『戦旗III』にて明らかにされたため、それ以前の映像作品(特に『戦旗I』)との間に矛盾が発生している。なお、限界質量を超えると時空泡は分裂してしまうが、無規則に分裂するため、どのような時空泡ができるか予測できず危険である。
戦闘においても、当然「門」は重要な拠点であり、制圧対象である。例えば、機雷を大量に「門」に放てば、防御機雷戦ができない艦隊はなすすべがない。これは、通常宇宙から平面宇宙に機雷を撃つ場合(時空融合)も、その逆の場合(時空分離)も、真である。
機雷と平面宇宙戦闘
星界シリーズにおける機雷は、我々の世界で海中に敷設する実在の兵器のようなものではなく、時空泡発生装置を持ち、敵艦隊に向けて高速で投射・誘導される、いわば「平面宇宙用ミサイル」とでもいうべき架空の兵器である。
通常のSF艦艇の主力兵器である、レールガン・荷電粒子砲といった兵器(無論、星界シリーズの艦艇でも装備しているが)は、平面宇宙では、時空融合しない限り意味を成さない。 敵の機雷攻撃に、味方の機雷をぶつけることで防御する防御機雷戦が必要なのは、そのためである。大量の敵機雷に時空融合されてから打ち落とすのでは、全てを打ち落とすことは不可能で、また打ち落とせたとしても時空泡内の質量が増して機動力が削がれ、艦隊運動に支障をきたし壊滅的被害を受ける。時として、数としては圧倒的に優勢な帝国星界軍艦隊が危機に陥るのは、補給不足や機動力重視の艦種構成ゆえの機雷の不足によるところが大きい。
既刊一覧
小説
- 森岡浩之(著) / 赤井孝美(イラスト) 『星界の紋章』 早川書房〈ハヤカワ文庫〉、全3巻
- 「帝国の王女」1996年4月15日発行(4月11日発売)、ISBN 4-15-030547-1
- 「ささやかな戦い」1996年5月15日発行(5月11日発売)、ISBN 4-15-030552-8
- 「異郷への帰還」1996年6月15日発行(6月11日発売)、ISBN 4-15-030555-2
漫画
- 森岡浩之(原作) / 小野敏洋(作画) / 吉永亜矢(構成) 『星界の紋章』 メディアワークス〈電撃コミックス〉、2000年3月27日発売、ISBN 4-8402-1472-7
- 森岡浩之(原作) / 米村孝一郎(作画) 『星界の紋章』 フレックスコミックス発行 / ほるぷ出版発売(1〜5巻)→フレックスコミックス〈メテオCOMICS〉、全8巻
- 2013年5月8日初版第1刷発行(5月11日発売)、ISBN 978-4-593-85732-6
- 「メテオCOMICS版」2018年3月13日発売、ISBN 978-4-86675-866-4
- 2014年4月8日初版第1刷発行(5月12日発売)、ISBN 978-4-593-85778-4
- 「メテオCOMICS版」2018年3月13日発売、ISBN 978-4-86675-887-9
- 2015年7月8日初版第1刷発行(7月11日発売)、ISBN 978-4-593-85811-8
- 「メテオCOMICS版」2018年3月13日発売、ISBN 978-4-86675-905-0
- 2016年8月8日初版第1刷発行(8月12日発売)、ISBN 978-4-593-85840-8
- 「メテオCOMICS版」2018年3月13日発売、ISBN 978-4-86675-920-3
- 2017年10月10日初版第1刷発行(10月12日発売)、ISBN 978-4-593-85872-9
- 「メテオCOMICS版」2018年3月13日発売、ISBN 978-4-86675-942-5
- 2018年12月12日初版第1刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-86675-039-2
- 2019年12月19日初版第1刷発行(12月20日発売)、ISBN 978-4-86675-086-6
- 2021年4月12日発売、ISBN 978-4-86675-142-9
- 「メテオCOMICS版」2018年3月13日発売、ISBN 978-4-86675-866-4
- 「メテオCOMICS版」2018年3月13日発売、ISBN 978-4-86675-887-9
- 「メテオCOMICS版」2018年3月13日発売、ISBN 978-4-86675-905-0
- 「メテオCOMICS版」2018年3月13日発売、ISBN 978-4-86675-920-3
- 「メテオCOMICS版」2018年3月13日発売、ISBN 978-4-86675-942-5
関連書籍
特記のない限り編者は早川書房編集部。
- 『星界の紋章ハンドブック』1998年12月31日発行、ISBN 4-15-030609-5
- 星界の紋章のアニメ放送前に発売されたファンブック。コラムやアニメ関係者へのインタビュー、アニメ関連の資料、第1話台本などが収録されている。
- 『星界の紋章読本』1999年2月28日初版発行、ISBN 4-15-208211-9
- 星界の紋章に関するエッセイ、用語辞典など各種情報、短編小説(全て星界の断章 の文庫本に収録済み)などが載ったファンブック
- 『星界の紋章 ビジュアル・ファンブック』1999年7月31日初版発行、ISBN 4-15-208227-5
- 『星界の紋章フィルムブック1』2001年5月15日発行、ISBN 4-15-030663-X
- 『星界の紋章フィルムブック2』2001年6月15日発行、ISBN 4-15-030666-4
- 『星界の紋章フィルムブック3』2001年7月15日発行、ISBN 4-15-030668-0
- アニメ星界の紋章のフィルムブック。各巻末に短編小説の星界の断章が1話ずつ収録されている(全て星界の断章の文庫本に収録済み)。
星界の紋章のアニメ放送前に発売されたファンブック。コラムやアニメ関係者へのインタビュー、アニメ関連の資料、第1話台本などが収録されている。
星界の紋章に関するエッセイ、用語辞典など各種情報、短編小説(全て星界の断章 の文庫本に収録済み)などが載ったファンブック
アニメ星界の紋章のフィルムブック。各巻末に短編小説の星界の断章が1話ずつ収録されている(全て星界の断章の文庫本に収録済み)。
テレビアニメ
WOWOWで1999年1月2日から3月27日まで放送された。全13話。
第1話冒頭のゴースロスの戦闘シーンとナレーション(ユアノン発見後の人類の太陽系外移民についての経緯)、第2話以降の冒頭のナレーションは作者創作のアーヴ語による。また、第1話ではマーティン語(実際は英語)、デルクトゥー語(広東語を基にした)の会話シーンが登場する。一方、人類統合体の言語リクパルは、原作では数語登場するが、アニメ化に際してはカットされた。第5話の冒頭ナレーションはリクパル。
また、最終話でラクファカールに到着してから3年後までの間のシーンは回想で触れられるのみで、上皇会議などのシーンはほとんどカットされている。
スタッフ
- 企画 - 渡辺繁、植田益朗
- 原作 - 森岡浩之(ハヤカワ文庫刊)
- 監督 - 長岡康史
- シリーズ構成・脚本 - 吉永亜矢
- ビジュアルコンセプト - 赤井孝美、江田恵一
- キャラクターデザイン - 渡部圭祐
- メカニックデザイン - 森木靖泰、筱雅律、常木志伸
- ゲストデザイン - 井上邦彦(第5話 - 第12話)
- 美術監督 - 岡田有章
- 色彩設計 - 歌川律子
- 撮影監督 - 白井久男
- 編集 - 瀬山武司
- 音響監督 - 小林克良
- 音楽 - 服部克久
- 音楽制作 - おもちゃ工房、BeSTACK
- プロデューサー - 海部正樹、岩田幹宏、杉田敦、積惟文
- アニメーション制作 - SUNRISE
- 製作 - SUNRISE、WOWOW、バンダイビジュアル
主題歌
オープニング
- 「星界の紋章」(インストゥルメンタル)
- 作曲・編曲 - 服部克久
- 最終話(13話)でエンディングとしても使用された。
- 作曲・編曲 - 服部克久
- 最終話(13話)でエンディングとしても使用された。
エンディング
- 「失われた青空」(1話 - 12話)
- 作詞 - 近藤金吾 / 作曲 - 近藤金吾 / 編曲 - タイムスリップ・ランデブー、笹路正徳
- 作詞 - 近藤金吾 / 作曲 - 近藤金吾 / 編曲 - タイムスリップ・ランデブー、笹路正徳
各話リスト
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 総作画監督 | 作画監督 | 放送日 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 侵略 | 長岡康史 | 元永慶太郎 | 渡部圭祐(キャラ) 筱雅律(メカ) |
しんぼたくろう(キャラ) 米山浩平(メカ) |
1999年 1月2日 |
2 | 星たちの眷族 | 篠原俊哉 | - | 渡部圭祐(キャラ) 筱雅律(メカ) |
1月9日 | |
3 | 愛の娘 | 西本由紀夫 | 渡部圭祐(キャラ) 筱雅律(メカ) |
高橋晃 | 1月16日 | |
4 | 奇襲 | 南康宏 | 山口美浩 | しんぼたくろう 米山浩平 |
1月23日 | |
5 | ゴースロスの戦い | 長岡康史 | 元永慶太郎 | - | 筱雅律 | 1月30日 |
6 | 不可解な陰謀 | 篠原俊哉 | 渡部圭祐(キャラ) 筱雅律(メカ) |
高橋晃 | 2月6日 | |
7 | 幸せな叛逆 | 西本由紀夫 | - | しんぼたくろう 米山浩平 |
2月13日 | |
8 | アーヴの流儀 | 山口美浩 | - | 高橋晃 | 2月20日 | |
9 | 戦場へ | 西澤晋 | 元永慶太郎 | - | 中島里恵 向山祐治 |
2月27日 |
10 | 二人だけの逃亡 | 篠原俊哉 | - | 渡部圭祐 大塚健 |
3月6日 | |
11 | スファグノーフ門沖会戦 | 西本由紀夫 | - | しんぼたくろう 米山浩平 |
3月13日 | |
12 | 惑乱の淑女 | 鍋島修 | - | 筱雅律 | 3月20日 | |
13 | 天翔る迷惑 | 長岡康史 | 長岡康史 西本由紀夫 |
- | 渡部圭祐、向山祐治 中島里恵、高橋晃 |
3月27日 |
『星界の紋章 特別編』・『星界の断章 誕生』
2000年4月7日には、全13話に新作カットを加えた総集編『星界の紋章 特別編』と、ラフィールの出生に関する番外編『星界の断章 誕生』がWOWOWにて放送された。
スタッフ
※星界の戦旗に関しては星界の戦旗#アニメを参照。
ゲーム
- 2000年5月25日 - 星界の紋章 (プレイステーション、バンダイビジュアル)
ラジオドラマ
FM大阪でネット配信され、CDとして全3巻がリリースされている。キャストは基本的にはアニメ版と同じだが、一部変更されている。