書剣恩仇録
以下はWikipediaより引用
要約
『書剣恩仇録』(しょけんおんきゅうろく、繁体字: 書劍恩仇錄、拼音: Shūjiànēnchóulù)は、中国および中華圏(台湾、シンガポール、華僑・華人コミュニティ等)で著名な小説家金庸の武俠小説の1つ。金庸が最初に執筆した武俠小説である。
概要
『書剣恩仇録』は1955年から1956年にかけて、香港の新聞『新晩報』に連載された。
1954年、白鶴拳の陳克夫と呉派太極拳の呉公儀という、当時の香港で有名だった2人の武術家が、マカオで対戦するという事件が起こって話題を呼び、世間で武術熱が高まった。それをきっかけに『新晩報』では武俠小説の連載を企画することにし、まず金庸の同僚で友人でもあった梁羽生が『龍虎闘京華』の連載を開始、新武俠小説の時代の扉を開いた。続いて金庸も武俠小説の執筆を始めることになり、誕生したのがこの『書剣恩仇録』である。
物語は、18世紀、清朝が最盛期を迎えた乾隆年間の中国大陸を舞台に、満州族の清朝の乾隆帝が実は漢族であったという民間伝承(乾隆帝漢人説)と、伝説の美女香妃の逸話を絡めながら、滅満興漢を掲げて清朝に敵対する幇会紅花会と、ウイグル族による反清の悲壮な闘いを描いている。
『書剣恩仇録』は、民族と国家、個人と国家の矛盾が重要な主題となっており、異民族による中国の征服とそれへの抵抗に加え、武林の各門派の抗争や男女間の恋愛などが、壮大な歴史活劇の中に描き込まれており、後の金庸作品の特色の多くが『書剣恩仇録』において既に現れている。
登場人物
陸菲青
あらすじ
清朝が最盛期を迎えた乾隆年間。“滅満興漢”を掲げ、清朝の打倒を目指す幇会紅花会の総舵手于万亭は、死の間際に、養子の陳家洛を後継者に指名する。西域にいた陳家洛を新しい総舵手に迎えるため紅花会の英雄たちは、安西州へ向かう。ところがその途中、于万亭の遺言から乾隆帝の出生にまつわる重大な秘密を知らされた紅花会屈指の使い手文泰来とその妻駱冰は、朝廷が放った刺客に襲われ、文泰来は深手を負った末に捕らわれてしまう。仲間の救出に乗り出す陳家洛に率いられた紅花会の英雄たち。果たして文泰来を朝廷の手から取り戻すことができるのか? そして乾隆帝が必死に守ろうとする出生の秘密とは?
用語
滅満興漢
乾隆帝漢人説
書誌情報
1996年10月から1997年1月にかけて、徳間書店の金庸武俠小説集の第1回刊行作品として、岡崎由美訳の全4巻が出版された。2001年4月から2001年5月にかけては、徳間文庫より、全4巻の文庫本も出版されている。
単行本
- 徳間書店・岡崎由美 訳
文庫本
- 徳間文庫・訳者同前
映像化作品
映画
- 『書剣恩仇録』 香港 1960年 - 張瑛(陳家洛/乾隆帝)※日本未公開
- 『儒俠』 ショウ・ブラザーズ 香港 1967年 ※日本未公開
- 『書剣恩仇録』 ショウ・ブラザーズ 香港 1981年 - ティ・ロン(陳家洛)、パイ・ピョウ(乾隆帝)
- 『清朝皇帝 第1部 紅花党の反乱/第2部 シルクロードの王女・香妃』(ビデオ題『風と興亡 第1部 紅花党の反乱/第2部 シルクロードの王女・香妃』、DVD題『書剣恩仇録 上巻 紅花党/下巻 香香(シャンシャン)公主』)香港・中国 1987年 - チャン・ドゥオフー(陳家洛)、ター・シーチャン(乾隆帝)
- 『格闘飛龍 方世玉』 香港 1992年 - アダム・チェン(陳家洛)(金庸を原作者に挙げていないが、陳家洛が登場するなど『書剣恩仇録』の外伝的作品となっている)
- 『電光飛龍 方世玉2』 香港 1993年 - アダム・チェン(陳家洛)(上記作品の続編)
- 『格闘飛龍 方世玉』 香港 1992年 - アダム・チェン(陳家洛)(金庸を原作者に挙げていないが、陳家洛が登場するなど『書剣恩仇録』の外伝的作品となっている)
- 『電光飛龍 方世玉2』 香港 1993年 - アダム・チェン(陳家洛)(上記作品の続編)
テレビドラマ
- 『書剣恩仇録』 無綫電視(TVB) 香港 1976年 - アダム・チェン(陳家洛/乾隆帝)※日本未公開
- 『書剣江山』 台湾電視公司(TTV) 台湾 1986年 - 游天龍(陳家洛/乾隆帝)※日本未公開
- 『書剣恩仇録』 無綫電視(TVB) 香港 1987年 - 彭文堅(陳家洛)、サイモン・ヤム(乾隆帝)※日本未公開
- 『書剣恩仇録』 中華テレビ(CTS) 台湾 1992年 - 何家勁(陳家洛)、沈孟生(乾隆帝)※日本未公開
- 『書剣恩仇録』 中央電視台(CCTV) 中国 1994年 - ホアン・ハイビン(陳家洛)、王衛国(乾隆帝)※日本未公開
- 『レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター 書剣恩仇録』 中国 2002年 - チウ・マンチェク(陳家洛)、チン・ツァロン(乾隆帝)
- 『書剣恩仇録』 中央電視台(CCTV) 中国 2008年 - チャオ・ジェンユー(陳家洛)、アダム・チェン(乾隆帝)
漫画
- 『書剣恩仇録』 画:何志文
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