柳生忍法帖
以下はWikipediaより引用
要約
『柳生忍法帖』(やぎゅうにんぽうちょう)は、山田風太郎の時代小説。忍法帖シリーズの一作である。『岩手日報』などに1962年10月23日から1964年2月4日まで、『尼寺五十万石』の題名で連載され、単行本刊行時に改題された。
概要
江戸時代、会津藩で起こった会津騒動と、それにまつわる東慶寺での史実を発端とし、健気な女7人が悪を討つ勧善懲悪の物語である。作者は「弱者が強敵を討つパターンの話としたかったが、さすがに7人の女だけでは勝つことが難しいため、剣豪である柳生十兵衛を助っ人にした」と語っている。忍法帖に分類される作品であるが、忍者が登場せず忍法を使うキャラクターもほとんどいないなど例外的要素が多く、分量も通常の忍法帖シリーズ作品を上回る。また、珍しく大団円の作品である。柳生十兵衛は山田風太郎作品中でも最も高い人気を誇るキャラクターであり、本作と『魔界転生』『柳生十兵衛死す』で“十兵衛三部作”と称せられる。
あらすじ
時は寛永19年(1642年)、悪逆の限りを尽くす暗君会津藩主加藤明成を見限った国家老堀主水は、一族を率いて会津を退転するという騒動を起こす(会津騒動)。明成は幕府の許可の元彼らを捕縛するが、それだけに飽き足らず、連行中に一族の女たちが匿われている男子禁制の尼寺東慶寺を強襲し、主水らの目の前で彼女らを惨殺する所行に及んだ。これを実行したのは「会津七本槍」と呼ばれる明成子飼いの家来だった。
騒ぎは寺の後見人である天樹院千姫の出現によって収められるが、助けられ生き残ったのは堀主水の娘、お千絵を始めとする7人のみだった。その後、堀一族の男たちは処刑されたが、残った7人の女たちは加藤明成及び会津七本槍に復讐を誓う。千姫はそれを後援するが、彼女はそれに男の手を借りることをよしとせず、あくまで7人の女たちの手によってなされるべしと考える。
しかし、敵たる七本槍はいずれもそれぞれの武芸に精通した達人ばかりで、そのままではとても彼女たちの手に負える者ではない…千姫に相談を受けた沢庵和尚は、反骨と無頼をもって知られる柳生一族の剣侠・十兵衛に堀一族の女たちの師範役を依頼する。おもしろい…としてその役を引き受けた十兵衛だったが、果たして彼は武芸の覚えすらない女たちに、恐ろしい武芸者たちである会津七本槍を討たせることが出来るか? そして、暗君・加藤明成に裁きを加えることが出来るか?
主な登場人物
柳生十兵衛三厳(やぎゅう じゅうべえ みつよし)
沢庵宗彭(たくあん そうほう)
会津七本槍
加藤明成子飼いの手下で、堀一族の捕縛・連行や東慶寺での狼藉行為、また、明成の獣欲を満たすための女狩りなどの行為を行う。堀一族の女7人が直接の復讐相手として狙う者たちで、それぞれが特殊な術の達人。
漫画化
- Y十M 〜柳生忍法帖〜 - せがわまさきによる漫画化作品。『ヤングマガジン』連載。『甲賀忍法帖』を原作とする『バジリスク 〜甲賀忍法帖〜』に次いで執筆している。
映像化
- くノ一忍法帖 柳生外伝 - キングレコードなどによる映画化、ソフト化の際に未公開シーンを加え『柳生外伝 くノ一忍法帖 江戸花地獄篇』(74分)、『柳生外伝 くノ一忍法帖 会津雪地獄篇』(81分)の2本に分けてリリース。
舞台化
- 2021年9月から12月にかけて宝塚歌劇団星組によって舞台化。脚本・演出は大野拓史。
- 柳生十兵衛:礼真琴
- ゆら:舞空瞳
- 芦名銅伯:愛月ひかる