桃組プラス戦記
以下はWikipediaより引用
要約
『桃組プラス戦記』(ももぐみぷらすせんき)は左近堂絵里による日本の漫画作品。『月刊Asuka』(角川書店)にて2005年5月号から連載開始。同誌2017年10月号まで掲載後、2017年10月24日よりwebコミック誌『コミックNewtype』(KADOKAWA)へ移籍になった。第20巻時点で累計160万部を突破している。
日本童話の体裁をとった学園アクション要素のある人情コメディ漫画である。『月刊Asuka』2006年8・9月号と11月号からはドラマCD応募者全員サービス・通販がスタートした。
『月刊Asuka』2009年1月号には録りおろしドラマCD「犬の戌たる奮闘記ノ章」が封入された。
2016年2月に桃組プラス戦記イラスト集「八彩」が発売された。
あらすじ
謎の超マンモス学校・私立愛譚学園(しりつあいたんがくえん)に転校してきたトラブル吸引体質の桃園祐喜(ももぞのゆうき)は、転校早々、日本昔話「桃太郎」の生まれ変わりだと告げられる。しかも前世で退治した鬼の呪いをとかなければ18歳までに死んでしまうという事実が発覚する。18歳までにすべての鬼の呪いを解き、自らの幸せを取り戻すことを決意する。
登場人物
声優はドラマCD版。
桃太郎
桃園 祐喜(ももぞの ゆうき)
声 - 皆川純子
愛譚学園高等部普通科1年。16歳。この物語の主人公で日本昔話「桃太郎」のモデルになった退鬼師の生まれ変わり。
7匹の鬼にかけられてしまった呪いにより、あらゆる災厄を引き寄せてしまう、超トラブル吸引体質である。この体質のせいで、彼の傍にいた人間にも被害が及び、幼い頃から疫病神とも言われてしまっていた。そのせいで友達を作ることを諦めていたが、雪代たちとの出会いによって、体質改善し、友達を作るべく呪いを解くことに努力する。また幼い頃からの体質であるため、小さなトラブルは簡単にかわしており、身体能力は高い方と思われている(雅彦と体質を入れ替えた時)。また桜鬼を攻略した際に、忌憑き太夫(当時の桃太郎)より力を2倍にしてもらうが、体質も2倍になってしまい、後に金色羊の羊原と契約を交わすまで体質が全く抑えられなかった。
鬼美によると、今までに生まれ変わった「桃太郎」たちの中で1番早く視覚が覚醒し、「桃太郎」の役者が初代以来すべて揃っている。
前世で退治した7匹の鬼の呪いをとかなければ18歳までに死んでしまう。18巻現在は紅、裏葉、宵藍、桔梗、鴇羽を攻略済みで、残りの鬼は2匹。コミックス4巻時点までで判明しているのは飛んできた野球ボールに当たらなくなること。それ以外にも攻略の代価により体質は軽減されてきている。
覚醒具は「鬼美弾護」。本来は刀の形をしているのだが、祐喜にあわせて現代の日用品(中にはそうに見えないものもあるが)の姿をしている。最初は学校の購買部に売られている100円のシャーペンの形をしており、こうもり傘、魔女っ子ステッキ、一辺5cmの立方体の箱、そして巨大な裁ち鋏へと変貌を遂げた。
今のところ覚醒しているのは(分かっている範囲で)「視覚」と「聴覚」。
父親は既に他界している模様。母親は申の前代の正獣基(名前は「高猿寺猩花」)で咲羽とは従兄弟。
雉乃木 雪代(きじのき ゆきしろ)
声 - 後藤沙緒里
愛譚学園高等部国文科1年。16歳。獣基の紅一点。桃太郎の3匹のお供の一人・雉(きじ)のモデルとなった人物の子孫。
3人の中で一番獣基としての血が濃く、それゆえに最初に覚醒する。祐喜を最初に発見したのも彼女である。幼い頃に覚醒したため、桃太郎のために強くなるといってリレーで一等賞を取ったり、桃太郎の劇を見ると感動したりと、桃太郎一筋であった。3人の獣基達は幼馴染で、幼稚舎の頃から一緒であった。よく鼻血を吹くため、美少女が台無し。祐喜が転校してくるまでは自宅通学していたらしいが、祐喜を追って学生寮に入っている。
人間の血が混ざっている猿や戌の家とは違って、雉の家は今なお純血を貫いているため、獣基の出生率が非常に悪く、雪代は60年ぶりに生まれた雉の獣基。獣基であった曾祖母で現雉乃木家当主・風代から、あらゆるエリート教育を受けて育てられたため、上品な所作や丁寧な言葉遣いはその教育の賜物。
酉(とり)の覚醒具・螺鈿(らでん)を持つ。普段は後ろ頭につけている。
高猿寺 咲羽(こうえんじ さわ)
声 - 寺島拓篤
愛譚学園高等部体育科1年。16歳。桃太郎の3匹のお供の一人・猿(さる)のモデルとなった人物の子孫。裕喜の従兄弟。
3人の中で2番目に覚醒し、一番攻撃力が高い。「犬猿の仲」という諺にある通り、雅彦とはあまり仲がよくない(一方的に酷い扱いをしているように見られる)。
ケンカっ早い性格をしているが、3基の中では祐喜を呼び捨てにしたり、祐喜に呪いの解除を前向きに考えさせたりと友達思い。ただ、自分の家庭事情はあまり話さず、長いこと家に帰っていないらしい(3基の中でも元から学生寮だった)。祐喜とは実の従兄弟関係にあり、叔父は祐喜の担任である高円寺先生である。姫こと桜子とは強化合宿の際に鬼ごっこ、バーベキュー等で凄まじい戦いを繰り広げた。中等部3年の頃は、髪が腰辺りまであった。そして、よく覚醒具を付けて喧嘩をしていた(第1巻番外編より)。また同じ体育科の笑男とは仲が悪い様子。
その正体は黄鬼の片割れ。黄鬼戦での「だるまさんがころんだ」の後にそのことが明らかになった。
申(さる)の覚醒具・紅蓮(ぐれん)を持つ。今代の正獣基。
犬飼 雅彦(いぬかい まさひこ)
声 - 岸尾だいすけ
愛譚学園高等部理数科1年。16歳。桃太郎の3匹のお供の一人・戌(いぬ)のモデルとなった人物の子孫。
3人の中で最後(咲羽より2日遅れ)に覚醒する。丁寧な物腰だが、祐喜のこととなると我が身を投げ打ってでも彼を守ろうとする。
3基の中ではいじられ役だが、本人はあまり気にしていない(むしろいじめられて喜ぶ性格らしい)。こんな性格のため、出番の割りにインパクトが薄い、と単行本第1巻の描き下ろしネタは全部彼のことが書かれている。3基の中では唯一自宅通学(本当は寮に入りたいらしいが、家を出ることができない小心者)。
戌(いぬ)の覚醒具・牙厳(がげん)を持つ。
鬼美(きび)
声 - 遊佐浩二
桃太郎が持っている覚醒具「鬼美弾護(きびだんご)」の核的存在。この剣は桃太郎のために成長する。鬼の呪いを解いたことで覚醒具の形も変わるが、元の姿に戻る事も出来る。シャーペンの姿の時に具現化して学ランを着ていた。口調はどことなく京都弁。
最初は購買部に販売されている100円の普通のシャープペンの姿をしており、緑鬼の呪いを解いて300円のこうもり傘、青鬼の呪いを解いて1000円の魔女っ子的なステッキ、紫鬼の呪いを解いて一辺5cmの立方体、桜鬼の呪いを解いて巨大な裁ち鋏に変化した。
前の桃太郎の生まれ変わりから打ち直され、16年後に姿を見せる。
シャープペンは詰襟、こうもり傘は吸血鬼風、ステッキは魔女っ娘風、裁ち鋏はシザーハンズ風の拘束具と服装や髪型も変わっていく。魔女っ子の姿は気に入っているらしい。なお立方体の時は何をしても(雪代が上空から落とす等)顔だけしか出せなかった。
川原 涼一(かわはら りょういち)
声 - 緑川光
愛譚学園高等部家政科2年。17歳。桃太郎のお婆さんの生まれ変わり。
性別が逆転して生まれ変わってしまい、それゆえ物腰もどことなく女性っぽくなっている(彼自身はれっきとした男性)。祐喜にとっては前世の養母にあたる(男性だが)。
現代最高峰の縫い物のプロ「細工縫術師」であり、家政科の先生・機美鶴先生の一番弟子。非常に速いスピードで縫い物を仕上げる。姫こと桜子が尊敬している先輩の一人。ただの体育祭で幻の術・縫術演式「猪・鹿・蝶」の蝶式(猪式はパワー強化、鹿式はスピード強化、蝶式は空間強化)を発動したことも。
柴浦 清子(しばうら きよこ)
声 - 生天目仁美
愛譚学園高等部農業科2年。17歳。桃太郎のお爺さんの生まれ変わり。
涼一と同じく性別逆転している。見た目は美少女、しかし口調や行動等は男前。ゴツイ男子生徒の多い農業科を率いている女子生徒。祐喜にとっては前世の養父にあたるため、「じいさん」と呼ばれている。
涼一と同じく、桜子が尊敬している先輩。涼一とは現世でも恋人同士らしい(体育祭では夫婦と断言していた)。
農業科全員が育てた野菜を呼び捨てにせず「トマトちゃん」などと称しており、農業科生徒がトマトを育てようと提案した時、「夢が小せえぞバカヤロウ!今回はジューシィなメロンちゃんでいくぜ!!」と発言していた。
一寸法師
椀野 針也(わんの しんや)
声 - 冬馬由美
愛譚学園高等部国文科1年。16歳。「一寸法師」のモデルになった退鬼師の生まれ変わり。20歳までに3匹の鬼を倒さないとこの先一生背が伸びない。現在の身長は148cmであり、よく小学生に間違えられる。裕喜には「一寸」と呼ばれている。国語と古文以外の科目は苦手。
祐喜のように獣基はおらず、雪代と同じクラス。赤鬼をクリアした祐喜に近づき、彼の攻略方法を教わる。鬼は一代につき一色に1人しか存在しないため、呪いをかけられた鬼は祐喜と同じであり、共に共同戦線を張る。ちなみに、呪いをかけられた鬼は今のところ、赤鬼と紫鬼であることが判明している。お昼のお弁当メンバーにも加わった。
他の三大退鬼師にはラッキー・呪いのアイテムを持ってるため羨ましがられている。しかし桜子("ヘラクレス彼女"と表記)が2人から「一番強いだろ」と思われている。
覚醒具は針印刃(しんいんじん)の他、天印椀(てんいんわん)、天印箸(てんいんばし)を持つ。
京野 桜子(きょうの さくらこ)
声 - 三宅健太
愛譚学園高等部家政科1年。16歳。一寸法師に登場した姫の生まれ変わり。
身長182cmで料理上手だが、顔がヤンキーのようでケツアゴであり、男性にしか見えない。しかし友人には優しい。椀野が好きな女性で、身長の低い椀野は、彼女とつり合う男になりたいという。
家政科に在籍しており、料理は得意だが裁縫はあまり得意ではないらしい。彼女曰く「世の中の針が小さい」「一寸の針印刃くらいあれば楽」(持ち主以上に針印刃を持つ姿が似合っている)。また一寸曰く「お料理は天才でお裁縫が壊滅的なだけ」。
同じ家政科に在籍している涼一と、農業科に在籍している清子を尊敬している。
覚醒具・打出の大槌(うちでのおおづち)を持つ(小槌ではない)。
鬼
暮内 紅(くれうち こう)
声 - 鳥海浩輔
愛譚学園高等部芸能学科1年。16歳。「泣いた赤鬼」の生まれ変わり。青鬼とは幼馴染。クールで無口が売りの芸能科のトップ。
クールに見えるが実はとても優しい鬼で、人間が大好き。芸能学科に入ったのも、人間と友達になりたかったためである。しかし宵藍が幾度も邪魔をしていたため、小・中と合わせて出来た友達は同じ鬼である裏葉だけであった。モデルになったのは宵藍の薦め。祐喜にかけられた呪いを最初に解いた鬼で、それ以降は一緒にお昼ご飯を食べたりしている。また、呪いを解いたことにより祐喜を全力で守ると決めている。
一寸法師に登場した鬼の生まれ変わりでもあるため、針也からも狙われており、紅が赤鬼と知った時から毎日首を狙われていた。しかし、今度は呪いを解く条件を祐喜から教わった針也からは友達になれと、どちらにせよ追い掛け回されている。
基本的に温厚だが怒ると怖い面もある。
呪いを解く条件(攻略法)は友達になる事。
竜胆 宵藍(りんどう シャオラン)
愛譚学園高等部商業科1年。16歳。紅の幼馴染。「泣いた赤鬼」に登場した「青鬼」の生まれ変わり。優しそうな外見とは裏腹にかなりの理不尽美少女。
彼女は赤鬼である紅が二度と人間に寝返らないように見張る「赤鬼の監視者」。過去に、赤鬼が人間の傍に行くために、青鬼が自分を犠牲にして赤鬼を人間の傍へと行かせるが、他の鬼達からは「仲間を売った」と裏切り者のレッテルを貼られる。しかしその後、人間に裏切られた赤鬼が戻ってきたことにより、青鬼は自分の地位回復のために、赤鬼の監視者を名乗り出る。以後、生まれ変わったすべての代の青鬼は、同じく生まれ変わったすべての代の赤鬼を見張り続けていた。しかし万が一、また寝返ったら、その存在を抹消するということになってしまう。そのため、父親から役目を聞かされた後は、自分が紅を殺さずに済むよう、人と関わりを持たないように、あの手この手で邪魔をしてきた。
しかし宵藍の本当の願いは、紅を鬼側から切り離し、彼を本当に友達と思ってくれる人間の元へ行かせる事。紅を鬼側から切り離した後、紅のいない鬼側にいることは耐えられないために、自分は死ぬつもりだったが、すべてを聞いていた紅と仲直りし、「赤鬼を殺す事」としていた攻略法を「雨の日にカサを貸す事」に変える。祐喜の呪いを解いたあと、紅と共に同じ道を歩むと決意し、生徒会から除籍する。
紅に対しては理不尽な態度を取っているが、紅のポスターなどのグッズも集めているらしく、鬼抹テストの際グッズでおびき出され、その後グッズを持って逃亡した。
柳 裏葉(やなぎ うらは)
声 - 沢城みゆき
愛譚学園高等部声楽科1年。16歳。紅の友達。緑鬼の生まれ変わり。最年少のボーイ・ソプラノのソリスト。
幼稚舎で習う「鬼のパンツ」のモデルとされた(と勘違いしている)鬼の生まれ変わりで、幼稚舎でこの歌を知った時、なんとか忘れようと努力する。しかし同じく幼稚舎で習った祐喜の獣基3人が、毎日夕方の5時きっかりに、逆撫でするかのごとく歌い始めていたため、忘れるどころかそれは学園中に浸透してしまった。
祐喜が転校してきてから、学園の全ての人間があの歌を忘れることが自分をクリア条件だと提示するが「鬼のパンツ」ではなく「鬼のスーツ」という歌ならばいいのではないか、という祐喜の機転のもと彼の呪いを解除する。
一寸と同じくらい背が小さいため、一寸に喜ばれた。ソプラノリストの彼にとって小さいことは声が高く出ることに有利なため、特にコンプレックスとは思っていない。
攻略法(条件)は「鬼のパンツ」の替え歌、「鬼のスーツ」を全校生徒が覚えること。
白峰 涅人(はくほう くりひと)
愛譚学園高等部生徒会長。白い鬼の生まれ変わりで鬼の棟梁。紅などの他の鬼達とは昔から面識があったが、誰1人涅人の昔の姿が思い出せない。面倒見が良かったらしく、紅達にとっては兄のような存在。鴇羽はお兄様と呼ぶくらい慕っている(血は全く繋がっていない)。桃太郎を呪った鬼の1人だが、攻略法や、何の物語の生まれ変わりなのかは不明。プラチナ色の髪と、どこまでも響く風のような声が魅力的な学園の人気者。左目の下にホクロが2つある。
ドジで少し恥ずかしい庇護欲をそそるタイプだが、それが彼の本性なのかは謎。学園に関わる人間全員の顔と名前、学科を暗記しているらしい。
「学園を心から愛しており、その学園を守ることが使命」と言っているが、どこまでが本音なのかも判らない計り知れない人物。
その正体は、双児の兄・白霓から白鬼の座を渡された黒鬼。本来は黒い髪。
樗 桔梗(おうち ききょう)
愛譚学園の芸術学科・漫画専攻1年。「こぶとりじいさん」のモデルになった紫の牛鬼。牛鬼とは牛の頭に蜘蛛の胴体を持つ武闘派の鬼のこと。ひ弱な外見にかかわらず、一寸と桜子を一撃で倒した強者。
漫画専攻なだけあって重度のオタクであるらしく、一寸を入院させたのは、買ったばかりのアニメDVDを、彼がぶつかってきたせいで落としてしまったかららしい。
「BE舞ルリ花」というヒロインアニメに執心で、自分を倒して現実に自分のヒロインとなってくれる人間を捜している。しかし、そういう意味ではまともな感性を持つ祐喜達にとっては「今までで一番対処の仕方が判らない」タイプ。
クリア条件は、「戦いという『舞』を見せて、自分(紫鬼)をねじ伏せ勝つ」こと。要するにガチンコで勝てば良しということらしい。
彼の実力は咲羽をして「俺でも危ない」と言わしめたほどの実力で、クリアはかなり困難と思われたが、祐喜達は自分たちがヒロインアニメのキャラクターのコスプレをする奇策で臨み、紆余曲折の上クリアに成功する。
撫子 鴇羽(なでしこ ときは)
愛譚学園の専門知識修得科1年。16歳。「大工と鬼六」のモデルになった桜鬼の生まれ変わり。歴代の桃太郎をもっとも多く殺して来た「桃花乱壊(とうからんえ)の鬼」。
「言霊使い」であるため攻撃力は低く、獣基が苦手で、咲羽達三人のことを恐がっている。そのため普段はかなりのビビり。また貧乳らしく、宵藍の下着を見た時には「投石機」と誤解していた。
クリア条件は彼女の真名を当てることで、祐喜達はクリアにかなり苦戦した。クリアした際、景品として先代桃太郎から桃鬼への髪止めを鬼美から貰う。真名は「月桃鳥(つき)」。桜鬼は真名を当ててもらうために、代々同じ名前を名乗り続けている。また覚醒夢は自在に選び見ることが出来る。
羊原 こうじ(ひつじはら こうじ)
白峰 白霓(はくほう しろにじ)
白鬼。鬼の護り手。
白鬼は全てを掌握し、統率するため、成人するまで精神と身体が通常の鬼や人間の倍以上の速さで成長するらしく、彼は歴代のどの白鬼より速く育ち、かしこく強かったという。生まれた時から、だいたいの事(体の動かし方、『力』の使い方、など)は分かっていた。また歴代の鬼達と退鬼師の戦いの全てを白鬼が記憶しており、それを自由に取り出せる。
白鬼はどんな物語の鬼でもなく、一族を束ねて子鬼を導き、歴史に誕生する新しい絵巻をただ見届けて記するのが役目。
しかし「声」が愛譚学園を造り、「いずれやってくる桃太郎と戦わせるためにそこに子鬼を放り込め」と言われ、子鬼を可愛がっていた白霓は「今代の子鬼達に光ある生を」と頼むが、「駄目だ。そんなのオレがつまらねぇだろ?」という返答され、ただのコマと見なされていたことで、「声」から子鬼を守るために謀反する。しかし「声」の依代であった面を割るだけで倒すことは叶わず、涅人に子鬼達を頼み、魂が体から弾かれてしまう。
愛譚学園
蟹江くん(かにえくん)
声 - 下和田裕貴
愛譚学園普通科1年。祐喜のクラスの級長を務めている生徒。「サルカニ合戦」のカニの生まれ変わりで、性格は執念深くてねちっこく、猿が大嫌い。運動神経は切れているらしい。
巴に惚れており、警備委員会に入りたがっているのだが、彼はいわゆる「動物組」の生まれ変わりのため入会資格はなく、巴に勧誘されている祐喜を敵視している。
また、巴と祐喜が親しいことに嫉妬している。
巴 悠歌(ともえ ゆうか)
声 - 茅原実里
愛譚学園普通科1年。生まれ変わりのことを知らない一般生徒を守る「警備委員会」の副委員長である女子生徒。学科は普通科で、祐喜と同じクラス。彼女もまた生まれ変わりで、前世は平安時代末期の美女武将「巴御前」。前世が退鬼師である祐喜や椀野を警備委員会に勧誘している。学園に侵入者が現れた時はどこからともなくほら貝を取り出し、愛馬「疾風丸」を呼び、颯爽と侵入者の排除に赴く。
葛篭しょう(つづら しょう)
野槌鐘女(のづち かなめ)
野槌笑男(のづち みお)
高円寺先生(こうえんじせんせい)
機 美鶴(はたみつる)
凪(なぎ)
声 - 関俊彦
愛譚学園の購買部の店長さん。メガネをかけていて、いつも笑顔を絶やすことのない物腰の丁寧な男性。しかし優しげな外見とは裏腹に、愛譚学園の裏の事情も把握しており、覚醒具の販売や修理等も行っている。購買部に訪れるお客様には、たとえどんな方でも、どんな状況であってもツッコまないのがプロの商人というものらしい。咲羽たちが言うには全然老けていないらしい。瓜二つの姉、萩がいる。首元に薔薇の刺青らしきものがある。年齢不詳であり、学生たちには「このおっさん老けない」と言われている。
国際科
フレイア=アイン
「白雪姫」の生まれ変わりで、普段は国際科の生徒のみが行くことができる異世界「ブラックアウト・ワールド」に残っており、惚れっぽい恋愛オンチの同じ学科の生徒たちが連れ込んだ他の学科の生徒たちを元の世界へ帰還させている。異世界は危険であるため、常時ミリタリー装備。そのため初めて訪れた祐喜を圧巻させた。普段は小人達とバンド(パンク系)をやっている。
他の姫の生まれ変わりは苦労して王子と結ばれるのに対し、自分はキスひとつだけで王子と結ばれることに疑問を持っている。しかし、相手であるエイス王子のことはとても大切に思っており、いつも違う女生徒に媒体を渡す彼の考えが読めなかったが、それが自分に会うためだとわかった時は顔を赤らめていた。
名前のフレイアは「炎」の意味で、意味通り勝気で男前な性格。しかし恋愛観は少々古く、付き合いの第一歩は交換日記かららしい。
パトリシア=レヴィ
ショコラ=レッフェル
「シンデレラ」の生まれ変わり。物語通りの不幸ぶりで、少々人間不信気味。しかし、同じ物語の生まれ変わりである継母達を10年かけて従えた不屈の精神の持ち主。普段は非常に顔が怖いが、素顔は美少女。家事が得意。脚力もある。祐喜に媒体(ガラスの学生靴)を渡した。
祐喜達を巻き込んだ者の中で一番しつこく恋人になれと迫るも、祐喜に「友達になろう」と言われた時は、恋人はいつでも作れるが、友達は一生ものだとして、祐喜と友達になった。その後休んで難を逃れていた雅彦がガラスの靴を拾ったことで彼をターゲットにした。なお、本名は両親と担任以外ではパトリシアと祐喜のみが知る(他の国際科生徒は「シンデレラ」としか知らない)。いつもネズミを連れており、このネズミも普段の彼女と同じ顔をしている。このネズミとは会話が可能らしい。
普段から迫力満点の顔であるためか、体育祭の騎馬戦ではこれを利用し、屈強な農業科騎馬部隊を圧倒する。
名前のレッフェルはドイツ語で「スプーン」の意味を持ち、甘さがスプーン1杯分しかないことに由来するが、それどころか素顔がスプーン1杯分しか出なかったことのほうが意味合いが強いらしい。
エイス
魔女
用語
生まれ変わり(うまれかわり)
この生まれ変わりについては一般の生徒は認識しておらず、覚醒までに時間がかかるという場合もある(祐喜はリミットまであと2年という時に覚醒)。
獣基(じゅうき)
それぞれの生まれ変わりを模した仮面の覚醒具をもち、幼少期から高い身体能力を持っている。何の動物かによって特出した力を持ち、例えば祐喜の獣基である雪代は「飛行形」、雅彦は「感覚形」と呼ばれる。
彼らは世襲制で、覚醒してからは全力で自分達の主を探し続けるが、ある代は見つけることができず、またある代は見つけても力が及ばずに、鬼の呪いで散ってしまうこともあった。その度に彼らは涙を流し、次の代こそはとより強い血を残すことに専念してきたという。
また、彼ら獣基たちの出生率は大変低く、通常はその家に一人生まれれば良いほうである。その例外が猿の家系とネズミの家系である。
覚醒具(かくせいぐ)
獣基達は仮面を被ることで能力を発揮するが、生まれ変わりの覚醒具は能力発動時に形を変える(椀野の覚醒具は発動時には大きな針となる)。
鬼(おに)
彼ら鬼には血のブロックというものがあり、仲間の鬼のことについての情報を提供することはできないようになっている。呪いを解いてほしい本人が気づくと、そのブロックが解かれて、ようやく喋れるというものである。
愛譚学園(あいたんがくえん)
その正体は、現代の「鬼ヶ島」。鬼が守り、鬼が治める場所。
この学園の生徒は皆順応性が高く、祐喜のクラスの生徒は祐喜の体質を個性だと認めており、彼に来るトラブルも難なくすり抜けている。そして自分達に害がなければ、どんな騒動でも楽しんでいる図太い神経の持ち主たち。
現在判明している学科
普通科
国文科
理数科
体育科
芸能科
工業科
家政科
農業科
商業科
音楽科…声楽科
社会科
国際科
専門知識修得科
民俗学伝承学科
帝王学科
芸術学科…漫画専攻
写真科
建築科
医療科
生物科
生徒会
集会の際には白を基調とした生徒会専用制服(バトル・ドレス)を着用している。
パレード
現在は裏葉のクリア条件のため、「鬼のスーツ」という歌でパレードしている。
立体重量ドッヂボール
期末テスト
祐喜が初めて受けた1学期期末テストの内容は以下の通り(漫画に描かれたもののみ表記)。
普通科・帝王学科:創作ダンス
体育科・専門知識習得科:クラス対抗合戦?
国文科・声楽科:漢文楽譜制作?
普通科・家庭科:ケーキ作り
理数科・芸能科:自己アピール?
生まれ変わり限定:鬼抹テスト
なお、1学期の生まれ変わり限定期末テストでは、高得点を取った生徒の担任は夏のボーナスがアップすることになっており、そのため生徒のやる気をあるために毎回素晴らしい特典が付く。雪代は以前違うテストで「夏休みの宿題総て免除」というものを貰ったらしい。教師達はボーナス云々の真実を隠し通しているつもりらしいが、妙に体調を気遣ったりしてくるため、生徒達の中でボーナスの件を知らない者はいない。
強化合宿(きょうかがっしゅく)
ドラマCD
- 桃組プラス戦記〜鬼と血の覚醒ノ章〜
- 桃組プラス戦記〜愛譚学園放送部・わが君へ贈る「DJジャック」ノ章〜
- 桃組プラス戦記 ドラマCD〜犬の戌たる奮闘記ノ章〜
- 桃組プラス戦記2〜譲りと会遇ノ章+学園・童諍いノ章〜
書誌情報
- 左近堂絵里『桃組プラス戦記』角川書店→KADOKAWA〈あすかコミックス〉、既刊21巻(2021年5月24日現在)
- 2006年2月17日発売、ISBN 4-04-925022-5
- 2006年9月16日発売、ISBN 4-04-925034-9
- 2007年5月17日発売、ISBN 978-4-04-925045-9
- 2008年1月17日発売、ISBN 978-4-04-925056-5
- 2008年7月17日発売、ISBN 978-4-04-925061-9
- 2009年2月17日発売、ISBN 978-4-04-925067-1
- 2009年11月24日発売、ISBN 978-4-04-925070-1
- 2010年3月24日発売、ISBN 978-4-04-925071-8
- 2010年12月24日発売、ISBN 978-4-04-925075-6
- 2012年3月24日発売、ISBN 978-4-04-925077-0
- 2013年8月24日発売、ISBN 978-4-04-120759-8
- 2014年8月23日発売、ISBN 978-4-04-102098-2
- 2015年1月24日発売、ISBN 978-4-04-102855-1
- 2015年8月24日発売、ISBN 978-4-04-103574-0
- 2016年3月24日発売、ISBN 978-4-04-104093-5
- 2016年12月24日発売、ISBN 978-4-04-104786-6
- 2017年10月24日発売、ISBN 978-4-04-106009-4
- 2018年6月23日発売、ISBN 978-4-04-107039-0
- 2019年2月23日発売、ISBN 978-4-04-107893-8
- 2019年12月10日発売、ISBN 978-4-04-108768-8
- 2021年5月24日発売、ISBN 978-4-04-111444-5
- 左近堂絵里『桃組プラス戦記イラスト集「八彩」』KADOKAWA、2016年2月19日発売、ISBN 978-4-04-103613-6