極黒のブリュンヒルデ
以下はWikipediaより引用
要約
『極黒のブリュンヒルデ』(ごくこくのブリュンヒルデ、英:Brynhildr in the Darkness)は、岡本倫による日本の漫画作品。『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて2012年9号から2016年18号まで連載された。
概要
本作品は、岡本倫が2002年から2005年にかけて週刊ヤングジャンプで発表した、『エルフェンリート』の系統を継承したサイエンス・ファンタジー作品であり、陰惨描写要素の多い「ダーク系」ならび「ダーク・ファンタジー」を取り入れたSF漫画でもある。
なお、ブリュンヒルデは、北欧神話における半神の女神『ワルキューレ』(古ノルド語におけるヴァルキュリア)の1人で、長姉である。リヒャルト・ワーグナーの『ニーベルングの指環』、またその原典である『ニーベルンゲンの歌』などに異なる立場で登場する。
2014年にテレビアニメ化され、同年4月から7月にかけてTOKYO MXほかにて放送された。
2016年5月時点でコミックス累計発行部数は170万部を突破している。
あらすじ
一度見聞きしたことを忘れない特殊能力を持つ高校生・村上良太は、子供の頃に事故で死なせてしまった幼馴染の少女・クロネコのことが忘れられず、彼女と交わした「宇宙人の存在を証明する」という約束を果たすべくNASAを目指して学年トップの成績を維持し、天文部で毎日夜空を見上げて探し続けていた。
ある日、良太の前にクロネコと瓜二つの転校生・黒羽寧子が現れる。彼女は、非人道的な人体実験を行っている研究所から逃げ出してきた《魔法使い》であり、物体を破壊する「破撃」の力を持った超能力者だった。魔法使いたちの首の後ろには「ハーネスト」と呼ばれる制御装置が埋め込まれており、「鎮死剤」と呼ばれる延命薬を毎日飲まないと、身体を維持することができずに死んでしまうという。
やがて良太は、未来におこる死を「予知」する力を持つ橘佳奈、電子機器を操作する「操網」の力を持つカズミ=シュリーレンツァウアー、他人と位置を入れ替える「転位」の力を持つ鷹鳥小鳥、怪我を治す「再生」の力を持つ若林初菜たちと一緒に暮らし始める。人目を避けながらではあるが、つかの間の穏やかな幸せを感じる仲間たち。
自分たちの能力を駆使して、次々と送り込まれてくる格上の能力を持っている魔女の刺客たちを撃退していく中で、研究所の上層部「高千穂」で進行する恐るべき計画と、それに抗うレジスタンス組織「ヘクセンヤクト」の存在、自らの望みを叶えようとする研究所の所長九千怜の暗躍、そして《魔法使い》についての隠された謎が判明していく。
登場人物
主要人物
村上 良太(むらかみ りょうた)
声 - 逢坂良太(幼少期 - 佐藤利奈)
本作の主人公。NASAの研究員を目指す高校2年生。唯一の天文部員であり、毎日天文台の望遠鏡で星を観察している。学校では女嫌いとして有名だが、クロネコとの過去から接するのが苦手なだけであり、巨乳好きな一面も見せる。2年生でありながら大学模試で全国3位になるほど学業の成績は良く、クラスメイトからも「(上の二人が三年生だから)来年は間違いなく一位」と認められている。一度見たものを全て脳が記憶する能力がある。これは後述の転落事故の際クロネコと共に#ヴィンガルフ(魔女の宮殿)の研究員に作り変えられ得た能力。なぜクロネコは捕らえられ良太は解放されたかは不明だが、アフロディーテ(奈波)は「(理由を)聞いたら死にたくなる」と発言している。2歳の頃に父親と弟は事故で他界しているため、厳格な母親と2人で暮らしており、家事全般を担当している。家庭教師のアルバイトをしている。
崖崩れで死ぬところを寧子に助けられたことで強い恩義を感じており、彼女たちのために食事や住居を提供し、鎮死剤の精製のために奔走し、研究所の刺客に襲われた際は命がけで助けることを決意している。
頭の回転が速く、刺客への対処や敵の施設に乗り込む際の作戦は良太が立案している。一方で女心には鈍感であり、佳奈やカズミからはたびたび指摘されている。
10年前に転落事故で死に別れたクロネコへの想いをずっと引きずっており、記憶を失った寧子へも恋心を抱いていたが、誤解により寧子に嫌われ、カズミから自分への想いを告白されたことで、カズミと付き合うことを決意して交際を始めた。
黒羽 寧子(くろは ねこ)
声 - 種田梨沙
本作のメインヒロイン。良太のクラスに転校してきた美少女。一見スレンダーに見えるが実はグラマラスな体型。身長163cm、スリーサイズはB89/W57/H87でDカップ。容姿がクロネコと酷似しており、当初良太は気づいていなかったが胸の辺りに同じようなホクロもある。身体を改造された「魔法使い」であり、実験台として10年間研究所にいたが移送中に脱走し、捕まると殺されるという状況に追い込まれている。脱走直後は佳奈と共に廃村の空き家に住んでいたが、火の不始末で家を燃やしてしまったため、天文部に移り住んだ。
普段は冷静を装っているが、焦りを感じ始めるとやや感情的になる一面が見受けられる。
自らの周辺に力を伝えて大きな物体をも一瞬で破壊する、「破撃」の魔法を使う。ただし、細かい調節はできず小さなものには向かない。基本的に生き物には通じないが、腕相撲など人間に直接触れた場合には自らの腕力を一時的に強化することができる。近くにある物体を操作して飛ばすことも可能である。ガラス越しでも見えているものには効果がある。
また本人に自覚はないものの良太に好意を抱いており、カズミや初菜が良太にアプローチした際は無意識に嫉妬で周囲の物を魔法で破壊している。
魔法を使用するたびに虫食いのような形で記憶が欠けてしまい、過去の記憶の多くが抜け落ちている。長期間一般社会と隔絶した生活を送っていたこともあり、一般常識に疎く、簡単な漢字も読めず九九も知らないという状態になっているが、決して頭が悪いわけではなくむしろ頭脳明晰かつ優秀で、後に高校の授業にもついていけるようになったうえ、期末試験では良太を抜いて学年1位となった。
カズミによると、元Sクラスの「ヴァルキュリア」と呼ばれる魔法使いであり、最強の破壊魔法を持っていたが、記憶と共に力も失ってしまい、他のBクラスと同様に処分されそうになった。
良太が絶体絶命の窮地に陥った時に現れた奈波の記憶によると、ハーネストの一番上にある非常ボタンを押すことで封印を解除できるが、99.9%の確率で解除に失敗して溶けて死んでしまうと言われている。そのボタンはその後良太によって(アニメ版では彼女自身の手によって)押されたが、封印解除に成功し、クロネコとしての記憶や能力を取り戻した。現在のヴァルキュリア(真子)とは姉妹であり、対をなす裏として作られた、いわば対ヴァルキュリアの切り札である。
破撃の魔法以外にも瞬間移動魔法やマイクロブラックホールを生み出す魔法等を使うことができ、真子との最終決戦では2度に渡ってマイクロブラックホールを用い勝利するも、その代償として良太や魔法使いに関することを含めた一切の記憶を失ってしまった。また、良太とカズミが付き合っていると誤解したことで良太のことを嫌っていた。しかし心の奥底では良太に対する思いまで消えたわけではないようであり、記憶を失う前に残していた自分のノートに書かれていた良太への思いの丈を見たことで、良太への嫌悪感を無くした。
橘 佳奈(たちばな かな)
声 - 洲崎綾
寧子と研究所を脱走して一緒に暮らす魔法使い。14歳。身長150cm、スリーサイズはB80/W51/H72でBカップ。口が悪いが根は心優しい性格。髪型は縦ロールでゴスロリ服を着ている。実験で全身不随になり呼吸するのも困難だが、左手の指が少し動くためにキーボード付きの機械を使って会話はできる。食べ物を噛むことはできないが飲むことはできるため、食事はミキサーにかけたものを食べている。将棋が得意。
「予知」の魔法は発作的に未来の映像を受信し、その予知は100%の確率で当たる。予知は人の死に関わるものだけであり、範囲は数秒後から2日後程度までで、遠く離れた場所の予知はできない。また、予知は行動により未来を変えることが可能で、変わると別の未来が見える。
研究所にいた頃から寧子に身の回りの世話をされており、自身がCクラス判定を受け殺処分されそうになった際に寧子から命懸けで助けられたことから、寧子には並外れた恩義を感じている。カズミによると、「動こうと思えば実は動けるが、その代償として寧子が死んでしまう」と言われており、ハーネストの一番上にある非常ボタンを押すことで動けるようになるが、代償として予知が使えなくなってしまうため、寧子を守るため不自由に耐えていた。
小鳥を救うために九邸へ侵入した寧子達全員の死亡を予知したため、非常ボタンにより動けるようになり、寧子と良太の窮地を救った。その後、良太の計らいで二学期から結花と同じ中学校に編入し、クラスメートとなった。
結花が孵卵したドラシルに食われかけた際には失われた予知能力が、一度発現しただけでハングアップしてしまうものの、以前より詳細に未来を見られる形で戻り、結花を救うことができた。その後は魔法使いが孵卵することに絶望するが、結花の励ましにより生きる気力を取り戻した。
カズミ=シュリーレンツァウアー(Kazumi Schlierenzauer)
声 - M・A・O
寧子たちと一緒に研究所を脱走し、別行動していた魔法使い。身長159cm、スリーサイズはB76/W57/H81でAカップ。識別番号は2670番。ドイツ語に堪能なハーフであるが、関西弁で話しては激しいツッコミを入れる。髪型はショートカット。沙織戦の後、住んでいた場所でダム工事の開発が始まってしまったため天文部に移り住み、「オーストリアの国立アカデミーからの転校生」という設定で良太の学校へ転入しクラスメートとなった。よく良太を下ネタでからかうような発言をするが、実際は処女であり、学校では良太以外の男子生徒と会話しない。
素因数分解を瞬時に計算することが可能でセキュリティ解除などあらゆるパソコンを遠隔操作するといった「操網」の魔法を使用する。ただし、インターネットへアクセスするには専用の機械「インターフェイス」が必要であり、自身のハーネストの両脇にある端子とケーブルでつながなければならない。「インターフェイス」は一般的に市販されているなんらかのパソコン部品と思われる。また、復号できるのはネットワークの暗号のみであり、専用チップの暗号は解けない。
九に連れ去られた小鳥の居場所を割り出すため、研究所のAAAクラスの魔女フレイヤと操網魔法による対決を行ったが、それを上回る実力を発揮し、作戦に成功した。本人いわく自分の能力を殺戮や犯罪のために使いたくないため、全てのテストをいい加減に受けた結果、Bクラス判定された。その後小鳥を救うために九邸へ侵入するも、真子に見つかり首(アニメ版では胴体)を切断され死亡する。しかしその後、初菜の魔法によって再生され生き返った。
「良太の子供を産む」という夢を持っており、瑞花によって死の予知がされた後はその想いがますます強くなり、たまに良太に強引に迫って暴走してしまうことがある。
鎮死剤の量産に成功して薬切れで死ぬ恐れが無くなった後は、寧子・初菜とともにアルバイトを始める際、バイト先にメイド喫茶を提案しており、3人で喫茶店「マーメイド」のメイドとして働いている。
作者の作品を通じて初めての関西弁を話すキャラクターである。
鷹鳥 小鳥(たかとり ことり)
声 - 田所あずさ
カズミと同じ日に転校してきた高校1年生。輸送中の事故で逃走したが、寧子たちとは全く面識がない。身長163cm、スリーサイズはB102/W65/H90でHカップ。髪型はロングヘア。天然ボケでおっとりしていて丁寧語を話す。料理と水泳が得意。普段は温厚な人柄だが、やや食いしん坊で、食べ物のことになると目の色が変わるほど執着する。恋愛に憧れており、恋愛漫画を書くのが趣味。
キカコ戦の後、薬が切れていたために山荘で孤独に死のうとしたが、良太と寧子の説得により生きることを決断し、天文台に移り住んだ。本人は知らないが、研究所から「1107番」として追われている。
自分と他人の位置を入れ替える「転位」の魔法を使用するが、この魔法は一度使うと必ずハングアップする。他人と手をつないで発動すれば一緒に移動できる。また、人間以外の動物とも入れ替わることが可能。位置を入れ替えると、運動エネルギーもリセットされる。
その正体は九の妹である怜那を宿主としたグラーネそのもの。天文台襲撃の際に九達に連れ去られ、自身が怜那を生き返らせるための計画に不可欠な存在だと知る。真子からカズミと初菜を殺したことを知り激昂。グラーネの力が覚醒し、真子をも凌駕する力を身に付ける。しかし同時にグラーネ孵卵の予兆が始まり、女神イズンへ進化が進んでしまう。覚醒による人類滅亡を避けるため、自身のイジェクトを良太に要求。苦悩の末に決断した良太によってイジェクトされ覚醒は未遂に終わり、自身と人類の救済、そして良太たちと過ごした日々に感謝していた。九には黙っていたものの、自分に怜那の意識があることは知っており、死の間際に兄へ本心を吐露して絶命した。
アニメでは真子との戦闘の描写はなく、九と真子が見ている前で自らをイジェクトし、後に駆けつけた良太に兄への最期の言葉を託し、死亡した。その後、良太により千恵の墓の隣に、自分の墓を作ってもらった。
ドレスデンの遺跡に同じ姿、同じ名前を名乗る魔法使いがいる(彼女はグラーネ専用の孵卵器であり、他にも似たような個体がいるとマキナは語った)。
斗光 奈波(とこう ななみ)
若林 初菜(わかばやし はつな)
声 - 内山夕実
寧子たちと一緒に研究所を脱走し、別行動していたBクラスの魔法使い。身長160cm、スリーサイズはB85/W55/H81でCカップ。ショートヘアで左側に一房のお下げがある。脱走時に逃げ遅れたことで大量の鎮死剤を入手していたため、一人で生活していた。その後、真子に襲撃され級友に魔法を見られたことと、鎮死剤を奪われたことで、天文部の魔法使いを頼って合流した。
合流直後に良太が信用できる人間かどうか試したが、自分を犠牲にしても助けようとしてくれた良太に好意を抱き、その場で告白しキスしている。
頭を潰されても死なない「再生」の魔法を使用する。全身を粉砕されてもハーネストさえ無事であれば再生できるが、イジェクトされたり鎮死剤切れになると死んでしまう。脱走後にAクラス相当である他人の怪我を治す魔法も可能になっており、死んだ直後の人間でも生き返らせることはできるが、その代償として自分の体が溶けてしまううえ、能力を使いすぎるとハングアップする。代償で体が溶けたとしても死ぬことはなく、ハングアップが解除すれば再生する。
カズミとともに九邸に侵入するも、真子に見つかり魔法でほぼ全身を粉砕されてしまう。その後自身を再生し、カズミを再生の魔法で蘇らせた。その後、二学期から良太たちの高校に編入した。
佳奈に孵卵することを予知で知らされ、高屋に告白されたことで感情が高まって孵卵が早まってしまい、高屋を食い殺してしまった。その際突然現れたマキナに全身を粉砕されたが、運よくドラシルとハーネストが無事であったため、自身の肉体を再生し、高屋を生き返らせた。
高屋に対しては、当初一般人であることから巻き込まないように避けていたが、自分のために自ら食われるほどの覚悟を見せられたことにより心を動かされ、受け入れた。その後高屋と付き合い始めたものの良太への好意は失われておらず、寧子が良太と一緒にラブホテルから出てきたのを目撃した際は、寧子を問い詰めるなどしている。
アニメでは最初からAクラスの魔法使いであり、真子の監視役として登場する。真子によって監視役が全員殺されたが、初菜は再生能力があるため復活した。ビーコンは真子に破壊されて自由な身となり、鎮死剤を他の監視役の死体から集めて逃走した。真子の独り言から良太たちの居場所のヒントを得て、天文台を探し回り合流した。その後、真子に殺された良太を治すため、ハングアップしたが、のちに再生し、佳奈の非常ボタンを押した。戦いが終わった後、良太達と星を見に行った。
高屋 雅史(たかや)
良太の中学時代からの同級生の男子で、初菜のクラスメート。不良として知られており、春に暴力事件を起こして二学期まで停学処分を受けていたが、元は優等生であり、停学中に海外留学していた。喧嘩が強く、大の男を一撃で気絶させるほどの力を誇る。
偶然立ち寄ったメイド喫茶でバイトしている初菜を見た際に一目惚れし、足しげく通っている。
初菜が魔法使いであり、次の日には孵卵することを良太から聞き出し、一度は良太に「初菜の傍にいてやって欲しい」と頼むものの、良太から「まず自分に出来ることをしろ」と言われたことで、初菜に告白した。しかし初菜が直後に孵卵してしまい、初菜の意識を取り戻すために自ら食われて死亡した。その後、初菜が蘇ったことで再生の魔法を使用されて生き返り、改めて初菜に告白して付き合うこととなった。
初菜に対しては一途であり、それは他の女子から告白されても断っていることからも伺える。しかし男女の交際に関する認識が常識的な範囲から大きく逸脱しており、付き合い出した直後に「いいから黙って俺にセックスされろ」「いいからさっさと服を脱げ!!早く!!」と強引に迫り天文台を借りてそのまま行為に及ぼうとした(その直後に運良く温泉から帰ってきた寧子によって阻止された)。自分の欲望に忠実で、寧子と良太がラブホテルから出てきたときはノリノリで初菜をラブホテルに連れ込もうとした。普段の言動や行動にもそれは現れており、度々初菜をドン引きさせてしまっている。反面、初菜からキツイ一言を言われた際はショックで黙り込んでしまうなど傷つきやすいデリケートな面もある。
良太から魔法使い達の事情を説明され、彼女達が普通の日常を過ごせるよう協力することとなった。
高千穂
ヴィンガルフの上位機関。九や小野寺が研究所のある椅子に座ると、連なる山々が一望できる山頂や滝壺、草原のような様々な場所へ景色が変わる。九の座る椅子から少し離れた前方に向かい合って役員らしき人物が5人座っており、尋問・指示を行う。現生人類の絶滅、および全ての神を滅ぼすことを目的としている。
ヴィンガルフ(魔女の宮殿)
表向きは日本政府の機関、高次生命機構研究所とされている。魔女の素体となる少女の誘拐、魔女の作成、研究、脱走魔女の回収を行っている。警察や自衛隊にも命令を出すことができ、情報を探ろうとするマスコミを処分している。処分されたマスコミのことを知る者達からは「V機関」と呼ばれている。
研究員
九 千怜(いちじく ちさと)
声 - 東地宏樹
研究所の所長を任されている淡い色の髪をした男性。魔女の管理とソーサリアンの組成が仕事だが、寧子らの逃走により作業が遅れている。高千穂からは優秀な研究者であり、計画に欠かせない人物であると一定の評価を受けている。
東大出身であり、小五郎とは同じゼミの出身。史上最高の成績で大学院に進み、研究所に入った。
脱走したヴァルキュリア(真子)の回収のために研究所を出るが、真の目的は真子と1107番を独占し、死んだ妹を蘇らせるためだった。
妹の怜那を女神イズンとして蘇らせるためにグラーネの宿る小鳥を拉致し、素体として失敗作(小鳥に怜那の意識が存在していないと思われていたため)である彼女の内部にあるグラーネを別の素体に移し替え、復活の時を狙っていた。やがて小鳥のドラシルが孵卵し、怜那の意識が存在しない素体でグラーネが覚醒してしまったため、計画は失敗に終わる。しかし小鳥が死に際に発した言葉によって、彼女の意識は怜那のものであったと再認。その後、ヘクセンヤクトの銃撃から怜那の意思に基づき、真子をかばって致命傷を負う。人間の感情を蔑んでいた自身もまた、妹を救うための情を持って動いていたことを情けなく思い、同時に計画の失敗を嘆きながら絶命した。
土屋 邑貴(つちや ゆき)
魔女
沙織(さおり)
声 - 矢作紗友里
殺戮型AAクラスの魔法使い。識別番号は6001番。Aクラスの魔法を2つ使用する「ハイブリッド」。ドレスデン製薬高山工場で寧子を迎え撃ち、抹殺に成功したが、良太によって致命傷を負わされて「転時」を使用し、彼と交渉している間に遠隔操作でイジェクトされて死亡した。
魔法の1つは「斬撃」で、6メートル以内のものは何でも切り刻める。もう1つは「転時」で、1分(正確には50数秒、固定)だけ時間を巻き戻せる。沙織以外は失った1分の記憶がなくなるが、大量の魔力を消費するために使用すると確実にハングアップするうえ、しばらく動けなくなってしまう。
キカコ
声 - 濱頭優
寧子たちが恐れているAA+クラスの魔法使い。識別番号は5010番。ワニのように縦長の瞳孔で目の周りには鱗があり、歯も鋭く尖っている。あまり言葉を話さない。シノたち脱走魔法使いのハーネストを回収する任務の際、寧子たちと交戦した。良太に拘束されたが見逃され、研究所へ戻った後イジェクトされ、処分された。
ハイブリッドではないが、「砲撃」の魔法により口からビームを吐き、広域を破壊する。射程距離も長く威力も強力だが、射出までに数秒のタイムラグがあり、攻撃中の本人は隙だらけになる。ハーネストを素手で引きちぎるほどの腕力もある。右腕の服の中から鏃の付いたロープを発射でき、主に近付いてきた相手を捕らえるために使用する。
斗光 奈波(とこう ななみ)
声 - 沼倉愛美
対象の目を見ることで記憶を覗き、削除できる「視憶」と、記憶を書き込む「操憶」の魔法を持つ魔法使い。身長160cm、スリーサイズはB85/W56/H83でCカップ。髪型はツインテール。クラスは視憶だけならAA+、研究所に隠していた操憶を加味すればAAAとされている。サングラスをかけている相手には効果が無い。また、記憶削除の魔法は良太には効かない。識別番号は5210番。無類の甘党。
1107番の捜索のために九が用いた。研究所では魔法が危険視されており、他の魔女とは隔離されその存在すらほとんど知られていなかった。そのため友人を欲しがっており、任務を遂行したら友人ができるよう要求していた。
1日の自由を得るために監視役の黒服の記憶を操作し、単独で天文部の魔法使いたちの居場所をつかむものの、寧子の人の良さに触れたことで良太らの仲間となった。しかし、直後に記憶を取り戻した黒服によりイジェクトされて死亡した。その際、天文部の魔法使いたちから自身の記憶を削除し、良太には自身の人格を書き込むことで研究所の秘密を伝えた。
また、良太が絶体絶命だと思った時に現れるようにしており、良太が真子に殺されかけた際に寧子の非常ボタンの機能を教えた。
瑞花(みずか)
現存する最高の予知能力者であり、AAAの魔法使い。コードネームは「スカジ」。年齢的には中学生。1107番の居場所を予知するよう命じられた。
低ランクの予知能力者と違い、指示した状況に起こる100%確実な未来を予知できる。予知の際は自身の精神体を任意の時間・場所に飛ばし、未来の状況を把握する。また、その際に未来の人間に話しかけることで未来をある程度は変えられるが、自身の予知はできない。
予知の代償として予知のたびに膨大なテロメアが破壊され、細胞分裂ができなくなる。既に両足と右手が欠損して聴力は衰えて右目も包帯で覆っており、後1回の予知で心臓が停止して死亡してしまう。
1107番の予知をする際、カズミと交渉することで未来を確定させ、研究所に居場所を伝えるが、直後に全身が溶けて死亡した。
アニメでは登場しない。
藤崎 真子(ふじさき まこ)
声 - 能登麻美子
Sクラスの魔法使い。コードネームは「ヴァルキュリア」。容姿は髪の色を除いて寧子に瓜二つ。身長163cm、スリーサイズはB89/W57/H87でDカップ。人間でも魔法使いでも命を軽く扱うため、研究所の人間からも恐れられていたが、1107番を捕獲するために九所長が独断で外部に出した。
人体をたやすく破壊できる念力をはじめ、魔法使いの探知魔法や瞬間移動魔法、アンチマターを生み出して山を削るほどの威力の魔法など、さまざまな魔法を使うことができる究極のハイブリッドであり、封印されている間に9個目と10個目の魔力を発現させた。監視としてつけられていた防御・制圧系の魔法を持つAおよびAAクラスの魔女7人を殺害して鎮死剤を奪い、天文部を強襲した。その場は寧子の説得に応じて引き下がったが、九と合流した後再度天文部を強襲した。しかし魔女狩りの妨害に遭って小鳥をさらい、九の別荘に逃亡した。
冷酷な性格だが、寧子を殺すことにはためらいを見せている。また、九にはかつて命懸けで助けられたことで好意を抱き、死んでも命令に従うつもりでいる。九からは単に利用するための存在としか思われていないが、当の本人はまんざらでもなく、むしろ彼のそういった考えに満足している模様。九が死亡したことにより世界に絶望し、人類を滅ぼそうと決意する。
動けるようになった佳奈に隙を突かれ、首を切り裂かれて死んだと思われたが、その直後に11個目の魔法として発現した再生魔法により復活し、良太たちを再び窮地に陥れる。その後、元ヴァルキュリアとしての記憶と力を取り戻した寧子と最終決戦を繰り広げる。最終的には寧子のマイクロブラックホールによってハーネストとドラシル以外が全て消滅し、ドラシルだけの状態になってもハーネストへと戻ろうとしたが、良太によってドラシルを潰されてその生涯に幕を閉じた。ただし、ドラシルが潰れる直接の描写はなかった。
アニメでは、九が死亡した直後に反物質を生成し、周りを吹き飛ばそうとするが、寧子がその場で覚醒し、彼女のマイクロブラックホールによって倒された。また、追加能力の発現がなかった。
高千穂からは死の女神、「ニヴルヘル」への入口であり、ソーサリアンの生成に必要なものとされている。
藤崎真子の名は、極黒のブリュンヒルデ連載前の読み切り「きみとこうかん」のヒロインにも使われている。
フレイヤ
理依(りえ)
美咲(みさき)
るるみ
その他の魔法使い
ヘクセンヤクト
研究所の元研究員が、研究所の非人道的な計画を阻止するために結成したレジスタンス組織。東京の外れの廃工場に拠点を構えており、地下には大規模な設備を保有している。「ヘクセンヤクト」は魔女狩りを意味するドイツ語。
茜(あかね)
声 - 近藤唯
研究所内部に送り込まれたスパイの一人。寧子たちが輸送されていた際、装甲車に乗っていて事故で下敷きになった女性。白衣を着ており、髪型は黒髪で長めのおかっぱ。「人類を破滅から救えるのはおまえしかいない」と、寧子に情報端末や「宇宙人の受精卵」を液体窒素で冷凍保存したシリンダー状の容器を入れた封筒を渡した。
カズミによると、魔法使いたちが脱走する事故を引き起こした張本人だが、本人はその影響で死んでしまったとのこと。
美樹=ノイマイアー(みき - )
声 - 佐藤利奈
ヘクセンヤクトのリーダー格の女性。シスター服を着ている。ドラシルやグラーネを危険視しており、魔法使いたちを全員殺害しようとしている。
グラーネ、ヴァルキュリアの危機を回避した後は天文部の魔法使いたちの貢献を認め、UAVによる監視に留めるなど、態度を軟化させた。
イニシャライザー
声 - 皆川純子
ヘクセンヤクトの構成員。幼い少年のような風貌をしている。美樹からはレンと呼ばれており、マキナからはおじさんと呼ばれている。
ドラシルと同様の原理で魔法使いの魔法を中和し、封じることができる。中和できる時間には制限があり、相手がどんな魔法を使うのか知らなければ中和できない制約がある。
また、孵卵したドラシルを一撃で消滅させるなど、中和以外にも能力がある模様。しかし、新月の前後3日間は能力が使えなくなってしまう。
「イニシャライザー」は個人名ではなく魔法中和能力者の総称であり、同様に「イニシャライザー」と呼ばれる別の存在がヴィンガルフにもいる。
黒服
声 - 鈴木達央
研究所で脱走魔女の捕獲任務を任されていた男性。ヴィンガルフの中でも数人しかいない、すべての情報を開示されている上級研究員である。
この呼び名の初出はアニメ版第3話のキャスト名。(原作での初出はアニメ放映の約3ヶ月後の連載第107話)
原作劇中では、初菜やるるみ達研究所内の魔法使いからも黒服さんと呼ばれており、本名は不明のままである。良太らの思わぬ抵抗に遭い失敗を繰り返したため解雇を宣告された。土屋に仕事の引き継ぎと助言を残して表向き研究所を去ることになるが、外へ護送される車内で頭部を銃撃され、車ごと崖下に落とされた。死亡したと思われていたが、奇跡的に銃弾がそれたため、のちに廃人状態での生存が確認された。
病院で寝たきりになっており、口封じのため研究所から派遣された魔女に暗殺されそうになっていたが、「ヴィンガルフから来た」という一言を残していたことから、嗅ぎつけた美奈達により意識の無いままさらわれ、美奈の家で匿われていた。目を覚ました後は美奈の家を抜け出し、奈波達の敵討ちのために天文部の魔法使い達を殺害しようとしたが、反撃にあった上に良太の記憶の中の奈波に説得され、敵討ちを断念した。美樹から九の最期を聞かされたことで研究所に肩入れする動機を失い、ヘクセンヤクトに参加することになった。
「過去」の登場人物
クロネコ
その他の人物
柏木 リサ(かしわぎ リサ)
八田 結花(はった きっか)
声 - 本多真梨子
良太の家の近所に住み、家庭教師として勉強を教えてもらっている少女。中学三年生。吹奏楽部に所属している。良太に家庭教師を長く続けてもらうため、勉強を頑張っている。性格はツンデレで髪型はツインテール。
二学期に佳奈と再会し、良太に頼まれたこともあって佳奈のことを気にかけている。るるみに魔法で襲撃され、佳奈に助けてもらったことで魔法使いの存在を知るようになり、佳奈の力になろうとしている。
連載166話で「新人類のイブ」としてヴィンガルフに連れて来られるが、その後登場する事はなく、単行本ではシチュエーションごとカットされた。
柱谷 小五郎(はしらたに こごろう)
声 - 伊藤健太郎
良太の叔父。32歳の独身。アメリカの研究機関から招聘を断り、地方の大学で生化学の教授をしている。超常現象には否定的だったが、寧子の魔法を直接見たことで興味を示して良太に協力し、彼から鎮死剤の複製と宇宙人の受精卵の調査を頼まれた。秋山に受精卵の分析と胚の分割を依頼し、その後、胎児まで成長したサンプルをNASAの知り合いに送る。髪は長めで黒く、背が高くフルリムのセルフレーム眼鏡をかけている。普段は瞑ったかのような細く水平な目をしているが、まぶたを開くと鋭い吊り目である。父親を亡くしている。研究所所長である九とは学生時代の旧友であるが、現在は疎遠となっている。
本人いわく独身なのは「モテないからではなく女はバカなので嫌いだから」とのこと。自転車に乗っても吐いてしまうほど、極度の乗り物酔い体質でもある。
愛菜(あいな)
秋山(あきやま)
橘 美奈(たちばな みな)
根井(ねい)
多恵(たえ)
用語解説
魔法使い / 魔女
AAA(トリプルエー)、AA(ダブルエー)、A、B、Cというランクがあり、研究所にはAクラス以上の魔法使いが残され、出来損ないのBクラス以下は過酷な人体実験ののち処分場へ送られる。AAA一人を組成するためには、何百人もの魔法使いを費やす必要があり、数人しかいない。また、AAA以上の魔女にはコードネームがつけられている。
AAAのさらに上に位置するSクラスも存在し、小鳥の供述では人類を何度も滅ぼせるほどの魔法を持っているとされるが、管理・運用が困難なこともあり、カズミの供述によると刺客には用いられない。
ハーネスト
右下の「ハングアップボタン」を押すと魔法が丸一日使えなくなる。左下の「イジェクトボタン」を押すと直後に身体がドロドロに溶けて死んでしまうが、髪、脊椎、肋骨は残る。一部の内臓や他の骨も残る場合がある。
一番上のボタンは魔法使いによって機能が違い、研究所によって封じられていた能力が発現する魔法使いもいれば、ただ死ぬ以上の苦しみを感じて死ぬ魔法使いもいる。
連載129話の時点で、藤崎真子、小野寺の2名は新型のハーネスト(ハングアップまでの魔法容量の増大、簡易なイジェクトの防止等)を備えている。
良太はHer nest(彼女の巣)という意味であると解釈している。
ハングアップ
ハングアップボタンを押したまま中央方向にスライドさせれば、時間が経過してもハングアップ状態を維持できる為、探知魔法にかからなくなる。
理由は不明だが、非常ボタンを押す前の佳奈はハングアップした状態でも予知を受信できた。
ビーコン
鎮死剤(ちんしざい)
記号番号はDR623G。ドレスデン製薬が製造しているが、基本的に研究所でしか入手できない。小五郎の調査によると、現物からの複製には半年から数年かかるという結果が出た。また、魔法使いの体が溶けるのは体内でプロテアーゼが分泌されているからであり、鎮死剤によってプロテアーゼの作用を止めていると考察されている。
ドレスデン製薬
ドラシル
グラーネ
1107番
7620番
ヴァルキュリア
宇宙人
ソーサリアン
高千穂のリーダーが九の仕事として「ソーサリアンの組成」を挙げている。土屋が研修初日に紹介された「A008」と呼ばれるソーサリアンは物語開始の20年前に組成された出来損ないであり、DNAの塩基配列がATGCではない。また、地球上に存在しない分子が含まれている。
情報端末
教会
シリンダー
その後、分割された一方はヘクセンヤクトに取引の際に引き渡され、もう一方は小五郎によってNASAへサンプルが送られる。
黒服は「神族の受精卵」、ヘクセンヤクトは「タリスマン」と呼称した。
書誌情報
漫画本編
- 岡本倫 『極黒のブリュンヒルデ』 集英社〈ヤングジャンプ・コミックス〉、全18巻
巻数 | 発売日(奥付発行日) | ISBN |
---|---|---|
1 | 2012年5月18日(5月23日) | 978-4-08-879348-1 |
2 | 2012年8月17日(8月22日) | 978-4-08-879397-9 |
3 | 2012年11月19日(11月24日) | 978-4-08-879433-4 |
4 | 2013年2月19日(2月24日) | 978-4-08-879524-9 |
5 | 2013年6月19日(6月24日) | 978-4-08-879564-5 |
6 | 2013年9月19日(9月24日) | 978-4-08-879651-2 |
7 | 2013年12月19日(12月24日) | 978-4-08-879669-7 |
8 | 2014年3月19日(3月24日) | 978-4-08-879805-9 |
9 | 2014年4月18日(4月23日) | 978-4-08-879806-6 |
10 | 2014年7月18日(7月23日) | 978-4-08-879865-3 |
11 | 2014年10月17日(10月22日) | 978-4-08-890055-1 |
12 | 2015年1月19日(1月24日) | 978-4-08-890103-9 |
13 | 2015年4月17日(4月22日) | 978-4-08-890146-6 |
14 | 2015年7月17日(7月22日) | 978-4-08-890229-6 |
15 | 2015年10月19日(10月24日) | 978-4-08-890275-3 |
16 | 2016年1月19日(1月24日) | 978-4-08-890343-9 |
17 | 2016年5月19日(5月24日) | 978-4-08-890387-3 |
18 | 2016年5月19日(5月24日) | 978-4-08-890436-8 |
特別編
ミラクルジャンプ2014年6月号掲載の12ページ読み切り。単行本未収録。
鷹取小鳥と、彼女に思いを寄せるクラスメイトの平野とのショートエピソード。
また同誌には、横槍メンゴ『君は淫らな僕の女王』、サンカクヘッド『干物妹!うまるちゃん』とのコラボピンナップが掲載されている。
小説
- 成上真 著『極黒のブリュンヒルデ The Moment』 集英社〈ジャンプ ジェイ ブックス〉
- 2014年4月18日発売、ISBN 978-4-08-703313-7
- 2014年4月18日発売、ISBN 978-4-08-703313-7
テレビアニメ
原作 | 岡本倫(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載) |
---|---|
監督 | 今泉賢一 |
シリーズ構成・脚本 | 北島行徳 |
キャラクターデザイン 総作画監督 |
烏宏明 |
プロップデザイン | 宮川治雄 |
美術監督 | 氏家誠 |
色彩設計 | 佐野ひとみ |
撮影監督 | 阿部安彦 |
CGディレクター | 福士直也 |
編集 | 平木大輔 |
音響監督 | 土屋雅紀 |
音楽 | 鴇沢直 |
音楽プロデューサー | 小嶋遼、近藤貴郎 |
企画プロデューサー | 森尻和明 |
プロデューサー | 奈良駿介、伊藤憲浩、角田博昭、木村文彦 |
制作プロデューサー | 小澤一由、川上竜太郎 |
プロデュース | ジェンコ |
制作 | アームス |
製作 | 「極黒のブリュンヒルデ」製作委員会 |
2014年4月よりTOKYO MX、読売テレビ、中京テレビ、BS11ほかで放送された。テレビ放送13話+OVA1話の全14話。
監督は『家庭教師ヒットマンREBORN!』や『生徒会の一存 Lv.2』の今泉賢一、シリーズ構成は『ハマトラ』でプロジェクト構成を担当した北島行徳、キャラクターデザインは『まおゆう魔王勇者』の烏宏明、アニメーション制作は『ウィザード・バリスターズ 弁魔士セシル』のアームスがそれぞれ担当する。
テレビアニメ化に際して初菜の設定や動向が原作と異なるなど大きく改変されており、物語の進行具合が中盤以降は駆け足気味となっている。
本作と同じく岡本倫の作品でアームスがテレビアニメ化を手掛けた『エルフェンリート』と同様に、女性陣のサービスカットはふんだんに盛り込まれているが、そのためにも女性陣の身体は全裸を基本とした設定が作り込まれており、本編ではそれに沿ってバストサイズなどプロポーションの違いも1人ずつ描き分けられている。
BD / DVDは単巻では発売されず、全2巻のBOXで発売された。そのうち第2巻は、第13話がテレビ放送版ではなくディレクターズ・カット版となっているほか、第11.5話に相当するOVA「から騒ぎ」が収録されている。作画が修正されてクオリティが向上しているほか、本放送時に規制されていたグロテスクな箇所が解禁されているが、その素材の一部は2014年10月から読売テレビで行われた再放送版にも用いられており、グロテスクな箇所も一部は解禁されている。原作者・岡本の意向により、乳首の輪郭はアダルトゲームでしばしばみられるようなグラデーションを成す描写になっている。
主題歌
オープニングテーマ
「BRYNHILDR IN THE DARKNESS -Ver. EJECTED-」(第1話 - 第9話、第11.5話)
インストゥルメンタル曲。第13話では挿入曲として使用。
「Virtue and Vice」(第10話 - 第13話)
エンディングテーマ「いちばん星」
歌 - 黒羽寧子(種田梨沙)、橘佳奈(洲崎綾)、カズミ・シュリーレンツァウアー(M・A・O)、鷹鳥小鳥(田所あずさ)
各話リスト
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
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第1話 | きみを待ちながら | 今泉賢一 | 竹下健一 | 鳥宏明 |
第2話 | 魔法使い | 玉田博 | 村司晃英、松本純平 | |
第3話 | 鎮死剤 | 駒屋健一郎 | 小関雅 | |
第4話 | 失われた記憶 | 渡部周 | 松本純平、Jang Min Ho | |
第5話 | 天体観測 | 西村博昭 | Lee Sang Min | |
第6話 | 微笑の理由 | 高村雄太 | 濱中明子、村司晃英 | |
第7話 | 希望のかけら | 松本マサユキ | 中村深雪 | |
第8話 | 残された手がかり | 渡部周 | 松本純平、Yu Min Zi | |
第9話 | 模造の記憶 | 駒屋健一郎 | 荒尾英幸 | |
第10話 | 生きている証 | 高村雄太 | Jang Min Ho、Yu Min Zi | |
第11話 | 突然の再会 | 西村博昭 | Park Hey Ran、Lee Seok In | |
第11.5話 | から騒ぎ | 中野英明 | 服部憲知、園田高明 一居一平、津熊健徳 | |
第12話 | 魔女狩り | 今泉賢一 | 渡部周 | 松本純平、Yu Min Zi 洪範錫 |
第13話 | 守りたいもの | 今泉賢一 | 鳥宏明、今泉賢一 Hue Hey Jung |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
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東京都 | TOKYO MX | 2014年4月6日 - 6月29日 | 日曜 22:00 - 22:27 | 独立局 | |
近畿広域圏 | 読売テレビ | 2014年4月8日 - 7月1日 | 火曜 1:59 - 2:29(月曜深夜) | 日本テレビ系列 | 『MANPA』第1部 |
中京広域圏 | 中京テレビ | 火曜 2:22 - 2:52(月曜深夜) | |||
日本全域 | BS11 | 火曜 3:00 - 3:30(月曜深夜) | BS放送 | 『ANIME+』枠 | |
AT-X | 2014年4月11日 - 7月4日 | 金曜 23:00 - 23:30 | CS放送 | リピート放送あり | |
BS日テレ | 2014年10月7日 - | 火曜 2:30 - 3:00(月曜深夜) | BS放送 | 実質再放送 | |
日テレプラス ドラマ・アニメ・スポーツ |
2014年11月1日 - | 土曜 1:30 - 2:00(金曜深夜) | CS放送 |
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
日本全域 | バンダイチャンネル | 2014年4月8日 - 7月1日 | 火曜 12:00 更新 | ネット配信 | |
ニコニコ生放送 | 火曜 23:30 - 水曜 0:00 | ||||
ニコニコチャンネル | 2014年4月9日 - 7月2日 | 水曜 0:00 更新(火曜深夜) |
BD-BOX / DVD-BOX
巻 | 発売日 | 収録話 | 規格品番 | ||
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BD | DVD | ||||
I | 2014年7月30日 | 第1話 - 第6話 | VPXY-72932 | VPBY-10993 | |
II | 2014年9月24日 | 第7話 - 第13話 | VPXY-72933 | VPBY-10994 |
サウンドトラック
- 極黒のブリュンヒルデ オリジナル・サウンドトラック(2014年4月23日発売)
Webラジオ
『ラジオ 極黒のブリュンヒルデ カズミと小鳥の「いちばん星み〜つけた!」』のタイトルで、2014年4月10日から12月25日までHiBiKi Radio Stationにて配信されていた。隔週木曜日更新。出演はM・A・O(カズミ=シュリーレンツァウアー 役)、田所あずさ(鷹鳥小鳥 役)。
ゲスト
- 第3回(2014年5月8日) - 洲崎綾(橘 佳奈 役)
- 第4回(2014年5月22日) - 種田梨沙(黒羽 寧子 役)
- 第12回(2014年9月11日) - 沼倉愛美(斗光 奈波 役)
- 第13回(2014年9月25日) - 内山夕実(若林 初菜 役)
- 第15回(2014年10月23日) - 逢坂良太(村上良太 役)