模型の時代
以下はWikipediaより引用
要約
『模型の時代』(もけいのじだい)は、小松左京のSF短編小説。初出は『オール讀物』1968年1月号。
1971年には小松と親交のある漫画家の松本零士により、漫画化されている。
ストーリー
人工授精と人工子宮による胎児培養が社会的に軌道に乗り、育児・教育が家族ではなく社会によって行われるようになり、生産がすべてオートメ化し、労働時間がほとんどゼロになった時代。女は「母」であることをやめて「お人形あそび」に凝りだし、男はプラモデルの模型づくりに熱中するようになっていた。模型も次第に高性能になり、実用目的で使えるどころか、本物よりもはるかに高い実用性を持つものまで出回るようになっていた。人々はプラモデル製の“プラハブ”住宅に住み、街には原寸大のプラモデル・カーがあふれ、高さ120メートルの超高層ビルの模型が貸しビルとして使われていた。
世界最小模型の新記録に挑戦するため、全長0.5ミリのロールスロイス“シルバークラウド”の模型を製作中だった「ぼく」は、友人の井筒から、全長0.3ミリのキング・タイガー戦車の動く模型を作ったやつがいる、と教えられて打ちのめされる。
井筒の友人である諸星段一は、実寸大の戦艦大和を作り上げる。原寸大モデルが実用品として使われている風潮に反発した諸星は、役に立たない、ばかばかしいものを作り上げることに凝りだしたのである。
ところが上には上がいて、原寸大の日本列島を作ろうとする男が現れた。意地になった諸星と井筒、それに「ぼく」は、原寸大の「月」を作ろうとする。
登場人物
ナナ子
井筒
漫画
松本零士により漫画化され、『週刊少年マガジン』(講談社)1971年9号に掲載された。「ぼく」の名前が「左京」となっているほか、諸星段一にあたるキャラクターに、同作者による『男おいどん』の主人公・大山昇太のキャラクターがそのまま使用され、名も「大山」になっている(大山とは別に、「諸星」という人物も名前だけ登場する)。
松本の短編集『空間機甲団』(奇想天外社、1978年10月)や、小松左京原作作品のアンソロジー『小松左京原作コミック集』(小学館、2003年12月。ISBN 4-09-179422-X)に収録されている。