機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像
漫画
作者:北爪宏幸,
出版社:角川書店,
掲載誌:ガンダムエース,
レーベル:カドカワコミックス・エース,
発表期間:2001年6月 - 2009年10月,
巻数:全14巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』(きどうせんしガンダム Char's Deleted Affair わかきすいせいのしょうぞう)は、北爪宏幸の漫画作品。角川書店の雑誌『ガンダムエース』創刊号から2009年10月号にかけて連載された。
概要
アニメ『機動戦士ガンダム』のキャラクターであるシャア・アズナブルを主人公に、後にクワトロ・バジーナとしてエゥーゴに身を投じるまでの一年戦争終結からグリプス戦役にかけての空白の7年間を、主にハマーン・カーンとの関係に主軸を置いて描いた作品。『0083』『Ζ』『ΖΖ』『逆襲のシャア』の登場キャラクターやメカニックも一部登場しており、時間軸のつながりを感じさせる構成となっている。本作は劇場版『機動戦士ガンダムIII』から繋がる形で描かれており、冒頭でマ・クベ(TV版では劇中で戦死)が登場する事からもそれが窺える。
作者の北爪は『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムΖΖ』『逆襲のシャア』に作画・キャラクターデザインで関わっており、『ガンダムエース』誌に連載された『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』や『機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル』と並ぶ看板作品となった。作者は当初『機動戦士Ζガンダム』の漫画化を依頼されたが、それならば空白時期を自分の解釈で書いてみたいとしてこの作品が誕生することとなった。ハマーン・カーン役の榊原良子も本作を評価しており、劇場版『機動戦士Ζガンダム A New Translation』のキャラクター作りに役立ったという。
「公式ガイドブック」では書き下ろし1話、14巻では雑誌「Ζガンダムエース」で掲載された読み切り漫画『My First Triumph』『SAYONARA』がそれぞれ収録された。なお、『ガンダムエース』2002年12月号増刊にて、ハマーンと幼いマシュマー・セロとの出会いを描いた番外編『或る日 -H.D.A.-』が未完成の状態で掲載されたが、こちらは単行本未収録作品となっている。後にガンダムエース2010年12月号の特別付録「ガンダムエース0号」にて、オールカラーで仕上げられた完全版が掲載された。
なお、同作者の漫画『機動戦士Ζガンダム Define』は、本作品の設定を引き継いで描かれている。
あらすじ
ア・バオア・クーでキシリア・ザビを射殺してザビ家への復讐を果たしたシャアは、亡きララァ・スンの思念の導きによってゼナ、ミネバ母子の脱出行に同行、小惑星アクシズへと向かう。そこでアクシズの指導者マハラジャ・カーンと、その娘でニュータイプの資質を持つ少女ハマーンと出会う。
一方、アクシズ内ではマハラジャら穏健派とエンツォ率いる武闘派との派閥抗争が激化、マハラジャを支持するシャアとエンツォに祭り上げられたハマーンとの間に亀裂が生じていく。やがてジオン共和国に出向くことになるシャアだがその最中、指導者のマハラジャが倒れ…。
主要キャラクター
本作では原作アニメのキャラクターが数多く登場するが、ここでは主要キャラクターのみ記述する。
アクシズ
シャア・アズナブル
大佐。ザビ家への復讐を果たしたのち小惑星基地アクシズへと逃亡。父ジオン・ズム・ダイクンの思想に理解を示し無血による宇宙移民者の自治権確立を求めるマハラジャに共鳴し、以後アクシズ内の穏健派としてミネバ・ザビの皇室警護官に任命される。宇宙世紀0081〜0082年の地球連邦小惑星機動艦隊襲撃事件と、その捕虜脱走事件でアクシズ兵士の練度や強硬派の拙速さが露呈し、新たな方針を模索し始める。宇宙世紀0082年10月にハマーンのサイド3視察の随行役に任命。これが強硬派の策略と知りつつも承諾し、地球圏到達後に以前から接触のあったジオン独立同盟と合流。党首カイザス・M・バイヤーからは父の遺志を継ぎ決起するよう打診されるが時期尚早として固辞した。なお、アクシズに帰還するまでの間に強硬派が「真ジオン公国軍」を名乗ってクーデターを起こして内戦状態となる。戦闘をハマーンらに任せ、シャア自身はわずかな部下と共に潜入。首謀者であるエンツォ大佐の捕縛と背任行為を公表して鎮圧した。
積極的な独立運動を推奨する意見の相違からハマーンをニュータイプおよび指導者として将来を期待していたが、自身と深い関係を持つナタリー・ビアンキ中尉の強硬派残党による殺害を黙認したことを決め手に決別。
U.C.0083年10月29日、ジオン独立同盟から知ったエゥーゴに参加するため、表向きは地球圏偵察を名目に船団を率いて退去。ルナツーで「クワトロ・バジーナ」の連邦軍籍を得て、運命の地グリーン・オアシスへと潜入する。
ハマーン・カーン
マハラジャの次女で後のアクシズ摂政。15歳の誕生日を境にエンツォの策略でミネバの世話係になる。後のカリスマ的指導者の片鱗も見られるが、容姿・性格共に既存作品の面影は希薄で、シャアに憧憬を持つ可憐なる少女。
正規パイロットではないが、緊急時にはNT専用MSシュネー・ヴァイスで出撃し、不安定ながら優れたNT能力を発揮する。サイズがすぐに合わなくなるノーマルスーツ着用せずにモビルスーツに搭乗することもあった。
U.C.0083年8月11日、内乱終結後の各派閥を纏め上げるため、シャアらの後押しで摂政に就任。父が標榜としていた無血による独立自治権獲得とは違い、アクシズの指導者として武力による独立を目指す。U.C.0086年2月6日、アクシズは地球圏へ向けて移動を開始する。
ナタリー・ビアンキ
マハラジャ・カーン
アンディ
リカルド・ヴェガ
エンツォ・ベルニーニ
オリジナルキャラクター。大佐。アクシズの兵力総括顧問。戦争継続による独立獲得を求める急進派のリーダーで、裏で様々な策謀を繰り広げる。個人としての才覚器量には乏しいが、独立志向の強いアクシズで彼に共鳴する者は多い。敵対者には容赦しないが、部下の死を嘆くなど自分に近い人物に対してはそれなりに思いやりがある。ただし、他人を立身出世の道具として扱う傾向が強く、マハラジャ提督の穏健さに付け込んだ身勝手な振舞いも多い。またクローン兵士部隊の創設を極秘に推し進めている。ハインツの死に対する関与の疑惑を暴露されたことをきっかけに、アクシズの実権を握るため「真ジオン公国軍」を名乗りU.C.0083年7月31日にクーデターを起こす。クーデターは失敗に終わったものの、結果として思惑通り急進派を促す結果となった。
ファビアン・フリシュクネヒト
ハインツ・ヴェーベルン
ジェシカ・ディアス
ヤヨイ・イカルガ
ジェレミー・ヴァンダム
スミレ・ホンゴウ
オリジナルキャラクター。准尉。アクシズでサイコミュ兵器の開発に従事していた技術士官。ナタリーの士官学校での後輩にあたる。制御システムごとMSに搭載可能な小型サイコミュ兵器(後のファンネル)、及び同兵器を搭載したNT専用次世代MS(後のキュベレイ)の発案・設計者である。所属するサイコミュ研究部門がエンツォ大佐の管理下にあったため、アクシズ内乱時にはエンツォ派の下でトゥッシェ・シュヴァルツのオペレートを担当していたが、強化人間にされた同期の友人レベッカ・ファニング少尉が戦闘中に廃人になってしまった事を受けエンツォ派のやり様に嫌気が差し、ガンダリウムγの組成図を持ち出して穏健派に寝返った。さらには慕っていたナタリーの死によって退役を決意、シャア一行と共に地球圏へ向かい、その後はアナハイム・エレクトロニクスに身を寄せた。
地球連邦
グリーン・ワイアット
その他
オクサーナ・ボギンスカヤ
カイザス・M・バイヤー
ジョルジョ・ミゲル
カムジ
ジェラルド・シンクレア
主なMS・艦船
アクシズ
地球連邦軍
ティターンズ
エゥーゴ
単行本
- 第1巻 2002年11月22日刊行 ISBN 4-04-713511-9
- フィギュア付き初回完全限定版 2002年9月1日刊行 ISBN 4-04-900753-3
- 第2巻 2003年11月25日刊行 ISBN 4-04-713582-8
- 第3巻 2004年7月26日刊行 ISBN 4-04-713642-5
- 第4巻 2004年12月25日刊行 ISBN 4-04-713689-1
- フィギュア付き初回完全限定版 2004年12月13日刊行 ISBN 4-04-900767-3
- 第5巻 2005年5月26日刊行 ISBN 4-04-713711-1
- 第6巻 2005年10月26日刊行 ISBN 4-04-713755-3
- 第7巻 2006年3月25日刊行 ISBN 4-04-713803-7
- フィギュア付き初回完全限定版 2006年3月10日刊行 ISBN 4-04-900779-7
- 第8巻 2006年8月26日刊行 ISBN 4-04-713844-4
- 第9巻 2007年7月26日刊行 ISBN 978-4-04-713942-8
- 第10巻 2007年12月26日刊行 ISBN 978-4-04-715002-7
- 第11巻 2008年7月26日刊行 ISBN 978-4-04-715088-1
- 第12巻 2008年11月26日刊行 ISBN 978-4-04-715135-2
- 第13巻 2009年5月26日刊行 ISBN 978-4-04-715239-7
- 第14巻 2010年3月26日刊行 ISBN 978-4-04-715334-9
- 公式ガイドブック 2010年3月26日刊行 ISBN 978-4-04-715345-5
- フィギュア付き初回完全限定版 2002年9月1日刊行 ISBN 4-04-900753-3
- フィギュア付き初回完全限定版 2004年12月13日刊行 ISBN 4-04-900767-3
- フィギュア付き初回完全限定版 2006年3月10日刊行 ISBN 4-04-900779-7
備考
- ゲーム『ガンダムバトルユニバース』では、「若き彗星の肖像」というエクストラミッションが登場する。本作品での宇宙基地ヴァールシカでの戦闘をモチーフにしており、パーフェクト・ジオングやケンプファー、シャア専用ゲルググなどが出現する。
- ゲーム『SDガンダム GGENERATION WARS』では、『機動戦士ガンダムSEED』のステージのウォーズブレイクによってノイエ・ジールIIを駆った本作の姿に類似したシャアが登場する。なお、この組み合わせは『SDガンダム GGENERATION SEED』の『機動戦士ガンダムΖΖ』のステージの方が先であり(グラフィックはジオンの軍服を着たクワトロの流用で、名称がシャアになっている)、こちらは「グリプス戦役後、ネオ・ジオンに合流したシャア」という設定。