武蔵野夫人
以下はWikipediaより引用
要約
『武蔵野夫人』(むさしのふじん)は、大岡昇平の恋愛小説。1950年発表。戦後を代表するベストセラーとなった。題名どおり東京西部の武蔵野が舞台である。新潮文庫で重版している。ラディゲの『ドルジェル伯の舞踏会』を手本として試みられたロマネスク小説で、没落していく中産階級の姿を描いている。
福田恆存は、世間でこの作品が評価される中、「失敗作だった」とする評論を書き、またその旨を大岡に葉書を送っているが、福田は同作品の舞台の脚色を担当し、『戯曲武蔵野夫人』(旧河出文庫)を出版した(のち『福田恆存戯曲全集 第3巻』(文藝春秋)に収録)。
あらすじ
富士山の見える武蔵野の「はけ」。そのはけに建てられた亡父の家に夫の秋山忠雄と住む道子。この家に道子のいとこの大学生・勉が下宿するようになり、やがて二人は強く惹かれあう。秋山は近所に住む大野英治の妻の富子と姦通しようとしていた。仕事で大野が出張中、秋山と富子は河口湖の旅館で密会。同じ頃村山貯水池に散歩に出ていた道子と勉はキャスリーン台風に襲われ、ホテルで一夜を明かすが、体は許さなかった。勉は武蔵野を出て五反田のアパートに転居するが道子への思いに苦しむ。大野が事業に失敗、金策に奔走する中、秋山夫妻を頼る。やがて両家の夫婦仲はこじれてゆく。秋山は金銭問題と双方の不貞を理由に道子に離婚を迫り、道子は返事をはぐらかす。秋山は家の権利書を持ち出し富子と家出。しかし家を売って金をつくる算段はうまくいかず、富子は勉のアパートへ。やむなく帰宅した秋山は睡眠薬を飲んで倒れている道子を発見。道子はうわごとで勉の名を呼びながら絶命。秋山は涙を流して「すまなかった」と詫びるのだった。
登場人物
宮地勉(24歳)
宮地信三郎
映画
1951年に東宝で映画化された。溝口健二作品として近年再評価の動きがある。東宝からDVDが発売されている。
スタッフ
- 監督 - 溝口健二
- 製作 - 児井英生
- 脚本 - 依田義賢
- 脚色 - 福田恆存
- 音楽 - 早坂文雄
- 撮影 - 玉井正夫
キャスト
- 田中絹代 - 秋山道子
- 轟夕起子 - 大野富子
- 森雅之 - 秋山忠雄
- 山村聡 - 大野英治
- 片山明彦 - 宮地勉
- 進藤英太郎 - 宮地信三郎
- 中村美那子 - 大野雪子
- 平井岐代子 - 宮地民子
- 塩沢登代路(塩沢とき) - 成田はなえ
- 大谷伶子 - 笹本孝子
- 千石規子 - 大野家の女中
テレビドラマ
1960年版
1960年6月12日にフジテレビ系の『百万人の劇場』で放送。
出演者
- 淡島千景
- 根上淳
- 永井智雄
- 角梨枝子
- 片山明彦
スタッフ
- 脚本:田井洋子
- 演出:岡田太郎
- 音楽:宮内國郎
- 制作:フジテレビ
1965年
1965年11月4日から1966年1月20日まで、日本テレビ系列の毎週木曜21:30 - 22:00(JST)に放送された。鐘淵紡績(現:クラシエ)の一社提供。
出演者
- 司葉子
- 池部良
- 高千穂ひづる
- 平田昭彦
- 三上真一郎
- 佐羽由子
スタッフ
- 脚本:生田直親
- 演出:松本準平
- 制作:NTV、東宝
(参考:テレビドラマデータベース)
関連カテゴリ
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