死して咲く花、実のある夢
舞台:死後の世界,
以下はWikipediaより引用
要約
『死して咲く花、実のある夢』(ししてさくはな、みのあるゆめ)は、神林長平のSF小説である。1991年11月・12月にかけて「SFアドベンチャー」に連載された。1992年2月に徳間書店からハードカバー版が、1996年10月にハヤカワ文庫から文庫版が発売されている。
ストーリー
時は近未来(登場人物の台詞から2020年頃と思われる)。「ネコさがし」のコード名を与えられた情報軍・首都圏情報防衛軍団所属の三名の兵士は、産業廃棄物に埋もれ、平野と化した信州で作戦行動を行っていた。作戦名は「マタタビ作戦」。「マタタビ装置」という情報収集装置を用いて、行方不明になった内閣総理大臣・大鳥居佳太(おおとりい けいた)の愛猫オットーを探し出せというものだ。オットーの脳には、人類の未来を左右する非常に重要な情報が入力されているという。
三人が乗る情報車「秋月」はオットーが行方不明になった議員会館近くで捜索を始めたが、マタタビ装置を起動させる直前、情報車の外の風景が様変わりした。無人の荒野やゴミの山が延々と広がり、情報車のシステムがゴミ山の下に30年前の街を発見し、衛星軌道上にはナヴスターではなく未知の航法支援衛星が機能している。更に、情報軍司令部とも連絡がつかなくなってしまった。
ネコさがしチームの隊長・降旗少尉は、ハンドキャノンで空を飛んでいたシロナガスクジラからかすめ取った肉を、部下と共にステーキにして食べながら、二人の部下に対し、「いろいろ考えてみるに、我々が今いるところは、死後の世界であるという見方が一番現実的である」と告げる。
キャラクター
降旗勝(ふるはた まさる)
知念翔起(ちねん しょうき)
大黒桂(だいこく かつら)
斉藤進(さいとう すすむ)
メッセンジャー
メカニック・用語
情報車・秋月
マイクロバスほどの大きさで、車内は外部の空間からほぼ完全に隔離された電磁暗室となっている。車体全体が電磁波の吸収率を変化させられる構造となっており、この機能を用いて、マイクロ波を吸収する事によるアクティブステルスや、地形を利用して多数のゴーストを発生させるなどの事が可能。また、車体に施された微小受発光素子塗装による光学迷彩機能も有しているほか、外部の映像も受発光素子を介して司令席上の全周監視ディスプレイに表示される。そのため、通常の窓は有していない。
情報収集手段として戦術探索コンピューターと戦術支援コンピューター(他の神林作品のメカの様に機械知性体であるかは不明)を搭載しており、これと各種環境探査システムによって一つの戦闘情報システムが形成されている。これに加えて「マタタビ作戦」時には、床下の外部ユニット収納庫にマタタビ装置が搭載された。
動力は燃料電池だが、電波や太陽光なども補助エネルギー源となる。また、機器の排熱を蓄積して緊急時の加速に使用する蓄熱システムも有している。
「車内に幽霊が出る」という噂が絶えないらしい。
マタタビ装置
チャネリング・ヘッド
情報軍
評価
ライターの中山梨花は、パソコン専門誌「MSXマガジン」1992年5月号に寄せたレビュー記事の中で、前半はややたるいが、後半には補って余るものがあると評価している。
参考文献
- 「死して咲く花、実のある夢」(ハヤカワ文庫 ISBN 4150305668 )