小説

残菊物語




以下はWikipediaより引用

要約

『残菊物語』(ざんぎくものがたり)は、村松梢風による日本の短編小説、および同作を原作とする新派の戯曲、日本の映画、日本のテレビ映画である。

1937年(昭和12年)9月、「サンデー毎日」増刊号に掲載され、翌年に同題の小説集が刊行された。1937年10月には、巌谷慎一の脚本により新派劇となり、明治座で上演されている。さらに1939年(昭和14年)に溝口健二監督、1956年(昭和31年)に島耕二監督、1963年(昭和38年)に大庭秀雄監督が映画化、1967年(昭和42年)には塚田圭一がテレビ映画化している。

あらすじ

歌舞伎役者・二代目尾上菊之助の悲恋の物語。身分違いの恋を全うして芸の道に励み、妻は悲しい結末を迎えるが、菊之助は素直で誠実で情愛のこもった人物として描かれている。

1939年版

『殘菊物語』は、溝口作品の中でも評価されている戦前の映画であり、1939年のキネマ旬報邦画ベスト・テン第2位に入賞した。溝口の監督作品の『芸道三部作』の一つとして知られている(ただし、他の『浪花女』、『芸道一代男』は現存しない)。本作は、溝口作品の中で、ほぼ全てが現存する数少ない戦前作品となった(146分中143分現存)。

映像と音声をデジタル修復した版が制作されており、2015年にカンヌ映画祭でプレミア上映されて好評を博した。淀川長治は、黒澤明の『羅生門』、小津安二郎の『戸田家の兄妹』と共に、自身の邦画ベスト3に本作品を挙げている。ブルーレイでも発売されている。

配役
  • 二代目尾上菊之助:花柳章太郎
  • 中村福助:高田浩吉
  • 栄寿太夫:川浪良太郎
  • 尾上松助:高松錦之助
  • 守田勘弥:葉山純之輔
  • 尾上多見蔵:尾上多見太郎
  • 待合の客:結城一朗
  • 新富座の頭取:南光明
  • 同座女形:天野刃一
  • 奥役:井上晴夫
  • 旅廻り太夫元:石原須磨男
  • 同頭取:廣田昂
  • 待合の客:富本民平
  • 旅廻りの役者:保瀬英二郎
  • 芸妓栄龍:伏見信子
  • 同小仲:花岡菊子
  • 同小菊:白河富士子
  • おつる:最上米子
  • 茶店の婆:中川芳江
  • お徳の叔母:西久代
  • 五代目の女中:鏡淳子
  • 同女中:大和久乃
  • 同乳母:田川晴子
  • 芸妓一:柴田篤子
  • 芸妓二:秋元富美子
  • 芸妓三:国春美津枝
  • 女角力:白妙公子

劇団より

  • 五代目尾上菊五郎:河原崎権十郎
  • お徳:森赫子
  • 尾上多見二郎:花柳喜章
  • 按摩元俊:志賀廼家辨慶
  • 待合の女将:柳戸はる子
  • 猿廻しの男:松下誠
  • 角座頭取:島章
  • お徳の叔父:中川秀夫
  • 旅廻りの役者:花田博
  • 實川猿三郎:春本喜好
  • 菊之助の弟子:橘一嘉

大船より

  • 若い者:磯野秋雄

新興より

  • 中村芝翫:嵐徳三郎
  • 五代目の夫人里:梅村蓉子
1956年版
配役
  • 二代目尾上菊之助:長谷川一夫
  • お徳:淡島千景(松竹)
  • 栄寿太夫:黒川弥太郎
  • 守田勘弥:見明凡太朗
  • 中村福助:伊沢一郎
  • 中村芝翫:市川小太夫(松竹)
  • 芸者米子:阿井美千子
  • 芸者小ふみ:三田登美子
  • おつる:中村玉緒
  • 里:吉川満子(松竹)
  • おもと:浪花千栄子(東宝)
  • 尾上多見蔵:寺島雄作
  • 木賃宿の亭主:荒木忍
  • 旅芝居の座員甲:東良之助
  • 芝居茶屋の客:上田寛
  • 医者:南部彰三
  • 旅芝居の頭取:天野一郎
  • 尾上松助:尾上栄五郎
  • 朝日座の頭取:水原浩一
  • 道具屋:石原須磨男
  • 料亭の客:原聖四郎
  • 旅芝居の座員乙:高倉一郎
  • 旅芝居の座員丙:葉山富之輔
  • 実川延二郎:五代千太郎
  • お徳の伯父新作:芝田総二
  • 角座の頭取:玉置一恵
  • 衣裳屋の源さん:横山文彦
  • 延二郎の番頭:岩田正
  • 見物の客A:藤川準
  • 見物の客B:菊野昌代士
  • 越川一
  • 見物の客C:旗考思
  • 福助の弟子:滝川潔
  • 旅芝居の裏方甲:大崎四郎
  • 旅芝居の裏方乙:大国八郎
  • 旅芝居の座員丁:愛原光一
  • 待合の女将:金剛麗子
  • 茶屋の婆や:小松みどり
  • 芝居茶屋の内儀:小林加奈枝
  • 尾上家の女中:前田和子
  • 京都の宿の女中:仲上小夜子
  • 国枝勢津子
  • 高原朝子
  • 菊五郎の番頭:市川壽美蔵
  • 嵐璃昇:嵐三右衛門
  • 五代目尾上菊五郎:澤村訥升(九代目澤村宗十郎)
1963年版
配役
  • 二代目尾上菊之助:二代目市川猿之助(初代市川猿翁)
  • お徳:岡田茉莉子
  • 五代目尾上菊五郎:嵐寛寿郎
  • 尾上夫人里:中村芳子
  • 中村福助:津川雅彦
  • 栄寿太夫:北上弥太朗
  • 尾上松助:織田政雄
  • 守田勘弥:黒川弥太郎
  • 中村芝翫:市川小太夫
  • 尾上多見蔵:明石潮
  • 弟子多見三郎:花井緑太郎
  • 按摩元俊:伴淳三郎
  • 按摩元俊娘おつる:岩本多代
  • 朝日座の頭取:三島雅夫
  • 田舎廻りの太夫元:山路義人
  • 旅廻り太夫元:名和宏
  • 芸者小ふみ:冨士眞奈美
  • 芸者米子:千之赫子
  • 柳橋待合の女将:沢村貞子
  • 旅廻りの座頭:曾我廼家明蝶
  • 茶店の婆や:菅井きん
  • 大阪商人:上田吉二郎
  • 福助の弟子:市川猿三郎
  • 菊五郎の家の女中:葵京子
  • 旅廻りの役者:大泉滉
  • 旅廻りの役者:中村是好
  • 木賃宿の老爺:左卜全
テレビドラマ
1957年版
  • 1957年4月8日 - 4月22日『ウロコ座』(KRT。武田薬品工業一社提供)にて放送。
  • 演出:橋本信也
  • 出演者:初代喜多村緑郎、花柳章太郎、初代水谷八重子、大矢市次郎、伊井友三郎
1959年版
  • 1959年7月19日『お好み日曜座』(NHK総合テレビ)にて放送。
  • 脚色:巌谷慎一
  • 出演者:尾上梅幸、山田五十鈴、柳永二郎、市川翠扇、久門祐夫、伊井友三郎、中田三一朗
1962年版
  • 1962年9月5日 - 9月26日『講談ドラマ』(NHK総合テレビ)にて放送。
  • 出演者:二代目中村扇雀、乙羽信子、市川小太夫、中村福助
1967年版
  • 1967年12月14日 - 12月28日『シオノギテレビ劇場』(フジテレビ)にて放映。
  • 監督:塚田圭一
  • 出演:市川門之助、柳永二郎、池内淳子、市川翠扇、大矢市次郎、山茶花究、市川たか志、美田園子
  • 音楽:渡辺岳夫
1973年版
  • 1973年11月14日 - 11月21日『女・その愛のシリーズ』(NET)にて放送。
  • 監督:佐々木康
  • 脚本:野上龍雄
  • 出演者:香山美子、津川雅彦、辰巳柳太郎、東恵美子、佐々木孝丸、滝田裕介、南美江、中村芝鶴