毎日でぶどり
以下はWikipediaより引用
要約
毎日でぶどり(まいにちでぶどり)とは、橋本ナオキによる日本の漫画及びアニメである。ここでは単行本「会社員でぶどり」についても述べる。
概要
作者である橋本がTwitter,Instagram,ブログに2018年1月1日からほぼ毎日(2019年10月以降は土曜日は除く)投稿をしている。
主人公のでぶどりと後輩のひよがブラック企業(名称不明)でハゲタカ部長にこき使われる「でぶどり社畜期」、待遇の良い会社に転職した二羽の日常を描く「でぶどりアルバイト期」「でぶどり正社員期」などに分かれている。
内容は主に4話から10話ほどで一つの話になっているものと、一話で完結する短編、「ありがちなこと」シリーズの3種類に分類できる。
登場人物はすべて鳥であり、初期の漫画では「人柄」「人生」といったように「人」の字の入った言葉をそのまま使っているが、次第に「他の鳥」「大勢の鳥たち」といったように「鳥」と置き換えている。
2019年3月、『会社員でぶどり』として書籍化された。
誕生の経緯
作者によると、LINEスタンプを始めて作った時に、「『LINEスタンプの人気キャラクターは白くて丸いのが多い』という理由から」、太ったニワトリのキャラクターにしたという。社会風刺系の漫画を描いたときに反響が大きかったことから、自らの会社員時代の経験をもとにしたりして話を作ったとのこと。
あらすじ
でぶどり社畜編
でぶどりがブラック企業に入社から10年、ひよが入社してから4年経過していた。でぶどり達は職場の異常さには気づきながらも、なんとなく仕事を続けていた。暫くして、この会社にも働き方改革が訪れる。しかし働き方改革とは名ばかりで残業が禁止になった分、サービス残業が増えるなどの結果となった。これにひよは「本当の働き方改革は自分でやるもの」とブラック企業を退職し、でぶどりの家での共同生活を始める。その後、でぶどりはひよに度々(ひよの発言によると1000回)会社を辞めるために背中を押してもらったのち、なんとか退職を決めることに成功する。
でぶどり転職活動編
でぶどりは様々な会社の面接を受けるも、なかなか採用されない。「目ぼしい所は落ちまくり、行きたい所は募集していない(要約)」と、でぶどりが言うと、既に転職に成功していたひよは「その行きたい所に電話して入社したい旨を伝えること」を勧める。でぶどりは行きたい会社に電話すると「採用はしないが興味があったら遊びに来て」と会社側から伝えられる。 そして、実際に訪問するとアルバイトとしての入社が決まる。後日、ひよと共に通勤をしていくと同じビルに辿り着く。そこでアルバイト入社したのが、偶然にもひよと同じ株式会社ズメックであったと気付く。
でぶどりアルバイト編
でぶどりの入社後は、「ピノさん空を飛ぶ編」「ジャックさん後輩と仲良くなりたい編」など、でぶどりとひよのズメックの社員らとの日常が描かれる。「コンペと陰謀と成長編」では、ジャックがコンペに出ようとしていたところをおナスに妨害され参加できなくなってしまい、その代理としてコンペに参加したひよの代理としてでぶどりがスピーチに参加する。カンペを持って来るのを忘れてしまったものの、自身のブラック企業で働いていた経験を元にスピーチを行い、成功を収める。「オーちゃんと正社員編」では、でぶどりがズメから正社員になるための課題として、オーちゃんの悩みを解決することを挙げられる。始めは自力でやろうとしたが挫折、そしてひよたちの助言を受け、オーちゃんには時間をかけてやりたいことを見つけることを提案。 課題の達成はできなかったものの、でぶどりは正社員になることができた。
でぶどり正社員編
でぶどりは正社員になった少し後に、インターンシップ生としてパロとビルがやってくる。でぶどりはビルを、ピノはパロを担当し、ひよが総括役となる。その後は、社員旅行やズメ社長の入院、ジャックとミシェルの娘のキャロルの誕生など様々なストーリーが描かれている。
ズメックの新卒採用の面接が終わった後、でぶどり、ひよ、ピノ、ジャックの4羽でズメックの新規事業を起こすことになる。休職中のルーク(この時点ではズメとジャックしか顔を知らない)に代わってピノが部長を務める中、若鳥のキャリアサポートを行うこととなる。でぶどり達のブラック企業での経験とピノの会話術が役立ち、順調に事が進むと思われた矢先、経理部からズメックの大型契約が次々と破棄になってしまい、会社の存続が危ぶまれる。そんな中、事情を知ったオオトリが条件は悪いものの仕事を回してくれることになったが、急なことだからと言って条件をよくしてくれる気配はない。そのことについてでぶどりとひよが行きつけのかき氷屋の大将に愚痴をこぼしたところ、周囲の仕事を抑えてその後に条件の悪い仕事を回すというのがオオトリの策略だと大将が明かす。その後大将に励まされたでぶどり達若手の努力もあって消滅した取引が復活し、ルーク(大将)の説得もあってオオトリは非を認めて賠償することに。
その騒動も終わり、インターン期間が終了した後、新入社員としてパロ、ポリー、トールの三羽がズメックに入社。メンターとしてポリーにはひよ、トールにはピノ、パロにはでぶどりがなることになる。
登場キャラクター
作者によると登場人物が鳥になったのは作業の手間を減らし、話の展開やセリフを練るのに時間を割きたかったからだという。可愛いだけでは印象に残らないので興味を持ってもらえるよう、「ホワイト企業に勤める黒いカラス」といったようなギャップを大事にしているという。
でぶどり
ひよ
声 - 藤木英史
でぶどりの後輩のひよこ。一人称は「僕」。ハーバードリ大学を卒業後、海外で起業した友人を手伝った後に、姉に「業績の良くない企業を経験した方が良い」と勧められたため、でぶどりの勤めていた会社に就職。4年間勤務したのち、退職したのちはでぶどりの家で共同生活をしている。その後、ズメックにでぶどりより先に入社。一羽の姉と、その子どものぴよがいる。ブラック企業で働き始めた時に、同僚にミスを捏造されたのをでぶどりにかばわれて以来、彼のことを慕い、「先輩」と呼んでいる。たびたび訪れる姉に照れ隠しから悪態をつくことも多く、でぶどりからはその態度を「思春期の弟か」と評されている。好きな食べ物は刺身。休日は本を読んで過ごす。
でぶどりの前職のブラック企業
ハゲタカ部長
株式会社ズメック
ズメ社長
ピノ
声 - 小林葉月
コミュニケーション能力が高く、誰とでもすぐに仲良くなれるペンギン。一人称は「ぼく」。入社3年目のときにでぶどりたちが入社してきたのででぶどりは後輩にあたるが、ひよが「先輩」と呼ぶのにつられて「でぶどり先輩」と呼んでいる。ペンギンではあるが、でぶどり達の協力により驚いたときに少しだけ飛べるようになった。ペンギンには難しいギターを弾きこなし、ライブも開催している。ペギーによると、ピノは「母親のことがあって気持ちの伝え方として」音楽を始めたという。実の母親は幼いころに亡くなっており、父と継母の鶴に育てられる。実の母親が最期に「ピノにもっと伝えたいことがあった」と言ったのをきっかけとなり、父が伝えたいことを伝えられるように努力した結果、おしゃべりになったという。
ジャック
オーちゃん
パロ
ビル
ポリー
でぶどりの出向先の会社
マルコ
テプテプ
取引先3兄弟
ズメックの主要取引先の三羽。実の兄弟ではないが、四六時中一緒にいて、同じ墓に入ると約束するほど仲がいいのでそう呼ばれている。
名前はそれぞれイヴァン(青)、ジェイコブズ(赤)、トラヴィス(緑)。トラヴィスが他の二羽に助けてもらったのが仲良くなったきっかけだという。
その他登場人物
カラスくん
おナス
ミシェル
オオトリ
ルーク(大将)
でぶどりの行きつけのスイーツ屋台の大将。最初に登場した当時は本名は明かされていなかった。一人称は「オレ」。オオトリの会社を離れたのち、ズメックに入社。ジャックがズメックに入社した時の面談を務めた。その後「部下に厳しくしすぎて」ズメックから離れ、屋台を始めるように(書類上はズメックを休職扱いだったが、ズメックへの復帰をする気はなかった模様)。その後ジャックらの懇願もあり一番下の立場からではあるがズメックへ復帰することに。屋台では新しいことを取り入れるのが得意で、かき氷の種類は、でぶどりがパロを連れて来店した時には68種類となっている(会社員でぶどり3のキャラ紹介では65種類となっている)。ズメックに復帰してからも、ズメ社長の要請もあって、週末だけではあるものの屋台の経営を続けている。
ペギー
ひよの姉
ひよの姉のひよこ。本名は不明。たびたびでぶどりのもとに住むひよを訪ねてきて、ひよからは「自分とは逆で論理ガン無視武闘派体育会系」「他鳥の領域にずけずけ入ってくる」と言われるなど、苦手意識を持たれている一方、タルトを朝から行列に並んで買ってくるなど、慕われてもいる。
カッパ
会社
毎日でぶどりでは主に二つの会社が登場する。
でぶどりの前職のブラック企業
社内規則では、始業時間、休憩時間などの決まりは厳格だが、残業時間については規定がない。壁には、「残業禁止」「残業するならタイムカード切るべし」などと書かれているなど、サービス残業が常態化している。でぶどりたちの退職後、月に1回は土日両方休めるようになり、残業は60時間に減った(書籍では「サービス残業が半分に減った」となっている)。まるどりによるとこれでも労働環境は「かなりマシに」なっているという。
株式会社ズメック
ズメが起業した会社。ビルの6階を丸ごと借りていて、でぶどり達が在籍する部署のほかに経理部などの部署があり、未登場の社員も複数いる。ひよによると在宅勤務可能で週休3日制、年収は前職の倍近くになったという。フレックスタイム、ライフイベントに合わせた休暇や一時金の支給、資格取得など成長のための投資の全面的支援があり、社内託児所や無料の社員食堂の導入を予定している。実際に常設ではなく出張という形式ではあるがヒナ預り所を設置している。
単行本「会社員でぶどり」
- 橋本ナオキ 『会社員でぶどり』 産業編集センター〈SHCブックス〉、既刊6巻(2021年6月1日現在)
- 1巻 2019年3月13日発売、ISBN 978-4-86311-218-6
- 2巻 2019年9月13日発売、ISBN 978-4-86311-237-7
- 3巻 2020年3月13日発売、ISBN 978-4-86311-258-2
- 4巻 2020年8月28日発売、ISBN 978-4-86311-270-4
- 5巻 2021年4月15日発売、ISBN 978-4-86311-294-0
- 5.5巻 2021年5月21日発売、ISBN 978-4-86311-297-1 (公式ファンブック)
- 6巻 2021年9月15日発売、ISBN 978-4-86311-311-4
- 1巻 2019年3月13日発売、ISBN 978-4-86311-218-6
- 2巻 2019年9月13日発売、ISBN 978-4-86311-237-7
- 3巻 2020年3月13日発売、ISBN 978-4-86311-258-2
- 4巻 2020年8月28日発売、ISBN 978-4-86311-270-4
- 5巻 2021年4月15日発売、ISBN 978-4-86311-294-0
- 5.5巻 2021年5月21日発売、ISBN 978-4-86311-297-1 (公式ファンブック)
- 6巻 2021年9月15日発売、ISBN 978-4-86311-311-4
アニメ「毎日でぶどり」
作者の橋本ナオキがYouTubeのでぶどりチャンネルでアニメ化している。過去の漫画に音声をつけただけのものから、新しく描きなおしたものまでと様々な種類がある。登場人物の声は橋本と藤木、小林、山ちゃんが担当しており、BGMは藤木と小林が作曲している。
作者によると、始めは独学で作っていたものの、最近(2019年12月時点)では質の向上のため動画の専門学校に通っているとのこと。
ラジオ番組「でぶどりラジオ」
2020年1月29日、毎週月曜日に作者が司会を務めるラジオ番組「でぶどりラジオ」が放送されている。
2020年4月18日、毎週水曜日にでぶどりラジオの生放送が始まった。生放送第3回の2020年4月29日から第11回の2020年5月6日まで8日連続生放送。その後、不定期で生放送はされている。
ゲストとして藤木が初回から連続出演している。また、小林もゲストとして出演することがある。なお、BGMはアニメ内で使われている楽曲と同じものが使われている。