水滸伝 (漫画)
以下はWikipediaより引用
要約
『水滸伝』(すいこでん)は、横山光輝の漫画。1967年から1971年にかけて潮出版社の『希望ライフ』および『希望の友』に連載された。
概要
本作は、中国四大奇書の1つである『水滸伝』(水滸傳)を漫画化したものであり、横山の漫画作品において中国歴史ものの第1作にあたる。百二十回本を準拠にほぼ原作に忠実に進行するが、後年の『三国志』に比べると遥かにコンパクトなこともあり(それでも当時の少年漫画としてはかなり長大な構想だった)随所に改変、省略が見られる。少年誌という性格上残虐描写、性描写はほとんど削られており、また、当時は日中国交正常化前だったため資料不足からか、細かな誤りも見受けられる。
現在、単行本全8巻、文庫版全6巻が発行されている(単行本のうち本編は第7巻までで、8巻には後に描かれた武松、項充、樊瑞をそれぞれ主人公とした外伝3本が収められている。文庫版には4 - 6巻の巻末に1話ずつ収められている)。また、2011年3月5日から8月5日まで1冊ずつ決定版(B6判)も全6巻発売された。
1973年から1974年にかけて日本テレビで放送されたテレビドラマ『水滸伝』は本作を原案としており、オープニングで原案:横山光輝とクレジットされている。
登場人物
好漢
晁蓋
宋江
呉用
公孫勝
林冲
登場するたびどんどん若返り、著者の次作の『三国志』の劉備と容貌がそっくりになる(ちなみに脚本家の三谷幸喜は『三国志文庫版』のあとがきで、劉備がどうしても林冲に見えてしまい好きになれなかったと語っている)。
行動などはほぼ原作通りだが得物が蛇矛ではなく棍になっている(本作では林冲暗殺の首謀者が、原作での友人の陸謙とは触れてない)。
また、原作では「小張飛」と渾名されるように虎のような額を持ち、容貌は張飛と比較されており、上記の劉備のような容貌とは、大いに異なる。
高廉配下の千直を棍で打ち落としている(原作では「于直」で蛇矛で討ち取っている。なお、コミックス5巻p65では「千直」だが、文庫版4巻p84では「于直」となっている)。
ドラマ版の『水滸伝』では彼が主人公となっている(ただし、名前は「林中」)。
秦明
花栄
容姿が原作と大幅に異なり、著者の『魔法使いサリー』に登場するキャラのように尖った髪型で髭面。
原作同様に宋江とは呼び捨てしあうかなり親しげな関係である。性格は原作の自信家的な部分にダンディな部分が加えられている。
花栄を葬ろうとした政敵である奸臣の劉高に、顔面に唾を吐かれて宋江とともに冤罪に陥れられるが、燕順らに救助されて自ら劉高を斬り捨てた。
祝家荘討伐の際に朱富(朱貴の弟)とともに密偵となり、祝家荘の連中に梁山泊の密偵と露見されて、朱富と別れて宋江のもとに辛うじて戻って、敵方の合図の提灯を射ち落とす設定となっている(原典では石秀と楊林)。
郷里の青州攻略では、かつての上司で蔡京の従兄弟の慕容知事(原作では慕容彦達で徽宗の妃の慕容貴妃の兄)を射殺した(原作では秦明)。
柴進
魯智深
武松
精悍な青年と言った容姿。『水滸伝』でも有名な人物にもかかわらず本編には名前すら登場せず、後に外伝が一話立てられている。
外伝と原作の相違点はまず宋江との邂逅が省かれている。兄嫁の潘金蓮は原作より悪女ぶりが強調されていて事件の主犯格になっている。また美人局の王婆さんは登場しない。殺害方法も毒殺による死体の腫れをごまかすため、買収したごろつきに命じて兄の武大にひどい暴行を加えさせそれが死因に見えるようにするなどより周到になっている(本作の武大は妻の浮気には死ぬまで気づいていない)。西門慶に対する仇討ちの舞台は酒屋から西門慶の邸宅に変わっておりそこに居た汚職役人や屋敷の使用人も皆殺しにされており、原作の鴛鴦楼のエピソードと織り交ぜたものとなっている(原典にある自首の場面もなく、人を殺したことによって役人に追われる立場となり、身の置き所は梁山泊しかない描写となっている)。
楊志
青面獣の呼び名のもととなった痣は左半面にべっとりとついており細身で目つきは鋭い。髭は生やしてない。
梁山泊で林冲と遭遇して、東京開封府に戻るも、花石綱運搬の件で失踪したことを高俅に咎められて、官職を罷免された後に、剣を売る際に揉めたゴロツキの牛二を殺害した後、北京へは向かわず、下記の索超と遭遇することもなく、そのまま行方をくらます。
そのため、北京大名府の長官の梁中書(原典では蔡京の娘婿で、北京大名府の知事の梁世傑)の命で、十万貫(生辰綱)護送する途中で、晁蓋一行に奪われる場面は省略され、本作では無名の武官である。
再登場時は、前髪とモミアゲがカールされ、瞳の色が抜けて、いつの間にか魯智深と一緒に二竜山の頭目になっている(武松の登場は省略されている)。
索超
戴宗
劉唐
李逵
史進
阮小二・阮小五・阮小七
張横・張順
解珍・解宝
黄信
孫立
彭玘
欧鵬・馬麟
鄧飛
凌振
終始「轟天雷」と呼ばれている。原作では髭を生やしている以外は特に容姿に関する記述がなかったが、本作ではでっぷりと太った痘痕だらけの髭なしの醜男にされている。今作では、火砲を発明したのは凌振という事になっており、呼延灼について梁山泊に攻め込んだ時の描写も、原作では砦を一つ吹き飛ばした程度だったのが、こちらでは集中砲火で梁山泊に大被害を与えており、梁山泊参加後はさらに連環筒なる大砲の周りに何十もの小砲を積みガトリング砲のように弾丸を連射する大砲を発明するなど活躍が多い。また大砲が破壊されたことで大きな戦力が失われたことよりも、自らの発明が台無しになったことを嘆くなど、ひたすら火砲の開発に意欲を燃やす技術屋としての性格付けがなされている。
王英
扈三娘
樊瑞
本編には登場せず、三本ある外伝のうち、一本の主人公を務める。容姿は総髪に、顎鬚を蓄えた堂々とした若者。甲冑の上からオリエント風の赤いマントを纏っている。
外伝では著者の横山によって幼少時の話が書き起こされている。樊瑞は徐州の貧農の子で、重税のカタに家財道具を持ち去ろうとした役人に抵抗した病身の父が、役人に嬲り殺しにされ、単身敵討ちに乗り込むも返り討ちにあい瀕死の重傷を負う。しかし以前から顔見知りだった芒碭山の隠者に助けられ、彼の元で仙術を学ぶ。成人して、隠者が病死した後、妖術を使って横暴な役人を襲撃するようになり、やがて一山の首領となるという筋である。その後梁山泊と戦って公孫勝に敗れ、仲間になるのは同じだが、まるでいいところがなかった原作に比べ、緒戦では梁山泊軍を翻弄するなど活躍の度合いが増している。
孔明・孔亮
項充
李袞
李忠・周通
鄒淵・鄒潤
朱貴
朱富・李雲
李雲は、原作同様に朱富の武術の師匠で細面で白目、髭面という容姿、朱富は原典のイメージから離れ兄の朱貴によく似た細身の青年である。本作では薊州における楊雄・石秀らのエピソードが割愛されているため、祝家荘篇の導入では、李逵の救出後に李雲と共に梁山泊に向かう途中で祝家荘に立ち寄り、祝家荘が梁山泊打倒を企んでいることを知るという設定になっている(原典では楊雄と石秀)。また李雲は優れた武芸者とされながらほとんど出番がなかった原典と違い、本作は戦場での活躍も多く描かれる。
一方、朱富のほうは、上記にある祝家荘討伐の際に花栄とともに密偵となり、祝家荘の連中に梁山泊の密偵と露見されて、花栄と別れるも彼は捕虜にされ、祝竜によって城壁で「梁山泊の滅亡を様子を見るがいい」と引きずられる場面がある。
李立
孫新・顧大嫂
登場しない主な好漢
天罡星
官軍武将出身の好漢
盧俊義の加入以降に登場した官軍武将出身の好漢は、登場する話自体が省略されてしまい、登場しない者が多い。
- 関勝
- 董平・張清
- 徐寧 - 呼延灼の連環馬を破るためのキーマンだが、彼秘伝の鉤鎌槍は、本作では呉用が発案する。
その他
仲間入りするエピソードはそれぞれ姦通や老婆を痛めつけたり、幼児を惨殺するなど児童誌に相応しくない場面があるため省略された可能性がある。
- 李応
- 朱仝
- 雷横 - 本作で高唐州の戦いにおいて高廉を討ち取るのは孫立である。
- 楊雄
地煞星
地煞星(下級幹部)72人の多くは登場しない。特筆すべきものを挙げる。
- 楊林 - 祝家荘に潜入する役目は、朱富が代わりを務める。正体が発覚した理由も、数日前に朱富が李雲と共に飯屋を訪れて前述のように祝家荘の梁山泊侵攻の話を聞いたため、飯屋の主人に顔を知られてしまったから、となっている。
- 童威・童猛 - 登場シーンで李俊に付き従う人物は、穆弘、張横に変更されている。
- 白勝 - 生辰綱強奪の際、護送隊に痺れ酒を振舞う役は阮小五が務めている。
その他
『水滸伝』において重要な人物であるが、安道全が医者の身でスキャンダル紛いの行為や、張順が安道全の愛人の李巧奴が張順に痺れ薬を盛らした張旺と不倫関係にあったことで、これを殺して、強引に梁山泊に入山させた行為が少年誌に合わなかったために省略されたと思われる。皇甫端に関しては存在が地味でエピソードに乏しかったと思われる。
- 安道全
- 皇甫端
その他原典との相違
- チンピラ時代の高俅を逮捕するのが王進になっているが、原作では王進ではなく父の王昇である。
- 楊志が牛二を殺した後、行方をくらましてしまうため、北京で梁世傑に気に入られ索超と対戦したり、梁世傑の岳父の蔡京への生辰綱の護送を命令され、晁蓋らに襲われるなどの逸話がない。
- 武十回(武松が活躍する部分)が本伝では省略されており、後に外伝で前半部(潘金蓮・西門慶殺し)のみ執筆されたが、後半部(鴛鴦楼の惨殺から武松と宋江の再会まで)は省略されているため、孔明・孔亮などの好漢は、後の呼延灼青州盗賊征伐の段ではじめて登場する。
- 薊州における楊雄・石秀らの逸話が省略されているため、祝家荘の登場場面では代わりに李雲・朱富が活躍する。
- 原作百二十回本で詳細に記述される遼国遠征・田虎・王慶・方臘征伐はあらすじのみに簡略化されている。
- その一方、単行本7巻の終盤に登場する髭面の遼国の国主が登場するが、その名は触れていない。彼は高俅・蔡京・童貫・楊戩ら宋国の四大臣に賄賂を贈って、和睦して梁山泊の攻撃を止めさせているのは、原典に忠実である(原典では遼の国主は耶律輝で、配下に都統軍の兀顔光がいると記されている)。
- 原作では、方臘征伐で多くの仲間を失った後も悲惨な最期を迎える好漢が多く、陰鬱な終幕を迎える。それに対し、本作では原作通りに多くの仲間を失うものの、道君皇帝に功績を認められ、佞臣は叱りを受け、李逵の発言を皇帝が「よく覚えておく」と褒めたたえ、褒賞を得るところで物語が終わり、一応のハッピーエンドとなっている。ナレーションでは「その後任官されてからのエピソードはまだ残っている。しかしこの水滸伝はここで終わる」と語られている。
書籍
発売日・ISBNの順。
文庫版
全6巻。
決定版
B6判。全6巻刊行。
映像化
アニメ
- 『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』(1992年-1998年)
スター・システムにより、戴宗、鉄牛、呉用、一清道人、楊志、黄信、花栄、解珍、解宝、阮少二、阮少五、阮少七、呼炎灼、樊瑞、韓滔(残月)、周通、李忠などが、ビジュアルはほぼ原作どおりだが、超人的な力を持つキャラクターとして登場する。
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