水魑の如き沈むもの
以下はWikipediaより引用
要約
『水魑の如き沈むもの』(みづちのごときしずむもの)は、三津田信三による日本の推理小説・ホラー小説。刀城言耶シリーズの第5長編。
単行本は、2009年12月10日に原書房〈ミステリー・リーグ〉より書き下ろしで刊行された。文庫版は、2013年5月15日に講談社文庫より刊行された。装丁は、単行本がスタジオ・ギブ(川島進)、文庫版が坂野公一(welle design)による。装画は単行本・文庫版ともに村田修が手がけている。
2010年度第10回本格ミステリ大賞(小説部門)を受賞する。「本格ミステリ・ベスト10」2011年版(国内部門)3位、『ミステリが読みたい! 2011年版』(国内編)5位、『このミステリーがすごい!』(2011年、国内編)7位など、各種ミステリ・ランキングで上位にランクインしている。
小説家の光原百合は「擬音語や擬態語を駆使し、肌に迫ってくるような描写は本当に怖い」「不可能犯罪を扱った本格ミステリであり、怪異がうごめくホラー小説でもあり、自然の猛威を背景としたパニック小説の要素まで盛り込まれている」「水魑というパワフルな存在をモチーフにしているだけあって、ストーリーを推し進めるパワーがシリーズの中でも特に大きい」と評価している。
あらすじ
1954年6月、刀城言耶は、23年前に執り行われた水魑様の増儀といわれる雨乞いの儀の最中に、神男を務めた辰男が沈深湖に潜ったまま行方不明になったこと、13年前に執り行われた水魑様の増儀の最中に、沈深湖で神男の龍一が屍体となって発見されたということ、さらにその水魑様の増儀が今年も執り行われることなどを、阿武隈川烏からきく。
言耶と偲は今回の儀式が執り行われる前日に、奈良県蛇迂郡の它邑町で世路と游魔に出迎えられ、同じ郡にある波美地方の五月夜村に入る。翌朝、水魑様の増儀を執り行うため、龍璽と龍三を先頭に総勢26人もの一行が、水使神社を出発し、深通川を遡りはじめる。一行が沈深湖に着く。龍璽らによる楽器の演奏と苅女の富子による舞いが始まる。しばらくして、船頭の悟郎が「神男が死んでいる」と叫ぶ。屋形船に乗りこんだ言耶は、下半身を船底の穴に入れて俯けに倒れたまま動かない龍三の姿を認める。
翌朝、言耶は世路から「龍吉朗が殺された」ときく。水内神社の拝殿にある祭壇の前に倒れている龍吉朗の背中には、水魑様の髭と思われるものが突き刺さっていた。言耶や世路らが事件について議論をしているさなか、辰卅が参道の途中で殺されている旨を游魔が伝えに来る。辰卅の背中には、水魑様の牙が突き刺さっていた。翌朝、言耶は游魔から、流虎が尻尾の先で腰の辺りを刺されたことをきく。そして、言耶が一連の事件について解釈を試みることになる。
登場人物
五月夜村の人々
用語
波美(はみ)地方
它邑(たおう)町
沈深湖(ちんしんこ)
深通(みつ)川
水魑(みづち)
水魑(みづち)様の儀
水魑様の神器
一つ目蔵
ボウモン
マーモウドン
神々櫛(かがぐし)村
備考
- 神々櫛村は、『厭魅の如き憑くもの』にも登場する。
- 蒼龍郷は『のぞきめ』にも登場する。