海皇紀
以下はWikipediaより引用
要約
『海皇紀』(かいおうき)は、川原正敏による日本の漫画作品。『月刊少年マガジン』(講談社)誌上に於いて、1998年3月号より2010年8月号まで連載された。但し、物語の大きな節目には一旦休載され、『陸奥圓明流外伝 修羅の刻』の連載が挟まれた。2006年12月時点で累計部数は1000万部を突破している。
海上で生活する「海の一族」のファン・ガンマ・ビゼンを主人公とした海洋冒険活劇であり、また『三国志』の影響を受けた国同士の謀略劇の要素も強い(作者は本作について「僕にとっての『三国志』」と述べている)。また作者は広島商船高等専門学校出身であり帆船の操船法等、船舶関係の描写は正確である。
世界設定
『海皇紀』の世界は、人類の文明が一度滅亡し、近世レベルまで技術が回復した未来を舞台とする。作者の川原正敏が1巻のあとがきで未来の話と語っている他には作中で明確に語られている訳ではないが、1巻冒頭に「北極星がケフェウス座γ星に移った」と解釈される序文があり、人型兵器が過去の遺産として登場する事等といった描写が成されている(なお、ケフェウス座γ星が北極星となるのは約2500年後である)。
また、英語「アイスダガァ(氷の懐剣)」が古の言葉として登場したり、図面に記述された「Fire」という単語について海の一族が使う独特の古代文字であると述べられる等、ローマ字が古代文字であると描写されている。
イルアンジャ曰く世界は一度滅んでおり、その根幹となったものとしてアインシュタインの相対性理論の公式(E=mc²)が挙げられている。ジオとタイシオの間のサナル海は丸く抉られた様に陸地が無くなっている等海図に描かれる大陸は現在のものとは大きく異なり、エル・グリハラがクレーターの中に存在していた様に地形も大きく変化している。
その他、空には「太古に人が打ち上げた」という伝説もある動かない星(=静止衛星)があり、その方位や高度から自分の位置を観測する、等の描写もある。
現在は陸上には多くの国々があり、互いに覇を競っている。中でも西方の大国ロナルディアは、古の“魔道の業”を復活させ、急速に勢力を拡大している。一方海では、以前から交易や傭兵業等によって栄える「海の一族」が存在し、海洋を支配している。
この時代には石炭、石油と言うエネルギー源が存在しない為、陸上移動は馬、海上移動は船(帆船等)で行われる。「海の一族」は船舶の保有数や操帆技術に優れている為、海洋を支配し続けていたが、ロナルディアが“魔道の業”(カノン砲)を装備した帆船を投入してきた為に一族の覇権が崩れつつある。
あらすじ
以下の章立ては便宜上付けたもので、単行本中では序章以外には章立てやサブタイトルの様なものは付けられていない。
序章
1巻 - 3巻
伝説の大魔道師イルアンジャの情報を求めて辺境の小国ウォルハンの港町に居る魔道師を訪ねたマイア・スアルとトゥバン・サノオは「魔道士アナハラムを訪ねるか、グリハラという土地に訪れよ」との助言を受けた。その帰り道に於いて襲われていたウォルハンの新国王カザル・シェイ・ロンと、そこに居合わせた正体不明の男ファン・ガンマ・ビゼンと偶然に出会い、海の一族を名乗る船乗りであり、グリハラの情報を持っているというファンにそのまま付いて行く事になる。一方、カザルは自国に対し圧力を掛ける隣国クアラとの和平交渉の為、クアラへ向かう船を求めていた。ファンはカザルの求めに応じ、自らが指揮する「影船八番艦」でクアラへと向かった。
クアラ王との和平交渉は決裂し、カザルはクアラの勇将ジンバハルを斬り、ファンの手助けで王宮から脱出する。カザルは最初からクアラと和平するつもりは無かった。直ちにウォルハンの王宮に戻ったカザルは襲撃の黒幕だった大臣ダンマ・ウズキを粛清し、国境の要害ルガイ関でクアラ軍を打ち破るべく出撃する。一方、ファンはクアラ海軍によるウォルハンの挟撃を防ぐ為、影船八番艦ただ一隻でクアラ海軍に挑む。
グリハラ編
3巻 - 10巻
影船八番艦の次の目的地は、マイアの探している大魔道師イルアンジャの情報が得られるという東の島、グリハラ。途中、補給の為に寄った港で天才軍師アル・レオニス・ウル・グルラに出会う。アル・レオニスもグリハラを目指しており、影船に乗船する筈だったが、ウォルハンの進攻を知り決別する。その後、途中の名も無き島で伝説に言う「闇の魔人衆(イベルグエン)」の技を使う男ギルス・ヴェダイを加えた一行は、グリハラを支配していた“導師”を倒し、アナハラムの娘メルダーザを連れてイルアンジャが向かったという内陸の聖地エル・グリハラへ向かう。
エル・グリハラに到着し、遺跡の地下で一行はイルアンジャと会う。しかしイルアンジャは発掘した「土武者」が動かない事に絶望し、精神に異常を来していた。魔道の業「ドルドルーヴォの火」によってファンたちを攻撃するイルアンジャだが、爆風によって突如動き出した「土武者」によって、感動の中撲殺される。トゥバンはファンのニホントウを借りて「土武者」を斬り、窮地を脱出するのだった。
グリハラを後にしたファンの船にオンブルワ・ゼ・フォレスト率いるロナルディアの船が襲いかかってきた。目的はマイアを捕らえる事であり、「ドルドルーヴォの火」によってトゥバンを負傷させるも、ファンの巧みな操船、そして戦闘術の前に敗れ去った。船には魔道の兵器(カノン)が積まれており、それを見たファンはロナルディアとの戦争を海王に提言すべく、海都へ赴く。
海都編
11巻 - 20巻
「海の一族」の首都、海都へ到着したファン達だったが、直ぐさま近衛兵長エギア・アルガマスによって拘束・幽閉された。ファンが会おうとした海王は死去しており、第二子フェルカド・ルーナ・セイリオスが次期海王の座を手中にすべく、エギアとともに海都の実権を握っていたのだった。末子ソル・カプラ・セイリオスの助けも得て脱出したファンは、「海の一族」のしきたりに基づいた次代海王の選出と影船クルーの家族たちの安全の為、海都近衛艦隊との決戦に臨む。
「海の一族」のしきたりでは、7隻の影船の艦長達の剣が捧げられた人物が次代の海王となる。選定の儀に乱入したファンは、自らが先代海王から継承者の資格を認められていた証を示す。票はソルとファンの間で割れ、海王を決める為の次のしきたり、候補者によるレース「王海走」が行われる事になった。
王海走の第一本目をあっけなく落としたファンだったが、その時の仕込みと天運によって第二本目を得る。最終戦となる第三本目、ファンはフェルカドの策をも利用してソル支持の影船を引き離し、先行するソルを猛追する。そして突風によってソルの乗艦は帆が破れ、勝負が着いたかと思われたが……。
ガルハサン編
20巻 - 27巻
王海走の結果「大海帥」の称号を受けたファンは、ロナルディアに唯一対抗出来ると考えられるロン率いるウォルハンの元へと向かう。西方へと勢力を伸ばすウォルハンはロナルディアの同盟国ガルハサンの王都ルグーンに向かう為、ルラン関を避け冬のアルラン山脈を越える奇策に出る。その道は余りに過酷な為、ファン達は彼らの荷を運ぶ為難攻不落のドラガン海峡を抜けようと試みる。その際、北インガルナシオ艦隊海将ジト・サントニウスから廃船寸前の輸送艦を譲り受け、無事ドラガン海峡を抜けたら願いを一つ聞いてくれる様取引し、それを成し遂げる。
他の誰も予測しなかったウォルハンの奇襲だったが、アル・レオニスはこれを読み罠を仕掛けていた。一時退却したウォルハンだったがアル・レオニスの策はまだ続く。陸の上でファンとアル・レオニスとの知恵比べが繰り広げられる。
ウォルハンはルグーンを落とし、アル・レオニスはカザルの下に付いた。ファンたちはアル・レオニスの身柄を狙ったイベルグエン達の襲撃を二度に渡って防ぐが、その際にヴェダイがイベルグエンの「呪」によって一時操られてしまう。父アナハラムがロナルディアに与していると知ったメルダーザと、居場所の無くなったヴェダイはファン達一行と別れを告げる。
ジーゴ・サナリア編
27巻 - 31巻
ガルハサンを離れた八番艦は、西の辺境サナル海へと向かう。そこはサナル海西周辺を支配する海賊「ジーゴ・サナリア」と小戦が絶えない紛争地域であり、一族中屈指のアレア・モス率いる影船四番艦が配備される海域であった。多くの者が四番艦又は海将を味方に引き入れるものと考えていたが、ファンの真意はジーゴ・サナリアを味方に付ける事であった。
商船を罠に襲ってきたロナルディア戦船に苦戦する女戦士アグナ・メラ率いるジーゴの一軍をファンは助け、ジーゴに協力を得るべく単身ジーゴの大長の元へと向かう。ファンの申し出を受けた大長は、一族の若衆の妨害を排除して孫娘でもあるアグナに夜這いを仕掛けて嫁にし、一族の一員になれば認めるというものだった。しかしその真意は、無謀にも一人敵陣に乗り込んで来たファンを、村の若衆の手で亡き者にしようという企みであった。一人も殺さない様闘うファンは苦戦するが、最終的にはその気持ちがジーゴの若衆、そしてアグナにも伝わり、ジーゴ・サナリアはファン・ガンマ・ビゼンと共に戦う事を決意する。
無事八番艦に帰還したファンの前にアレア・モスが現れる。ロナルディア船を倒し、ジーゴを仲間に付けたファンは、ロナルディアと同盟を組もうとしている海王ソルにとって許せるものでは無いと言う。多くの者が手を貸してくれると思っていた中、アレア・モスは海王に自分の見た事のみを報告すると言い去って行く。
ファンはソルと戦う戦力を得る為、サナル艦隊を「貰いに」行く。ソルによって新しく任命されたサナル艦隊海将ウォルカ・ベアスは若くして海将に選ばれる程の実力を持っていたが、部下を駒の様に扱う人望の薄い男であった。ファンはそこを突き、見事ベアスを追い詰める。ベアスはアグナの銛によって命を落とし、残ったサナル艦隊はファンの説得、人徳によって共に戦う事を誓う。
かくしてサナル艦隊、ジーゴ・サナリアを味方に付けたファンは海の一族を一つにすべく、海王ソルとの戦いに臨む。
海都攻防編
31巻 - 33巻
サナル艦隊、ジーゴ・サナリアと共にソルと戦う為、海都に向かうが途中、大きな嵐がやって来る。ジーゴ・サナリアの船は筏同然である為、そのままではジーゴ・サナリアの船はひとたまりもない。そこでファンは機転を利かせ、ジーゴ・サナリアの船同士を繋いで、嵐を乗り切る。
一方海都では、アレア・モスが海王ソルの元に自分の見てきた事を報告する。海王ソルは、報告からファンがジーゴ、サナル艦隊を率い海都へ攻めて来ると判断、サナル艦隊を除く全艦隊と7隻の影船を召集し、ファンの率いるサナル艦隊、ジーゴ、影八番艦連合軍を迎え撃つ事を決める。
海都に到着したファンの率いるサナル艦隊、ジーゴ、影八番艦連合軍はついに海都に集結した6艦隊、7隻の影船、そして近衛艦隊との戦いに突入する。
ホルアフト海戦編
34巻 - 37巻
ファンはロナルディアのカノン連合艦隊と戦う為、300隻近い主艦隊を陸送し、敵艦隊の背後を突くという作戦に出た。更に、その背後へ回った艦隊の1/3を火艦として敵の3艦隊へ突入させ、カノン艦隊を完膚無きまでに壊滅させた。
カノン艦隊の全滅を受け、ロナルディアでは海をフォレスト、陸をガッツォの布陣が漸く整い、帝都決戦に向けての準備が着々と取られていた。
一方ロナルディ於いて勢力を伸ばしていたクラッサ・ライの目の前にマリシーユ・ビゼンが現われた。マリシーユはパンニャーの卵の守人で、ライはその守人を守護する役であったが、30年程前にライはそのパンニャーの卵を盗んで出奔していた。マリシーユは、パンニャーの卵が既に孵されていた事、そしてその中にあったのが、メルダーザだった事を理解する。しかしながら、同時にメルダーザの覚醒の兆しを察したライによりその場を追われてしまう。
こうして、全ての流れが帝都ラオン・ヴラへと集約されていく。
帝都決戦編
38巻 - 43巻
帝都ラオン・ヴラの目前、最後の補給地となった入江に於いて、ファンとフォレストの直接対決が始まった。フォレストは手持ちの艦船に移動カノンを搭載し、即席のカノン艦隊を編成してファンに挑んだ。曇天、無風という悪条件が重なり、さしものファンもあわやと思われた時に、ソルとコル・セイリオス、そしてそれに載せられて来たジーゴ・サナリアが現われ、危機を救った。
体制を立て直したファンは、肝心な部分のみ記載されていない作戦図面を、わざとロナルディア側に奪われたという状況を作り出した。これはフォレストの旗艦を1隻のみで湾内を遊弋させる為の策であった。そこに、少人数による小艇で乗り込んでトゥバンがディアブラスを倒し、ロナルディア海軍を降服させた。この戦いに於いてソルは右腕を失い、海都へ帰還してから海王の座をファンに譲る事を告げた。
陸に於いて魔道部隊と対峙したウォルハン軍は、アルコール度数80度を超えるレアニ酒を小瓶で投擲する事で誘爆を誘い、これを無力化したと思わせる事でロナルディア軍に勝利し、ついに帝都を陥落させた。
アナハラム編
43巻 - 45巻
帝都に辿り着いたファン達であったが、そこには既にメルダーザの姿は無く、アナハラムや女帝に連れられて離宮へと移った後であった。メルダーザは既に覚醒しており、ライに呪を掛けられて森守の制御装置に繋がれており、アナハラムとライ以外の声は聞こえなくなっていた。
ファン、マリシーユ、トゥバン、そしてヴェダイの4人が離宮へと向かった。離宮の入口には森守が居て4人の侵入を拒んだが、マリシーユの姿が見えなくなり、トゥバンがその動きを食い止めている間にファンとヴェダイが離宮への侵入に成功した。離宮の中にはアナハラム、女帝、ライ、2人のイベルグエン、そして森守の制御装置に繋がれたメルダーザが居た。外ではトゥバンと森守、中ではヴェダイとイベルグエン2人、ファンとライの正に死闘が繰り広げられていく。
そんな中、マイアとアグナは、八番艦を離れ、2人で離宮へと向かったものの、入口でのトゥバンと森守の死闘を見て、その凄まじさに身動きが取れなくなってしまう。
イベルグエン、ライ、そしてアナハラムを何とか倒したものの、メルダーザへ掛けられた呪はマリシーユにも解く事が出来なかった。いよいよ森守がトゥバンを倒そうとした時、思わずマイアが飛び出して、メルダーザに許しを乞うた。装置の中で半ば理性を失っていたメルダーザはマイアを羨み、マイアさえ居なくなればと考えてしまい、森守の機銃でマイアを撃ってしまう。メルダーザが自身の行動に驚き森守の動きが一瞬止まった隙を突き、森守の頭部へ一閃。トゥバンはついに森守を倒した。 しかし、自分の心の醜さにショックを受けたメルダーザの精神は、自らを深みの中へと沈めてしまおうとする。それを救ったのはヴェダイの声であった。メルダーザは、常に自分と一緒にいて、自分の為に戦ってくれたヴェダイへの愛に気付き、こちらへ戻ってくる事が出来た。
森守の機銃により瀕死の重傷を追ったマイアには、マリシーユがビゼンの里に代々伝わる古の特別な薬の最後の1本を投与して、自分と同じ様にちょっと若くて、軽く不死身な身体にする事でその生命を救った。
こうして大陸はカザル・シェイ・ロンにより平定され、統武と改元し、海の一族はファン・ガンマ・ビゼンを新たな海王として頂き、共に繁栄していく事となった。
メルダーザは、自身の身の回りで起きた事を後年書物に纏めた。その題名を海皇紀という。
登場人物
影船八番艦
ファン・ガンマ・ビゼン
本作の主人公。影船八番艦の艦長。本来は海王直属である筈の影船を自由に動かし、幻とも言われる伝説のニホントウを持つ謎の男。
母親はマリシーユ・ビゼン。父親は物語後半で前海王レグルス・マリキ・セイリオスである事がマリシーユとソルの会話から語られる。物語の中盤で、成り行き上ジーゴ・サナリアのアグナ・メラ・ジーゴと婚約する。
海都へのガイドは鯱の「ナギア」(他の影船艦長は海豚を従えている)。
この世界では絶滅したと思われている鷹「ルファ」を常に従えている。
「怠け者・稀代のペテン師」を自称し、基本は怠けて(沢山貸しを作って、その利息で老後を暮らすのが夢と語る)何事もふわふわとはぐらかすが、仲間を思う心は篤く、多くの者が惹き付けられる不思議な魅力(ニッカ曰く「とてつもなく広い器だが、底に大穴が開いている」)を持った男。他人を適正に評価する目が有り、アル・レオニスやフォレストの才能を的確に評価しているが、自身に対する評価を見誤りがちな面があり、後にジンを失う遠因となる。
八番艦の操船は基本的にナオが行っているが、その操艦技術は歴代海の一族の中でも比肩する者は居ないとされている。風や地形を的確に読む事で相手の艦を座礁・減速させ行動を奪う等して1対多数の海上戦闘でも味方の被害を最小限に抑えている。
副長のハルバートはジトに対してファンを「アヌアビス・プロシオンが300年に1人の船乗りならばファンは1000年に1人の船乗りであり、比肩できる者など居ない」と評している。
自身の戦闘能力も非常に高く、ニホントウを用いた戦闘ではディアブラスに勝利しており、体術もマリシーユから習った体術(イベルグエンの体術に近いもの)を用いてニホントウが手元に無い場合でもクラッサ・ライを本気にさせるだけの実力がある。
各国の情勢・海の状況(潮流等)を見聞きし、海王へと報告する事が本来の影船八番艦の艦長の職責ではあったが、ウォルハンの港でカザル・シェイ・ロンやマイア一行と出会ったことを切っ掛けにグリハラへ向かう事となる。その帰路でフォレスト一行の襲撃を受けた際にカノンの威力を目の当たりにした事でロナルディアを危険視する。得た情報を海王レグルスに報告する為に海都に帰還したが、海王レグルス事故死に際するフェルカド一派の策略により影零番艦(八番艦)の不正占拠及び使用の罪で逮捕されてしまう。その後帰都したソルの手引きで脱獄、海都から脱出し海都近衛艦隊との艦隊戦を制した後(結果としてソルの預かりとなった)、正式な海王を選定する為の儀を改めて行うに際して4人目の候補として名乗りを上げる。影の間での投票の結果としてソルとファンに票が割れた為、王海走を執り行う事となる。結果として負ける形(第3戦のレース結果を監視艦は僅差でファンの勝利であると長老部に報告している)となりソルが海王となるが、”おみやげ”として『大海帥』の称号を得て(但し、海王からの全権委任が無ければ何の権利も無い只の名ばかりの名誉職)行動を開始する。海都攻防編後は海王ソルより全権を委任され、ロナルディアと戦争に踏み切る。
ロナルディアとの戦いが終わった後、ロナ海海戦の際に引退の意思を表明していたソル・カプラ・セイリオスの跡を継いで、海王となる。また、これと同時にジーゴ・サナリアの首長も兼任し、双方へ発展をもたらした。
海王就任後に、かねてより婚約していたアグナ・メラ・ジーゴと結婚。長女と長男を儲ける。海王の地位に50年就いた後、妻の死と共に海王を引退した。後に長男はジーゴ・サナリアの長となり、長女はソル・カプラ・セイリオスの一子と結婚し、その子がファンの跡を継いで海王となった。
妻アグナを亡くした後、その妻自身からの申し入れもあり、亡くなるまでの20数年を、マイア・スアル・オンタネラと共に過ごし、少なくとも一子を儲けた。その子がアグナの孫の跡を継いで海王となる。
その最期は10日間ほど病臥した後、八番艦で出航、デッキで立ったまま笑みを浮かべての大往生だった。統武七十三年没、享年101。母マリシーユ・ビゼンの使用した古の特別な薬の影響か、実年齢よりも若く見え、長寿であった。亡くなって後、海皇と諡号される。
トゥバン・サノオ
北方の国エンロノイア出身。かつて何人たりとも敵わなかったテラトーの森守を唯一撃退した(実際は森守に設定されていた防衛範囲外にトゥバンが押し出された為に森守が退いただけであるが、その他の挑戦者はそうなる前に全員が殺害されている為、それだけでも常人を超えた実力者である事が証明されている)。人物として、大陸一と評される伝説の兵法者。しかし、内には森守と闘い、倒す為に強い渇望が燻っている。ロナルディアによるオンタナへの王都襲撃の際にマイアや宮廷魔導士ベリアナスと共に逃げ延びるが、その際にベリアナスからカガクを求めろとの助言を受けてマイアと行動を共にしていた。
劇中ではその異名に違わぬ強さを見せ、その実力はファンからも本来誇張されやすい伝説の方が大人しい(頻繁に見せていたら世の中から人が居なくなると評した)と評される程。その強さ故に名剣ですら剣の方が保たずに度々戦闘中に剣が折れて(作中では3度)しまい、彼も自身の力に耐えられる剣が無い(この世界には優れた剣を鍛える技術が失伝している為)事を多少なりとも憂いている。劇中で本気を出したのは3回(土武者・ディアブラス・森守)のみ。
ロナルディアとの戦いの中でディアブラスに勝った際、相手より古の技術により作られたという剣を譲られる。ロナルディアとの戦いが終結した後は、ディアブラスの部下であったカンタァクを伴い、兵法求道・指南の旅へと出た。10年後にディアブラスとの約定でもあった、古の剣をカンタァクに譲った。なお、その最期は明らかになっていない。
マイア・スアル
ニッカ・タンブラ
影船八番艦クルーの一人。主計長。ファンの副官でもあり最も信頼する男である。ハチマキがトレードマークで、常に冷静な態度を崩さず、影船の経済、渉外、調達等幅広く活動するが、やや毒舌。マリシーユからは「皮肉屋のしぶちん」、司厨長のイゲからは「しみったれ」と言われる。また捉え所の無いファンの意図の解説役。
海の一族としては致命的なカナヅチという欠点がある。
ロナルディアとの戦いが終わった後も、八番艦主計長という地位を他に譲らず、大役に就く事は無かった。しかしながら、海の一族の海運業発展は彼の働き無くしては半分にも満たなかったであろうと常に語られる。スクラ三姉妹の次女エールラと結婚し、一子を儲けた。統武六十六年没、享年93。
ジン・パベル
影船八番艦クルーの一人。航海士。海都一の弓の名手(ジンの代わりの弓取りとしての実力を見せる為に100メード先の標的を的中させる事が出来たエールラをして、ジンなら出来るが自分には出来ないと認める様な難易度の高い標的も射抜ける)。後世では海皇ファン・ガンマ・ビゼンの親友・片腕と言われている。父親はサナル海将老のオブキン・パベル。八番艦クルーがファンを信頼はしているが尊敬はしていないとしている中、唯一ファンを尊敬している奇特な男とトーマには茶化されている。アグナが八番艦に乗艦した直後は気に掛かるあまり、マイア以上にファンを注視し、ニッカから「女が気にするならともかく、男までは面倒見切れない」と言われる。ドラガン海峡攻略に際しては輸送艦を操船する等、操船技術もある模様。海都攻防編でマルキュリの凶刃からファンを守り命を落とす。ロナルディア連合艦隊との海戦を行ったホルアフト海峡は、後世ファン・ガンマ海峡になる所をファンの強い希望でジン・パベル海峡へと改名された。また、ホルアフト海峡戦前の艦隊陸送ルートは、ファン自ら「ジン・パベルの道」と名付けた。
ナオ
ハルバート・セグノ
ギルゴマ・ジフン
影船八番艦クルーの一人。ファン専属の艇長(コクスン)で平時は付き人・太刀持ちの役もこなす、一族一の力持ち。生まれは海の一族ではなく、ケイムリンの商船に乗船中に嵐に合い漂流していた所を救われた。「海都の喧嘩王」の異名を持ち、海都の水門の番人を務めていたが無断で水門を開けようとするファンに敗れ、水門を開けるのに手を貸す。その罪により、一時幽閉されるがファンによりウラニスと共に助け出され、その人柄に惚れてファンの為に命を捨てない事を条件にファンから影船クルーになる事を認められる。その後はその怪力を生かして、ガルハサン戦での潰走時にはウォルハン軍の兵糧を人力で運び出し、海戦では敵艦乗り込みの際に艦下からファンやジンを人間カタパルトの様に艦上へ放り投げる力業も披露した。
初登場時には何人をも寄せ付けぬ雰囲気があったが、八番艦乗船後はクルーと良好な関係を築き、ジーゴ・サナリア編後はサクゥと抱き合う等、本来は人懐こく気さくな人柄の模様。
ファンが海王となって後もその艇長として仕えて統武五十年、海王引退の10日後に、ファンに看取られながら亡くなった。
ウォルハン
カザル・シェイ・ロン
ウォルハンの国王(ロン)。物語開始の2ヶ月前に父王の死去により即位。ファンやトゥバンには「大馬鹿」と評されたが、一方アル・レオニスは「覇王の器」と評した。序章でファンの手助けによってクアラを討つ。その際に船賃として1億ゴルドを支払う約束をしており、この約束は大陸平定後に100年の分割払いとして契約された。クアラ攻略後は破竹の勢いで東方諸国を併呑していきガルハサンでの決戦の後、アル・レオニスを幕僚として加える。かつて「興武王」と呼ばれたウォル・シェイ・ロンと同じ痣が胸にあり、「興武王の再来」と噂される。また、「民衆より搾り取らない」という噂も一人歩きしており、急激な拡大と共に補給が痩せ細る事(占領地で実際に搾り取らない為)も起きている。トゥバン程では無いが、剣術も最前線を無傷で通り抜けたり、ガッツオを斬る寸前に急に飛び出してきた犬を当てない様振り抜く芸当も出来る程に腕が立つ。
大陸を平定した後も、国内に戦いがある毎に自ら先陣を切って駆け巡った。生涯妻帯する事は無く、世継ぎを儲ける事は無かった。
その最期は北国モーリティアで、その地で起きた動乱を鎮圧した後、敗残兵が放った矢を、臣下を守る為に自ら受けて亡くなった。統武二十六年没、享年53。統武王を諡号される。
アル・レオニス・ウル・グルラ
“放浪の大軍師”チャダの弟子。ガルハサン国王に任官し、見聞を広める為各地を回っていた。チャダをして「我より10倍の才」と言わしめ、ファンにも「出来るなら味方にしておきたい」と言わせる程の才能の持ち主。諸国見分の旅の途中でアナハラムと出会い、グリハラの地図を渡される。その後カロの港でグリハラへ行くための手段を探している最中に寄港した影船八番艦を発見、オリカを通して艦長の人と成を確認する様に依頼する。その後の報告でファンが一筋縄ではいかない相手と理解し直接グリハラへの船を向ける様談判した。その最中で発生した組合同士の諍いを計略によって諌め、改めてファンに自身の知恵を認めさせた。一度は八番艦に同行する予定ではあったが、カロの港に座礁した船舶からの情報でウォルハンがクアラを攻略したとの報を聞き、任官しているガルハサンへの報告へ帰るかそれを無視してファンたちに同行するか思い悩みサイコロで行き先を決めようとするが、結果を見る前にファンからすでに自分の中に答えが出ている事を指摘され、ガルハサンへ帰任した。(賽の目は同行を示しており、ニッカからはアルが敵になってしまう事を懸念されていた。)その後は幕僚としてウォルハンを迎え撃とうとするが、若さやその才能を妬む王宮守将エイザックの機微を読む事が出来ず、最後には味方に裏切られた事により首都ルグーンを落とされてしまう。ガルハサンでの決戦の後、カザルの呼び掛けに応じウォルハンに降り、軍師としてカザルの右腕となる。イベルグエンからの再三の襲撃に対してカザルが組織した黒竜騎と呼ばれる黒衣の精鋭部隊100人に常に守られている。軍略・政略全てに長けており、ガルハサンの戦後処理から、空城の関を一見しただけでガッツオの策を洞察する等、策略家としてはファンに匹敵する。
ロナルディアとの戦いが終結してすぐに、カザルの妹サリウと結婚し、少なくとも3人の子を儲けた。その長子が後にカザルの跡を継いでロンとなり、三男は史家としてカザルの覇業を「統武征史」という記録に編纂する。大戦後は統一憲法を起草、ウォルハン大帝国の礎を築いた事績は後世に於いてカザルよりも高く評価されている。統武四十八年没、享年75。
サリウ・シェイ
グリハラ
ギルス・ヴェダイ
メルダーザ
アナハラムの娘。ヴェダイとは幼い頃共に過ごした。八番艦にはグリハラで乗船。その後、アナハラムがロナルディアと組んでいる事を確かめるため、影船を去り、ヴェダイと共にロナルディアに向かう。その後パンニャーの卵が孵化した者と判明し、覚醒。クラッサ・ライに「呪」を掛けられ、森守を操る傀儡と化す。当初よりファンに惹かれていたが、森守の傀儡から目覚める際に、ヴェダイの大切さに気付き、後に結婚する。マイアやマリシーユと同じ処置を施されているらしく、120年程度の寿命を持っている。
パンニャーの卵とは、古の知識を後世に残すための人工冬眠装置の様なものだったらしく、その中に居たメルダーザの脳内には、カガグや言語等の知識が埋め込まれていた。森守の傀儡から目覚めた後には、その知識がまだ自分達には早いと悟り、さらに後世に残すために書物として著した。
アナハラム
名目上メルダーザの父。闇の魔人衆イベルグエンを従え、イルアンジャについて知っていたという魔道師。メルダーザを含むファン一行がグリハラを訪れた際には、既に双子の下人を残してグリハラを去っていた。現在はロナルディアに与していると言われている。初期から名前のみが登場する。
その正体はロナルディアの先帝の弟「ムジク・タイ・ダ・ロナル」であった。暗愚な王だった兄を諌め続け、専横を図る家臣に暗殺されかけるが脱出、以後「アナハラム」を名乗り魔道の力を求め続けた。
カガクを神・正義の力と妄信し、レアニ女帝の非道を指摘しながら、己が死ぬ際にはラオン・ヴラを焼き討ちする様メルダーザに呪を掛ける等、決して善良な人物ではない。戦後は幽閉され、統武十二年、自らの正当性を訴え続け最後には「神は居ないのか」と言い残して没した。
ロナルディア
オンブルワ・ゼ・フォレスト
ロナルディア海軍、最年少の艦長。ファン曰く「自分、ソルに続いて世界で三番目の船乗り」。カノン砲を搭載した最新鋭の巡洋艦を与えられ、影船八番艦を追跡していた。手堅い操艦をする、厳格な武人。ファンと同じく、これから訪れる嵐を先読みする事が出来、ファンからも超一流と言われる。ファン達には俊英艦長として警戒されている。が、ファン達に負けた後、10人程度の小船で首都港湾の哨戒任務という閑職に追いやられる。後にロナルディアに新設された第四艦隊の艦隊司令に任命されたが、肌の色の違いやファンによる流言等で上層部には疎まれており、艦隊の中身は一隻と半隻(建造中)のみで、しかも残りは旧式艦を改修して廻す予定等、差別的待遇を受け続ける。それでもその地位を最大限利用し、主力艦隊壊滅による海相の全権委任で艦の改装や戦力強化に勤しむ。帝都近海決戦に於いてはガッツオより譲り受けたカノンを使い、海の一族に大打撃を与えるもファンの策にかかり敗北した。
カザル・シェイ・ロンによる平定の後、ファン・ガンマ・ビゼンの願いにより、ロナルディア海軍のナルド海司令官となり、海の一族に代わってその海を治めた。
ディアブラス
カンタァク
ガッツオ・ルード・オルドディア
海の一族
ソル・カプラ・セイリオス
先代海王の末子。影船七番艦に乗って帰都し、しきたりに則った海王の選定を求める。年少の時、ファンに一度負けた事がある。アレア・モスをもって、他の2人とは器が違うと言わしめた。王海走に(真偽はともかく、公式には)勝利し、新たな海王となる。ファンの器量・実力・運に少々劣等感を持っており、それが彼の思考・行動に様々な影響を与えている。帝都近海決戦ではファンの策による演技のため、ディアブラスより右腕を斬られる重傷を負うが、生還。ロナルディア戦後はファンに海王の位を譲り、隠居した。「ファンに勝ちたければ味方になる事だ。そうすれば一度は勝てる」と語ったという。統武四十年没、享年69。
スクラ三姉妹の長女ライエを娶り、ロナルディア戦前に長男を授かる。後にこの長男とファンの長女が結婚し、その子がファンの跡を継いで海王となった。
マルキュリ・オ・スクラ
エールラ
イルカノ・ジバステン
フェルカド・ルーナ・セイリオス
ウォルカ・ベアス
ウラニス・セグノ
ウルキ
アヌアビス・プロシオン
ジーゴ・サナリア
アグナ・メラ・ジーゴ
海賊「ジーゴ・サナリア」の大長の孫娘。自身も組長になる程の実力を持つ。成り行きでファンの許嫁となり、乗船。銛の名手。本作ヒロインとしては巨乳である事を自覚している。男勝りの性格で頭に血が上りやすいが、一族の急場でも冷静な、組長に相応しい判断力も併せ持つ。その反面、教養は余り無い様で、少し難しい言葉が出てくると理解出来ずに頓珍漢な反応をする一面がある。
後にファンの妻となり、2子を儲ける。その死の床にオンタナからマイアを呼び、自分の死後ファンと結ばれる様に諭した。ロナルディアの離宮へ向かう際にマイアに話した「かっこうええ死に方がしたいのぉ」の言葉通りに統武五十年没、享年68。海都の自室の壁には故郷サナル海の海図を掛けていた。
サクゥ
クビンラ・ババ・ジーゴ
闇の魔人衆(イベルグエン)
クラッサ・ライ
イベルグエンの長。イルアンジャと同じく、「クラッサ・ライ」とはイベルグエンの長が代々襲名する名前であり、本名はシーヴァ。歴代の魔人の中でも屈指の実力を誇り、森守ですら自分に攻撃を当てられぬと豪語する程脚に自信を持っている。長であるが故か本来イベルグエンには無い技も知っている。
イベルグエンは、本来ビゼンの里で主筋たるビゼンの家の者を守る事を務めとしていたが、シーヴァは外界でその力を試す誘惑に駆られ、ビゼンの家が守るパンニャーの卵を盗んで出奔した。その後ロナルディアと結んで勢力を増大させた。
シーヴァとマリシーユ・ビゼンは、若い頃お互いに惹かれ合っていたと思われる節がある。しかし、シーヴァの野望がそれに勝り、結局二人が結ばれる事は無かった。
メルダーザを救出する為に離宮へ攻め込んできたファンと一騎討ちとなったが、足でニホントウを操るというファンの奇手を読めずに敗れた。その死の直前にはファンに力を貸し、それが故にファンはアナハラムを倒す事が出来た。
ドウ
ジ
ドウの代わりに来た男(氏名不詳)
ジと共にガッツオを奪いに来た男(氏名不詳)
ジと共に離宮でヴェダイと闘った男(氏名不詳)
その他
マリシーユ・ビゼン
ファンの母親。ファンに体術、ニホントウ、気象に関する科学知識等を授ける。海の一族ではないが、先代海王に愛されファンを身篭り、その後当時の零番艦を八番艦として授かった。艦長あるいは船長と呼ばれる事を嫌がった為、船員達からは海子守(みこもり、ハルバートが名付けた)と呼ばれる。容姿はファンの母親とは思えない程非常に若々しい。ファン以上に惚けた性格で、彼を閉口させられるほぼ唯一の人物である。連載開始時から消息は不明のままであったが、34巻で初めて登場した。
その若さの秘密はビゼンの里に伝わる「古の特別な薬」によるもの。この薬には、身体を活性化させ、老化のスピードを落とし、寿命を伸ばす作用がある。息子よりも長生きし、統武八十年没。パンニャーの卵を守る守人としての使命に生きた人生に対しての皮肉か、マイアとメルダーザに看取られながら、全く意味の無い言葉(ヘメロペカペカ)を発して世を去る。享年125。
作中用語
イベルグエン
影船
影船のオリジナルは零番艦と別名される八番艦であり、その正体は海都や森守同様古代の遺産である。八番艦は、ロナルディアとの大戦で座礁・廃船となった二代目コル・セイリオスに代わって、ファンが海王を引退する統武五十年に三代目コル・セイリオスにその座を譲るまで一族の旗艦であり続けた。
実際に世界が滅亡したのが何年前かは判明していないが、作中世界の文明が形成される以前のものにも関わらず船体に目立った損傷や腐蝕は無く、大波に飲み込まれても船体が破損せず、全速力の中型船の衝突にも耐えている。
残りの影船は八番艦を模倣して海の一族がイルアンジャの力を借りて建造したもので、作者によると内部に動力機関があるかもしれないとの事。但し船体後部にスクリュー等の装置は無い。
一番艦 - 帆装:バーク / 艦長:ナルドロフ・ヴェザ / 担当:北インガルナシオ海
二番艦 - 帆装:バーケンチン / 艦長:ザンチャオ・ナウト / 担当:西インガルナシオ海
三番艦 - 帆装:バーク / 艦長:グルミア・アフレイル / 担当:ウンジロ海
四番艦 - 帆装:バーケンチン / 艦長:アレア・モス / 担当:サナル海
五番艦 - 帆装:バーク / 艦長:クラ・ミグナム / 担当:ハンダン諸島
六番艦 - 帆装:バーケンチン / 艦長:イバト・ルタ / 担当:東アヌアビス海
七番艦 - 帆装:バーケンチン / 艦長:ギジン・ドラル / 担当:西アヌアビス海
八番艦(零番艦) - 帆装:トップスル・スクーナー / 艦長:ファン・ガンマ・ビゼン
コル・セイリオス
土武者
ニホントウ
黒竜騎
海兵隊
魔道部隊
ディアブラスの剣
修羅の門のスピンオフ作品「陸奥圓明流異界伝 修羅の紋 ムツさんはチョー強い?!」では、柄(え)が違うだけで刀身から鍔まで全く同じインフィニオスと言う剣が登場する。
地名
イルアンジャ
ウォルハン
海の一族
エンノロイア
オンタナ
海都
ガルハサン
カロ
クアラ
グリハラ
サナリア諸島
ヌライナ本島
ジオ
ブイン
ロナルディア
カガク
この世界には“魔道の技”と呼ばれる「カガク」の存在がある。詳細に関しては殆ど伝えられておらず、現実世界に於ける空想の産物である魔法の様なものの様に捉えられている。実際には現実世界の科学とほぼ同意語だが、その科学レベルには幅がある。現実世界では14世紀頃には既に使われていた大砲の様な物から、現在の技術でも実現不可能な二足歩行の戦闘用ロボットまで、全てを纏めて「カガク」としている。
ルドランの眼(ルドランのめ)
雷の剣(いかずちのけん)
エクタルの石(エクタルのいし)
ダンドーの耳(ダンドーのみみ)
森守(もりもり)
ガルディアン
ドルドルーヴォの火(ドルドルーヴォのひ)
カノン
海都(かいと)
“星”
パンニャーの卵
ビゼンの秘薬
書誌情報
単行本
- 川原正敏 『海皇紀』 講談社〈KC月刊マガジン〉、全45巻
- 1998年8月17日、ISBN 4-06-333637-9
- 1998年11月17日、ISBN 4-06-333655-7
- 1999年2月17日、ISBN 4-06-333667-0
- 1999年5月17日、ISBN 4-06-333678-6
- 1999年8月17日、ISBN 4-06-333690-5
- 1999年11月17日、ISBN 4-06-333703-0
- 2000年2月17日、ISBN 4-06-333713-8
- 2000年5月17日、ISBN 4-06-333724-3
- 2000年8月10日、ISBN 4-06-333733-2
- 2000年11月16日、ISBN 4-06-333745-6
- 2001年1月17日、ISBN 4-06-333755-3
- 2001年5月17日、ISBN 4-06-333769-3
- 2001年9月17日、ISBN 4-06-333781-2
- 2002年3月15日、ISBN 4-06-333811-8
- 2002年9月17日、ISBN 4-06-333842-8
- 2002年12月17日、ISBN 4-06-333854-1
- 2003年4月17日、ISBN 4-06-333874-6
- 2003年7月17日、ISBN 4-06-333888-6
- 2003年10月17日、ISBN 4-06-333903-3
- 2004年3月17日、ISBN 4-06-333926-2
- 2004年6月17日、ISBN 4-06-333937-8
- 2004年9月17日、ISBN 4-06-370951-5
- 2004年12月17日、ISBN 4-06-370963-9
- 2005年3月17日、ISBN 4-06-370978-7
- 2005年6月17日、ISBN 4-06-370991-4
- 2005年9月16日、ISBN 4-06-371008-4
- 2006年3月17日、ISBN 4-06-371033-5
- 2006年6月16日、ISBN 4-06-371047-5
- 2006年9月15日、ISBN 4-06-371058-0
- 2006年12月15日、ISBN 4-06-371070-X
- 2007年3月16日、ISBN 4-06-371083-1
- 2007年6月15日、ISBN 4-06-371092-0
- 「EXTRA EDITION」2007年6月15日、ISBN 4-06-362081-6
- 2007年9月14日、ISBN 4-06-371108-0
- 2007年12月17日、ISBN 4-06-371119-6
- 2008年3月17日、ISBN 978-4-06-371132-5
- 2008年6月17日、ISBN 978-4-06-371148-6
- 2008年9月17日、ISBN 978-4-06-371161-5
- 2008年12月17日、ISBN 978-4-06-371175-2
- 2009年3月17日、ISBN 978-4-06-371187-5
- 2009年6月17日、ISBN 978-4-06-371195-0
- 2009年9月17日、ISBN 978-4-06-371205-6
- 2009年12月17日、ISBN 978-4-06-371223-0
- 2010年3月17日、ISBN 978-4-06-371233-9
- 2010年6月17日、ISBN 978-4-06-371244-5
- 2010年9月17日、ISBN 978-4-06-371254-4
- 「EXTRA EDITION」2007年6月15日、ISBN 4-06-362081-6
関連書籍
- 『海皇紀 アルティメット・ガイド』2006年9月15日、ISBN 4-06-372199-X
- 『海皇紀 アルティメット・ガイド THE FINAL』2010年9月17日、ISBN 978-4-06-375965-5
ゲーム
三国志大戦
2005年稼働の三国志大戦では、川原が担当するカード・イラストは海皇紀の登場人物に酷似している。これは32巻EXTRA EDITION付属の小冊子によると、SEGAからの要望によるもの。また32巻EXTRA EDITIONには、三国志大戦用の限定カードも付属している。
2016年稼働の三国志大戦では、2019年5月より本作のファンをモデルにした劉備(声 - 益山武明)が登場している。